奏~かなでうた~詩

自作詩を書いています。自分の心と向き合いながら。

何処-いずこ-へと……

2013-11-26 | 心詩~こころうた・己
絶望に囚われたまま
心は体から切り離される

 ココカラスクイダシテ
 ココカラスクイダシテ

叫びは声を伴わず
虚しく大地に踏みにじられる

 コノママジャイケナイ
 コノママジャイケナイ

封じ込めた自我は覚醒し
彷徨う心を取り戻す

 ダレニモジャマハサセナイ
 ミンナワタシノテキナノダカラ

世界のすべてを拒絶して
辿り着くべき場所は何処に──

秋が終わるよ

2013-11-13 | 詩詠~うたうたい
寒々とした黒い夕暮れは
たまらなく孤独を噛みしめ
冬へと向かう寂しさに
人恋しさを募らせる

会いたい人とは
いつ会える
とっくに季節は
過ぎてしまった

私はどれだけ
愛されているだろう
私はどれだけ
愛せているだろう

食い違う思いの深さ
すれ違う時間の中で
信じて待つことを
待つしかないことを
弱い自分を思い知る

冷たくなった指先を
ぎゅっと握りしめて
そっと息を吹きかける

会いたいのは 君だけ──

KU・RI・KA・E・SHI【三行詩】

2013-11-11 | 三行詩~せきらら
死にたい まで落ち

また

生きたい と思い

人間嫌い

2013-11-08 | 心詩~こころうた・己
後味の悪い別れが
人間嫌いを加速させる

俺が悪いんじゃない
誰が悪いわけじゃない

そうなんだろう?

すべて分かり合える
人間なんていやしない

はなっから
人間なんて信じちゃいない

だから
誰とも分かり合えない
自分から人を遠ざける

その別れが
ほんの少し早いか遅いか

ただ それだけのこと

別れなんて 悲しかない
人はみな
別れるために 出会うんだ


未熟者

2013-11-06 | 心詩~こころうた・己
この心は
油断をすれば
すぐに苛立ち
すべてを
投げ捨てようとする

この心は
油断をすれば
すぐに卑屈になって
すべてを
諦めてしまおうとする

この心は
油断をすれば
すぐに浮かれて
すべてを
台無しにしてしまう

この心は
そんな自分が
嫌でたまらないのに
それでも
甘やかしてしまうんだ


未熟な心が
未熟な自分を
一生懸命
励ましている

永遠のない世界で

2013-11-04 | 心詩~こころうた・己
永遠なんかないと 知っている

いつか みんないなくなる
いつか 自分もいなくなる

時の流れを惜しみ
儚い命を慈しみ
賢明に 丁寧に
人生を紡いでいても

すべてはいつしか
必ずこの世界から消え去る
「別れ」という名で
見送るものの記憶に
足跡だけを残して

それは唯一与えられた
選択肢のない終止符

だからこそ
限られた時間のなかで
その命を精一杯輝かすのだ
後悔も失敗も許されない
一度きりの人生なのだから


たったひとつの真実

永遠の終わりだけが
この魂を永遠のものにする

悲しい人

2013-11-02 | 心詩~こころうた・己
この世界に希望がないのに
どうしてこの人生に
希望が持てるというのか

あの人は いつも
そんな愚痴をこぼしていた


あの人が嘆く
この世界で幸せに生きる人も
たしかにいるのにと

だが その幸せも
長続きはしないだろう

あの人は また
そう言って愚痴をこぼした


なんて悲しい人なんだろう

解放

2013-11-01 | 心詩~こころうた・己
希望と絶望の狭間を
浮き沈みしながら

偽りの笑顔
封じ込める涙

制御された心が
軋み 悲鳴を上げる


蝕まれた精神
発動する防衛本能

やがて

世界のすべてから
解き放たれる─魂─