奏~かなでうた~詩

自作詩を書いています。自分の心と向き合いながら。

我にそそぐ光

2015-04-30 | 心詩~こころうた・己
体を強張らせ
身を守って生きてきた

その鎧は
もう脱ぎ捨てていい

闇の世界に紛れ
身を隠して生きてきた

そのマントは
もう脱ぎ捨てていい


自分自身を追いつめた
消すに消せない
どす黒い感情は

心の奥深く
封印するがいい

忘れることも
許すことも
せぬままでいい

己を傷つけに
舞い戻ってこぬよう

深く 深くに
閉じ込めてしまえばいい


もう
闇の世界に
戻ってゆく必要はない

天を仰げば
降り注ぐ光を
感じるだろう

その光は
お前のものだ

光の世界を乞う
お前に注いでいるのだ


不安癖(ぐせ)が消えないか?
信じて失う恐怖が拭えないか?

それならば
薄氷を踏むように
慎重に 慎重に
前に進めばいい

壊さぬよう
汚さぬよう
粗末にせぬよう

慈しみ
貴び
愛おしみ


己が人生を導く
その光を

大切に
大切に──

現実回帰

2015-04-19 | 心詩~こころうた・己
現実逃避しなければ
前向きになれない

ふと我に返れば
いつも自分は
「独り」だと気づく

治した「つもり」では
克服した「ふり」では
駄目なんだ

一瞬の気持ちの高揚を
「希望」だと
勘違いしているだけ


居場所なんてない
何も変わってなんかいない
この現実から
目を背けているだけ

幻想の世界でなど
生きていけないのに
お伽の世界なんて
作り出せやしないのに


あとどれだけ思い知れば
学習するというのか

この愚かしい
私の脳髄は

APRIL FOOLS' DAY

2015-04-01 | 心詩~こころうた・己
毎年 一人にひとつずつ
嘘だと思いたい出来事が
消えてなくなる日だったらいいのに

傷つけられた記憶も
失った多くのものも
「全部 嘘だったんだ」と

目が覚めたら
何も傷ついていない
何も失ってはいない
まっさらな自分がそこにいて

流した涙も
傷んだ胸も
諦めも 屈辱も
疲れ果てた心も体も
「全部 夢だったのか」と

傷つくたびに
失うたびに
すべてを「嘘」に変えてくれる

そんな優しい日だったらいいのに