奏~かなでうた~詩

自作詩を書いています。自分の心と向き合いながら。

歪められた世の中で

2012-04-28 | 心詩~こころうた・世
己の行動に責任も誠意も失われ
同じ過ちを繰り返す
いとも容易く失われていく命
なぜ人は こうなってしまったのか

究極の選択を強いられる時
誤った道を人は突き進む
決定権はいつも
当事者ではない 外の者たち


本当に守るべきものは
きっと誰もが分かっている

堕落した意識と
私利私欲が頭をもたげた時
人は正義に目を閉ざし
闇へと続く道を選ぶのだ


止めることはできないのか
暴走する人間の心を
踏み外していく人の世を


未来は不安の代名詞のよう
頭に浮かぶヴィジョンは
いつも灰色の悲惨な妄想

今日を生き延びられたのは奇跡
明日の命を保障するものなど
どこにもないのだから


数億が生み出すうねりの中に
飲み込まれてしまうな

「名もない」人間など
一人もいない
誰が奪っていい命など
ひとつもない

自分の歩幅で 自分の足で

2012-04-19 | 心詩~こころうた・己
時間に追われ
状況に振り回され
いろんなものを見失っている

今やるべきことは何だった?
考えていたことが中断していないか?

己を見失うとは
人生の軸も歯車も
すべてが狂ってしまうことなのだ

頭をリセットしろ
己の意識に深く潜り込んでいけ
今 進むべき道を見い出すのだ

あれもこれも出来はしない
焦れば結果 すべてを失う
一歩ずつしか前には進めないのだ

己の小ささを知れ
身の丈にあった欲を持て

されど希望は失うな
それなくば
この身は生きる屍でしかなくなる

桜の園にて

2012-04-09 | 心詩~こころうた・己
些細な口論
ささくれる心

思わず家を飛び出し
桜の花咲く公園へ


満開の花に身をあずけ
徐々に無心となる

一点の曇りもない
その凛とした美しさ

目には見えぬ生命の息吹を
分け与えられているようで

ささくれ澱んだ心は
いつしか薄桃色に染められて

花のひとつひとつに
微笑み返していた


桜は誘(いざな)う
上を向いて生きよと
だから 人の頭上で
自信に満ち 咲き誇る


桜のように 花のように
人は生きられぬものか

誰を傷付けることなく
己が人生を
気高く 誇らしく


立ち去り難い思いを置いて
私は 桜の園を後にした

また来年も
ここで待っていておくれと