奏~かなでうた~詩

自作詩を書いています。自分の心と向き合いながら。

幸福な人生

2011-03-31 | 心詩~こころうた・己
欲しいものは なんでも手に入り
なりたい職業にも すぐに就けて

裕福で仲睦まじい家族と
たくさんの友達に囲まれ

誰を憎むことも
不平不満を抱くこともない


そんな人生が
理想かもしれないが


欲しいものを手に入れるために
汗水流して働き

なりたい自分になるために
あらゆる努力を惜しまず

貧しくとも互いを尊重しあい
心ひとつに困難を乗り越えていく家族がいて

社会の中で翻弄されながら
本当に信頼しあえる生涯の友と出会い

ままならない悔しさや挫折を味わいながら
そうしてようやく自信を持って
自分を語れる人間になれる


そういう経験をしない人生は
本当は 幸福ではないのかもしれない

大切なもの

2011-03-30 | 心詩~こころうた・己
大切なものには 二種類がある
「私」にとって大切なものと
「誰か」にとって大切なもの

「私」のものは奪われたくないのに
「誰か」のものを奪う人がいる

「私」は傷付きたくないのに
「誰か」を傷付ける人がいる

──自分を愛するように 他人も愛せよ

この世に生きる 数多のはかなき命
ひたむきに紡ぐ それぞれの人生
心に寄り添う 思い出の断片(かけら)たち
命の糧 心の糧
喜びも 悲しみも……

誰も奪ってはならないもの
誰も傷付けてはならないもの

すべて
「私たち」の財産

ご挨拶申し上げます。

2011-03-28 | 独言~つぶやき
ご挨拶が後になってしまいましたが。
はじめまして、添見奏音(そえみかなで)と申します。
このたび、拙いながらポエムのblogを開設いたしました。どうぞよろしくお願いいたします。

3月11日に発生した東日本大震災。
犠牲者の方々のご冥福をお祈りするとともに、被災され困難な生活を強いられている皆様に心からお見舞い申し上げます。

未曾有の被害をもたらしたこの震災は、被災地から遠く離れた私の心にも大きな衝撃を与えました。
今もまだ、それまでの日常生活になかなか戻っていくことができません。
でも、被災された方々が前を向いて生きていこうと頑張っていらっしゃる時に、いつまでも落ち込んでいるわけにはいきません。

詩を書くことが、千々に乱れた心を鎮め、自分自身を見つめる時間となっています。
いつになれば復興の兆しが見えるのか今はまだ誰にも分からない状態ですが、ひとりひとりが心を強く持って現実を受け止め、乗り越えていかなければならないんだと思います。

ささやかでも、ためらわず惜しみなく。

この地球(ほし)に生きるということ

2011-03-28 | 心詩~こころうた・世
人々が積み重ねる小さな日々のいとなみは
魔物のような岩盤の上に あやうく存在している

そして 誰もが忘れ去っているその事実を
ある日突然 突きつけられる

ささやかな幸せも
築き上げたすべての財産も
永遠にわれわれのものではないのだ

この地球(ほし)が課する 最大の試練

長い歴史のなかで
人々は幾度もこの魔物に襲われ
すべてを無くし また立ち上がってきた

われわれにも その力があるだろうか

ひとりひとりはとても弱い存在
絶望に勝る勇気を
振り絞ることはとても難しいだろう

でも 人はひとりではない
打ちひしがれた者の心を支える あたたかい手がある
失った悔しさを力にかえて
必ず取り戻そうと願う 揺るぎない信念がある

そんな思いが集まれば 何度でも人は這い上がれる
それが人間 そう信じていたい

この地球とともに生きていく
小さな日々のいとなみを大切に紡ぎながら