テレビがいかに
明るいニュースを流そうと
ドラマがいかに
幸せな結末を迎えようと
それらはすべて
他人のもの
リモコンのボタンを押した途端
私はまた
重く澱んだ
我が人生に立ち返る
画面の世界が
鮮やかであればあるほど
現実は色を失い
虚の世界が
理想的であればあるほど
我が身の不運に身悶える
誰かの幸せを
自分の幸せと感じられず
いつも 見えない何かに怯え
いつも 見えない何かに苛立ち
みずから
明るい世界を避けるように
息を潜めて生きている
こんな人間ひとりの存在など
誰に知られることもなく
誰の記憶に残ることもなく
記録され 語り継がれる
画面の向こうの世界より
私の世界は 遥かに儚し……
明るいニュースを流そうと
ドラマがいかに
幸せな結末を迎えようと
それらはすべて
他人のもの
リモコンのボタンを押した途端
私はまた
重く澱んだ
我が人生に立ち返る
画面の世界が
鮮やかであればあるほど
現実は色を失い
虚の世界が
理想的であればあるほど
我が身の不運に身悶える
誰かの幸せを
自分の幸せと感じられず
いつも 見えない何かに怯え
いつも 見えない何かに苛立ち
みずから
明るい世界を避けるように
息を潜めて生きている
こんな人間ひとりの存在など
誰に知られることもなく
誰の記憶に残ることもなく
記録され 語り継がれる
画面の向こうの世界より
私の世界は 遥かに儚し……