奏~かなでうた~詩

自作詩を書いています。自分の心と向き合いながら。

遡及

2013-02-24 | 心詩~こころうた・己
前を向こうと
がむしゃらになり
結局は
後ろにばかり
向かっていたのかも

ふと 過去に返り
過ぎ去った日々を顧みる

あの頃の自分は
今よりも ずっと
前を向いていたんじゃないか
見えない未来に
それでも希望を抱いて

無邪気と言えば聞こえはいい
ただの馬鹿だったのかもしれないが

思い出せる記憶に
辛かった日々は
痛みすら残さず

どんな過去も
過ぎ去れば思い出
辛い記憶と隣り合わせに
心ときめいた青春の断片が

暫し 時を止めて
淡い煌めきの中へ──

汚れた世界、歪んだ世界

2013-02-09 | 心詩~こころうた・己
この世界は
どれだけ汚れてしまっただろう
どれだけ歪んでしまっただろう

人の心は
どれだけ汚れてしまっただろう
どれだけ歪んでしまっただろう


歩むべき道は
どれだけ汚れているのだろう
どれだけ歪んでいるのだろう

待ち受ける未来は
どれだけ汚れているのだろう
どれだけ歪んでいるのだろう


私が嘆く理由は
どれだけ汚れたものなのだろう
どれだけ歪んだものなのだろう

私が呟く言葉は
どれだけ汚れたものなのだろう
どれだけ歪んだものなのだろう


私が封じ込めた思念は
どれだけ汚れた姿をしていただろう
どれだけ歪んだ姿をしていただろう

私という存在は
どれだけ汚れた姿をしているだろう
どれだけ歪んだ姿をしているだろう


どこにあるだろうか
汚れを知らない清純は
歪むことのない誠実は

私の中にも あるだろうか

深海雑魚

2013-02-05 | 心詩~こころうた・己
虚ろな眼差しで
虚空を見上げる
死んだ魚の目

すべての物事に
意味をなくした
死んだ魚の心


光射さぬ暗闇で
闇雲に泳ぎ回る
愚かな魚

幻影に惑わされ
むざむざ餌食となる
哀れな魚


いつ終わるとも知れぬ
長い旅路に疲れ果て
自暴自棄な魚は
みずから命を差し出す

心を蝕まれる苦しみは
体を食われる痛みの
比ではないと


光も射さぬ海の底で
何を望んで嘆くのか
煌めく水面に辿り着ければ
光の世界へゆけるだろうか

深海雑魚は
今日も涙に目覚める