奏~かなでうた~詩

自作詩を書いています。自分の心と向き合いながら。

妄想と現実と

2011-04-30 | 心詩~こころうた・己
ヒーローになりたいと思っていた
アニメの主人公のように
かっこよく 人々に頼られる存在に

もしかしたら自分にも
魔法や超能力が使えるんじゃないかと
誰にも言えない馬鹿な妄想で
自分を特別だと思い込みたかった

それだけが
自尊心を保つ唯一の方法だった

世の中の役に立つ人間になりたい
この世に生きた証しを残したい

でもそれは
特別に選ばれた人間にしか
許されないことなんだろうか

限界

2011-04-30 | 心詩~こころうた・己
いくら希望を持とうとしても
それを邪魔する何かがいるようだ
ほんのささいな幸せも
片っ端から奪われていく

私に人権なんて
初めからなかった
親でさえ
真剣に語れる相手ではなかった

生まれてきたことが
人生最大の過ち

どんなに頑張ってみても
もう浮上することはなさそうだ

どうしよう
どうしたらいい
死ぬ勇気もない
生きる気力もない

こんな罰当たりな私に
神様は どんな答えを出すのだろう

白昼夢

2011-04-29 | 心詩~こころうた・己


こんな天気のいい日には
わけもなく
高揚した気分になる

心も体も追いつかないけれど
頭の中で
躍動的な自分を想像するのは楽しい

白い雲が誘(いざな)う白昼夢

いつしか私は
背中に生えた大きな翼で
あの大空へと羽ばたいていく

今しばしの休息を

2011-04-28 | 心詩~こころうた・己
私の都合などお構いなしに
次々変化していく状況

私の感情などお構いなしに
次々のしかかるストレス

人が一人で生きていないその限りは
自分に合わせて生きることは難しい

何も考えず 何にも束縛されず
生きられないことは知っている

でも 今しばらくは
心のままに たゆたっていたい

回顧録

2011-04-25 | 心詩~こころうた・己
不器用な人間でした
人付き合いが下手な人間でした

思い出せるのは
憎悪とともに刻まれた
負の記憶ばかりです

幼い頃から ずっと
粗末に扱われてきました
自分に自信が持てず
自我というものが育ちませんでした

大人になっても
あの頃のままの自分がいました

したたかな人間には
すぐに見抜かれます

僅かなしくじりが大きな傷になり
私の心は だんだん萎縮していきました

信じた者に裏切られ
敵と味方の区別もつかず
やがて 人間不信に陥りました

何度もやり直そうとしましたが
すべてが失敗に終わりました

そして今は
自分という殻に閉じこもったまま
別の生き場所を探して
もがいているのです

喪失の世界で

2011-04-24 | 心詩~こころうた・己
太陽の匂いを
肺いっぱいに吸い込む

血液がいっせいに体内を駆け巡り
目覚めた脳が視界を鮮明に映し出す

ああ 何不自由ない体をいただいて
なぜ私は このありさまか

それは
壊れてしまった心のせい

ズタズタに切り刻まれ
一番大事な回路を 破壊された

何を見ても心が高揚しない
目に映るすべてに実感がない

私の心は死んでしまったのか
仄暗い底辺で 静かに息をしている

2011-04-21 | 心詩~こころうた・己
自分を誇れず
みずから人を遠ざける

心はどん底
感情は地の底を這う

あいつのせいだと嘆いてみても
なんの慰めにもなりはしない

弱い自分が負けたのだ
他人を蹴落とす輩が勝つ世の中だ

人情も美談も
私の人生には 無縁のこと

報せはある日唐突に。

2011-04-20 | 心詩~こころうた・己
誰かの日常は
誰かの唐突

経過を知らずして
結果だけを見る驚き

そうか 皆の日常は
常に動き変化している

なぜ 私の日常は
ここに留まり続ける

誰にも届かぬ
私の唐突

覚悟

2011-04-19 | 心詩~こころうた・己
それでも 生きていかなきゃならない
それでも 前に進むしかない
立ち止まったところで
そこが安息の場所であるはずもない

どこにいようと
暗雲が垂れ込めているのなら
そのど真ん中めがけて

飛び込んでいけ
飛び込んでいけ

愚問・2

2011-04-18 | 心詩~こころうた・己
もしも 時間を巻き戻せるなら
もしも 人生をやり直せるなら
今度は間違えない自信があるだろうか

もしも 望む人生を
与えてやろうと言われたなら
私は何を望むだろうか

もう一度 果せなかった夢を
叶えようとするだろうか
それとも
今度は無難な人生を
選ぼうとするだろうか

人生は何度でもやり直せる──

そんな言葉は口先だけのまやかし
過ぎた時間は
取り戻すことなどできないのだから

いまさら 何を信じて生きろというのか
すべてを諦めてきたというのに

望むのは
何も望まない人生

失望することにも
もう 疲れ果てた