奏~かなでうた~詩

自作詩を書いています。自分の心と向き合いながら。

苛立ちの理由

2012-10-30 | 心詩~こころうた・己
目標を見失っている?
目的を見失っている?
自分を見失っている?

身の置き場のない
拠りどころのない
心の芯の存在しない

ふわふわとした
もやもやとした
じりじりとした
感情の迷路から
抜け出せない


何に対して
苛立っているのか
なぜこんなに
取り乱しているのか

自分で選択し
自分で納得した
道であるのに


自分一人分の人生も
満足に生きられぬ
なんと小さき器か

理想はさほど
大きくはない
それでも
特別な何かに
変わろうとするのは
それほどに
難しいことであるのか


一人で何ひとつ
決められなかった私が
たった一人で
挑もうとしている世界だ

誰も知るもののない
誰の助けも得られない
孤独な戦い

その孤独に
敗北してしまうのか
これが私の限界なのか?

もう逃げる場所はない
今までの自分のように
背中を見せるわけには
いかないのだ


見失ったら
立ち止まればいい
頭で理解しても
体は 心は
止まることを恐れる
諦めてしまうかもしれない
自分の弱さを知っているから

それが
苛立つ理由なのか
つま先ひとつ動かせない
がんじがらめの檻(からだ)の中で
心は悶え
出口(こたえ)を探し求めている

君が笑顔で【歌詞っぽく】

2012-10-26 | 詩詠~うたうたい
「あの日 何を間違ったんだろう」
自分ばかりを責めている君
「もう一度やり直せたら」
うつむいたまま どこへも進めない

過ぎた日を悔やむのなら
前に進んでやり直せばいい
たとえ時を巻き戻せても
そこはもう 君の居場所じゃないのだから

辛いことしか思い出さないのなら
後ろなど振り返らなくていい
君が笑顔で歩き出すなら
未来はきっと
両手を広げて待っていてくれる


「今日で 泣くのはやめにするから」
君が自分に誓いをたてた
「もう一度やり直してみる」
顔を上げた その瞳の輝き

挫けそうになったなら
少しくらい休んでもいい
気持ちが前を向いていれば
君はもう 二度と諦めたりはしないはず

辛いことも思い出にできたなら
それは強くなれた証拠だよ
君が笑顔で歩き出せたら
未来はきっと
君の背中を後押ししてくれる


辛いこともぜんぶ生きる糧だから
無駄なことなんてひとつもない

君が笑顔で歩き出すから
僕もきっと
君の未来に追いついていこう

誰も僕らを知らない場所へ【歌詞っぽく】

2012-10-24 | 詩詠~うたうたい
夕陽を見つめ佇む君の
闇に溶けそうなシルエット
こぼれる涙を知られぬように
じっと背中を向けていたね

明日なんか来なけりゃいい
いつか君がつぶやいたね
だけど今日が終わらなければ
この檻からも出られないよ

誰も僕らを知らない場所へ
ふたりで一緒に行けたなら
君が背負った孤独のために
僕の人生を費やしてもいい


君の心を塞いでいる
傷跡はいまも生乾き
ほんの少しのダメージで
またぱっくりと口を開ける

この傷口が乾いたとき
本当に強くなれるのかな
か細く震えた君の声が
僕の脳裏を離れない

誰も僕らを知らない場所で
ふたり心を抱きしめ合おう
君が微笑んでくれるなら
僕は命だって差し出せる


誰も僕らを知らない場所を
いつか一緒に探しに行こう
君の心が癒されるまで
僕はその手を離さないから

君という希望を糧に
僕は生きていけるのだから

ひな鳥たちへ

2012-10-23 | 心詩~こころうた・世
不器用な子に生まれたね
それで失敗ばかりだね
あまりに不器用すぎるから
泣き方さえも知らないの

愛想笑いでごまかして
波風立てずにいるのにね
面白がってる子たちがさ
石をどぶんと投げるんだ

やめて やめてよ
いくら心で叫んでも
声に出さなきゃ届かない
声に出しても届かない



臆病な子に生まれたね
それで損してばかりだね
あまりに臆病すぎるから
人の目さえも見れないの

背中で受け取る陰口に
胸の真ん中痛むけど
じっと唇かみしめて
ひとりで耐えて過ごすんだ

やめて やめてよ
いくら心で叫んでも
それは誰にもわからない
言われた人しかわからない



ひとりでじっと耐えた子は
いつか必ず強くなる
あまりに傷つきすぎた子は
誰かが守ってあげなくちゃ

大人になったそのときに
二度とうつむかないように
心の傷のかさぶたが
二度と剥がれてこぬように

もう やめて
声に出して言えたなら
自分に自信が持てるでしょう
自分を好きになれるでしょう






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賞への応募用に書いたものの、応募規定を読み誤り(トホホ)、他に応募できそうな賞も見当たらず、やむなくこちらに掲載することにいたしました。
「不器用な子」も「臆病な子」も、モデルは自分自身。

長い夜

2012-10-23 | 心詩~こころうた・己
今日もひとり
長い夜をむかえる
孤独な膝を抱え
つけっ放しのテレビの前で
朝がくるのを待つ

人恋しいくせに
ひとりでいることに逃げている
心の矛盾は 心の叫び
助けて助けてと 私にのしかかる


今日もひとり
心の中で泣く
孤独な背中を抱きしめ
誰でもない誰かに
救いを求める

人恋しいくせに
心の受け止め方がわからない
傷つけられることに慣れていても
優しくされることには慣れていないから


今日もひとり
孤独な心と
長い長い夜を過ごす

儚いからこそ【歌詞っぽく】

2012-10-22 | 心詩~こころうた・己
儚いからこそ
限りあるものだからこそ
人は
大切に思うのだろう


私をとりまくこの世界は
永遠に続く時間の断片
無数の命が集まって
無数の心が集まって
時のかけらを繋いでゆく

出会いと別れを繰り返し
喜びと葛藤の連鎖の中で
本当に大事なものが何か
私は見つけられるだろうか


私をとりまくこの世界で
縁(えにし)に引かれた人々の断片
良い思い出は少なくて
誇れる過去も少なくて
それでも私の生きた証し

命の期限を知らぬまま
いつまで足掻いて生きるのか
やがて来る終焉(さいご)の時に
どんな姿で去ってゆくだろう


儚いからこそ
限りあるものだからこそ
人は
懸命に生きるのだろう


これが私の人生です【歌詞っぽく】

2012-10-19 | 心詩~こころうた・己
白いソックス三つ折りで
目立たず地味に大人しく
可も不可もない優等生

そんな人間が馬鹿を見る
ここはそういう世界です
要領良いヤツばっかりが
おいしい思いをするんです


言われた指示に忠実に
ほんの少しの落ち度でも
ガラクタみたいに排除され

まじめ人間が馬鹿を見る
ここはそういう世界です
挙句にパワハラ鬱病と
堕ちたら最後 戻れません


この人生は誰のもの
なんで他人に壊された?


周囲に迷惑かけまいと
自分の心も偽って
結局自分を追いつめた

良かれと思えど馬鹿を見る
ここはそういう世界です
私のホントの気持ちなど
誰にも分かってもらえません


存在さえも知られずに
ひっそり朽ちていくような
それが私の人生ですか
それが私のイキザマですか

生きるとは
かくも甲斐なきものなのですか

鬱病患者が人生を楽しむ方法【歌詞っぽく】

2012-10-18 | 心詩~こころうた・己
小さい頃から人気者
絵だって歌だってクラスいち
オーディションで優勝して
みんなの憧れアイドルに

そんな妄想抱きながら
浮かれ気分で生きましょか
夢から醒めなきゃこんなにも
人生薔薇色 たりらんらん


職場じゃ皆の人気者
どんな仕事も器用にこなし
上司や同僚に頼られて
晴れて円満 寿退社

そんな妄想抱きながら
自己満足に生きましょか
誰にも知られずこの部屋で
人生燦々 きらきらりん


一念発起で夢を追い
才能開花で人気者
世の人々に希望(ゆめ)与え
「余は満足じゃ」と大往生

そんな妄想抱きながら
残る人生生きましょか
諦めなければいつの日か
浮かぶ瀬もあれ どんぶらこ


ああ
そんな無理して生きてたら
精神衰弱 自己崩壊
妄想だけで生きてけるほど
鬱病患者は強くない

ウサギは寂しいと死んじゃうだろ?
人間はね 希望をなくせば死ぬんだよ


人生を楽しむ方法なんて
そんなの知るわけないじゃない
人生楽しめないからさ
鬱病になったんだろうから

誰も私を責めないで
一生懸命頑張ったんだ
本当にもうこれからは
人生楽しむ権利をちょうだい

人生楽しませてちょうだい

この殻を破るのは

2012-10-17 | 心詩~こころうた・己
この心の中には
人を嫉み 人を疑う
鬼が棲みついている

闇を引き寄せ
不運を引き寄せ
愛を否定し
平穏を遠ざけ

被害者のままで
いたいと願うがごとき
醜い鬼の一片(ひとかけ)が


信じた心は
簡単に裏切られ
安住の場所は
簡単に奪い去られ

それでどうして
人を信じよと言うのか
誰を信じよと言うのか

人を信じることを恐怖と感じ
硬い殻に閉じこもる心
簡単には壊れないその殻を
じっと守ろうとするかのように
私は ここから出ようとしない


本当はもう
こんな自分に
嫌気がさしているのに

本当はもう
日の当たる場所で
心から笑いたいと願っているのに

長いあいだ慣れ親しんだ
「不幸せな境遇」という意識は
私を 狭い狭い世界へと追いやり
そこ以外の世界で生きる術を
なにひとつ 与えてはくれなかった


もう 大丈夫だと
怖がる必要などなにもないと
そう信じさせてくれなければ
この心は いつまでも
殻の中から出ることはできない

この殻を破るのは
ひとりでは硬すぎるから

紅葉狩り

2012-10-13 | 詩詠~うたうたい
燃えたつ紅(あか)に覆われし
        山路に深く分け入らむ

見上げる木々の葉紅葉(もみじ)して
         我を朱色に染めしかな

時間の軸は逆しまに
        遥かに遠き古(いにしえ)へ

雅楽の舞いを舞うごとく
        舞い散る楓葉(ふうよう)手に取りて

輪廻転生流流転転
        命の永遠(とわ)と儚きを思ふ



   「 紅の葉陰に宿る魂に触れ 」
     くれないのはかげにやどるたまにふれ