奏~かなでうた~詩

自作詩を書いています。自分の心と向き合いながら。

五里霧中

2014-12-26 | 心詩~こころうた・己
嘆いて過ぎても一日
楽しんで過ぎても一日

しかし その
楽しむということが
今の私には
ひどく難しい

「から元気」というやつにも
限界はある
「なんとかなる」という呪文にも
効力のない現実がある


物質的失望と
精神的失望と

現在(いま)に足場を固められぬまま
未来の居場所をいかに築けよう


何故 何ひとつ
我が身を守る
武器とならないのか

防具も持たず
ただ玉砕のために
生きた歳月であったのか

生きることに不器用とは
かくも無様な姿であるものか──


成功者を妬み
誹謗する者に
なる事は望まず

己が人生を
さめざめと悲観する者に
なる事も望まず

ただ与えられた運命を
粛々と受け入れ
どんなに不自然な世の中も
そういうものであるのだと
淡々と日々を全うする

そのような不動の者に
なれるものならば────

何度目の失望

2014-12-17 | 心詩~こころうた・己
結局は
人生を変えるなんて
不可能なのかもしれない

生まれ落ちる場所を
自分で選べないように
どんなに違う未来を望んでも
それは自分とは無縁の世界

不条理に出来上がってしまった
この人間社会で
鬱病に苛まれるような
不運な人間が
希望に満ちた未来を手に入れる
そんな約束など
どこに転がっている?


昨日の夢は
今日の足枷

今日の希望は
明日の失望


頑張ることも
信じることも
無意味
無意味
無意味──?

生きるために必要な
たった一通の朗報さえ
私のメールボックスには
届かない


つらいよ
逃げたいよ
名医はどこに?

苦しいよ
もう嫌だよ
特効薬はないの?

鬱病患者に
未来なんてない?
鬱病患者は
暗闇に潜んで生きるしかない?


最初から勝算のない戦い
それでも向かわずにいられない
そんな愚かな人間心理か

自分自身にしか
挑めない人生(たたかい)なのだから


本当はもう
なにもしたくないのに──

自己否定・他己嫌悪

2014-12-12 | 心詩~こころうた・己
「頑張らなくていいよ」
「ありのままで」
「弱い自分を許してあげよう」

どれだけ自分に甘い
風潮となったものか

嫌いな自分を
愛してどうなる

自分の人生さえ
守り通せぬ自分を
認めることに
どんな意味がある


この世は
そんなに甘い世界か

苦しむ者すべてに
手がさしのべられる
そんな優しい世界か


傷つけられるのも
踏みにじられるのも
自分で自分を守れないのが悪い

すべては自己責任
皆 自分を守るために
戦っているのだ

誰も助けてくれぬと嘆くのも
自分の不運は社会のせいと恨むのも
人間社会に適応できない者の
ただの言い訳
なにも成功できない人間の
ただの現実逃避

底辺から這い上がれぬ者たちを
そうして蔑み 冷たく分析し
自分は違う人間だと
世界を見下ろせる人間だけが
成功できる

それがこの 人間社会
人間が作り出した 不条理社会

蛇の生殺し

2014-12-08 | 心詩~こころうた・己
何度も 「これが最後」と思い
何度も 「もう一度」と思う

一度きりの人生だもの
簡単には諦められない

「今度こそは」
その未練に
どれだけのものを
費やしてきたのだろう

「今度こそ」
「次こそは」

人生は
博打のようなもの
当たりを引くまで
後には引けない

くじ運のない私は
人生も貧乏くじばかり
すっからかんになるまで
吸いつくされて終わり?


もっと
丁寧に生きたい
でも
もうクタクタなんだ
本当は
すべて投げ出して
何も追い求めずに
生きたいよ

心も体も
すべて解き放って──

必死に足掻いている今こそが
死んだように 生きている