奏~かなでうた~詩

自作詩を書いています。自分の心と向き合いながら。

リセット

2013-04-25 | 心詩~こころうた・己
過去をリセット
未練をリセット

すっぱりと
捨ててしまえば
手放してしまえば

雑念に惑わされず
前に進めるだろうか


費やした時間や
情熱や 労力や
そんなものの一切を
惜しまず捨てられたなら

邪魔な荷物を
なにも持たずに
新たな道を
歩けるだろうか


それでも
心までは
記憶までは
捨て去れないから

いつかまた
目の前にちらちらと現れ
後悔という名で
感情を縛るのだろうか


人生ごと
リセットできたなら……

星と生きる宿命-さだめ-

2013-04-20 | 心詩~こころうた・世
この恐怖からは
決して逃れられない
この星に生きるかぎり
拒むことはできない

今日 誰の足元に
明日 誰の頭上に
それは降り立ち
かけがえないものを
奪ってゆくのか


祈っても届かない
そのものには
心などないのだから

何億年
繰り返されてきた
終焉と再生

その狭間に
私たちはいる
ただ それだけのこと


浅はかな人類が
築いた砂の城は
危うい大地の上で
儚く崩れ去る

どれだけ抗おうと
太刀打ちなどできない
巨大すぎる力の前に


やがて誰もいなくなり
幾度目かの再生が始まる──

現世(いま)を生くる

2013-04-08 | 心詩~こころうた・己
現世(うつつよ)の未練も執着も
すべては姿なき夢幻(ゆめまぼろし)
迷う心に宿りて
己が運命(さだめ)を狂わせる

もしも地を這う
陽炎ならば
もしも風に吹かるる
雲ならば
現れ消えゆく己が身を
抗いもせず受け入れたろうか


誰も生き死にを
選ぶこと叶わず
せめて最期はと
儚き望みを何に託す

死んで落ちる場所に
なんの意味もない
前世も来世も
見も知らぬ誰かのもの

この人生のみに
生きる意味をかくも求めている

桜花乱舞

2013-04-07 | 詩詠~うたうたい
桜 咲ク乱

天ニ謳ヘ
花ト誇レ

短キ命ヲ
惜シマズ燃ヤセ


桜 散ル乱

風ニ踊レ
花ト舞ヘ

儚キ命ヲ
惜シマズ散ラセ


サクラ
サクラ

サクラン
チルラン






十人十色

2013-04-01 | 心詩~こころうた・世
人は それぞれ
十人十色 百人百色

点々と存在する
人と人の狭間に
自分の居場所を探しながら

受け入れながら
許されながら
細々と人生の灯をともす


人は それぞれ
十人十色 千人千色

違うということを
拒絶するのなら
自分以外 誰も愛せない

差別や蔑みは
自分が世界の中心と
考えるものたちの 傲り


点々と存在する
それぞれの色の中に
自分の色を足してゆく

世界を彩る 一色(ひといろ)を