奏~かなでうた~詩

自作詩を書いています。自分の心と向き合いながら。

【戦争反対】はらぺこカエルののこしもの【再録】

2015-09-23 | 創作~ものがたり
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今回も再録となりましたが、今だからこそたくさんの人に読んでいただき、
伝えたかった思いを感じ取って欲しい作品です。

平和を守るために武器や兵器を使うなんて発想は愚かでしかない。
なぜ、こんな国にしようとするのか。
世界中の戦争をしている国が、日本のような平和憲法を作る努力はできないのか。

青臭いと言われても、理想論だと言われても、戦争は絶対に反対です。

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『はらぺこカエルののこしもの』


ある町に、一匹のカエルがいました。
カエルはいつも腹ぺこで、食べものを探して、
町じゅうをぴょんぴょん、飛び回っていました。
あるときは、
市場にならぶ魚やハムや、トマトやオレンジをぺろりとたいらげ、
また、あるときは、
子どもたちのおやつを、ぴょんぴょん、ぱくぱくっと、食べてしまいました。
ほっぺたもお腹も、ぱんぱんに膨れ上がるまで食べたら、
「ケロッ」とひと鳴きして大きな口をあけ、
もこもこの黒いかたまりを、ぽんぽーんと吐きだすのです。
「この、いたずらガエルめ!」
町の人びとは、とうとう我慢できずに、
カエルを町から追いだしてしまいました。



町を追いだされたカエルは、
ぴょんぴょんぴょんぴょんっと、
はじめて見る景色の中を歩いていました。
そして、お腹が空いたら、
近くの小麦畑にぴょんぴょんっと飛び込んで、
麦の穂をぱくぱくぱくっ。
木の実のなる木を見つけたら、
ぴょんぴょんっと飛びついて、
甘く熟した木の実をぱくぱくぱくっ。

ぴょんぴょん、ぱくぱくっ。
ぴょんぴょんぴょんっ、ぱくぱくぱくっ。


そうして、何日も旅を続けたカエルは、
ある日、ひとつの町にたどり着きました。
そこは草も木も生えていない、
砂ぼこりだらけの、さみしい町でした。
家の前には、お腹を空かせた子どもや大人が、
たくさんうずくまっていました。
小麦や木の実をたらふく食べて、
ほっぺたもお腹もぱんぱんに膨らんだカエルは、
その人びとの目の前で「ケロッ」とひと鳴きして、
大きな口をあけました。
すると、
木の実のいっぱい詰まったパンが、
ぽんぽんぽんっと道に転がり落ちました。
「ああ、おいしそうなパンが、あんなに!」
うずくまっていた人びとが、立ち上がってパンを拾い、
みんなでひとつずつ食べました。
「ありがとう、ありがとう、カエルさん」
お腹がへこんだカエルは、またお腹が空いたので、
町の中へ、ぴょんぴょんっと歩いていきました。


町の奥へ入っていくと、ぼろぼろに壊れた建物が並ぶ通りで、
怪我をして逃げ惑う人びとの叫び声と、銃の音が鳴り響いていました。

ここは、争いの絶えない町でした。

カエルは食べものを探して、
通りの真ん中にぴょんぴょんと、飛びだしていきました。
そして、
銃や武器をたくさん積んだ車に、ぴょんぴょんっと飛び乗ると、
ぱくぱくぱくっと食べはじめました。
鉄でできた、硬い銃や車を、
カエルはみるみる、たいらげてしまいました。
ぜんぶ食べると、
次は、争っていた相手の銃と車も、
ぴょんぴょんっ、ぱくぱくぱくっと、たいらげてしまいました。
そして、ほっぺたとお腹をぷくうっと膨らませたカエルは、
「ケロッ」とひと鳴きして、大きな口から、大きくて立派な、
鉄の柱でできた家を、ぽんぽんぽんぽーんっと、吐きだしました。
「ああ、これで、安心して眠れる!」
逃げ惑っていた人びとは家族といっしょに、
ひとりの人は誰かの家族といっしょに、
ひとつずつの家に入っていきました。

「こいつめ、俺たちの銃をかえせ!」
武器を奪われて怒った男たちは、
カエルをつかまえて、殺そうとしました。
でも、またお腹が空いたカエルは、
自分をつかまえようとする男たちを、
大きな口でぱくぱくぱくっと、食べてしまいました。
ほっぺたとお腹がぱんぱんに膨らんだカエルが、
「ケロッ」とひと鳴きして、大きな口をあけました。
「オギャーッ!」
カエルの口から、丸裸の赤ん坊が、
食べた男たちの数と同じだけ、飛びだしました。
「ああ、これで争いはなくなる!」
町の人びとは口ぐちに言ってよろこび、
赤ん坊をひとりずつ、家に連れて帰りました。


男たちの悪い心を、たくさん食べたカエルは、
その毒で、死んでしまいました。
町の人びとは悲しみ、カエルを土に埋めてやりました。

すると、その土の中から、
みどり色の葉っぱがのびて、タンポポの花が咲きました。
やがて、タンポポはわた毛になり、
風に乗って、空へ、舞い上がりました。
わた毛は空を飛んで、世界じゅうに散らばり、やがて地面に落ちると、
ちいさなカエルになって、「ケロケロッ」と鳴きました。

ケロケロ、ケロケロ、ケロケロケロッ。
ぴょんぴょん、ぱくぱくぱく、ケロッ、ぽんぽんぽーん。
腹ぺこカエルの分身が、世界じゅうに生まれました。


土にかえった、カエルが生まれ育った、あの町の、
カエルが吐きだした黒い土くれの上にも、
色とりどりの花が、咲き乱れていました。


  ≪完≫



ひな鳥たちへ【再録】

2015-09-01 | 心詩~こころうた・世
不器用な子に生まれたね
それで失敗ばかりだね
あまりに不器用すぎるから
泣き方さえも知らないの

愛想笑いでごまかして
波風立てずにいるのにね
面白がってる子たちがさ
石をどぶんと投げるんだ

やめて やめてよ
いくら心で叫んでも
声に出さなきゃ届かない
声に出しても届かない



臆病な子に生まれたね
それで損してばかりだね
あまりに臆病すぎるから
人の目さえも見れないの

背中で受け取る陰口に
胸の真ん中痛むけど
じっと唇かみしめて
ひとりで耐えて過ごすんだ

やめて やめてよ
いくら心で叫んでも
それは誰にもわからない
言われた人しかわからない



ひとりでじっと耐えた子は
いつか必ず強くなる
あまりに傷つきすぎた子は
誰かが守ってあげなくちゃ

大人になったそのときに
二度とうつむかないように
心の傷のかさぶたが
二度と剥がれてこぬように

もう やめて
声に出して言えたなら
自分に自信が持てるでしょう
自分を好きになれるでしょう





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夏休み明けの9月1日に自殺する学生の数が最も多いという。
今の子供たち、少年少女たちの世界が、そんな事になっているのかと驚いた。

小学生が生きる事に疲れ、死を選ぶ時代だなんて……。

自殺なんてしちゃいけない。
悪いのは、あなたを苦しめている者たちだから。
そんな奴らは、あなたが命を絶つ事に、微塵の痛みも感じないのだから。

逃げるのではなく、我が身を守ると考えて。
卑怯者に、あなたの大事な人生をくれてやる必要なんてない。

命を守るために、なにも恥じないで。
必死の叫びは、必ず誰かに届くはずだから。

目の前の苦しみだけを見ないで。
顔を上げれば、空の青さが心の重石を軽くしてくれるかもしれない。
後ろを振り返れば、懐かしい景色に戻れる道が続いているかもしれない。
まだ見ぬ場所に、あなたの味方がいるかもしれない。

今の苦しみは、永遠には続かない。
自分の命を、人生を、どうか大切にして。
誰のためにでもなく、あなたの未来のために──。