奏~かなでうた~詩

自作詩を書いています。自分の心と向き合いながら。

【再録】矛盾

2020-07-02 | 心詩~こころうた・世
エコバッグを持参して
過剰包装された商品を購入する矛盾

自然の美しさを求めながら
足元のごみ屑には無頓着な矛盾

健康被害を謳いながら
煙草を作ることも 吸うこともやめない矛盾

世の中を便利にするための技術の進歩が
誰しもが適応できない複雑な世の中へと作り変えている矛盾

生活を豊かにするためのお金というものが
貧富の差を生み 人の手を汚させる矛盾

家族を守る頑丈な家が
大地が揺れた瞬間 凶器と変わる矛盾

動物を保護するという思い上がりと
家畜を処分するという傲慢の矛盾

飽食の国の乙女たちが痩せる努力をしている陰で
飢餓の国の子供たちは痩せ衰えて命を落としている矛盾

正義を行う手段が
いつの世も戦争であり続ける矛盾


いったい、何がしたいんだろう
いったい、何を信じているんだろう

人間というものは


*************************

2011年に書いた詩です。

今、読み返してみても
世の中は何も変わってない
形や手段を変えて
どんどん悪いほうへ向かっている
と感じる

プラごみが自然に及ぼす被害が
どんどん酷くなっている
マイクロプラスチックによる海洋汚染
地球温暖化も加速している

レジ袋有料化
プラごみ削減

今更、
人間がどんなに足掻こうと
もう、
地球は元に戻らない、、、

ならば、
この先 どう生きていけばいいか
どのように
地球に償っていけばいいか

負の連鎖

2015-11-14 | 心詩~こころうた・世
繰り返される愚行
繰り返される悲劇

名も知らぬ人々の
あたりまえの日常を
ささやかな喜びを 安らぎを
すべてを支配する者のように

同じ人間が
同じ地球(ほし)の上で
同じ命を奪い合う

悲劇は悲劇への引き金
流される涙は
新たな憎しみへと変わり

なぜ 同じ人間同士が──

武器では 誰も救えない
暴力では なにも解決できない

ひな鳥たちへ【再録】

2015-09-01 | 心詩~こころうた・世
不器用な子に生まれたね
それで失敗ばかりだね
あまりに不器用すぎるから
泣き方さえも知らないの

愛想笑いでごまかして
波風立てずにいるのにね
面白がってる子たちがさ
石をどぶんと投げるんだ

やめて やめてよ
いくら心で叫んでも
声に出さなきゃ届かない
声に出しても届かない



臆病な子に生まれたね
それで損してばかりだね
あまりに臆病すぎるから
人の目さえも見れないの

背中で受け取る陰口に
胸の真ん中痛むけど
じっと唇かみしめて
ひとりで耐えて過ごすんだ

やめて やめてよ
いくら心で叫んでも
それは誰にもわからない
言われた人しかわからない



ひとりでじっと耐えた子は
いつか必ず強くなる
あまりに傷つきすぎた子は
誰かが守ってあげなくちゃ

大人になったそのときに
二度とうつむかないように
心の傷のかさぶたが
二度と剥がれてこぬように

もう やめて
声に出して言えたなら
自分に自信が持てるでしょう
自分を好きになれるでしょう





*********************************

夏休み明けの9月1日に自殺する学生の数が最も多いという。
今の子供たち、少年少女たちの世界が、そんな事になっているのかと驚いた。

小学生が生きる事に疲れ、死を選ぶ時代だなんて……。

自殺なんてしちゃいけない。
悪いのは、あなたを苦しめている者たちだから。
そんな奴らは、あなたが命を絶つ事に、微塵の痛みも感じないのだから。

逃げるのではなく、我が身を守ると考えて。
卑怯者に、あなたの大事な人生をくれてやる必要なんてない。

命を守るために、なにも恥じないで。
必死の叫びは、必ず誰かに届くはずだから。

目の前の苦しみだけを見ないで。
顔を上げれば、空の青さが心の重石を軽くしてくれるかもしれない。
後ろを振り返れば、懐かしい景色に戻れる道が続いているかもしれない。
まだ見ぬ場所に、あなたの味方がいるかもしれない。

今の苦しみは、永遠には続かない。
自分の命を、人生を、どうか大切にして。
誰のためにでもなく、あなたの未来のために──。

未来逃避

2015-05-17 | 心詩~こころうた・世
目に見えぬ恐怖
まだそこにない脅威

何も無い事にして
ぬるま湯のような
日常に甘んじていたい


生まれたときから
ここは平和な世界
何不自由ない世界

物質にまみれ
機械に支配され
情報に操られ

思考回路を遮断し
善悪の判断もせぬままに

現在(いま)の快楽に溺れ
現在が幸福(しあわせ)ならばよいと


どうせ起こりなどしない
世界が一変するような出来事など
どうせ起こるわけないのだから


そう 自分に暗示をかけ──

I AM ・・・

2015-01-26 | 心詩~こころうた・世
創造するのも人間
破壊するのも人間

愛を歌うのも人間
憎しみを叫ぶのも人間

好意を持って接するもの人間
悪意を持って近づくのも人間


生み出す先に何を求める
奪い取る先に何を求める


個は集団となり脅威の力を持ち
小さき個々の日常を脅かす

だが
個は集団となり
脅威に立ち向かう勇気となれる


生まれ落ちた場所?
育った環境?
触れた愛情の量?
貧富の差?

何が理由なのか
何の違いなのか

同じ人間が理解し合えないのは
歩み寄る手段を見い出せないのは


人は
何を守るため (誰が味方で)
何と戦うのか (誰が敵だ?)



たとえば

目の前をひらひらとかすめ飛ぶ蝶々に出会い
土塊(つちくれ)を割り芽生える小さな野の花に足を止め
ふと 心ほころぶ瞬間のように
他人への敵意を和らげることは不可能か

ほころんだ心を集めて
悲しみの鎖を断ち切ることは不可能か

指先に染みついた鉄錆の臭いが
すべて消え去る日が来ることは……


生身の人間を愛する術(すべ)を知らず
優しさの与え方も 受け取り方も知らず

干乾びた景色を見つめ
飢えと渇きに蝕まれながら

人は どんな歌を口ずさむのか

刻まれ続けてゆくもの

2014-01-17 | 心詩~こころうた・世
誰かが忘れてしまっても
誰かは心に刻んでいる

誰かが笑って過ごしていても
誰かは静かに祈りを捧げている


背負った宿命はそれぞれに違う
誰かの宿命を
人は見守ることしかできない
自分の宿命は
自分で受け止めるしかない

過ぎ去った哀しみ
過ぎ去った痛み
でも 過去にはならない
そこで終わりではないから

哀しみは 痛みは
怒りは 絶望は
繰り返す 繰り返される

すべての人類が
それを拒絶しようとも
時という名の地層に
刻まれ続けてゆく


地球という脅威の中で
私たちは 生きている

偽りの楽園で

2013-12-23 | 心詩~こころうた・世
大事なものは何?
必要なものは何?

かけがえのない
命のために
世界のために
未来のために

本当にそう──?

守るべきものを手放し
捨て去るべきものに固執し
この世界に蓄積された
無数の有害物質

一粒 吐き出した吐息が
何十億倍に濃縮され
木々を枯らし 空を濁らせ
肉体を侵し 精神を病ます

それがお前たちの
本当に大切なものか
本当に求めるものか


偽善と嘲りながら
背を向け 目を逸らし
脳内補完した楽園で
偽りの平和に甘んじる

いつまでもここにあると信じ
破壊者の正体にも気づかず
日々のささやかな善行を積み
明日を許されるようにと祈り

儚い命を救いたいと
美しい世界を守りたいと
汚れない未来を築きたいと

一点の曇りなき崇高な思いが
この世界を幸福にできるのだと
信じて疑わぬものたちの
すべてを知り得たあとの絶望だけが
この世界を解放し 浄化する


いらないものは何?
本当に醜いものは何?

私もそう──?

遠き平和に

2013-08-10 | 心詩~こころうた・世
人の命に
人の死に
思いを馳せる
八月の空の下

繰り返す
繰り返される
侵略と
殺戮と

流される
流され続ける
人の血と
人の涙と

加担することも
傍観することも
知らずに生きることも
深き罪
深き悲しみ

平和の意味
幸福の意味
自分のためでなく
この世界のすべてを思い

願い
祈り
乞い

すべての心が平和を求め
すべての手が争いを放棄し
兵器が人を守る手段ではなくなる
その日がきっと来ることを信じて……

星と生きる宿命-さだめ-

2013-04-20 | 心詩~こころうた・世
この恐怖からは
決して逃れられない
この星に生きるかぎり
拒むことはできない

今日 誰の足元に
明日 誰の頭上に
それは降り立ち
かけがえないものを
奪ってゆくのか


祈っても届かない
そのものには
心などないのだから

何億年
繰り返されてきた
終焉と再生

その狭間に
私たちはいる
ただ それだけのこと


浅はかな人類が
築いた砂の城は
危うい大地の上で
儚く崩れ去る

どれだけ抗おうと
太刀打ちなどできない
巨大すぎる力の前に


やがて誰もいなくなり
幾度目かの再生が始まる──

十人十色

2013-04-01 | 心詩~こころうた・世
人は それぞれ
十人十色 百人百色

点々と存在する
人と人の狭間に
自分の居場所を探しながら

受け入れながら
許されながら
細々と人生の灯をともす


人は それぞれ
十人十色 千人千色

違うということを
拒絶するのなら
自分以外 誰も愛せない

差別や蔑みは
自分が世界の中心と
考えるものたちの 傲り


点々と存在する
それぞれの色の中に
自分の色を足してゆく

世界を彩る 一色(ひといろ)を