か ら け ん


ずっと走り続けてきました。一休みしてまわりを見ます。
そしてまた走ります。

松本蘭(Vn) 酒井有彩(Pf)

2019年12月16日 | 音楽

松本蘭さんは、高嶋ちさ子さんの「12人のヴァイオリニスト」に所属して活動されていたそうだ。「めざましクラッシック」でご覧になったことがある人も多いと思う。桐朋の出身。

高嶋さんが、やさしく、さわやかであっさりとした音であるのに対し、松本さんは大きめのビブラートの振れで、雄々しく情熱的な音を出した。

お子さん(4か月)がいらっしゃるそうで落ち着いた雰囲気をお持ちだった。

テクニックは秀逸で、完成度が高く安心して聞けた。

 

よくもこんな田舎まで来ていただいたと思う。会場の椅子はパイプ椅子だ。バイオリンをやってる人が大勢いた。

チケットは一人1500円。なかなかいばらの道は続くな。座席はパラパラだった。

 

いばらだと言った理由。それはバイオリンが高価になったこと。…①

日本という国が、先進国であるにもかかわらず「ゼニ」にならんことには関心を持たない国だということ。…➁

ぼくが習い始めたころ、1台の値段は高いものでも数百万円どまりだった。150万円出せば田舎ではお城のような家が買えた時代だ。だから当時でももちろんバイオリンは高い買い物ではあった。さらに、体の成長に合わせ4台ぐらいは買い替えるし、半年に一度必要な弓の張替には、練習用でも軽自動車が買えるぐらいの費用がかかる。

だが今や日本はよい音のためには、ほとんどいくらでも出せる国になった。なのに、目の前のすぐ成果が出る話には熱心に予算措置が講じられるが、バイオリニストの養成には気が遠くなるほどの時間とカネがかかる。だが日本はその気になればできるのに、文化にカネを使わない。

こういうところに国家は介入せよ。東京芸大? いや、すでに天才は見切りをつけ外国に流れている。文化に対する渇望があるのに政府はそれに答えない。

天才でありかつ同時に金持ちであることが良い音を奏でる条件になっている。芸術家を持ち金の目方で測ってはいけない。文化の途上国日本。

 

安部のどこが毛並みがいいのだろう。学問における基礎研究の重要さが分からず、中小企業が求める「即戦力」の要請を最優先課題とした。

そんな人間にどうして養成に30年かかる芸術の理解ができようか。バイオリン本体を別として養成費は一人2億円かかる。バイオリン本体は最近、中国人が弾けもしないくせに投資目的で買い占めるから、高いものは30億になった。もはや材料の松が存在しないのだ。最高の名器が理解のない中国にあるなんて。 日本では本当の音が聞けないのにどうして新人が育とうか。 (①について)

 

 

今こそ文科省は口を出さずカネを出せ。

貧乏国に対してはこんなことを求めようがないが、アメリカの武器をローンで130兆円も買い付けてトランプにへつらう安部の下品さからは、さらさら期待できないことだ。

自民党、とりわけ安部一味の銭カネ万能下品政策により日本はソフトパワーが弱い国になった。一番稼いでおきながらカネではもたらせない文化というものに関心がない。

 

芸術家が生きるには苦しい国だ。

 

 

民間の一介の演奏者が私財を投じて演奏家を育てるなんてことは、途上国においてはあり得よう。ところが世界に冠たる金持ち国日本が音に関しては途上国状態だ。(「12人のヴァイオリニスト」、②について)
 

 

 

世界の名器ストラジでもやはり寿命はある。400年ぐらいで寿命は尽きる。優れたコピーも含めて世界に500台。今後減るしかない運命だ。

今最大の保有国は、弾けもしない中国だ。中国人の優れた演奏家がいることは知っている。だが彼らは中国にはいない。

日本も含め、経済力が巨大であるからこそ、ゼニ以外に関心を持つ国であってほしい。

 

たしかに良い音は優れた環境がないと生まれない。だからゼニは必要だ。だが、日本のゼニはさらなるゼニの拡大にしか関心がない。ゼニはソフトパワーの養成に責任を負っているのに。

 

 

ピアノ伴奏を担当した酒井有彩さんがソロでコンサートをする。福岡県久留米市城島町。インガットホール。このホールは、どうしたらこんなにお下劣に作れるかと思う建物なので近くまで行くとすぐわかる。

来年(2020)、2月8日。

この方は難曲をさも簡単なように弾く。通常、プロは商売上の演技をして、難しくないところも難しそうに弾く人が多い。そうした方に拍手がおおく来る。

ピアノというくらいだから、ピアノの音の神髄はピアノ音、つまり弱音にある。ぼくは、ピアノに関しては素人だが、素人が惚れる音は本物だ。1000円 人柄もよくうちの娘と交換しようと思う。

 

皆さん、ぼくは来年2月8日、福岡県久留米市城島町インガットホールにいます。初めてピアノソロを聞きにホールに行く。

 



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