市場でペタンコになった姿しか知らないが、実物は真ん丸に太っているようだ。
どうも従来の進化論からだけでは説明がつかない。アンコウの頭の上にあるひらひらはいったい誰が思いついたのだろう。ひらひらにつられて寄ってきた小魚を一網打尽にする。
自分の体の一部がルアーに変化しときに発光し小魚をおびき寄せ捕食する。
ところでこの姿をしているのは全部メスだそうだ。生まれたアンコウの子供が性転換をして一部がメスになるのか、最初っから一部の個体がメスなのかはわかっていない。しかもオスはメスの数百分の一の大きさだ。
真っ暗な深海でどうやって出会うのか。
その千載一遇の好機を逃さないため、オスはすさまじい行動に出る。メスに食いついて離れないのだ。若い頃のぼくを見るようで哀れでもある。
ほんとうにすごいのはここからだ。
食いついていたオスの血管は、やがてメスの血管と一体化する。こうなるとオスの心臓は不要だ。退化し機能を停止する。よく考えると脳もいらない。必要なのは精子製造機能だけ。
完全無欠、究極のひもだ。これもいいなとふと思ったりする。餌の心配はなく心臓も脳も退化。
アンコウの表皮がいやに凸凹してると思ったらそれはオスの究極の姿だった。
しかもメスは何匹でもオスを囲う。
オスとしては食いぱっぐれる心配もなくやりっぱなしの状態で永遠の生を生きる。心臓もやがて鼓動を停止し脳も退化して意識はヤルことに集中する。人間のオスにもいるが、悪い話ではないかな。
アンコウを食う時、ここはメスの部分かオスの部分か、意識して食おう。