JR西日本の元男性社員=当時(28)=が、月100時間以上の長時間労働を10カ月間続けて鬱病になり、自殺したのは、同社が労働時間の適正把握などを怠ったのが原因だとして、遺族3人がJR西に約1億9千万円の損害賠償を求める訴訟を大阪地裁に起こしたことが25日、分かった。JR西側は同日開かれた第1回口頭弁論で、長時間労働と自殺との因果関係を認める一方、損害額について争う姿勢を示した。 by 産経新聞 10月25日
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僕がつくづく思うのは、世の中とは、頭のいい、家庭に問題のない、学歴のいい、人当たりのいい、優しい笑顔で過ごせる人には、自然と幸せが集まるんだな、ということ。
だったらそうすればいいだけさと簡単に言う人がいる。そう言う人は、自分の能力がないために人生を深く見ることのできない人だから、すべてがリトマス紙のように赤か青に二分して物事を測れると思っている。
できれば誰だって頭がよくなりたいさ、家庭の問題なんていやに決まってる、東大に入ってがっくりする奴はいない。トラブルを抱えず、勉強の環境に恵まれ、好奇心をはぐくんでくれる良いお父さんのいる奴は、いやでも穏やかで人当たりのいい苦労の少ない人生を送る。JR西日本とやらに入ってもネジ一本締めるはずはなく、デスクワークをしばらくすればすぐ管理職だ。穏やかな性格なんて演技でもするだろう。
エンジン付きのベビーカーという軽に乗っているのはブスな女房で、それだけでもイライラする。一方部長になった同期はマジェスタでお迎えが来る。「あなた、はやく帰ってね。」というのは、トリンドルちゃんだ。
トリンドルちゃんから残業頑張ってね、と言われれば100時間ぐらいわけもない。
だけど死んだ彼の中には葛藤があったはずだ。みんなやってることだ。負けられない。俺が休めば皆に対する迷惑になる。ああ、陰口をたたいている奴がいる。組合は会社とグルで組合員をかばうことしかしない。
そうして八方ふさがりになって死を選択する。グダグダあとになって言う奴は「死の意味」について言う。「死そのもの」についてはだれも知らない。死んだことのある人はいないだろう。思ったより苦しいはずだ。分からないなら僕が日本刀で切る。彼はそれを自分でやったんだぞ。
とくに職場での無視、仕事を教えない、文房具のありかすら教えない、わずかな失敗も人によって大げさであったり、はたまた見逃してやったり。さらに自分らは要領よく、はやく帰る。これらの行為をされると真面目な人にはこたえる。
ここまで追い詰められた彼は、地獄へのるつぼの中にいる。
僕は苦しかったら逃げろというスタンスに変わりはない。こう言うとすぐ反論が来る。「おまんま」が食えないじゃないか。ちがう。おまえの苦しみがまだその程度だから仕事が気になるのだ。辞めて路頭に迷うのが気になるのは、精いっぱい仕事をしてないからだ。
でも限界が来たら逃げるべきだった。生きる術はJRだけじゃない。僕を見ろ。道端の草を食う覚悟はいつでもある。山草野草で生きている。極めて健康だ。所属する苦痛より貧乏の方がましだ。
死んで損害賠償をくれるだと。JRは人をバカにするな。
頑張ったらだめだ。死ぬほど頑張って、あの世で休んで何になる。おまえは20代じゃないか。人生はこれから面白くなったのに。
どうせ裁判が終わるころ、世間は忘れてしまっている。