か ら け ん


ずっと走り続けてきました。一休みしてまわりを見ます。
そしてまた走ります。

秘密保護法案は、国家の秘密を何から守ろうとしているか。

2013年10月23日 | 社会・経済

Img_1494369_62396127_1 楽しい話題もあるがうっとおしい話題の方が緊急かつ重大だ。はるか昔の西山事件が国会で論争となった。

西山事件(にしやまじけん)は、1971年の沖縄返還協定にからみ、取材上知り得た機密情報を国会議員に漏洩した毎日新聞社政治部の西山太吉記者らが、国家公務員法違反で有罪となった事件。沖縄密約事件(おきなわみつやくじけん)。  Wiki

当時の政府の説明によると、沖縄返還に際して、交換条件として米軍の駐留を認めるという約束はない、と明言していた。政府は、白を黒と言った。

外交において一定の秘密があるのは当然であり、それを知る権利を盾に全部あきらかにしろという極端なバカがいるのは残念だが、幸いそれは一部だ。

ここで大事なのは秘密であるということと、全く逆のAをBと言い張っていることは異なることということだ。

再論するが外交においてたとえば、Aであることを知りつつしらばっくれて、知らぬ存ぜぬで通すことは、ときとしてありうる。ところが「AでなくてBだ」と言い切る権利はだれにもない。米軍のことは、分かりませんとか言えません、と言うべきだった。実際は密約にもとづき、米軍は、むしろ増強を続けた。

この欺瞞を明らかにしたのが西山記者だ。西山による摘発がなかったらなかったら、国民は以後50年間は佐藤栄作の国会での大ウソを信じさせられるところだった。米軍は国民の知らぬところの密約にもとづき既成事実として沖縄に居座ることとなった。50年後のアメリカ外交文書の公開によってわれらはその全貌を知った。

当時の冷戦状況の下、極東の安全保障のためにも米軍の駐留は必要だったというものがいる。バカ。味噌もくそも一緒にするな。国民の基本権を論じているのだ。一時点の極東情勢とは全く関係ない。両者を混同することを何というか。頭が悪いという。

すべての密約を否定するものではない。だが、およそ政府が機密だと任意に決定したら、それが即、国家機密になる社会の恐ろしさだ。佐藤は国民が当然知るべきであった沖縄密約事件を、外務省機密漏えい事件として社会に喧伝した。

たしかにわが国の憲法には、知る権利の規定はない。プライバシーの権利や環境権すらないのだ。昭和21年に制定された憲法にそこまで要求できないのかもしれない。だが「表現の自由」を拡大解釈することによって国民の自由と権利の保障にわが国の三権は決死の努力をしてきた。

にもかかわらず秘密保護法は、知る権利を踏みにじった。能天気右翼よ。尖閣での衝突事件は、いかにして知ったか。CIAの盗聴は、いかにして知ったか。福祉施設は、天下り悪徳役人のためにあることをいかにして知ったか。教育委員会は、に利権を与えることに目をつぶり、いかに莫大な退職金をさらっていくのか。・・・知る権利がなかったら、みんな知られることもなく消し去られたものばかりだ。これら新しい権利の拡大には、自民党ですらしぶしぶ賛成してきた。

なのに時代に逆行して、基本権に制限を加え為政者の便宜のみを図る、この役人のための秘密法案は一定年数たった書類を焼却しようとする。これは、我々が当然知るべき歴史的な政府の所作を、証拠隠滅するものだ。アメリカは50年たったら義務として白日の下に晒すのに、大ちがいだ。

そもそもわが国の国家機密はどこから漏れていると思うか。アホは、日本がスパイ天国だからだという。日本にそんなに積極的に活動する政治スパイはいない。ネトウヨはこう聞くと顎を痙攣させて叫びだすだろうが、いないものはいない。ではどこから漏れるか。パーティで、立ち話で、セミナーで、タクシーの中で、外交官僚、経済官僚は、言っていいことといけないことの区別がつかずべらべらしゃべる。公使、大使、書記官、武官、雇員・・・外国高官はみんな情報の峻別力を持っている。このことを何というか。棚からぼた餅という。

米軍暗号を使わされている自衛隊からは、秘密はペンタゴンに直通だ。沈黙するたかが防大程度の制服組よ。007はいない。垂れ流し組織を見過ごす低脳が元凶だ。

文部官僚だけは別だ。頭がアホなので何を言っていいかわからずいつもパーティの時はグラスを持って壁にヤモリのように貼りついている。これについては面白い話がたくさんあるが、また後日。

座敷の雨戸は開けっぱなしなのに玄関ばかり執拗に鍵をかけるのは、狂気の人がすることだ。

画像は福島原発の爆発


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