なぜ学校は大事なことを教えなかったか。組織は腐る、という大事なことを。たとえば国鉄時代。国鉄マンになろうと思った人の心がすべて腐っているわけではない。しかしなってしまった人の心はすべて腐っている。一つや二つの例外をあげるのではなく本質的に反論できる人はかかってこい。
僕が若いころ、僕に不愉快な思いをさせた国鉄の窓口の奴はまだ生きている。さあ死ぬ前になんとか言ったらどうだ。不要な人間をゴロゴロ抱えて組織を守る。それを腐るというんだ。
この不愉快な思いをさせた国労は国鉄清算事業団の中に押し込められ死んでいった。つけを国民にまわし草取りをして風呂に入りカネをもらうのは泥棒だ。朝鮮人でもそんなことはしない。
ちょっとそれに近いのをここ杭州で見た。まあ日本に比べたらかわいいもんだ。
僕を含め乗客はすでに飛行機に乗りこんでいた。上海行きのその飛行機が12時を10分ぐらい過ぎたその時、管制官は食事の時間だと言って仕事を辞めてしまった。しばらくして自転車に乗った制服がやってきて口げんかをはじめたのだ。
CAたちも自分たちの仕事を早く終わらせたいためにさんざんわめいていたが、乗客のことはすっかり忘れている。昼になれば何人でも腹が減る。分からん奴らだ。
さらに数年前の話だが、待合室に時刻表がなかったので心配に思っていた。定刻は分かっているが出るのかでないのか、遅れるのかが分からない。すると自転車に乗った係員が黒板をぶら下げてきてその乗ってきた自転車に建てかけた。多分解放前からの物だろう。これでマルクスレーニン主義を講義したんじゃないか。読めなかった。
人民解放軍がいたので一緒に写真を取ってくれと頼んだら僕に解放軍の帽子をかぶせてくれた。写真を送ろうと言ったら怒られるから辞めてくれと言い軍用の飛行機に乗りこんで行った。軍はこのようにゆとりがあったが警察は厳しかった。
飛行場の周りを歩くとスクランブル用のミグが待機していたので写真を取った。警官がすっ飛んできてなんやら文句を言った。そのミグたるや旧式で遊園地でガキを載せて回っていそうな代物だ。国家の秘密とか言った。ばか。そんならお粗末な飛行機がばれるのが困るので国家の秘密なんだろ。でも飛行機に乗ってから撮るのは自由だからあとは飛行機からにしてくれと言って足早に立ち去った。
警官も無駄にエネルギーは使わんようだ。道路をはさんで菜館(レストラン)があったので入ってみた。コーヒーだけでもOKだったのでしばらくゆっくりした。そこには思いもしないチャイナドレス。僕は有り金すべてを取り出して、どうせやくざに巻きあげられたかもしれないカネだ。一番美人を呼んで「決して支配人に渡すなかれ。従業員で平等に分配せよ」と紙に書いてこっそり渡した。
一人分でも年収分はあったと思う。何回も確認したのにその美人は迷わずカネを支配人に渡した。支配人は僕の席に来てどういうことか尋ねた。僕はもう帰国するのでカネはいらないので記念品と思ってみんなで分けてくれといった。ホントはお前の取り分なんか渡したくなかったのに。
支配人の嬉しそうだったこと。民間人は腐らない。規則だ書類だ言うまえに、ちゃっかりいただけるモノはいただこう。そうだ、その融通性が腐敗を防ぐ。支配人はどうでもよかったが。