しばらく家を空けることになった。その前に冷蔵庫を空にしておく必要がある。一生懸命料理を工夫して野菜室、チルド室、卵棚などを空にした。
帰国して思いっきり買い物。思いっきり買うとストレス発散になる。買ったものの重さで車の加速が悪くなるほどだった。一方、出て行ったものも大きい。僕はレシートからバカにされたようだ。…「おいお前、この金額ショックだろ」。
家に帰り冷蔵庫に詰める。
空になっていた冷蔵庫は購入して以来の大掃除。そこにどさっと入れた。マックスバリューか、ダイレックスか、はたまたALZOか。安いものを求めて車を駆ける。
わずか1か月、日本を離れていた。その間にあらゆるものがすさまじく値上がりしている。物価の優等生も例外なく。LだのSだの言うが、よく見ないとわからないので迷うことなくS。120円で買ってたものが300円だもの。
フランス革命はパンの値上がりに端を発している。たかが卵と思うなかれ。
しかし本質は消費者の収入の低さにある。30年間とどめ置かれた賃金は今やアジアで9位の低さである。マレーシアと並んだ。
かたや企業の内部留保は100兆円を超えた。今ごろ給料に回そうかと恩着せがましく言う。遅い。賃金水準の優先順位を最後にした安部政治の「つけ」が来ている。
冷蔵庫の卵棚には卵を立てるための穴が開いている。この穴の大きさは最小の卵を想定したものではないか。
買い物の卵を入れるとスッポリ穴をくぐりぬけた。
貧困も度を超すと笑えてくる。