日本の人口がやがて半減するということは、高校も半分で済むということだ。不良私立校は、今まで教育のフリをして生徒を詰め込めるだけ詰め込んで金儲けのために学校を経営してきた。
時代は変わるもんだ。60年代。福岡県は社会党の天下で労組の推薦がないと校長になれず、ヒラは定年がなく朝礼は階級闘争の場であった。増える人口に対し校舎は慢性的に不足し、学年16クラスの公立校があった。運動会は2回に分けて行い、付近の民家を買い上げ部室に当てた。
ほりえもんや孫正義が通った久留米大付設や明治学園等の例外を除き、上から1/3の生徒は公立に行き、もっとバカが残りの2/3の私立に行った。
公立とは、タダみたいな授業料で賢い子が集うところを意味した。県はマンモス校の解消のため公立増設を図ったが一朝一夕には出来ない。
そこでだ。わが子も公立にという親心。本人も、あんな私立校の不良と一緒はいやだと思うのは当然だ。解放同盟や社会党、自民党、県教委、組合の支部長、総務部長・・・。頼むところはたくさんある。
試験なんかどうにでもなった。
入試の結果発表前に団体が圧力をかけてきた。何と生徒どころか教員採用試験に対してすら一定の人数枠を持つ団体があった。
朝鮮人の団体とは言わない。ただ渾然一体となって同じ地域に住んでいる場合がある。その地域のボスにコネがあるか、あるいはボス自身の子供が受験するとき不正が起こる。
僕は中学始まって以来の天才といわれていたのでその必要はなかったが、ご親切にも発表前に僕の点数を知らせてくれる人がいた。このように住民は不正という肥溜めの中を泳いでいた。不正は、希望の星だった。
何を思ったのか、バックに何でもいるこの地域ボスは、途中でごり押しをやめた。理由は分からない。
不正をやめたので在日特権はないというか。普通の日本人がこんなことをしたらどういう目にあうか。わが子を合格させろ、入学させろと圧力をかけたらとんでもないことになる。警察沙汰は間違いなし。目をつむれないウルトラ不正だ。
もちろん、こんな特権がすべての朝鮮人にあったわけではない。しかし、すべての日本人に、そんな特権があったとでも言うか。
昔の話だ。日本人であっても、先生の子供は公立を落ちたためしがなかった。小学校の先生になるには500万、中学校は800万、校長は2500万、と、まことしやかにささやかれそのとおりになった。
昔の話だ。世は不正であふれていた。だがしかし、僕は言いたい。
だからといって、不正や不公平がどんなにあふれて公然化しようと時が流れようと善に転化したりしない。悪は悪であり許してはならぬ。