前回彼が日本に来た時、僕は彼の出口付近に座っていたので握手をすることができた。彼はまるく腰を曲げしかし視線は外さず僕を見つめてこういった。I am encourged by your opinion.
困る、困るよ。僕の出まかせの感想に「元気が出ました」とか言われたら。世界のダライラマですよ。大体そんな場所に僕を呼ぶ方がおかしい。じつはダライラマとかなりやりとりをした。
彼の持つカリスマ性と戦いつつ意見を言うのは本当に疲れた。
中国共産党も彼の持つカリスマ性に恐れをなし彼を殺すことはできず、せいぜい国外追放がせきのやまだった。なんとあの10億を率いる共産党が直接交渉をためらったのだ。何人いようと彼のカリスマには及ばなかった。
ゴマすりや迎合したことを言うときの彼の顔は鋭かった。しかし不思議なことに批判的なことには驚くほどの包容力を見せた。
ダライラマと対決してやると力んで行っても帰りにはすっかりファンになっていることが多かったそうだ。僕自身、彼の話を聞きながらなんでこんなつまらないことに悩んでいるんだろうと何回も思った。悩みがどうでもいいことに思えてきたのだ。
僕はこんなことを話した。
The situation is different from what you aim at. You will be disappointed. Is not there the way investigating active peace?
（もうそろそろ矛を収めたら？すべてが好転してるわけじゃないでしょ。可能性は少ないと思うけど。和平の可能性はあると思うけど？）
彼は話をそらして、早く引退したいな、趣味の時計修理をしたいなと言った。
ところが、帰り際僕の顔を見て、I am encourged by your opinion.
