か ら け ん


ずっと走り続けてきました。一休みしてまわりを見ます。
そしてまた走ります。

象と象牙

2018年03月12日 | 趣味

人には収集癖があり、いったん集めだすと加速度がつき善悪の判断もしなくなる。

象と象牙は主に日本に輸出された。当然、革は財布になることもあり象牙は主として印鑑になった。田舎の床の間の置物にこれ見よがしの繊細な彫刻を施され鎮座した。

密猟者を責める前に先進国の理性が愚かな殺戮をやめさせるべきだった。

日本以外の先進国では、絶滅危惧種の革を持つことを最も教養がない行為だとして軽蔑される。にわか成金はどこにもいて貂や鰐によだれを垂らす。

こういうご時世になるとは知らず象の財布と象牙を買った。30年前。毎日使って金の刻印がはげないのだ。

この手触りは暗闇で財布を出すとき分かる。いつの間にか僕の指が記憶している。しっとりとして摩擦があり、強い。縫製がよく一度も切れたことはない。

「あ、財布新しくしたね。」といわれるとき得も言われぬ幸福感がする。

「うん、まあね。」

三越さんありがとう。



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