ちゃんと紙にリストを書いておけば忘れ物もなくなるのだが。
ぼくもただ普通に老いに抗っている。
キャンプ場に着いて忘れ物に気が付くと強い自己嫌悪が襲う。
「こんなはずじゃなかった、どうしたからけん。往年の明晰秀逸な頭脳はどこへ行った?」、と。
しばらくたつと人のせいにして何とか気持ちを合理化しはじめる。
「出がけに燃えないゴミを出しといてとか、帰りはクリーニングを取ってきてとか。タダ飯食いたちは出がけに紛らわしいことを言う。
つまり、「そのせいで忘れたんだ。」と話を持っていきたいのだ。
しかし今回は忘れるにもほどがあるものを忘れた。
ナイフ、食用油、ドレッシング。
今日は野菜たっぷり焼ソバの予定。
ま、そこはそれ、いつもの秀逸な頭脳で乗り切る。と、シナプスの劣化を認めない。我ながら嫌な老人だ。
創意工夫。
サラダ用野菜をどうするか。まずレタス。直接食いつく。塩とゴマをかけて。
これなかなか正解。
人類は火の使用をすることで猿とたもとを別った。その火にかけるにはあまりにも肉が大きい。僕はどうしたか。
生肉に食いついた。 食いついて引きちぎり5,6個の塊にした。300万年退化した気分。ここは見苦しい姿なので画像はなし。もう一つ言うと生肉はうまくない。
野菜は。アルミの風防を一枚外し河原で研いでみた。これがなかなか鋭い切れ味。ナイフ。なかったら作る。
油は肉のラード部分を先に加熱。わずかに出てくる脂分に賭けた。
玉を入れて、
これがまた怪我の功名というか、あっさり味。
今回もまた、不幸に負けないからけんの生き方の一面でした。