JR天王寺駅を東に7~8分も歩くと、四天王寺に至ります。
四天王寺は、奈良県明日香村飛鳥寺と並び、
日本で最初の本格的仏教寺院として建立された寺院です。
創建以来、幾度も焼失・再建を繰り返してきました。
寺院にもその時代々々に応じた建立の仕方、流行があります。
そして何よりも再建にかかる費用の問題が、再建計画を大きく左右します。
しかし、四天王寺は、その都度、中心伽藍といわれる五重塔、金堂、講堂は、
創建時と同じ場所、同じ大きさで、再建されてきました。
特に近世では、官ではなく民の財力で行われました。
そしてその民の担い手は商人でした。
いかに大阪の商人に財力があったか、四天王寺はその象徴的存在でもあります。
直近の再建は、昭和三十八年です。
太平洋戦争の米軍の無差別空襲によって、この中心伽藍は破壊され尽くされたました。
その十八年後に、全て鉄骨とコンクリートで施工されました。
これが奈良や京都であればどうでしょう。木造ではなかったでしょうか。
実際、奈良の薬師寺は木造によって再建されています。
兎に角も、四天王寺は、昭和三十八年に、創建時の同じ場所、同じ大きさで、
「鉄骨・コンクリート造り」で再建されました。
良きにつけ悪しきにつけ、実に大阪らしい四天王寺の再建です。
つづく