「万葉の小径」で、黄金色したヤマブキが、満開になっていました。
太い黒松を取り囲むように咲くヤマブキです。
「万葉の小径」の細い散策路をさらに狭めるヤマブキ、今が盛りです。
「山吹の 立ちよそひたる 山清水 汲みに行かめど 道の知らなくに」
十市皇女への高市皇子の詠まれた挽歌です。
高市皇子と十市皇女は異母兄妹で、父は天武天皇です。
十市皇女は天武天皇の兄・天智天皇の皇子である大友皇子の正妃となりますが、
大友皇子側は、天智天皇崩御後、勃発した壬申の乱で、天武天皇側に破れます。
そしてその後、数奇な運命を辿った十市皇女もやがて亡くなります。
それを知った高市皇子が嘆き悲しみ詠んだのがこの歌だそうです。
「黄泉の国へ旅立った妹、
今頃は山吹の花が咲く泉のほとりに佇んでいるかも知れない、
私もそこを訪ねてその妹を慰めてやりたい、
しかし、そこへ行く道が深い森に阻まれてわからない・・・」
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長居植物園万葉の小径にて
(EM1-12-100)