けいた と おちぇの親方日記

わんこと暮らす、のんびり日記

小説「三十光年の星たち(上)」(宮本輝著)

2014-05-20 18:00:00 | 書籍(小説)
宮本輝さん著の「三十光年の星たち」の上巻を読んだ。



主人公は、無職でホームレス寸前まで追い込まれた坪木仁志(30歳)。
大筋は、謎の金貸し・佐伯平蔵から借りた80万円を坪木が返せないため、
佐伯の運転手となり、延滞者のもとへ「取り立て」に出かけるというもの。

自分は宮本さんの作品が好きである。
初の宮本作品である「約束の冬」を読んだのは40歳を過ぎてからだと思う。
若い頃なら面白いとは思わなかったかもしれない。

宮本さんの作品は面白いだけではなく、
共感できることや初めて知ることがたくさんある。

「混じぇるということが、生物社会の掟であって、人間も同じです。
 好きなやつだけ集めるのは健全ではないのです。」

「現代人には二つタイプがいる。見えるものしか見ないタイプと、
 見えないものを見ようと努力するタイプだ。(中略)
 現場が発しているかすかな情報から全体を読み取りなさい。」

「自分を磨く方法」として、佐伯がいう言葉がある。
「働いて働いて働き抜くんだ。これ以上は働けないってところまでだ。
 もうひとつある。自分にものを教えてくれる人に、叱られつづけるんだ。
 叱られて、叱られて、叱られて、これ以上叱られたら、
 自分はどうかなってしまうっていうくらい叱られつづ けるんだ。
 このどっちかだ。」

「人を見る尺度は三十年だ」
「山笑う季節」、「八分灸」、「十年一剣を磨く」

本作品でもたくさんのことを学ぶことができた。
下巻では、どうなるのか楽しみである。
コメント
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