先日、予告しました「MAKO.さんの卒業生突撃取材!」シリーズがはじまりました。
第1回、アートコース卒業の画家、相馬博先生ですが、ご本人からの加筆修正が入りましたので、あらためてご紹介いたします。
吉祥寺にあるギャラリーポンプラで企画展を開催中の相馬先生。現在は抽象画家として活躍中です。
画家を目指す心得をお聞きしてきました。
Q.画家だと実感したきっかけ(ターニングポイント)はいつですか?
周りから「画家」だと言われた時に感じました。
自分は芸術家タイプだと思いますが、絵を売って生活できないと画家ではないと先輩から聞いていたのですが、まわりに画家だと言われるようになった頃には、自分は画家になったんだと自覚しました。
自分で画家だと言うのではなく、認められた時に画家だと思うものかと。
Q.仕事は「描いてください」と依頼をもらうのですが?
稀にそういうこともありますが、どちらかと言うと、会場を借りて作品を展示販売。そこで買い手が見つかり収入を得る。そして、展示の絵を見て依頼をいただくというかたちです。
Q.中美を選んだきっかけは何ですか?
1つは近くで交通の便が良かったから。
元々はイラストを描きたかったんです。それで、もう1校候補があったのですが、体験入学をしたりしているうちに、アート科を選びました。
自由なところ、型にはまらないところ、色々な講師が見てくれるところが良いところだと思います。
Q.学生中に色々な美術館を廻られていたと聞きました。印象に残っている作家さんはいらっしゃいますか?
うーん…今、誰っていうのは記憶にないんですが、展示している作品をばーっと見て、印象に残った作品はじっくり見て、「どこが印象に残ったんだろう」と考えるようにしていました。
Q。いいなと思う絵の模写はされますか?
学生のときはしていましたが、今はあまりしませんね。
自分の作品というものが出来てからは、自分から出てきたものを自分で表現したいです。特に現代美術は誰もやったことのないことをするので、稀に何かないかなーと思って、人の作品を見たりはしますよ。その作品のテクニックを自分なりに真似してみたりはします。
Q.中美に居た頃の、授業や絵以外での思い出は何かありますか?
えっとー…………………(沈黙)
逆に先生に、勉強ばっかりしないで遊びなさいって言われてました(笑)
Q.絵をやろうと思ったのはいつですか?
絵は小さいころ得意だったので、進学で迷っていた頃に母親から「絵をやってみたら?」と言われたんです。
最初は絵の予備校に行ったんだけど(高校生の頃)、受験用の絵は合わなかったんです。違うかなと思ってやめちゃったんです。
それで、大学は他の勉強もしなくちゃいけないから、絵を集中的に学べる専門学校を選びました。
Q.中美卒業後はどういう活動をしていましたか?
コンクールや公募展に定期的に出展していました。
アルバイトもされていました?
一時期はしていましたね。講師の仕事や展示の依頼が増えてからは辞めようって決めていましたが……「社員になってくれ」と言われるようになって、これはやばい(笑)と。
忙しくなって「絵の仕事がやりたい」って気持ちが強くなって、画家にならなきゃなと、辞めました。
その辞めた年から年間10回とか展覧会の機会がきたりして今に至ります。
Q.今回は猫の絵が多いですが猫好きなのですか?
猫が好きだったのですが、最初のきっかけは、「猫描けば?」と、展示のお誘いがあったので(笑)本業は抽象画ですよ。
Q,絵の技術以外で大事なことはありますか?
信頼関係です。あと、話せないとダメです。コミュニケーションをとること。
会場で自分の作品を説明したり、売り込んだり、人との出会いを大切にしないと次につながりません。
家で絵を描いているだけじゃ画家にはなれないです。
自分にしか出来ない仕事がしたかったという相馬先生。現在は展覧会に出す作品創りで忙しいとのこと。
夢を叶えてからもストイックに活動されていて、とても刺激があるお話をきくことが出来ました。
このままじゃだめだと、アルバイトを辞めた途端にチャンスが入りだした…というのは、わたしも同じです。「画家にならなきゃ!」という強い意志が、何かを動かしたのかもしれません。
先月、読売新聞でも大きく取り上げられた相馬先生。
7月9日(日)からはじまった「未来抽象芸術展」で、相馬先生の作品を見ることが出来ます。
ぜひ、見に行かれてはいかがでしょうか?
イラストレーターMAKO.の突撃インタビュー
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