季節的に今更ですが、エクシーガのスタッドレスタイヤを交換しました。
このエクシーガを中古で購入したのが2010年12月。
その際にブリジストンの「REVO2」を選択しました。
今は2017年...もう限界だよな、という状態でした。
スタッドレスタイヤは「時価」なので、夏から秋頃に買うのが一番お買い得なのですが、今回この中途半端な(しかもスタッドレスが高価な)時期に急ぎ購入する事になったのには訳があります。
長男がある豪雪地帯の某大学に入学する事になったからです。
引っ越しは一番雪深い頃になると思われ、劣化したスタッドレスだとチョット不安。
SUBARUは伝統的に雪道ウエルカムの性能を持っているとはいえ、タイヤが悪くてはどうしようもありません。
さてタイヤ選びです。
エクシーガGTの標準タイヤサイズは215/55/17なのですが、スタッドレスは205/60/16にインチダウンしています。
従ってこのサイズからタイヤを選んでいくのですが、スタッドレスって各メーカーから色んなモノが出ていますし、凄く迷います。
ただひとつ決めていたのは、「ブリジストンは買わない」という事だけです。
ブリジストンのスタッドレスタイヤの性能は最高だと思います。出来るなら次もブリジストンにしたい。
何故、「ブリジストンは買わない」と決めたのか、幾つか理由があります。
①価格が高い...他メーカーとの比較でよく解るのですが、高価です。よく効くというのは体験で解っているのですが、私の住んでいるところは殆ど雪が降りません。スタッドレスタイヤを履いていても、乾燥した舗装路がメインの使用状況となります。
そんな所に住んでいて高価なスタッドレスを履いていても、所詮「宝の持ち腐れ」、結局は真価を発揮せずタイヤを劣化させていくだけではないのか。
②従って、此処まで高価なタイヤはいらない。ブリジストン以外で探してみよう。
③ただし、あまりにも「効かない」と言われているモノやアジアン系はやめておこう。
④価格と性能のバランスが取れていると考えられるもの。
これらは、安全性と家計を考えた末の結論です。
以前はよくスノーボードをやりにスキー場に行っていたので「一番効く」タイヤを選ぶのが必然でしたが、今はそこまで求めていません。
むしろ、コスパ重視です。
当初、価格の安さと新味性から、ピレリの「アイス ア シンメトリコ」を考えていましたが、日本でテストした上で製品化したとはいえ、雪を知り尽くしたとは考えにくい(想像)イタリア人が開発して、中国人が製造するタイヤは如何なものか...と考えをめぐらし、パス。
まぁ色々考えあぐねましたが、ブリジストンの次に性能が良いものと言ったらヨコハマだろうな...でも価格も高いんだろうな...
などとネットで調べていると、「ヨコハマアイスガード IG52c」というタイヤを発見しました。
「IG52c」?
聞いた事無いぞ?(笑)
だが、価格は1本7,800円とお買い得。安い!気になる!
しかし、ヨコハマタイヤのHPを見ても見付かりません。カタログに載ってないんです(笑)
そこで、この「ヨコハマアイスガード IG52c」なる「謎のスタッドレスタイヤ」を調査する事から始めました。
まず、このタイヤを販売していたネットショップで作成されたと思われる能書きです。
まぁ、普通のスタッドレスタイヤの説明に見られるような一般的な解説文です。
その後調査して解った事ですが、「ヨコハマアイスガード」には国内向けと海外向けの商品があり、IG52cは海外向けだという事です。
ただ、一番知りたいのは国内向けに販売している「IG5」や「IG30」と何処がどう違い、日本の道路でも使い物になるのか、という点です。
そこで、「IG52c」で検索すると、「ヨコハマ カナダ」のHPに辿りつきました。
確かに、現役で海外で販売されているスタッドレスタイヤの様です。
IG52cについても色々と説明がなされており、翻訳して訳文を読みましたが、通り一遍の事しか書いてありません。
まず国内向けアイスガードと性能が同等程度なのか、そこが一番気掛かりです。
同等程度なら、価格を考慮するとバーゲンとなります。
気になる国内向けアイスガードの宣伝文で見られるタイヤの特徴(ナノテクノロジー)として挙げられるのは、
・氷に効く=「氷上性能」=「新マイクロ吸水バルーン」「吸水ハニカムシリカ」「吸水カーボン」
・永く効く=「冬道性能の持続性」=「ブラックポリマーⅡ」
・燃費に効く=「省燃費性能」=「BluEarth」の開発で培った先進の省燃費技術
・様々な路面に効く=「高密度サイプ配置」「トリプルベルトブロック」
これらが「IG52c」にも採用されているか、そこが重要です。
採用されていなければ、「アイスガード」ではなく単なる他メーカーのタイヤと同じになってしまいます。
しかし、HPではいまいちその辺がハッキリしません。
そこで、何かヒントが無いかと、youtubeでupされているIG52cのデモ動画を観てみました。
ここでは、短い時間の中で国内向けに造られているアイスガードと同じ技術がつぎ込まれている事を垣間見ることが出来ます。
この「なんちゃらコンパウンド」の写真をご覧ください。
これは国内向け「IG3」のページですが、ここの「吸水カーボンⅡ」の写真が動画のそれと同一のものである事が判ります。
更に、動画で紹介されている他のナノテクノロジーですが、上から
①IG5 PLUSに採用されている「スーパー吸水ゴム」(マイクロ吸水バルーンの大きさがデカい)
②「新マイクロ吸水バルーン」
③「トリプルピラミッドサイプ」
である事が判ります。
これは「IG5 PLUS」の解説ページですが、動画で紹介されている写真が同一である事が判ります。
という事は、性能的には「IG52c」は「IG30」よりも「IG5 PLUS」に近い、と推察出来ます。
これも「IG5 PLUS」のページの解説ですが、「IG52c」の動画で紹介されているナノテクノロジーが殆ど採用されているのが判ります。
ただし、最新型の「IG5 PLUS」では採用されている「エボ吸水ホワイトゲル」に関しての説明が一切無い事から、「IG52c」が従来品の「IG30」よりも性能が高く、「IG5 PLUS」よりは若干劣る、と考えられます。
これらの調査結果から、IG52cという海外向けスタッドレスタイヤは、
①国内向けアイスガードの最新ナノテクノロジーを採用し、
②コンパウンドに若干の違いはあるものの、
③国内向けとは比較にならない程海外で数多く販売する事から単価が安くなった、
④大変お買い得なヨコハマのアイスガードのひとつである
⑤IG52cの「c」は、メインマーケットの「canada」の頭文字ではないのか(どうでもいいけど)
と、結論付けました(笑)
「効いてほしい」という、希望的観測も入ってますけどね(笑)
ちなみに、1本7,800円です。
送料込で38,016円でした。安い!(ただし、2015年製造品)
ヨコハマタイヤのカタログを見ると、「保管状態が良ければ、当社の製品は製造後3年間は初期の性能を維持出来ます」と書いてあるので、信じましょう。
何故、海外向けのアイスガードがこうして入手できるのか不思議なところもあるんですが、売れ残りを独自ルートでヨコハマから大量に買いつけてきて良い商売になるんでしょう。
ある種、モグリの販売方法ですよねぇ(笑)カタログに載ってない商品なんだもん(笑)
でも、そのためにユーザーが良い品を安く買えるなら文句はありません。
誰も履いてないスタッドレスタイヤ、というところもマニアックで秘かな悦びです(笑)
という訳で、交換してきました。
アジアンタイヤ同様、規格が欧州規格なので、空気圧を高めにしないといけませんので注意。
サイドウォールにあるハートマークっぽいレリーフに「ブルーアース」と書いてあります。
主観ですが、サイドウォールの見た目はかっこいいですね。
また、ブリザックのようにボテッとしていないので、ワンダリングの発生は起こりにくいと考えられ、サイドの剛性が高そうな事を伺わせます。
(実際に高いそうです)
まだ舗装路しか走っていませんが、とても静粛性が高く、走っている感覚としても夏タイヤと違いを感じません。
パターンはこれといって特筆すべき点はありませんが、ゴムはスタッドレスとしては硬めの部類だと思います。
「永く効く」=長持ちさせるための硬さでしょうか。
今は未だ皮むきの最中なのですが、近々雪道を走る機会があるので、実際の雪道インプレッションは随時、このページに追記していきたいと思います。
今回の調査では、本当に「IG52c」に関しての情報が極端に少なかったため、これからこのタイヤの購入を考えている人達に向けて、独自に色々と購入の動機付けとなるような裏付けを行ったつもりです。(勿論、自分で購入する理論づけから始めた事ですが)
最初は、タイヤ館でしか売っていないブリジストンの裏ブリザックとも言える「アイスパートナーみたいなモノか?」と思っていましたが、調べると色々な事が解ってきて調査自体が勉強になりました。
ブリジストンの「発泡ゴム」もよく効きますが、私にとっては初めてのアイスガードの「吸水ゴム」、この冬活躍してくれる事を祈っています。
※2017/03/20追記
スタッドレスタイヤを新調したにもかかわらず、今の今までただの一度も雪が降らず...効果が不明のままでした(泣)
ただ、何となく舗装路向けのタイヤと感じました。
高速道路を走っていてもスタッドレス特有の「よじれ感」も無く、夏タイヤの感覚と変わりありません。
これはこのタイヤが、一般的にイメージするスタッドレスの柔らかさが無く、「硬め」であるためかもしれません。
その意味で、殆ど雪の降らないこの地域には良い選択肢だったのかもしれません。