◇出題傾向分析から、全体のバラツキは認めながらも、重要事項を次の6点に整理する。
◇重要事項①:建築士の法的独占業務規定(士法3条1項)
・一級、二級、木造の建築士の級別に、建築士でなければできない建築物の用途・規模を規制。
・二級の問題では、一級との境界線がどこであるかの理解が大切。
・二級建築士の範囲は、原則、木造が500㎡以内、RC&S造等が300㎡以内。
・この境界線は、建築士法にとどまらず、そのまま建築基準法の出題範囲に影響してきます。
◇重要事項②(士法22条の2、規則17条の36、37):定期講習の受講義務
・建築士事務所に属する建築士は、業務内容にかかわらず、3年ごとに受講する義務がある。
・学校の先生など、法人として建築士事務所登録をして設計・工事監理をしていない場合は不要。
◇重要事項③(士法23条、規則18条):建築士事務所の開設者責任としての事務所登録義務
・5年ごとに登録更新が必要で、期間満了30日前までに更新が必要。
・他人の求めに応じ、報酬を得て、建築士としての業務をする場合に必要。
・開設者は、建築士の資格を必要とせず、有資格者である建築士を雇えばよい。
◇重要事項④(士法24条の6、同24条の7):委託者(消費者)への情報開示義務
・委託者への建築士事務所としての業務実績情報管理と情報開示義務。
・業務委託時の業務内容、業務報告方法、担当建築士の氏名等に関する情報開示義務。
◇重要事項⑤(士法24条の3第1項、同2項):業務の再委託制限
・建築士の登録をしていない無登録事務所への再委託(一括丸投げ)の禁止。
・登録事務所であっても、300㎡を超える新築工事は、再委託(一括丸投げ)は禁止。
◇重要事項⑥(法21条):設計・工事監理業務以外の建築士が担うその他の業務
・設計、工事監理業務のような、重要事項説明の必要はない。
・一級建築士と二級建築士の区別なく業務ができるが、木造建築士は木造に限定している。
◇気になる法改正事項の追加事項:登録拒否の規定における追加事項に注意。
・士法23条の4第1項六号、規則20条の2の2
・心身の故障で、建築士事務所の業務を適正に行えない場合。
2020年5月12日 by SHRS(シュルズ)一級建築士、建築基準適合判定資格者