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2020年度・二級建築士受験ブログ講座「建築法規」Vol.8:防火区画等の防火関連規定

2020-04-30 09:28:35 | ビジネス・教育学習

◇過去の出題傾向分析
 ①竪穴区画(令112条10項) ⇒ 過去6年間の出題率67%
  ・主要構造部を準耐火構造とした3階以上の居室部分と階段などの縦方向に貫通する空間との区画
  ・準耐火構造の床、壁、及び防火設備(法2条九号の二 ロに規定する20分遮炎性能)で区画する。
  ・ただし書き緩和規定が2つある(竪穴区画が不要の部分)。
   (1)避難階の直上階、直下階のみに通ずる吹き抜けで、内装を下地、仕上げ共に不燃材料とした場合。
   (2)階数3以下で、200㎡以内の、戸建住宅、及び共同住宅内のメゾネット住戸の内部階段部分
   ⇒(注意事項)あくまで緩和対象は、住戸内階段であって、共同住宅の共用階段は竪穴区画が必要。
  ・今回の法改正で、小規模建築物の竪穴区画の緩和が挿入されている。⇒通称:簡易竪穴区画??
 ②異種用途区画(令112条17項) ⇒ 過去6年間の出題率50%
  ・建築物の一部が、法27条(法別表第1)に掲げる特殊建築物の部分と、その他の部分とを区画する。
   ⇒過去問のほとんどは、旧法24条があった場合で、17項に該当しないが、趣旨は同じと解釈する。
   ⇒(注意事項)法27条の特殊建築物に関しては、法改正が絡むので、下記の法改正解説を参照。
  ・1時間準耐火基準適合の床、壁、及び特定防火設備(60分遮炎性能)で区画する。
 ③防火壁の技術基準(令113条、告示197号) ⇒ 過去6年間の出題率50%
  ・旧法では、令113条に記載があった基準の一部が、令元告示197号に移項していることに注意。
  ・防火壁と改正法で新設された防火床とは、同じ性能であることを規定している。
  ・木造建築物の場合(令113条1項二号 ⇒ 大臣が定めた構造方法:告示197号第1)
   (1)自立構造を要求し、かつ、無筋コンクリート造、組積造を認めていない。
   (2)防火床の場合、支持する耐力壁、柱、梁には、耐火構造を要求している。
  ・防火壁、防火床に設置する開口部の形状寸法(令113条1項四号):2.5m×2.5m以下とする。
  ・法26条の改正で、従来の1,000㎡を超える建築物への防火壁設置規定において、
     防火床による区画を認め、1階と2階のフロアーによる区画で、大規模フロアーを可能とした。
  ・今回の法改正による出題確率が、高い部分と推察している。
 ④防火間仕切り壁の規定(令114条) ⇒ 過去6年間の出題率83%
  ・令114条1項の界壁、同2項の防火上の主要な間仕切壁は、法改正で同等の扱いとなっている。
  ・原則、小屋裏、天井裏に達せしめる必要があるが、次の場合には緩和されている。
   (1)令112条3項に定める強化天井とした場合。
   (2)スプリンクラー設備等を設置した場合。
  ・令114条3項の準耐火構造の隔壁設置規定の対象は、建築面積が300㎡を超えるものである。
  ・過去問では、この「300㎡を超える」という基準を問う問題となっていることへの注意が必要。

◇法改正事項
 ①法21条:木造等の大規模建築物に、耐火構造を要求していた規模を緩和し、かつ性能規定を導入した。
  (1)規制する建築物の規模
   第1項一号:地階を除く階数が4以上である建築物
      二号:高さが16mを超える建築物
      三号:別表第1(い)欄(5)項又は(6)項の用途の特殊建築物で、高さが13mを超えるもの
  (2)主要構造部に必要とされる性能に関する政令で定める技術基準
    令109条の5第一号:通常火災終了時間に基づく準耐火構造 (45分以上、屋根・階段は30分)
          同二号:令107条の基準(法2条七号の耐火構造の技術基準)耐火構造の基準
   (3)ただし書きで、建築物の高さ以上の空地を有する場合には、この規制は、適用されない。
 ②法27条:特殊建築物の防火規制において、小規模建築物への緩和規定を新設した。
  (1)従来の特定避難時間倒壊等防止建築物という用語を削除し、耐火構造と準耐火構造に整理した。
  (2)特殊建築物に要求する防火性能の政令で定める技術基準
    令110条一号:特定避難時間に基づく準耐火構造 ⇒ 構造方法は告示255号で変更なし
       同二号:耐火構造 ⇒ 令107条の基準(法2条七号の耐火構造の技術基準)
  (3)3階以上を法別表(1)項から(4)項までに掲げる用途に供するものへの緩和(法27条1項一号)
    ・階数が3で延べ面積が200㎡未満のもの
    ・就寝利用がある用途の建築物は令110条の5で定める警報設備を設けたものに限る
  (4) 劇場、映画館又は演芸場の用途に供するもので主階が1階にないものへの緩和(四号)
     ・階数が3以下で延べ面積が200㎡未満のもの
 ③令112条11項、12項:小規模建築物の竪穴区画の緩和 ⇒ 通称:簡易竪穴区画??
  (1)準耐火構造ではなく、間仕切壁でよいとしている(告示未制定)。
  (2)患者の収容施設がある診療所などは、間仕切壁と防火設備(20分遮炎性能)としている。
  (3)スプリンクラーなどを設置した場合は、間仕切壁と10分遮炎の防火設備でよいとしている。
  (4)共同住宅や通所タイプの児童福祉施設などは、間仕切壁と「戸(告示未定)」でよいとしている。
   ⇒文章では分かりにくいと思うので、講座で使用するスライドを掲載します。


2020年4月30日 by SHRS(シュルズ)一級建築士、建築基準適合判定資格者
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2020年度・二級建築士受験ブログ講座「建築法規」Vol.7:構造強度の規定

2020-04-29 08:31:12 | ビジネス・教育学習

◇出題傾向分析
 ①基礎(令38条)などの構造部材に関する全般的な事項の把握が必要と考えられます。
 ②構造計算が必要な建築物(法6条の一号~三号建築物)の理解などの構造計算規定(法20条)に注意。
 ③暫く出ていませんが、二級でも確認申請の構造適合判定の有無(法6条の3)が、そろそろ気になる。
 ④木造の土台に関する規定(令42条)の出題率が高いので、しっかり規定の把握が必要。
 ⑤軸組計算(令46条4項)は、風圧力に関する理解が重要と考えられる。
 ⑥コンクリート・ブロック塀事故の影響か、その基準に関する出題が続きます。
 ⑦地盤の許容応力度(令93条の表)は、重要事項として、法令集の読み込みの速さ(内容の把握)が必要。

◇重要事項①:木造建築物の土台(令42条)
 ・原則、構造耐力上主要な部分である柱で最下階の部分に使用するものの下部には土台が必要。
 ・ただし、柱を基礎に緊結した場合又は平家建ての建築物で足固めを使用した場合は除外されている。
 ・第2項で、原則、土台は、基礎に緊結しなければならないとしている。
 ・ただし、平家建ての建築物で延べ面積が50㎡以内のものについては除外されている。

◇重要事項②:木造建築物の軸組計算の規定(令46条4項)
 ・階数が2以上、面積50㎡を超える木造建築物への規制(原則、3階建は構造計算が必要)。
 ・表1に、軸組の部分の倍率(軸組倍率)を記載しています。
 ・軸組の強さは、桁行、張間のそれぞれの方向について、軸組部材の長さに倍率を乗じて算定します。
 ・注意点は、通常、筋違いのたすき掛けは2倍するが、(5)項だけは、「3」の2倍ではなく「5」である。
 ・表2に、地震力の計算基準として、各階の床面積に乗ずる係数を記載しています。
 ・表の係数選択で、建築物の種類の区分けは、令43条の柱の小径計算の表であることに注意する。
 ・風圧力に関しては、垂直投影面積に係数をかけて算定するが、見付面積を控除する規定がある。
 ・床面から高さ1.35メートル以下の部分について、見付面積から控除して計算するのです。
  ⇒地盤面からではなく、床面からであることに注意!
 ・見付面積に乗ずる係数は、表3に記載されていて、通常50㎝/㎡の定数である。
 ・従って風圧力計算のポイントは、風圧力を受ける見付面積計算(算数の世界)にあるといえます。

◇重要事項③:補強コンクリートブロック造の塀の基準(令62条の8)と地盤の許容応力度(令93条)の表の数値
 ・コンクリートブロック塀事故の影響なのか、少々、出題が続く、注目の分野です。
 ・また、許容応力度の分野を含めて、基準の数値が豊富なので、試験問題がつくり易い分野です。
 ・これらの分野以外にも、数値基準がある部分は、どれも同じです。
 ・覚えるというより、法令集を開くスピードと、数値を認識するスピードの問題と心得ます。

◇重要事項④:構造計算を必要とする建築物(法20条と法6条)と構造適合判定(法6条の3)
 ・構造計算を必要とする建築物の規定は、原則、法20条です。
 ・しかし、構造計算の必要性有無の判断は、法6条1項で判断します。
 ・法6条1項の二号建築物と三号建築物が、構造計算を必要とする建築物です。
 ・法20条では、構造計算方法と建築確認の適合判定の必要性の有無を示唆しています。
 ・適合判定の有無を問う問題は、H24年に一度だけでていますが、そろそろ要注意です。
 ・法6条と、法20条を比較して、建築物の規模を整理しておくといいです。
 ・私は、講座用にパワーポイントで表を作成し、分かり易く整理しています。

2020年4月29日 by SHRS(シュルズ)一級建築士、建築基準適合判定資格者
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020年度・二級建築士受験ブログ講座「建築法規」Vol.6:採光・換気・階段形状等の一般構造規定

2020-04-28 08:39:04 | ビジネス・教育学習
◇出題傾向分析と法改正部分への注意
 ・この分野での出題傾向は、例年2問で、1問が5択式混合文章問題で、1問が図形問題での出題。
 ・図形問題は、R1年が「ホルム対策計算」、H30年とH27年とH25年が「天井高計算」、H29年とH24年が「有効採光計算」
 ・素直に推測すると「有効採光計算」の図形問題だが、階段形状の図形問題が出ても不思議ではない。
 ・一級建築士試験(H26)で出題事例があり、そろそろ二級で出題されるのではないかと推察する。
 ・その根拠は、蹴上げと踏面の算定で、一段ずれが生じる事で、学生が計算ミスをします。
 ・すなわち、2階に上がった時の蹴上げの段数と、踏面の段数が1段異なるからです。
 ・イメージをつかむには、一級建築士試験(H26)の階段形状の図形問題を参照すると分かります。
 ・加えて、今回の法改正事項に、法30条2項において、小屋裏遮音だけでなく天井面での遮音を認めていることに注意が必要です。
 ・改正法の部分は、出題傾向の注目する部分だと思っています。

◇有効採光計算の図形問題
 ・大きく分類すると次の3種類に分類できます。
   「有効採光面積算定」「隣地境界線との隔離距離算定」「居室の最大床面積算定」
 ・これに、境界線との間に「川」がある、1階と2階の軒先に段差があるなどの要素が加わります。
 ・いずれにしても、「有効採光面積=居室の開口面積×採光補正係数」という基本算定式が重要です。
 ・この計算式は、しっかり頭の中に入れておくことが肝要です。
 ・あとは、採光補正係数の計算をはじめ、法令集を索引するだけで、理解できるはずです。
 ・加えて、試験問題レベルでは、天窓の採光補正係数は「3」と覚えても支障はないと思います。

◇換気計算(ホルム対策計算を含む)
 ・令20条の3第1項に定義する、換気設備を省略できる火気使用室の規定が重要と考えています。
   一号:密閉式燃焼器具等を使用している室(具体的には洗面・浴室)
   二号:床面積の合計が100㎡以内の住宅又は住戸に設けられた調理室
      (密閉式燃焼器具等又は煙突を設けた設備若しくは器具に係るもの以外)
     発熱量の合計が12kW以下で、当該調理室の床面積の1/10以上の有効開口面積を有する窓等を設けたもの
      (0.8㎡未満のときは、0.8㎡とする。)
   三号:発熱量の合計が6kW以下の火を使用する設備又は器具を設けた室(調理室を除く)で、換気上有効な開口部を設けたもの
 ・ホルム対策図形問題同様に、R1年に出題されたところなので、出題確率は低いけど重要です。
 ・100㎡以内の住宅、発熱量、有効換気面積と、数値が絡むので、問題文が作り易い部分ですからです。
 ・ホルム対策の計算問題は、「令20条の8第1項一号イ」は重要
   技術的基準による必要有効換気量「Vr」は、次の式によって計算した値以上とする。
    Vr=nAh(㎥/時間)
    n:時間当たりの換気回数(住宅等の居室は0.5、その他の居室は0.3)
    A:居室の床面積(㎡)  
    h:居室の天丼の高さ(m)
 ・なお、法28条2項(1/20の窓面積)がホルム対策の居室換気設備を免責できないことに注意です。

◇天井高算定の図形問題
 ・「居室の断面積÷底辺」の二次元的問題と、「居室の容積÷底面積」の三次元的問題の2種類ある。
 ・子供のころの算数の問題と同じなのです。

◇階段形状問題(これまでは混合文章の5択式問題のみだが、図形問題も予測できる。)
 ・令23条の表から、用途別に階段幅、蹴上げ、踏面寸法の法令への適合性を確認する。
 ・ただし書きで、戸建住宅の蹴上23㎝以下、踏面15㎝以上を容認していることに注意する。
 ・廻り階段の踏面計測位置は、内側から30㎝の位置。
 ・また、側壁の有無に関わらず、階段には、片側に必ず手すりが必要(令25条)。
 ・予測できる図形問題では、蹴上げから算定した段数と踏面の段数と1段異なることに注意。

◇法改正による、法30条に関する新規問題が予測されることに注意。
 ・従来、法30条で遮音の為の界壁は小屋裏、天井裏まで達することを必須条件としていた。
 ・法改正で同2項に、遮音界壁と同等の性能を有する天井による遮音を認めている。
 ・試験の問題文を想定すると、「次の記述は、正しいか、誤っているか。」において、
   ⇒長屋又は共同住宅の各戸の界壁は、小屋裏又は天井裏まで達せしめなければならない。
  解答は誤り(法30条2項):政令で定める技術的基準に適合する天井であれば、必ずしも、各戸の界壁は、小屋裏又は天井裏まで達せしめなくてもよい。
             「小屋裏又は天井裏まで達せしめなければならない」と、必須条件としている設問の記述が誤り。

2020年4月28日 by SHRS(シュルズ)一級建築士、建築基準適合判定資格者
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2020年度・二級建築士受験ブログ講座「建築法規」Vol.5:検査等の手続規定

2020-04-27 10:55:21 | ビジネス・教育学習

◇出題傾向分析
 ①完了検査、中間検査、仮使用承認規定をセットと考えると、毎年出題されていることになります。
 ②確認申請に付随する規定として、軽微な変更と消防法絡みの規定が重点事項と推察する。
 ③法15条の規定は、提出先が特異(都道府県知事に提出)であり、重点事項と解釈している。
 ④あと気になるのは、申請書用紙(規則1条)とか表示看板という、過去出題の無い部分の出題である。
 ⑤法改正部分として、確認申請で一号建築物が200㎡超と緩和されたことに伴い、定期報告制度では緩和しないことのフォロー改正がされていることに注意が必要。

◇中間検査規定:法7条の3(建築主事)、法7条の4(確認検査機関)の重点事項
 ・法7条の3第2項:中間検査の申請は、特定工程の工事を終えた日から「4日以内」。
 ・法7条の3:中間検査における特定工程とは、次のいずれかの工程
   一号:階数が3階建以上の共同住宅の配筋工事で、令11条(2階の床・梁の配筋工事)で定める工程。
   二号:特定行政庁が指定する工程。
 ・次工程の施工制限(法7条の3第6項): 中間検査合格証交付後でなければ次工程の施工はできない
  ⇒確認検査機関の中間検査合格証も同等の法的効果があり、同じ扱い(法7条の4第4項)。

◇完了検査規定:法7条(建築主事)、法7条の2(確認検査機関)の重点事項
 ・工事を完了した日から「4日以内」の申請
 ・完了検査の実施は、建築主事と確認検査機関とでは定義が異なる。
  ⇒建築主事(法7条4項):申請を受理した日から「7日以内」
  ⇒確認検査機関(法7条の2第4項):工事が完了した日、検査の引受けをした日のいずれか遅い日から「7日以内」

◇検査済証交付前の建築物の使用制限(法7条の6)
 ・一号から三号までの建築物については、検査済証の交付後でなければ当該建築物を使用できない。
 ・四号建築物は、検査済証の交付前でも使用できるが、検査済証は取得しなければならない。
 ・ただし、仮使用承認の規定がある(法7条の6)
   一号:特定行政庁が、安全上、防火上及び避難上支障がないと認めたとき。
   二号:建築主事又は確認検査機関が、安全上防火上及び避難上支障がないものとして国土交通大臣が定める基準に適合していることを認めたとき。

◇法6条1項一号に該当する特殊建築物の用途変更確認申請の場合(法87条)
 ・完了検査の規定適用はないので、完了検査ではなく、建築主事への完了届となる。
 ・検査申請ではないので、指定確認検査機関への完了検査申請という手続きは存在しない。

◇消防同意と消防通知:法93条1項、同4項、令147条の3、消防法7条
 ・原則、建築主事、確認検査機関が建築確認をする場合、消防長、又は消防署長の同意が必要。
 ・ただし、一戸建て住宅で次の場合、消防通知(情報の流れが一方通行)でよいとしている。
  ⇒防火地域、準防火地域以外である。
   住宅の用途に供する部分の床面積の合計が延べ面積の1/2以上である。
   住宅の以外の用途に供する部分の床面積の合計が50㎡を超えていない。

◇都道府県知事への届出(特定行政庁ではない):法15条
 ・当該建築物又は当該工事に係る部分の床面積の合計が10㎡を超えるものが対象。
 ・建築工事届は、建築主から建築主事を経由して、都道府県知事に届け出る。
 ・建築物除去届は、工事施行者が、建築主事を経由して、都道府県知事に届け出る。

◇改正法対応の定期報告制度:法12条1項(令16条2項 ⇒令14条の2第一号)
 ・法6条1項一号が200㎡超に緩和されたフォロー改正事項として、定期報告の対象建築物を整備。
 ・法別表第1(い)欄の特殊建築物で、階数が3以上、床面積の合計が100㎡を超え200㎡以下のもの。
 ・法27条で、階数が3で面積200㎡未満のものへの緩和に対する、定期報告でのフォロー改正事項。
 (法27条で特殊建築物から除外されても、これまで同様に100㎡を超えるものは、定期報告の対象。)

2020年4月27日 by SHRS(シュルズ)一級建築士、建築基準適合判定資格者
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2020年度・二級建築士受験ブログ講座「建築法規」Vol.4:確認申請

2020-04-26 09:18:01 | ビジネス・教育学習

・今回は、過去、必ず出題されてきた、確認申請です。
・二級建築士試験の場合、設問で「全国どこでも」という問いかけをしてきます。
・一級建築士や、木造建築士試験の場合、都市計画区域内での確認申請を問う事も多いです。
・何が違うかというと、分析表を見てわかると思いますが、四号建築物がキーポイントです。
・三号建築物と見せかける設問で、実は四号建築物で、全国どこでも確認が必要というわけではないのです。
・受験対策としては、三号建築物と四号建築物の境界線をしっかり認識する事です。

◇前提条件としての用語の定義
 ・法2条十三号:建築とは新築、増築、改築、移転をいう。
 ・法2条十四号、十五号:大規模修繕、大規模模様替は、建築の定義に含まれないことに注意。

◇建築確認制度の基本事項
 ・建築主(クライアント)は、建築確認申請提出の法的義務がある。(法6条)
  ⇒検査済証の交付を受ける法的義務(法7条~7条の6)も同様。
 ・法6条1項一号から三号に掲げる建築物は、全国どこでも確認申請が必要。
  ⇒今回の法改正で、一号建築物の対象延べ面積が200㎡を超えるものに緩和されたことに注意。
 ・対象となる行為は、建築(新築、増築、改築、移転)と大規模修繕、大規模模様替えをする場合
  ⇒増築後に該当する規模になる一号~三号建築物を含む
 ・四号建築物は、都市計画区域内などが規制対象となり、全国どこでも対象という訳ではない。
 ・また、建築(新築、増築、改築、移転)に限定され、大規模の修繕、大規模の模様替は含まない。

例題①:次の2つの行為のうち、建築基準法上、全国どの場所においても、確認済証の交付を受ける必要があるものはどれか。ただし、建築等に関する確認済証の交付を受ける必要がない区
  域の指定はないものとする。
 A:鉄筋コンクリート造平家建て、延べ面積200㎡の事務所の大規模の修繕
 B:鉄骨造2階建、延べ面積100㎡の一戸建住宅の大規模の模様替
解答
 Aは確認が不要(法6条1項三号、同四号):事務所は特殊建築物ではないので、用途上、一号建築物には該当せず、RC造ではあるが、200㎡を超えていないので、
  三号建築物にも該当せず、 四号建築物となるので、都市計画区域内等では規制対象建築物となるが、全国どこでも確認を必要とするわけではない。
 Bは確認が必要(法6条1項三号):鉄骨造2階建は、三号に該当する建築物なので、大規模の模様替は、確認済証の交付を受ける必要がある。

◇確認申請の準用規定①(用途変更確認申請)
 ・法87条による、特殊建築物(200㎡を超えるもの)への用途変更の準用規定(確認が必要)がある。
 ・対象建築物は、別表第1(対象特殊建築物の用途)、令115条の3(同表に該当する用途)を参照。
 ・また、用途変更確認申請を必要としない類似用途の定義である「令137条の18」を参照することが重要なポイントです。
 ・ついでに、用途変更には検査申請の適用はなく、工事完了後の建築主事への工事完了届となる。

◇確認申請の準用規定②(建築設備、工作物の確認申請)
 ・建築設備への準用規定:法87条の2、令146条を参照。
 ・工作物への準用規定:法88条、令138条1項、2項を参照
 ・特に工作物準用規定は、数値の境界線があり出題されやすいので、法令集の索引スピードが大切。

◇確認申請の除外規定
 ・法6条2項:防火地域、準防火地域外での10㎡以内の増築に関しては、確認申請の規定を適用しない。

例題②:都市計画区域内における次の2つの行為のうち、どちらが、建築基準法上、確認済証の交付を受ける必要があるのか。ただし、建築等に関する確認済証の交付を受ける必要がない区
  域の指定はないものとする。
 A:鉄骨造、延べ面積100㎡、高さ5m、平家建ての一戸建ての住宅における、鉄骨造、床面積15㎡、平家建ての附属自動車車庫の増築
 B:第一種住居地域内において、鉄筋コンクリート造、延べ面積500㎡、地上2階建ての診療所(患者の収容施設があるもの)の、有料老人ホームへの用途変更(大規模の修繕又は大規模の
  模様替を伴わないもの)
解答
 Aは確認が必要(法6条2項、法6条1項四号)15㎡のものは法6条2項の対象外で、構造規模は四号建築物に該当し、都市計画区域内での増築(建築)は確認が必要。
 Bは確認が不要(法87条1項、令137条の18第三号)有料老人ホームは、令19条より児童福祉施設等に該当し、有料老人ホームと児童福祉施設等は、用途変更申請における
  類似用途(令137条の18第三号)に該当し、確認は不要。

2020年4月26日 by SHRS(シュルズ)一級建築士、建築基準適合判定資格者
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