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知っ得「建築士試験直前チェック・建築法規」その⑩ 2023

2023-06-30 09:42:01 | ビジネス・教育学習
◇建築士受験講座も、7月の建築士試験日を控えて、もう一息というところです。
◇今回は、その他関係法令2法について、出題傾向分析から見る重要事項について確認していきます。

◇「高齢者・障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律」の重要事項
 ・二級建築士試験における過去の出題事例は、「法律2条、14条、16条、17条」の4条文からです。
 ・特別特定建築物(法2条十七号、令5条):不特定多数の者が利用し、又は主として高齢者、障害者等が利用する特定建築物
 ・特別特定建築物への建築物移動等円滑化基準への適合義務(法14条1項)
  ⇒適合義務対象規模(令9条):床面積の合計2,000㎡、公衆便所は50㎡
 ・特別特定建築物に義務化されている、建築物移動等円滑化基準の内容:令11条~令23条
  ⇒移動等円滑化経路の定義(令18条):道又は公園、広場その他の空地から当該利用居室までの経路
 ・特定建築物(法2条十六号、令4条):多数の者が利用する建築物、その部分、付属する建築物特定施設
 ・特定建築物への建築物移動等円滑化基準への適合努力義務(法16条)
 ・特定建築物(特別特定建築物を含む)の建築等の任意の認定申請(法17条)
  ⇒建築物移動等円滑化誘導基準(主務省令114号)への適合を求めている
  ⇒法的基準である建築物移動等円滑化基準を超える基準としている

◇「建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律」の重要事項
 ・特定建築物(非住宅)300㎡以上の省エネ基準適合義務(法的義務):法律11条、同令4条1項
 ・上記建築物の建築基準適合命令(建築確認済証が必要):法律14条
 ・確認済証交付の3日前までに適合判定が必要:法律12条7項
 ・非特定住宅(住宅建築物)300㎡以上の届出義務:法律19条、同令8条2項
 ・「300㎡未満の建築物」への建築士による基準適合説明義務:法律27条

◇「建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律」の「住宅トップランナー制度(努力義務)」
 ・分譲住宅と、請負型住宅とでは、対象戸数が異なることに注意!
 ・分譲型一戸建て規格住宅(法律28条、令11条):年間150戸以上の特定建築主
 ・請負型規格住宅(法律31条、令13条):年間300戸以上の戸建て住宅の特定建設工事事業者
                    年間1,000戸以上の長屋又は共同住宅の特定建設工事事業者
 ・トップランナー制度に関する「2023年4月施行」の改正法
   令9条1項(法28条1項に定める分譲型一戸建て規格住宅等):150戸
   同2項 (法28条2項に定める分譲型規格共同住宅等):1,000戸
   令10条1項(法31条1項に定める請負型一戸建て規格住宅等):300戸
   同2項 (法31条2項に定める請負型規格共同住宅等):1,000戸

2023年6月30日 by shrs(シュルズ) 建築基準適合判定資格者、一級建築士
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知っ得「建築士試験直前チェック・建築法規」その⑨ 2023

2023-06-28 16:46:32 | ビジネス・教育学習

◇建築士受験講座も、7月の建築士試験日を控えて、もう一息というところです。
◇今回は、建築士法について、出題傾向(添付の図を確認)から見る重要事項について確認していきます。
◇建築士法の出題傾向にみる重要事項は、概ね6つに絞ることができますので、最終チェックです。
◇最後の悪あがきかもしれませんが、これだけでも建築士法の問題に対処できるのかもしれません???
 ① 建築士の法的独占業務規定(士法3条1項)
  ・級別に建築士としての法的独占業務の用途、規模を明示
  ・二級の問題では一級との境界線の理解が重要事項
 【建築士法第3条1項 (一級建築士でなければ設計・工事監理ができない業務)】
  一 学校、病院、劇場、映画館、観覧場、公会堂、集会場(オーディトリアムを有しないものを除く)、又は百貨店の用途に供する建築物で、延べ面積が500㎡を超えるもの
  二 木造の建築物又は建築物の部分で、高さが13m又は軒の高さが9mを超えるもの
  三 鉄筋コンクリート造、鉄骨造、石造、れん瓦造、コンクリートブロツク造若しくは無筋コンクリート造の建築物又は建築物の部分で、延べ面積が300㎡、高さが 
   13m又は軒の高さが9mをこえるもの
  四 延べ面積が1,000㎡をこえ、且つ、階数が2以上の建築物
 ② 定期講習の受講義務(士法22条の2、規則17条の36、37)
  ・事務所の所属属建築士は業務内容に関係なく、必ず3年以内毎の受講が義務付けられています。
  ・対象は建築士事務所に勤務する建築士だけですので、学校の先生は含まれていません。
 ③ 開設者責任としての事務所登録義務(士法23条、規則18条)
  ・他人の求めに応じ報酬を得て業務をする場合に必要であり、自宅の場合は登録の必要はない。
  ・開設者は建築士の資格を必要としない。建築士を雇えばよい。
  ・業務は、登録事務所の都道府県に限らず、出張で、全国どこでも仕事ができる。
  ・5年ごとに登録更新が必要
 ④ 委託者(消費者)への情報開示義務(士法24条の6、24条の7)
  ・建築士事務所としての業務実績情報管理と情報開示義務
  ・業務委託時の業務内容、報告方法、建築士等の情報開示
  ・建築士免許証がカード形式になっていますので、所属建築士は委託者に容易に明示できますね!
 ⑤ 業務の再委託(一括丸投げ)制限(士法24条の3第1項、同2項)
  ・無登録事務所への再委託(一括丸投げ)の禁止
  ・登録事務所でも300㎡を超える新築工事は再委託(一括丸投げ)禁止
 ⑥ 設計・工事監理業務以外のその他の建築士業務(士法21条)
  ・一級建築士と二級建築士の区別なく業務ができる。
  ・特に、管理建築士の実務経験ついて、設計・工事監理だけでなく、その他業務も含まれている。

2023年6月28日 by shrs(シュルズ) 建築基準適合判定資格者、一級建築士
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知っ得「建築士試験直前チェック・建築法規」その⑧ 2023

2023-06-27 19:48:20 | ビジネス・教育学習
◇建築士受験講座も、7月の建築士試験日を控えて、もう一息というところです。
◇今回は、日影規制、防火地域、その他実体規定と、建築基準法の締めの整理をしていきます。

◇法56条の2の日影規制について
 ・用途地域別に規制対象とする建築物は、別表第4の(ろ)欄から判断します。
 ・その時の軒高、建築物の高さは、令2条2項六号(建築物の高さ)、同七号(軒高)を指します。
 ・すなわち、地盤面からの高さで算定します。
 ・別表第4(は)欄の高さとは、日影図を作成する面の高さで、平均地盤面からの高さと規定しています。

◇同3項の道路等に接する場合の緩和条項については、政令135条の12に定められています。
 ・道路等に接する幅が10mを超える場合は、その境界線から5mの位置をみなし道路境界線とします。
 ・10m以下の場合は、その境界線から1/2の線を、みなし境界線として、日影規制をかけます。
 ・高低差がある場合は、斜線制限の規定と同じ考え方で、1mを超える分の1/2を緩和する規定です。

◇防火地域の規定(法61条)は、政令136条の2に技術的基準が規定されています。
 ・ただ学生によっては、条文が良く読み込めない場合があり、国交省の解説書の表を活用しています。
 ・演習の設問を読み、その表で確認してから、政令の136条の2の条文を再度参照する方法を取ります。
 ・そうすることにより、分かりにくい政令136条の2の条文の理解促進が図れることを確信しました。
 ・また、防火地域等の規制が、敷地内で複合する場合は、原則、厳しい規制がかかります。
 ・注意点は、条文で「建築物が・・・」とあり、建築物の位置で規制が異なることに注意です。

◇防火地域等の規定の法61条ただし書きの門・塀への規制の出題確率が高く、講座では徹底解説です。
 ・規制対象外①:防火地域内で高さ2m以下のもの。
 ・規制対象外②:準防火地域内の木造を除く建築物に付属するもの(2m以下という規制をしていない)。

◇法62条、63条、64条は、条文を読めばわかる規制で、出題確率も高いので、ミスしないことが大事。
 ・法63条では、耐火建築物だけに緩和を適用している。過去問では、準耐火構造が散見される。
 ・法64条では、屋上以外の場合の3m超のものが規制され、屋上の場合は高さに関係なく規制される。

◇その他実体規定では、仮設建築物に関する規定、罰則絡みの規定が要注意というところかと思います。
 ・法令集のどこに書いてあるかが大切で、それには、演習の繰り返し演習しかない気がします。

2023年6月27日 by shrs(シュルズ) 建築基準適合判定資格者、一級建築士
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知っ得「建築士試験直前チェック・建築法規」その⑦ 2023

2023-06-26 19:20:27 | ビジネス・教育学習
◇建築士受験講座も、7月の建築士試験日を控えて、もう一息というところです。
◇演習で正解率が低かった、第3章の規定(集団規定)の弱点部分について、確認を続けていきます。

◇道路の規定に関しては、ほぼ、大丈夫ではないかと思っていますが、口を酸っぱくして説明したのは、
 ・計画道路については、2年以内の事業執行予定でなければ、建築基準法上の道路ではないこと。
 ・基準法上の道路ではない農道等に関し、許可制度に加えて認定制度があることを何度も念押しした。
 ・許可制度は法43条2項二号に規定、認定制度は同一号に規定され、具体的基準は施行規則に明示。
 ・道路に関しては、施行規則10条の3第1項、建築物の関しては、同3項に明示している。
 ・道路の規定で一番正解率が低かったのは、法68条の7に基づく予定道路であっても、法43条の接道義務を満たしたことにはならず、かつ、法44条の道路内建築制限
   の適用は受ける。

◇用途規制については、やはり、「公益上必要な建築物」の認識を要する問題への理解度かな?
 ・別表2(は)項一号、同(ろ)項一号より、同(い)項九号に該当する「公益上必要な建築物」は建築可能。
 ・すなわち、第一種低層、第二種低層、第一種中高層住居専用地域、田園住居地域で建築可能。
 ・政令130条の4において、「公益上必要な建築物」が定義されている。
  一号:500㎡以内の郵便局
  二号:地方公共団体の支庁・支所、老人福祉センター、児童厚生施設で、600㎡以内のもの
  四号:路線バス停留所の上家
 ・過去問では、これらの用途の建築物が、交代で出題されています。

◇建蔽率、容積率の問題は比較的正解率が良好なのですが、注意事項を再確認します。
 ・防火地域内の準耐火建築物への建蔽率緩和既定は無い。
 ・容積率の図形問題で、特定道路の影響を受ける場合、まず、特定道路による幅員緩和計算からです。
 ・容積率の図形問題の重要事項①:住宅等の容積率計算不算入規定(法52条3項)
 ・容積率の図形問題の重要事項②:共同住宅等の共用廊下・階段、及び昇降路部分不算入(法52条6項)
 ・特に昇降路部分は、建築物の用途に関係なく緩和条項の対象になること。

◇斜線制限の図形問題は、繰返し演習効果なのか、思った以上に習得状況は良好なので、その要素を列記。
 ・2方向以上の道路の場合、幅の広い道路幅員の2倍かつ35m以内は、原則、狭い道路も広い道路幅で算定できる。
 ・道路斜線制限の場合、公園、広場、水面等は、道路幅員に加算して計算してよい。
 ・隣地斜線制限の場合、その1/2の幅を隣地境界線内として加算して計算してよい。
 ・北側斜線制限の場合、原則、隣地斜線制限と同じだが、公園だけは対象外としている。
 ・高低差がある場合、1m以上ある場合に、1mを超えた数値の1/2だけ緩和できると規定している。
 ・その場合の注意事項は、道路斜線は道路の中心線からの計算なので、最後に宅盤差を引くことになる。
 ・隣地斜線、北側斜線の場合は、もともと地盤面から計算しているので、最後に宅盤差を加えることになる。
 ・この違いで、誤答を招くようである。

2023年6月26日 by shrs(シュルズ) 建築基準適合判定資格者、一級建築士
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知っ得「建築士試験直前チェック・建築法規」その⑥ 2023

2023-06-25 08:55:48 | ビジネス・教育学習
◇建築士受験講座も、7月の建築士試験日を控えて、もう一息というところです。
◇今回で単体規定を締めますが、演習で正解率が低かった弱点部分について、確認を続けていきます。

◇政令121条の2方向避難の問題は、演習の繰り返しでかなり習熟できたと思いますが、気になる点を!
 ・同二号の対象となる店舗の面積は、1,500㎡を超えるものであることの認識は、演習で確認できます。
 ・ただ、六号に該当する建築物としての規制の把握が甘い部分があり、誤回答が散見されました。
 ・六号の規制は、建築物の用途に関係なく規制対象となり、1,500㎡以下の店舗に規制がかかります。
 ・また二級での出題はない(一級では実例がある)が、三号のかっこ書き内の記述への注意が必要です。
 ・5階建て以下で、避難バルコニー、令123条に該当する直通階段がある建築物の緩和条項です。
 ・ここでも、第2項の準耐火構造・不燃材料による規制面積緩和が適用になることへの注意が必要です。
 ・最後に大切なのが、H30年改正で挿入された、3階建て200㎡未満の緩和条項(令121条4項)等です。
 ・条件付きで2方向避難をしなくてもよい3階建建築物が可能となり、その条件に出題の可能性がある。
 ・かつ、H30に初見参の10分遮炎の防火設備について、スプリンクラー設置を条件に認められています。

◇令120条の歩行距離に関する演習結果を見るに、学生には難問の一つのようです。
 ・表で規制数値を確認するまではいいのですが、第2項で緩和、第3項、第4項で緩和制御をしている。
 ・第2項:準耐火構造・不燃材料仕上げの場合、10mの緩和。
 ・第3項:15階以上の階には、この緩和条項を適用しない。
 ・第4項:メゾネット形式の共同住宅の場合、内部階段を含め40m以下と規定している。
 ・このような2段階で規制値を制御している部分に弱点があるようです。
 ・対策は、類似問題を解いて、内容把握をしっかりして法令集を確認することなのですが・・・。

◇避難施設では、非常用照明装置、排煙設備の出題がありますが、ただし書き規定に弱点があります。
 ・階段部分等への排煙設備の設置控除規定(令126条の2ただし書き)
 ・学校等への非常用照明装置の設置控除規定(令126条の4ただし書き)
 ・学校等とは、令126条の2第1項二号かっこ書きに用途の記述があります。
 ・出題例の代表格は、「ボーリング場」ですね!

◇単体規定の最後は内装制限ですが、政令128条の4第1項の表の読み込みに学生の弱点が存在する。
 ・構造は、耐火、準耐火、それ以外(単純に木造としてもよい)の3種類。
 ・特殊建築物としての用途は、別表第1を参照し、(3)項が対象ではないことが特徴。
 ・学校等が内装制限の緩和対象であることは、第2項、3項の一般建築物でも同様の扱いをしている。
 ・学校等(令126条の2第1項二号かっこ書き)の用途とは何なのか、注意が必要です。

2023年6月25日 by shrs(シュルズ) 建築基準適合判定資格者、一級建築士
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