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令和元年「2級建築士試験」ブログ解説 ③

2019-11-03 16:04:33 | ビジネス・教育学習
◇原則、今年(令和元年)の「2級建築士試験・建築法規」の解説を基本とします。
◇ただ、今度の試験は来年ですので、今年の6月に施行された改正法が適用になります。
◇そこで改正部分を考慮し、問題文の修正なり、解説を細かくするなりの対応を図ります。

◇なお問題と正答肢は、公益財団法人建築技術教育普及センターのH.P.をご参照ください。
◇実施された二級建築士試験の問題文と正答肢表が公開されています。

〔No.9 〕法27 条の規定による耐火建築物等としなければならない建築物を選択する問題です。
正答 5
1.耐火建築物等でなくてもよい。令115条の3第三号、別表1(4)項:500㎡以上が対象。
2.耐火建築物等でなくてもよい。令115条の3第一号、別表1(2)項:300㎡以上が対象。
3.耐火建築物等でなくてもよい。別表1(5)項:1,500㎡以上が対象。
4.耐火建築物等でなくてもよい。別表1(2)項:2階以上の階の床面積300㎡以上が対象。
5.耐火建築物等としなければならない。別表1(6)項:150㎡以上が対象なので、200㎡の自動車車車は、平家建てであっても、別表1(6)項に
 より、準耐火建築物(耐火建築物等)としなければならない。

【解説】今年の6月改正前までは、「耐火建築物等」の中に、「耐火構造建築物」と「特定避難時間倒壊等防止建築物」というのがありました
 が、今回の改正で、このような呼称は、なくなりました。確認申請の第4面を参照するに、耐火構造に関する種分けに変更され、その中で、
 「準耐火構造(準耐火時間  分)というように、耐火性能の時間を記入する方式に変更になっています。従って、試験問題の範疇では、耐
 火建築物も準耐火建築物も「耐火建築物等」という表現でくくって出題されると想定し、令和元年のこの問題も、改正法の変更事項に関係な
 く、今後も演習問題として通用すると思っています。あとは、法27条1項二号の条文、並びに別表第1の(は)欄上部に記載されている、用途・
 階数による対象面積の分類方法が要になってくるので、従来通りの方法で確認すればよく、その部分についての充分な理解ができればよいと
 思っています。

〔No.10 〕2 以上の直通階段を設けなければならない2階建て建築物を選択する問題です。
正答 5
1.2以上の直通階段を必要としない。令121条1項五号、同2項:主要構造部が不燃材料で造られている場合、1項の規定において「100㎡」を
 「200㎡」と読み替えるので、設問のものは、必要としない。
2.2以上の直通階段を必要としない。令121条1項四号、同2項:主要構造部が不燃材料で造られている場合、1項の規定において「50㎡」を
 「100㎡」と読み替えるので、設問のものは、必要としない。
3.2以上の直通階段を必要としない。令121条1項六号ロ:5階以下の一般建築物(事務所の用途は該当)の場合、2階は避難階の直上階なので、
 200㎡を超えるものが対象であり、180㎡は対象外である。
4.2以上の直通階段を必要としない。令121条1項六号ロ:飲食店は、5階以下の一般建築物に該当し、前問同様に、2階は避難階の直上階なの
 で、200㎡を超えるものが対象であり、150㎡は対象外である。
5.2以上の直通階段が必要。令121条1項五号:寄宿舎で2階の寝室の床面積が100㎡を超える場合、2方向非難を必要とするので、設問の120㎡の
 場合、2以上の直通階段が必要。

【解説】2方向避難の問題では、令121条1項に該当するか否かの判断に加えて、同2項で、主要構造部が準耐火構造か不燃材料で造られている場
 合の緩和条項があります。よく読めば、難しい問題ではないので、得点しやすかったのではないかと推察しています。少なくとも、今年私が
 担当したクラスの学生には、易しい問題であったと推察しています。
  なお、当初は予定されていた、3階建以下延べ面積200㎡未満の小規模建築物への2方向避難の緩和規定は、今回の6月改正分では盛り込まれ
 ず、来年4月施行の改正法として、この10月に公布されましたので、原則、来年の試験範囲の対象外と理解しています。

〔No.11〕法35条の2の規定による内装の制限を受ける建築物を選択する問題です。
正答 4
1.内装制限が条件別に異なる。令128条の4第1項一号の表、別表第1(2)項:構造、床面積で規制が異なる。
2.内装制限を受けない。令128条の4第1項一号の表、同2項、同3項:学校は内装制限の対象外。
3.内装制限が条件別に異なる。令128条の4第1項一号の表、令115条の3第三号、別表第1(4)項:構造、床面積で規制が異なる。
4.構造、床面積に関係なく、内装制限を受ける。令128条の4第1項二号:条文参照(構造、床面積に関係なく、内装制限の対象)。
5.内装制限が条件別に異なる。令128条の4第1項一号の表、別表第1(1)項:構造、床面積で規制が異なる。

【解説】2級建築士試験の問題としては、少々、易し過ぎたのではないかと思っています。建築物の用途だけを5択で並べていますので、思わ
 ず、木造建築士試験と間違えてしまいそうです。通例で言えば、問題文を読んで、何らかの誤認を誘発するような文言に引っかかることもな
 いので、令128条の4の表と条文を参照しながら進められ、得点しやい問題であったと推察しています。

なお、試験問題と正答肢表については、
公益財団建築技術教育普及センターのホームページで確認してください。
◇二級建築士試験・学科Ⅲ「建築法規」問題集
https://www.jaeic.or.jp/shiken/2k/2k-mondai.files/2k-mondai-r1-gakka1_2.pdf
◇二級建築士試験・学科Ⅲ「建築法規」の正答肢
https://www.jaeic.or.jp/shiken/2k/2k-mondai.files/2k-r1-gakkagoukakukijun.pdf
2019年11月3日 by SHRS(シュルズ)「1級建築士、建築基準適合判定資格者」
コメント
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