暮らす、生きる、繋がる、持続可能な未来

人も社会も、成長と負荷を切り離して、落としどころを考える。

2022(R4)年一級建築士試験問題解説②

2022-10-26 09:14:45 | ビジネス・教育学習
◇2022年(R4年)の一級建築士試験問題について、独断と偏見で解説を進めていきます。
◇一級建築士の来年度(令和5年度)試験を受験される方のお役に立てればと思っております。
◇記述するのは解説だけですので、問題文については、公開されています、公益財団法人建築技術者普及教育センターのH.P.をご参照ください。
◇H.P.を開くと、
 「資格試験」⇒「建築士:一級建築士試験」⇒「(1)受験をお考えの方:(1-6)過去の試験問題等」
 の手順で進んでいただければ、「問題と正答表」のダウンロード画面になります。
 もし開けられない場合は、問題文データの下記アドレスからアクセスしてください(建築法規だけです)。
 1k-2022-1st-gakka3.pdf (jaeic.or.jp)

〔No. 3 〕 防火地域内において確認済証の交付を受ける必要がないものを選択する問題です。
正答 3
 1.確認が必要。法6条2項:設問のような、10㎡以内の増築という小規模なものは、確認検査の規定(法6条)の適用に関して、除外してもよいという規定が、法6条2項
  に規定されているが、防火地域、準防火地域内の建築物には適用しないとしており、設問には、防火地域内においてと記述されており、確認済証の交付が必要とな
  る。
 2.確認が必要。法88条、令138条1項二号:工作物に関して、確認検査規定が準用されるか否かの設問ですが、政令(令138条)において、規定適用の構造・規模が列記
  されている。15mを超える鉄柱の築造は、確認済証の交付が必要ということになる。
 3.確認を必要としない。法85条2項:仮設建築物への規定の準用に関して、適用しない条項が列記されており、工事現場内に設ける工事管理事務所については、法6条
  (確認申請)については適用しないとしており、制限緩和の対象である(条文参照)。
 4.確認が必要。法87条、令137条の18:法6条1項一号に規定する特殊建築物については、法87条において、用途変更に関する確認申請について準用するとしている
  が、政令(令137条の18)に規定する類似用途間のものについては、確認を要しないとしている。がしかし、ホテルから共同住宅は、確認を要しない類似用途には該当
  しないので、用途変更に関して確認済証の交付を必要とする。

〔No. 4 〕 誤っている記述を選択する問題です。
正答 2
 1.正しい。法12条1項かっこ書き:建築物の所有者と管理者が異なる場合は、管理者への義務としている(条文参照)。
 2.誤り。法87条1項:用途変更の確認済証を受けた建築物の完了検査についての規定ですが、法87条で「建築主事への検査申請を、建築主事への届け出と読み替え
  る」と規定しており、用途変更の場合、完了検査ではなく、建築主事への届出制度となっている。したがって「建築主事の検査を申請しなければならない」という
  「記述は誤り」で、確認検査を業務としている確認検査機関への申請ということもない。この設問も、木造建築士、二級建築士試験でも散見される問題である。
 3.正しい。法6条1項かっこ書き、規則3条の2第1項十五号:軽微な変更に該当する。条文(規則3条の2)を参照し、軽微な変更に該当すること確認すればよい。
 4.正しい。法7条の6第1項ただし書き三号:検査済証の交付前に使用できる、ただし書きの条件に該当する基本的事項で、条文を参照して確認すればよい。

2022年10月26日 by shrs(シュルズ) 建築適合判定資格者、一級建築士
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2022(R4)年一級建築士試験問題解説①

2022-10-24 10:04:52 | ビジネス・教育学習
◇2022年(R4年)の一級建築士試験問題について、独断と偏見で解説を進めていきます。
◇一級建築士の来年度(令和5年度)試験を受験される方のお役に立てればと思っております。
◇記述するのは解説だけですので、問題文については、公開されています、公益財団法人建築技術者普及教育センターのH.P.をご参照ください。
◇H.P.を開くと、「資格試験」⇒「建築士:一級建築士試験」⇒「(1)受験をお考えの方:(1-6)過去の試験問題等」
 の手順で進んでいただければ、「問題と正答表」のダウンロード画面になります。
 もし開けられない場合は、問題文データの下記アドレスからアクセスしてください(建築法規だけです)。
 1k-2022-1st-gakka3.pdf (jaeic.or.jp)

〔No. 1 〕 図形問題で、延べ面積、高さ、階数の算定等に関する誤っている記述を選択する問題です。
正答 1
 1.誤り。令2条1項四号、法52条6項、令135条の16
   昇降機塔、地階防災センターは、法52条の控除対象となる床面積とはならず、エレベーターの昇降路部分の床面積は、法52条6項において控除対象と規定してお
  り、エレベーターの昇降路部分の床面積は、問題文で合計を40㎡としているので、(600×4+75+30)-40=2,465㎡が正しい。
  延べ面積を控除する規定は基本的には無く、木造建築士、二級建築士試験でも散見される出題部分です。ただ法52条(容積率算定)においては、容積率を算定する場合 
  の控除が認められており、本設問では、第6項における、昇降路の床面積について、容積率算定の床面積から控除できる規定としています。この第6項の規定の意図
  は、建築物のリノベーションで、バリアフリー化を図ろうとしたときに、建物の外付けでエレベーターを増床することにより、容積率違反でエレベーターが設置でき
  ないことを回避する意図のようで、建築物の用途を制限していません。高齢社会に向けてバリアフリー化促進を阻害しないように、建築物の用途に関係なく、容積率
  算定の基礎となる床面積の控除ができる規定となっています。一方、共用廊下等の床面積を容積率算定の面積から控除する規定は、共同住宅、老人ホーム等の用途に
  限定していることに注意が必要です。
 2.正しい。令2条2項、同1項六号:地盤面は周囲の地面と接する平均の高さなので、建築物の高さは、3×1/2+3×3+1.5+3=15mで正しい。
  なお高さが20m以下の場合、避雷設備設置義務はない(法33条)にも注意する。
 3.正しい。令1条二号、令2条1項八号:建築面積の1/8以下のものは、階数に算入しない。
  ・地階の定義(令1条二号):床面から地盤面までの高さが天井高の1/3以上のもの
   最下階の事務室は地階である⇒床面から地盤面までに高さ=1.5m≧天井高3m×1/3=1m
  ・昇降機塔(階数に算入しない)30㎡≦600×1/8=75㎡
 4.正しい。令2条1項八号:地階事務室、地階防災センターについては、地階部分の階数を2として算定する。

〔No. 2 〕 誤っている記述を選択する問題です。
正答 4
 1.正しい。法2条一号、同六号:屋根、壁等を有する土地に定着する工作物である建築物に附属する塀も建築物であり、道路中心線から3m以下の1階部分は、該当す 
  る。
 2.正しい。法2条四号、令19条2項五号:娯楽その他これらに類する目的のために継続して使用する室であり、法28条1項に基づき、令19条2項五号において採光を必
  要とする居室として定義されている。
 3.正しい。令126条の2第1項かっこ書き:防炎壁の定義(条文参照)。
 4.誤り。法2条五号、十五号:「大規模の模様替」とは、「主要構造部」の一種以上について行う過半の模様替をいい、屋外階段は「主要構造部」ではないので、
  「大規模の模様替」に該当しない。
   主要構造部の定義と、大規模修繕・大規模模様替の定義を複合させた設問は、木造建築士、二級建築士試験でも散見される、基礎的な問題です。読み込みの間違い
  をしないように注意したいところです。

2022年10月24日 by shrs(シュルズ) 建築適合判定資格者、一級建築士
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2022(R4)年二級建築士試験問題解説⑧

2022-10-17 10:26:22 | ビジネス・教育学習
◇2022年(R4年)の建築士試験について、木造建築士に引き続き、二級建築士試験問題についても、独断と偏見で解説を進めていきます。
◇二級建築士の来年(2023)年度)試験を受験される方に、少しでもお役に立てればと願っております。
◇昨年度(2021年)問題の解説の時には、傾向分析を表にまとめながら進めてしていきましたが、まず解説をしていきます。
◇記述するのは解説だけですので、問題文については、公開されています、公益財団法人建築技術者普及教育センターのH.P.をご参照ください。
◇財団のH.P.を開くと、「資格試験」⇒「建築士:二級建築士試験」⇒「(1)受験をお考えの方:(1-6)過去の試験問題等」
 の手順で進んでいただければ、「問題と正答表」のダウンロード画面になります。
 もし開けられない場合は、問題文データの下記アドレスからアクセスしてください(学科Ⅰ・Ⅱだけです)。
 2k-2022-1st-gakka1_2.pdf (jaeic.or.jp)

〔No.21〕 建築士法上の誤っている記述を選択する問題です。
正答 2
 1.正しい。建築士法20条1項(業務に必要な表示行為):条文参照。
 2.誤り。建築士法3条1項:一号から四号のいずれにも該当しないので、二級建築士でも設計できる。
 3.正しい。建築士法19条(設計変更):条文参照。
 4.正しい。建築士法10条の2第2項(報告検査等):条文参照。
 5.正しい。建築士法22条の2(定期講習)、同施行規則17条の36(受講期間):条文参照。
講評:近年の重点ポイントである、建築士法3条の一級建築士と二級建築士の境界線を問う問題です。第3条1項で一級建築士でなければできない範囲を規定しています
 が、一号の特殊建築物の規制用途には、共同住宅は含まれていない。二号の木造の規模では、建築物の高さ13m、軒の高さ9mを超える規模のものを規制しており、三 
 号は木造以外の建築物の規制で、四号の場合は2階建て以上で、かつ1,000㎡を超える規模のものが規制対象なので、肢問2のものは、いずれにも該当しないので、二級
 建築士でも設計できることになる。

〔No.22〕 建築士事務所に関する記述で誤っているものを選択する問題です。
正答 1
 1.誤り。建築士法22条の3の3第1項、同4項、令7条:重要事項を記載した書面に変えて、電磁的方法の種類及び内容を示したうえで、電子情報処理組織を使用する方
  法により提供することを、建築主の承諾を得た場合には、その方法により提供することができる。
 2.正しい。建築士法23条1項、同2項、規則18条(登録の有効期間と更新):条文参照。
 3.正しい。建築士法22条の6(設計等の業務に関する報告書):条文参照。
 4.正しい。建築士法23条(登録):登録をして行う業務に含まれている(条文参照)。
 5.正しい。建築士法24条の4第2項、規則21条5項(図書の保存):条文参照。
講評:デジタル化の流れを促進する意図を感じる部分の肢問を正答としてきています。原則、デジタル化の対応ついては、「任意」というのがありますので、その趣旨に
 沿った条文を打ち出し、今後の啓発の意味を感じます。その他の正しい記述の肢問については、よく出題される見慣れた条項ではないかと思います。

〔No.23〕 建築関係法令に関して誤っている記述を選択する問題です。
正答 5
 1.正しい。高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律第17条1項:条文参照。
 2.正しい。都市の低炭素化の促進に関する法律第9条1項:条文参照。
 3.正しい。建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律第12条1項:原則、適合性判定を受ける義務があるが、この場合の特定建築行為とは、非住宅建築物で、
  令4条において、規模300㎡以上のものを指している。なお、3年後の改正で、全ての建築物への適合性判定義務が控えていることにも留意する。(条文参照)。
 4.正しい。建築物における衛生的環境の確保に関する法律第5条:条文参照。
 5.誤り。長期優良住宅の普及の促進に関する法律第5条:認定を申請する先は「所管行政庁」であって、建築主事又は指定確認検査機関ではない。
講評:難しい部分を含むものはないので、法令集の目次を利用して検索し、条文との照合で回答可能と思います。注意点は、正答(誤っている部分)の記述で、主管する行
 政庁がどこなのか、他の法令の過去問でも散見されますので、法手続きをする主管行政庁がどこなのかを、把握しておく必要があります。「建築主事とか指定確認検査 
 機関」は、建築基準法上の重要な機関であり、他の法令では、建築基準法と関連する条項以外では出てきません。それと、建築物省エネ法の、適合判定、及び届け出制
 度の対象建築物について把握が重要です。ただ、3年後の改正を控えていますので、この設問は、今回限りかもしれません。

〔No.24〕 建築関係法令に関して誤っている記述を選択する問題です。
正答 3
 1.正しい。都市計画法53条1項ただし書き一号、同令37条:原則、許可を必要とする行為であるが、許可を必要としない軽易な行為が、ただし書き一号に基づき、令
  37条に定められており、木造2階建て以下の改築又は移転については、都道府県知事等の許可を受けなくてもよい。
 2.正しい。消防法9条の2第1項、同2項:政令5条の6において、設問の防災機器が定義され、政令5条の7において、条例の定める基準に従う旨が定義されている(条
  文参照)。
 3.誤り。高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律第2条十九号、令5条:特別特定建築物とは、主に障害者、高齢者等が利用する特定建築物として定義
  され、具体には、政令5条に定められているが、「工場」は該当しない。
 4.正しい。宅地建物取引業法第3条:条文参照。
 5.正しい。建設業法3条3項:条文参照。
講評:肢問1の都計法53条、同令37条は、よく出る設問ですね。正答(肢問3の誤っている部分)の記述では、用語の定義を、しっかり把握することだと思います。

〔No.25〕 建築関係法令に関して誤っている記述を選択する問題です。
正答 3
 1.正しい。土地区画整理法第76条、第103条4項:許可を受ける「都道府県知事等」とは、市の区域内において個人施行者が施行する場合には、法76条かっこ書きに
  おいて、市の長を「都道府県知事等」というとしており、第103条4項による換地処分について、その旨の公告のある日までの制限としての規定であり、設問は正しい
 (条文参照)。
 2.正しい。建築物の耐震改修の促進に関する法律第17条10項:条文参照。
 3.誤り。宅地建物取引業法第2条二号:「業」として行うものを対象として規定しており、自ら所有する不動産の賃貸及び管理をする行為については、「業」に該当
  しない。
 4.正しい。消防法第8条の3第1項、同令4条の3第4項、別表第1(5)項イ:防火対象物(別表第1(5)項イで定義)である旅館で使用するカーテンは、防炎対象物品は、政令4
  条の3第4項において、防炎性能の基準が定められている。
 5.正しい。建設業法第22条3項、同令6条の3:共同住宅を新築する建設工事は、重要な建設工事として、あらかじめ発注者の書面による承諾を得た場合の一括下請け
  禁止規定の除外項目から除外されている(条文参照)。
講評:宅地建物取引業法に限らず、業法(建築士法等)は、報酬を得て業務をすることに関して規制する法律なので、自己所有のものには規制されていない。建築士法で
 も、自己所有の自分の家については、原則、規制をかけることはしていないことに注意です。

2022年10月17日 by shrs(シュルズ) 建築適合判定資格者、一級建築士
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2022(R4)年二級建築士試験問題解説⑦

2022-10-16 09:29:37 | ビジネス・教育学習
◇2022年(R4年)の建築士試験について、木造建築士に引き続き、二級建築士試験問題についても、独断と偏見で解説を進めていきます。
◇二級建築士の来年(2023)年度)試験を受験される方に、少しでもお役に立てればと願っております。
◇昨年度(2021年)問題の解説の時には、傾向分析を表にまとめながら進めてしていきましたが、まず解説をしていきます。
◇記述するのは解説だけですので、問題文については、公開されています、公益財団法人建築技術者普及教育センターのH.P.をご参照ください。
◇財団のH.P.を開くと、「資格試験」⇒「建築士:二級建築士試験」⇒「(1)受験をお考えの方:(1-6)過去の試験問題等」
 の手順で進んでいただければ、「問題と正答表」のダウンロード画面になります。
 もし開けられない場合は、問題文データの下記アドレスからアクセスしてください(学科Ⅰ・Ⅱだけです)。
 2k-2022-1st-gakka1_2.pdf (jaeic.or.jp)

〔No.18〕 高さの制限、日影規制に関する誤っている記述を選択する問題です。
正答 4
 1.正しい。法56条の2第1項ただし書き:設問に記述されているような場合には、この限りではないとしている(条文参照)。
 2.正しい。法56条2項、令130条の12第三号:1.2mの塀に限らず、1.2mを超える部分が網状であれば、2m以下の塀まで、本項の建物後退緩和の規定が適用になる、
  算定の特例対象となる。
 3.正しい。法56条1項二号:本規定の対象となる用途地域に、第一種低層住居専用地域はない。
 4.誤り。法91条かっこ書き:敷地が地域、地区の内外にわたる場合の措置の規定であるが、かっこ書きで、法56条の2(日影規制)の規定は、本規定の対象から除外さ
  れているので、本条項の敷地の過半の属する地域の規定が適用されるには該当しない。
 5.正しい。法56条2項かっこ書き:設問の内容が記述されている(条文参照)。
講評:分野は異なりますが、今回の試験の特徴で、規定適用の対象の有無を問う問題が散見され、ここでも正答(誤っている記述)の肢問として出ています。「・・・規定
 を除く。以下この条において同じ。」というかっこ書きへの注意が必要です。それには、何の条項であるかの認識が必要で、過去問演習の繰り返しで、条項の数字で、
 何を規制している条文であるかを認識できるようにする訓練が必要です。要するに、過去問演習を怠らないようにするということだと思っています。その他の正しい記
 述の肢問は、斜線制限、日影規制での、王道の設問ですので、仮に肢問4が理解できなくても、これが間違っている記述であるという推論は、導きやすいかとも思って
 います。

〔No.19〕 防火地域及び準防火地域に関する誤っている記述を選択する問題です。
正答 1
 1.誤り。法63条:隣地境界線に接する外壁は、防火地域、準防火地域内においては、耐火構造であれば隣地境界線に接して設けることができるが、準耐火構造のもの
  は、隣地境界線に接して設けることができない(条文参照)。
 2.正しい。法62条、令136条の2の2第一号、同二号:条文参照。
 3.正しい。法61条ただし書き:準防火地域内にある、木造建築物以外のものに附属する塀については、延焼防止上支障のない構造としなくてもよいとしている(条文
  参照)。
 4.正しい。法64条:屋上に設けるものについては、高さに関係なく規制(条文参照)。
 5.正しい。法65条2項:建築物の位置により規制が異なり、当該敷地の準防火地域内の部分のみに新築される建築物については、準防火地域内の規制となる(条文参
  照)。
講評:外壁が耐火構造でなければ、境界線に接することができないという、過去問でよく見かける設問が、正答(誤っている記述)の肢問として出題され、その他の肢問(正
 しい記述)についても、過去問で散見される問題ばかりで、内容的にも条文参照ですぐに理解できる内容ばかりなので、特段、注意を要する問題ではないと思っていま
 す。

〔No.20〕 建築基準法上に関して誤っている記述を選択する、広範な分野の問題です。
正答 1
 1.誤り。法84条の2:条文に記載されている適用しない条項の中に「法20条」はないので、「規定が適用されない。」という記述は誤りで、法20条の規定は適用され
  る。
 2.正しい。法90条2項、令136条の3第4項、同5項三号ロ:短期に生ずる力に対する許容応力度を超えないことを計算によって確かめなければならないとしている(条
  文参照)。
 3.正しい。法98条1項二号、同2項:法27条違反は、法98条の罰則対象であり、同2項において、その違反が建築主の故意によるものである場合、当該建築主も3年以
  下の懲役、又は300万円以下の罰金に処する罰則の適用の対象となる(条文参照)。
 4.正しい。法101条1項五号:条文参照。
 5.正しい。法39条:第3章の規定(第8節を除く)は、都市計画区域及び準都市計画区域内に適用する規定としているが、その他の、法39条を規定する第2章の規定等は、都市計画区域及び準都市計画区域以外の区域においても適用される。
講評:ここでも、規定適用の対象の有無を問う問題が正答(誤っている記述)の肢問として出題されています。ここでは、適用除外される規定に含まれていない(適用する)
 ことを問う問題です。本問では、法20条の適用を問うという、問題文に条項が記述されているので、分かり易いと思います。
  ただ、設問の条項がどこのあるかということですが、肢問1から4までは、何となく雑則・罰則規定であることは認識できますが、肢問5の「災害危険区域」の規定は
 探すのに、時間がかかるかもしれません。いずれにしても、法令集の目次を活用する方法で解決できますので、目次活用方法になれることだと思います。
  昔は、インデックス活用を推奨していましたので、インデックスの貼り過ぎで条文が検索できないという懸念が生じていました。まず法令集にインデックスを貼ると
  いう方法は、極力避けた方がいいと思います。過去問演習をしながら、自分の弱点部分にインデックス活用を図り、目次で条項検索をするという、柔軟な方法に慣
 れ、新しい出題傾向への対応を図ることに、慣れることだと思います。

2022年10月16日 by shrs(シュルズ) 建築適合判定資格者、一級建築士
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2022(R4)年二級建築士試験問題解説⑥

2022-10-15 09:19:08 | ビジネス・教育学習
◇2022年(R4年)の建築士試験について、木造建築士に引き続き、二級建築士試験問題についても、独断と偏見で解説を進めていきます。
◇二級建築士の来年(2023)年度)試験を受験される方に、少しでもお役に立てればと願っております。
◇昨年度(2021年)問題の解説の時には、傾向分析を表にまとめながら進めてしていきましたが、まず解説をしていきます。
◇記述するのは解説だけですので、問題文については、公開されています、公益財団法人建築技術者普及教育センターのH.P.をご参照ください。
◇財団のH.P.を開くと、「資格試験」⇒「建築士:二級建築士試験」⇒「(1)受験をお考えの方:(1-6)過去の試験問題等」
 の手順で進んでいただければ、「問題と正答表」のダウンロード画面になります。
  もし開けられない場合は、問題文データの下記アドレスからアクセスしてください(学科Ⅰ・Ⅱだけです)。
 2k-2022-1st-gakka1_2.pdf (jaeic.or.jp)

〔No.15〕容積率、建蔽率の記述で正しいものを選択する問題です。
正答 4
 1.誤り。法52条8項:敷地内に一定規模以上の空地がある場合に、都市計画で定められた容積率について、1.5倍以下を限度として緩和できる規定ついては、設問の田
  園住居地域は対象としていない。
 2.誤り。法52条1項八号:耐火建築物ということでの緩和はない。
 3.誤り。法53条:建蔽率制限の規定においては、道路幅員による影響はない。なお、容積率の規定においては、法52条2項で、道路幅員に4/10、若しくは6/10を乗じ
  て算出する規定はある。
 4.正しい。法53条3項一号:準防火地域内で、準耐火建築物を建築する場合には、建蔽率1/10の緩和がある。
 5.誤り。法53条の2ただし書き二号:敷地面積の最低限度について、ただし書きで、巡査派出所は、公益上必要な建築物として、適用が除かれている。
講評:建蔽率、容積率における、緩和部分の基本事項についての理解を求める問題です。建蔽率の緩和事項、容積率の緩和事項を混同しないことだと思います。肢問1と5
 については、適用除外のレアな設問ですが、落ち着いて法令集を検索すれば見つけられますし、仮に分からなくても、正答の肢問4が、確実に正答であることが理解で
 きると思っています。

〔No.16〕 図形問題で、法52条の容積率の算定の基礎となる延べ面積を求める問題です。
正答 2
 容積率算定の床面積に算入しなくてもよいもの。
 ・法52条3項かっこ書き(共同住宅の共用の廊下・階段)控除面積:1階B=20㎡、2階B=10㎡
 ・令2条1項ただし書き四号、令2条3項六号(宅配ボックス):各階床面積の合計の和の1/100を控除
  =200×1/100=2㎡
 ∴容積率の算定の基礎となる延べ面積:1階(100-20-2)=78㎡、2階(100-10)=90㎡、合計168㎡・・・「2」
講評:まずは、共同住宅の共用の廊下・階段の面積が、各階の床面積から控除されることに着目し、加えて、令2条より、1階部分の宅配ボックスによる、延べ床面積から
 の控除面積を求め、これらを各床面積から控除し、容積率の算定の基礎となる延べ面積を求めることとなります。共同住宅の共用の廊下・階段の面積控除の図形問題
 は、H30年に一度出題されていますが、今回は、令2条3項六号(宅配ボックス)の要素を加えての複合問題となっています。

〔No.17〕図形問題で、図形上のA点における地盤面からの建築物の高さの最高限度を求める問題です。
正答 2
 ①道路斜線制限:法56条1項一号、法別表第3、法56条2項(建物後退による緩和)
 ・(に)欄より、第一種中高層住居専用地域の斜線勾配:1.25
 ・(道路容積率)6×4/10=24/10>20/10(都市計画容積率)
 ・(は)欄より、第一種中高層住居専用地域の適用距離:20m
 ・建物後退による緩和(法56条2項):東側1m、南側3m
 ・2面道路における計算用道路幅を広い道路幅員(6m)とする
  ⇒広い道路幅とする緩和規定(法56条6項、令132条1項)
  ⇒広い道路の境界線からその道路幅員の2倍(6×2=12m)以内、かつ35m以内の部分
 ・東側道路斜線:(1+6+1+1)×1.25=11.25m・・・「2」
 ・南側道路斜線:(3+6+3+3)×1.25=18.75m
 ②隣地斜線制限:法56条1項二号:20mを超える部分からの斜線勾配なので、検討の必要はない。
 ③北側斜線制限:法56条1項三号
 ・A点から真北方向の隣地境界線までの距離×1.25+10m
 ・(3+1+1)×1.25+10=16.25m
 ∴東側道路斜線の「11.25m」が、A点における地盤面からの建築物の高さの最高限度となる。
講評:道路斜線の図形問題の定番である、2面道路による最高高さを求める問題で、その他の要素は、特に含まれていません。問題の解説ですので、一応、法令の手順に
 従い、道路斜線(一号)、隣地斜線(二号)、北側斜線(三号)と計算していきましたが、過去問で練習を積んできたいい人には、物足りなかったかもしれませんね!

2022年10月15日 by shrs(シュルズ) 建築適合判定資格者、一級建築士
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