暮らす、生きる、繋がる、持続可能な未来

人も社会も、成長と負荷を切り離して、落としどころを考える。

エコ検定試験・解答解説「第24回2018年度7月試験」その1

2018-09-30 10:10:18 | ビジネス・教育学習
◇パリ協定、SDGs(エスディージーズ)と、地球温暖化対策活動が活発化しています。
◇温暖化対策に挑む「地球人としての知識と教養」を高めると考えてもよい検定試験があります。
◇東京商工会議所主催の「エコ検定試験」で、全国各地の商工会議所との共催での展開です。
◇今後は、ビジネスでは勿論、様々な分野で活用可能な知識と教養だと思います。

◇そこで今週から、今年7月実施の「第24回2018年度7月試験」の解答解説をしていきます。
◇まずは、2018年7月試験の公表された受験結果データですが(出典:東京商工会議所)、
 受験者12,250名、実受験者11,173名、合格者8,324名(合格点70点)、合格率74.5%(平均点77.5)です。
◇試験の内容は、東京商工会議所発行の「公式テキスト」から、ほとんどが出題されます。
◇テキストにない事項は、マスメディア等でもアナウンスされている、地球温暖化に関する常識問題です。

◇解説において参照するページを記載していますが、東京商工会議所発行「公式テキスト」のページです。
◇公式テキストは、本年発行済みのものを参照しています。
◇また、問題の原文は記述できませんが、解説と公式テキスト参照ページと照合することで理解できると思っています。
◇毎年2回開催されていますので、12月度試験に向けて、お役に立ちたいと思います。

第1問(各1点×10問):正誤式で、正しいものは①を、誤っているものは②を回答欄に記入します。
 ア:誤り。日本の四大公害病を問う問題です。設問には、「足尾銅山鉱毒事件、水俣病、イタイイタイ病、四日市ぜんそく」が提起されています
      が、「足尾銅山鉱毒事件」が誤りで、正しくは、「新潟水俣病」です。(四大公害病:172P参照)
 イ:正しい。パリ協定の緩和策「NDC」のことをいっており、各国が自主的に決定する約束草案「INDC」を、国連気候変動枠組条約「UNF
       CC」に表明し、取組みを行う。(京都議定書61P参照、パリ協定の緩和策62P参照)
 ウ:正しい。世界の漁業生産量について、頭打ちな「漁船漁業」に対して、伸び率が大きく、約44%まで伸びている「養殖漁業」との生産量比較を
       問う問題です。(47P参照)
 エ:正しい。IPCC第5次報告における、二酸化炭素排出量と世界平均地上気温がほぼ比例関係にあることを問う問題です。((4)気候変動に対す
       る緩和策:57P参照)
 オ:誤り。地球温暖化係数とは、二酸化炭素を「1」として、温暖化に影響する度合いを係数化しており、メタンが25倍、一酸化二窒素が298倍等で
      す。従って、係数が最も高いという記述は、誤りです。では、二酸化炭素が緩和策の重点とされるのは、温室効果ガス(GHG)の排出量
      の約93%が、二酸化炭素で、エネルギー起源の約87%を占めるからです。
 カ:誤り。設問の文章は、バイオセーフティーに関する「カルタヘナ議定書」の説明をしており、「ワシントン条約」は、絶滅危機にある野生生物
      の国際取引を規制する条約のことです。(カルタヘナ議定書:95P参照、ワシントン条約:94P参照)
 キ:正しい。オゾン層の紫外線に対する性質と、人間などの生物に与える影響を記述した問題です。オゾン層保護のために、ウィーン条約(1985
      年)、モントリオール議定書(1987年)が採択されている。(109P参照)
 ク:正しい。国連食糧農業機関(FAO)による、現在の世界の森林面積と、減少傾向を問う問題です。(117P参照)
 ケ:誤り。マニフェストの運用を問う問題で、設問は「自社内で使用する帳票のことをいう」としているが、これは勿論誤りで、廃棄物処理法で規
      制され、排出業者、処理業者が、複写式帳票により、作業の公明性を図るものです。
 コ:正しい。東京オリンピック・パラリンピック開催に向けての「みんなのメダルプロジェクト」による、都市鉱山活用対策の問題です。この問題
       は、公式テキストでは確認できません。このように、新聞等による最新情報から出題されるものが、1問~2問あります。マスメディア
       が発する、地球温暖化情報には、注目する必要があります。

第2-1問(各1点×5問):問題文の[ ]内に、語群から文言を選択して挿入する問題です。
公式テキストの114P、115Pの文章を組み合わせて、問う文言を[ ]書きで、語群から選択します。
 ア:①硫黄酸化物(SOx)。酸性雨の原因物質である、硫黄酸化物(SOx)、窒素酸化物(NOx)を、問う問題です。(114P参照)
 イ:④森林の衰退。酸性雨の影響として、世界で起きた現象を問う問題です。公式テキストの右欄の注釈に、問題の正答が隠れています。(115P右
    注釈欄参照)
 ウ:⑦東アジア酸性雨モニタリングネットワーク。長距離越境移動大気汚染対策の取組みを問う問題です。(115P参照)
 エ:⑨黄砂。中国内部大陸からの長距離越境移動大気汚染には、何があるかを問う問題です。(114P参照)
 オ:⑫PM 2.5。前記の設問の引き続きで、特に粒子が小さいものを問う問題です。(114P)

第2-2問(各1点×5問):問題文の[ ]内に、語群から文言を選択して挿入する問題です。
前問同様の形式の問題で、ここでは、リサイクル制度を問う問題です。
 ア:①拡大生産者責任。リサイクル制度で必要な用語の定義の一つを問う問題です。廃棄・リサイクル段階まで責任を負うという考え方です。(124
    P参照)
 イ:⑥市町村。リサイクル制度の役割分担を問う問題です。分別排出は「消費者」、分別収集は「市町村」、再商品化は「事業者」という三者の役
    割を決めています。(134P参照)
 ウ:⑦再商品化。前問の引続きで、リサイクル制度の役割分担における事業者の役割が「再商品化」である。(134P参照)
 エ:⑫シュレッダーダスト。用語の定義を問う問題。(135P右注釈欄参照)
 オ:⑭購入。自動車リサイクル法による費用の分担を問う問題で、この場合は、購入時の預託金で賄う制度となっている。(135P参照)

2018年9月30日 by SHRS(シュルズ)「一級建築士、CASBEE評価員資格者、エコ検定合格」
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植育イベント「第1回名木シンポジウム:日本の力・みどりのチカラ

2018-09-29 11:10:40 | ビジネス・教育学習
◇昨日開催の、植育イベント「第1回名木シンポジウムを聴講してきました。
◇主催は、一般社団法人テラプロジェクトで、大阪大学名誉教授の小林昭雄先生が理事長です。
◇富国生命が、この活動への支援をしているようで、懇親会の場でも、熱意のほどを聞かせていただきました。
◇従って、基本的に、この富国生命ビル「まちラボ」を会場として、今後も展開されます。
◇一度、富国生命の環境報告書で、地球温暖化対策への方向性を知りたいと思うところです。

◇シンポジウムの講演では、
 ・伊太礽曽神社の奥重貴さん
 ・神社仏閣用材納材専門の池田木材社長の池田聡寿さん
 ・住吉神社の小出英嗣さん
 ・樹木医として全国で活躍中の株式会社木風の後藤瑞穂さん
 ・一般社団法人日本みどりの研究所代表理事の四代目金岡又右衛門さん
 ・針広混合林の保全と推進に尽力を注いでいる國六株式会社取締役の黒田眞路さん
 の6名から、樹木にまつわる信仰、歴史、世界の情勢、現在の活動等を講演していただきました。
◇パリ協定が批准され、SDGsの17目標に向けて、地球温暖化対策活動を盛り上げる、樹木に関わる貴重な話でした。

◇日本は、総面積の約66%が森林の、先進国では珍しい、森林国です。
◇私は建築業界にいて、コンクリートと鉄という、無機物との関わりが多い中でのビジネス展開でした。
◇20年程前に地球温暖化問題に目を向けるようになって、自然界の生物との関わりへと視点が変わってきました。
◇このように「木」の話から自然界と関わる方向生を見定め事の重要性を認識しているつもりです。
◇ここから、SDGsの17目標を考える、新たな機会としてのシンポジウムであったと思っています。
◇建築士受験講座だけではなく、エコ検定受験講座でも学生に指導していますので、今回の話も役立てるつもりです。




2018年9月29日 by SHRS(シュルズ)「一級建築士、CASBEE評価員資格者、エコ検定試験合格」
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平成30年度二級建築士試験「建築法規」解説 Vol.5(最終回)

2018-09-28 09:53:07 | ビジネス・教育学習
◇今週は、平成30年度の二級建築士試験「建築法規」毎日、5問づつ解説してきました。
◇公開されている正答表は、番号だけを公表して、解説がありません。
◇そこで、二級建築士受験講座での講師キャリアを活かした論評を加味しています。
◇今回で、二級建築士の最終回です。


〔No. 21〕は、建築士法で、主に、建築士個人に関わる事項を問う問題で、二級建築士の設計・工事監理の業務範囲を問う設問が列記されている、割と珍しい問題ではないでしょうか?でも、設計・工事監理業務は建築士としての法的独業務ですので、しっかりとした理解が必要な、基本的事項です。
 正答2
 1.設計できる。士法3条1項三号、同四号:いずれにも該当しないので、二級建築士が設計できる。
 2.設計できない。士法3条1項三号:鉄骨造で300㎡を超えるものは、一級建築士でなければ設計できない。
 3.設計できる。士法3条1項一号、同二号、同四号:いずれにも該当しないので、二級建築士が設計できる。
 4.設計できる。士法3条1項二号、同四号:いずれにも該当しないので、二級建築士が設計できる。
 5.設計できる。士法3条1項二号、同四号:いずれにも該当しないので、二級建築士が設計できる。

〔No. 22〕も、建築士法に関わる問題ですが、例年ですと、建築士事務所管理に関わる問題で占められるのですが、「No.21」で、建築士の業務範囲を問う問題で占めてしまいましたので、建築士個人と建築士事務所管理の混合問題となっています。でも、正答は、事務所管理に関する、開設者(事務所の経営者)責任を問う問題となっています。
 正答5
 1.正しい。士法22条の2、規則17条の37の表一号、同規則二号
 2.正しい。士法18条3項
 3.正しい。士法10条1項、同二号
 4.正しい。士法24条の6、同一号、規則22条の2第2項、同5項
 5.誤り。士法23条の5第1項、同2項、同23条の2第五号:士法23条の2第一号、三号、四号、六号については、2週間以内の届出だが、第五号の所属
      建築士の氏名、建築士の種別の変更届は、3月以内でよい。

〔No. 23〕は、「長期優良住宅の普及の促進に関する法律」に関する問題です。パリ協定が発効し、地球温暖化政策が待ったなしの中での、スクラッブアンドビルドの風潮を変える、建築分野での重要な法規の一つです。前回は、平成25年度に、5択の設問全部をこの法律で占める出題がされています。勿論、常に混合問題の中で出題されている重要な法律です。特に正答の認定基準のところは、数値が絡む部分は主題されやすいので、特に注意するように、講座の中で学生には促していますので、講義を良く聞いている学生には、簡単な問題だったと思います。
 正答1
※「長期優良住宅の普及の促進に関する法律」を、ここでは「法」と称する。
 1.誤り。法6条1項二号(認定基準)、規則4条二号(規模の基準):共同住宅の規模は、一戸の床面積の合計が、55㎡以上であり、一戸建住宅の規
      模の基準である75㎡以上とする必要はない。
 2.正しい。法13条(改善命令):持ち込み可能な建築資料研究社の法令集には記載がない条項ですが、確かに存在します。
       「法13条:所管行政庁は、認定計画実施者が認定長期優良住宅建築等計画に従って認定長期優良住宅の建築及び維持保全を行っていな
       いと認めるときは、当該認定計画実施者に対し、相当の期限を定めて、その改善に必要な措置を命ずることができる。」
 3.正しい。法2条2項
 4.正しい。法3条5項
 5.正しい。法5条4項四号ロ:譲受人が決定していない分譲事業者(法5条3項に該当する)には、建築後の住宅の維持保全に係る資金計画(法5条4項四
       号ロに規定)の記載を要求していないので、認定申請の際、記載しなくてもよい。

〔No. 24〕は、関係法令の混合問題です。注目したいのは、正答の「2」にある、「宅地造成の定義」を問う問題です。実は、毎年出ています。今回は「正答」での出題で、これも前問同様に、講座でに留意事項に耳を傾けていた学生には、簡単な問題だったと思います。
 正答2
 1.正しい。「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律」第2条十八号、同令6条七号
 2.誤り。「宅地造成等規制法」第8条(工事の許可)、法2条二号(宅地造成の定義)、同令3条一号、同四号:切土は2mを超える崖を生じるものが対
       象で、切土・盛土の基準に該当しないものでは、土地の面積が500㎡を超えるものが規制対象であり、そのいずれにも該当しないので、
       許可を必要としない、
 3.正しい。「特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関うる法律」第2条5項、同6項、第3条、第11条
 4.正しい。「都市計画法」第53条1項一号、同令37条:許可を要しない軽易な行為は、木造2階建以下の改築、移転であり、新築は許可が必要なの
       で、設問は正しい。
 5.正しい。「建築物の耐震改修の促進に関する法律」第2条2項

〔No. 25〕も、混合問題なのですが、正答に、改正法である「建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律」が入ってきました。パリ協定が発効し、地球温暖化問題対策の、建築関連での直接的対策法です。平成30年度の試験から適用になる法律ですので、ビデオ解説を含めて、講座の中では注意を促した事項です。聞いていた学生には、これも簡単な問題だったと思いますので、最後の3問は、講座をしっかり受講していた学生には、立て続けに、獲得したと思います。
 正答4
 1.正しい。「消防法」第9条の2
 2.正しい。「建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律」:木材は第2条5項に定める「特定建設資材」であり、それを使用する新築工事は、
       第9条1項に基づく「分別解体等実施義務」があり、その規模が同3項に基づき政令で定める規模以上のものを「建設対象工事」としてお
       り、政令2条1項二号において、その規模に関する基準で床面積500㎡以上としている。また、第10条において、建設工事の着手7日前ま
       でに「建設対象工事」の都道府県知事への届出義務を課している。
 3.正しい。「土地区画整理法」第76条(建築行為等の制限)、同四号、第103条4項(換地処分)
 4.誤り。「建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律」第19条1項一号、同令8条1項:届け出の必要があるのは、300㎡以上の建築物であ
       り、200㎡のものは、届け出の必要はない。
 5.正しい。「建設業法」第3条:軽微な建設工事(第3条ただし書き、令1条の2)を除いて、建設業を営もうとするものは、許可が必要なので、設問
       は正しい。

◇これで、平成30年度の二級建築士試験「建築法規」の問題解説を終わります。
◇なお、二級建築士試験の問題文と正答表が公益財団法人建築教育普及センターのH.P.にて公開されています。
◇過去3年分について公開され、ダウンロード可能です。
◇是非、問題文を参照下さい。
◇なお来週から後期の講座が始まりますので、一服入れてから、一級建築士試験「建築法規」の問題解説をしたいと思います。
◇一級の建築法規は4択30問ですので、3問づつ10回コースで解説していきたいと思っています。

二級建築士試験の「建築計画と建築法規」の問題
https://www.jaeic.or.jp/shiken/2k/2k-mondai.files/2k-mondai-h30-gakka1_2.pdf
「正答表」
https://www.jaeic.or.jp/shiken/2k/2k-mondai.files/2k-h30-gakkagoukakukijun.pdf

2018年9月28日 by SHRS(シュルズ)「一級建築士、建築基準適合判定資格者」
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平成30年度二級建築士試験「建築法規」解説 Vol.4

2018-09-27 09:36:37 | ビジネス・教育学習
◇今週は、平成30年度の二級建築士試験「建築法規」毎日、5問づつ解説してきます。
◇巷の二級建築士試験解説とは、一味違うものを狙います。
◇二級建築士受験講座での講師キャリアを活かし、受験生の反応を加味し体と思います。


〔No. 16〕は図形問題で、共同住宅における容積率の算定の基礎となる延べ面積を問う問題です。過去の問題でも、類似問題がありますが、戸建て住宅での問題でした。異なるのは、共同住宅という用途では、共用部分の廊下等で、法52条3項に、緩和条項がある事です。問題には親切に、「各階の床面積には、それぞれ共用の廊下及び階段の用に供する部分の床面積15㎡を含む。」という注意書きがありますので、これでピンときた人も多いと思っています。
 正答2
 容積率算定の床面積に算入しないもの
 ・法52条3項かっこ書き:共同住宅の共用の廊下・階段(設問では15㎡)
 ・同・後段かっこ書き:住宅の用途に供する部分の1/3
 算定対象の床面積:地階(165-15)+1階(165-15)+2階(90-15)=375㎡
 算入しない地下部分の住宅の床面積:375×1/3=125㎡
 ∴容積率算定の基礎となる延べ面積
 (算定対象)375㎡-(未算入地下部分)125㎡=250㎡ 

〔No. 17〕は図形問題で、図形上のA点における地盤面からの建築物の高さの最高限度を求める問題です。設問の形態としては、定番問題です。第一種住居地域ですので、北側斜線制限は無く、道路斜線制限で検討すればいい問題です。また、敷地高低差もなく、建物後退緩和と2面道路による緩和条項の確認で済む、ここ2~3年の傾向ですが、斜線制限問題としては、比較的易しい問題dと思います。
 正答5
 道路斜線制限:法56条1項一号、別表第3
 建物後退距離の緩和規定:法56条2項(設問では1m)
 2以上の前面道路の場合の緩和規定:令132条
 ・東側の最大幅員道路からのA点位置(2+6=8m):6m×2=12mかつ35m以内にある。
 ・北側の道路斜線の道路幅員は最大の6mとして算定する。
 ・A点の高さ算定の位置:(建物緩和)1m+(幅員最大)6m+(敷地境界から)2m=9m
 道路斜線制限適用距離:別表第3
 ・(道路容積率)6×4/10=24/10>20/10(都市計画容積率) ⇒ 20m・・・OK
 ∴A点の高さの最高限度:(1+6+2)×1.25=11.25m 

〔No. 18〕は、珍しく、日影規制の条項を問う設問が並びました。また、設問1に、令2条2項に定義する「地盤面」と、日影規制の法別表第4で定義する「平均地盤面」が、異なる事への理解を求める、結構、常連の設問が入っています。
 正答3
 1.正しい。法56条の2、別表第4の表の最下欄枠内、令2条1項七号、同六号
 2.正しい。法56条の2第3項、令135条の12
 3.誤り。法56条の2第2項:2以上の建築物がある場合、1の建築物とみなして算定する。
 4.正しい。法56条の2、別表第4(い)欄
 5.正しい。法56条の2、別表第4(1)項(ろ)欄

〔No. 19〕は、防火地域、準防火地域規制に絡む問題です。通常は、法27条の特殊建築物に絡む設問が出るのですが、今回は、患者の収容施設を有しない診療所ということで、法61条関連だけで回答できる問題になっています。これは推測の域を出ませんが、「特定避難時間倒壊等防止建築物」という、法規制適用の難解な建築物を、試験問題に絡ませない配慮ではないかと、ついつい、邪推してしまうのです。来年度施行予定の改正法で、仕様規定でしか建築確認が出来ない現状を反映し、法別表第1が整理され、変更により受験生は大変かと思いますが、「特定避難時間倒壊等防止建築物」を、さほど意識しないでよくなるのは、いい事ではないかと思っています。来年の平成31年度試験で合格しておかないと、再来年は防火関連規定の改正が多いので、来年は、必ず合格しておいた方がいいと思います。
 正答5
 1.正しい。法62条2項:高さ2m以下のものは、不燃材料以外のものでもよい。
 2.正しい。法62条1項、法27条:準耐火建築物が要求されるのは、準防火地域内で500㎡を超えるものであり、患者の収容施設を有しない診療所
       は、法27条の特殊建築物の対象ではないので、耐火・準耐火建築物以外のものとすることができる。
 3.正しい。法67条、法61条:規制地域の内外に渡る場合には、厳しい方の規制となり、100㎡を超えるものは、耐火建築物としなければならない。
 4.正しい。法66条:屋上に設けるものは、その高さに関係なく、不燃材料でつくり、又は覆わなければならない。
 5.誤り。法65条:耐火構造のものは境界線に沿って設けることができるが、準耐火構造のものは、境界線に接して設けることができない。

〔No. 20〕は例年通り、雑則を含めての「よろず問題」です。特段、出題傾向の特徴は無く、法令集と格闘して、調べてくださいという問題です。
 正答4
 1.正しい。法87条、法6条1項一号:100㎡を超える建築物の特殊建築物への用途変更は、確認申請が必要。
 2.正しい。施行規則1条の3第一号イかっこ書き:表1の(は)項に掲げる図書は、用途変更の申請では、除かれている。
 3.正しい。法87条1項
 4.誤り。法48条、別表第2(は)項:平家建90㎡の自動車車庫は、第一種中高層住居専用地域内に建築できるが、工場は建築できないので、用途変更
      をすることはできない。
 5.正しい。法99条1項一号かっこ書き、法87条

◇なお、問題文と正答表が公益財団法人建築教育普及センターのH.P.にて公開されています。
◇過去3年分について公開され、ダウンロード可能です。
◇是非、問題文を参照しながら勉強してください。

「建築計画と建築法規」の問題
https://www.jaeic.or.jp/shiken/2k/2k-mondai.files/2k-mondai-h30-gakka1_2.pdf
「正答表」
https://www.jaeic.or.jp/shiken/2k/2k-mondai.files/2k-h30-gakkagoukakukijun.pdf

2018年9月27日 by SHRS(シュルズ)「一級建築士、建築基準適合判定資格者」
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夜間受験講座での「建築法規」前期試験考察

2018-09-26 13:20:46 | ビジネス・教育学習
◇昨日、夜間の二級建築士受験講座における建築法規の前期追試験をしました。
◇勿論、問題は事前に作成して学校に提出していますので、試験の監督と結果集計だけです。
◇ただ、結果集計だけではもったいないので、回答内容の分析から、今後の対策を考察します。

◇正答率が低い問題(正答率30%以下)は5項目あり、うち3項目に、試験の重要事項を含んでいます。
◇後期の講座での対策重点事項とする予定です。
 
 ①避難施設としての廊下幅を、令119条の表を参照して回答する問題の正答率が低い。
  ほぼ、2~3年に1回出題があり、法24条削除の改正法がらみで、重要事項としてのウェートが高くなると推察しています。
  令119条の表、令120条の階段の避難距離の問題と共に、理解の徹底の必要性を感じています。

 ②2方向避難の緩和を問う問題の正答率が低い。
  令121条1項(設置)、同2項(緩和)の問題は、毎年出題されている最重点事項のひとつ。
  この問題は、昼間の講座の学生にも最重点事項として演習を繰り返します。
  でも、悲しいことに、この問題を間違える学生は、いつも同じ学生なのです。
  対策は、とにかく、演習の繰り返ししかないと思っています。
 
 ③竪穴区画のただし書き緩和規定(令112条9項)の問題の正答率が低い。
  令24条の削除(今月改正法が施行済み)による影響は、二級と木造の場合には大きいです。
  毎年出題されていた定番の法24条を条件とした設問が無くなるのです。
  これは、防火区画の問題の構成が変わることを意味しています。
  すなわち、令112条9項(竪穴区画)の理解が、さらに重点事項として、徹底把握が必要なのです。
  一級建築士試験の場合は、法24条の小規模の木造の特殊建築物規制など、どうでもいい分野です。
  でも、二級と木造は、過去から最重点事項として、問題に絡んできていました。
  これは、毎年のように出題されていた令112条12項(異種用途区画)がなくなる事をも意味しています。
  また、令114条の界壁規定の防火性能規定化を控えて、構成が変わってくると思っています。
  学生に嫌われるくらい、演習の繰り返して理解促進を図る必要がありそうです。

◇以上簡単ですが、追試の結果分析からの、後期の対策の考察(四方山話)です。
◇一般的な傾向としてですが、成績の悪い学生は、単体規定(特に防火・避難規定)が弱いです。
◇原因は、法令集を開いて、照合することの癖付けが無いことだと思っています。
◇成績のいい学生と、成績の悪い学生は、法令集の劣化度で、ほぼ判断できます。
◇インデックスの張り具合に拘る指導をしているのを見かけますが、ごまかされてはだめです。

2018年9月26日 by SHRS(シュルズ)「一級建築士・建築基準適合判定資格者」
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