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二級建築士試験2022ブログ講座⑱最終回(2021年試験問題解説)

2022-03-30 10:33:22 | ビジネス・教育学習
2021年(令和3年)の試験問題解説を軸に、過去の出題傾向を踏まえて、重点事項と出題予測推論を加えて解説していきます。
 試験問題については、「公益財団法人 建築技術教育普及センター」のホームページで公開されていますので、そちらを参照してください。直接アクセスできるように、アドレスを記載します。 2k-2021-1st-gakka1_2.pdf (jaeic.or.jp)
 なお、アクセスできない場合には、「公益財団法人 建築技術教育普及センター」ホームページから、次の手順で入ってください。
  ①資格試験⇒②二級建築士⇒③(1-6)過去の試験問題等⇒④学科の試験 すると、マトリックスの表が表示されますので、
  「令和3年 学科Ⅰ及び学科Ⅱ」と「合格基準点⇒正答肢等」を参照してください。

〔No.25〕関連法規の寄せ集め問題で、誤っている記述を選択する問題です。
1. 誤り。「建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律」第19条1項一号、令8条1項:政令(令8条1項)で定める規模(300㎡)以上のものへの届け出義務の規定で、工事に着
 手する日の21日前までに、所管行政庁に届け出る義務があり、設問の200㎡の新築への義務はない。注意点は、一号の条文に、政令で定める規模「以上」と規定し、規模の数
 値を政令(令8条1項)で300㎡としています。「以上」という表示が、法律に記載され、政令には「数値だけ」の記載であることに注意する。
 また法改正で、建築士の法的義務(法律27条)として、説明義務が加わったことに注意する。
2.正しい。「建設業法」第3条、同令1条の2:政令(令1条の2)に定める軽微な建設工事を除いて、建設業の許可は必要である。過去問の傾向から、建設業法の重要事項は2点。
 ①建設業の許可の規定(業法3条、同令2条)
  ・特定建設業(業法3条1項二号)とは、下請け契約を締結して施工する建設業をいう。
   (建築工事業の場合6,000万円以上、その他は4,000万円以上)
  ・一般建設業(業法3条1項一号)とは、上記以外の建設業をいう。 
  ・許可を必要としない軽微な工事(業法3条ただし書き、同令1条の2)の定義
   ⇒建築一式工事の場合は、1,500万円に満たない工事、150㎡未満の木造住宅工事
   ⇒その他工事の場合は、1件の工事請負代金が500万円に満たない工事
 ②必要とする技術者の規定
  ・特定建設業:下請けを適切に指導監督する立場の、監理技術者を置く。
  ・一般建設業:施工の技術上の管理を行なう、主任技術者を置く。
  ・専任の監理技術者、主任技術者を置く必要がある工事
   ⇒1件の請負代金が3,500万円以上、建築一式工事の場合は7,000万円以上
  ・選任を必要とする重要な工事の定義:令27条1項三号のイ~ツを参照
3.正しい。土地区画整理法76条、同103条4項:条文参照。
4.正しい。「建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律」第9条、同令2条1項二号、法律10条1項:新築工事に関しては、政令に定める規模(床面積が500㎡)以上のものを 
 「対象建設工事」と定義し(法律9条)、第10条において、工事着手7日前までの届け出義務を規定している。
 「分別解体義務」がある建設工事の規模に関する基準は、令2条において、
  一  建築物に係る解体工事については、当該建築物の床面積の合計が80㎡であるもの
  二  建築物に係る新築又は増築の工事については、当該建築物の床面積の合計が500㎡であるもの
  三  建築物に係る新築工事等であって前号に規定する新築又は増築の工事に該当しないものについては、その請負代金の額が1億円であるもの(リフォーム工事を想定して
   いる)
  四  建築物以外のものに係る解体工事又は新築工事等については、その請負代金の額が500万円であるもの(土木工事を想定している)
5.正しい。消防法9条の2第2項、同令5条の7:住宅用防災機器の設置及び維持に関する基準その他住宅における火災の予防のために必要な事項は、政令(令5条の7)で定める基準
 に従い市町村条例で定めるとしている。具体的には、「寝室、階段、台所」である。

【蚯蚓の戯言(その他関係法規を含めてのまとめ)】
◇今回で、2021年度(R3)の二級建築士試験問題解説を軸とした講座を占めます。
◇過去問出題傾向から、重点事項を絞った解説としてきたつもりです。
◇気になるのは、R1とR2での防火関連規定の改正事項が、どの程度挿入されてくるか予測し難いこと。
◇防火関連規定は、難しい部分があるのですが、二級建築士の設計範囲の重要な緩和条項です。
◇R3の防火区画問題で、少し挿入されてきていますし、今後、二級建築士試験で出ないわけがない???
◇あと、関係法令でいえば、
 「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律」
 「建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律」
 「建設業法」のR3問題が、さり気なさ過ぎて、今年は、深堀りしてくるのではないかと推察。
◇いずれも、「蚯蚓の戯言」ですが・・・。

2022年3月30日 by SHRS(シュルズ) 建築基準適合判定資格者、一級建築士
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二級建築士試験2022ブログ講座⑰(2021年試験問題解説)

2022-03-29 10:01:06 | ビジネス・教育学習
2021年(令和3年)の試験問題解説を軸に、過去の出題傾向を踏まえて、重点事項と出題予測推論を加えて解説していきます。
 試験問題については、「公益財団法人 建築技術教育普及センター」のホームページで公開されていますので、そちらを参照してください。直接アクセスできるように、アドレスを記載します。 2k-2021-1st-gakka1_2.pdf (jaeic.or.jp)
 なお、アクセスできない場合には、「公益財団法人 建築技術教育普及センター」ホームページから、次の手順で入ってください。
  ①資格試験⇒②二級建築士⇒③(1-6)過去の試験問題等⇒④学科の試験 すると、マトリックスの表が表示されますので、
  「令和3年 学科Ⅰ及び学科Ⅱ」と「合格基準点⇒正答肢等」を参照してください。

〔No.23〕「建築物の耐震改修の促進に関する法律」に関して、誤っている記述を選択する問題です。
ここで扱う呼称の法律とは、原則、「建築物の耐震改修の促進に関する法律」とする。
1.正しい。法律17条10項:確認済証の交付があったものとみなし、所管行政庁は、その旨を建築主事に通知する。耐震改修法に基づく所管行政庁の認定を、建築基準法の確認
 済証交付と同等の扱いとすることです。
2.誤り。法律2条2項:用語の定義の規定において、「又は敷地の整備をすることをいう。」としており、敷地の整備も、耐震改修に含まれる。法律の規制範囲の原則を知るう
 えで、用語の定義は重要事項です。
3.正しい。法22条3項:条文参照。任意の申請事項なので、広告できることで、インセンティブの付加を与える意図がある事項です。
4.正しい。法5条3項二号:条文参照。なお、通行障害建築物の要件は、同令4条の規定されている。
 政令4条では、法第5条第3項第二号の政令で定める建築物の定義について、次のように定義している。  
  一号:12m以下の場合6m
  二号:12mを超える場合前面道路の幅員の1/2に相当する距離
 考え方としては、前面道路の中心から45度の斜線にかかる沿道建築物を対象とする、ということです。
5.正しい。法7条:各地方行政の耐震改修促進計画記載の期限までに報告。行政の情報管理を円滑にするための手続き規定です。
 ◇耐震改修法の主な事項を整理すると、
 ・建築物の耐震改修を計画している者は、所管行政庁の認定を申請が出来る。
   (軽微な変更申請不要・法律18条)
 ・認定された建築物は、確認済証の交付があったものとみなされる。(法17条10項)
 ・所管行政庁は、認定された建築物について、耐震改修の状況報告を求めることができる。(法律19条)

〔No.24〕関連法規の寄せ集め問題で、誤っている記述を選択する問題です。
1.正しい。「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律」第2条十八号、同令6条七号
 条文参照で理解できる「用語の定義」ですので、法令集で確認してください。「建築物特定施設」は、重要な用語の一つです。
2.正しい。「長期優良住宅の普及の促進に関する法律」第6条1項四号ロ:この法律の重要な定義である、「認定基準」の理解を促す肢問の一つです。
3.正しい。「長期優良住宅の普及の促進に関する法律」第6条1項二号、同規則4条(認定規模の基準): 共通の規模の基準を規定し、ただし書き一号で一戸建て住宅を、ただし 
 書き二号で、共同住宅等を規定している。数値を伴う設問ができる事項なので、過去問でも、結構散見されます。このような数値の定義がある条文は、要注意事項です。
4.誤り。「宅地造成等規制法」第8条、第2条二号、同令3条:原則、規制区域内の宅地造成工事は、都道府県知事の許可を必要とし、法2条二号に定義する規制対象の宅地造成
 の定義は、同令3条示されており、切土は2mを超えるもの、切土・盛土の基準に該当しない場合は、土地の面積が500㎡を超えるものとしており、設問の、切土2m、土地面積
 500㎡は、基準に満たないので、許可を受けなくてもよい。この条文の問題は、3年に2度出題されている重要事項ですが、本年(R4)は、空白年か???
5.正しい。都市計画法53条1項ただし書き一号、同令37条:許可を必要としない軽易な行為(都計法53条1項ただし書き)は、令37条において、地階を有しない木造2階建て以下
 の、改築又は移転であり、新築は対象外なので、原則として、都道府県知事等の許可を受けなければならない。
  出題傾向に見る「都市計画法」重点事項をまとめると、次の3項目になります。まずは、都市計画法については、この条文を把握することです。
  ・法53条、令37条(建築行為の規制)
  ・法29条、令19条(許可を要する開発行為)
  ・法43条、令35条(許可を要しない軽易な行為)

【蚯蚓の戯言(その他関係法規)】
◇法律の数、条文の範囲と、かなり広範囲だが、出題傾向を見るに、意外と狭い範囲で出題されています。
◇重点指向で、その法律の条文構成に慣れ、法令集で確認できるスキル習得だと思います。
◇5択まるまる一つの法律での出題は、今年は、バリアフリー法か長期優良住宅促進法あたりと推察。

◇「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律(通称:バリアフリー法)」の重点事項は、
 ①特定建築物(法2条十六号、令4条)について
   ⇒多数の者が利用する建築物、その部分、付属する建築物特定施設
 ②特別特定建築物(法2条十七号、令5条)
   ⇒不特定多数の者が利用し、又は主として高齢者、障害者等が利用する特定建築物
  ・建築物移動等円滑化基準への適合義務(法14条1項)
  ・適合義務対象規模(令9条)⇒床面積の合計2,000㎡(公衆便所は50㎡)
  ・建築物移動等円滑化基準の内容:令11条~令23条を照合確認
   ⇒移動等円滑化経路の定義(令18条):道又は公園、広場その他の空地から当該利用居室までの経路


◇また、建築物省エネ法改正で、建築士の法的義務(法律27条)が加わり、出題条文として、要注意です。

2022年3月29日 by SHRS(シュルズ) 建築基準適合判定資格者、一級建築士
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二級建築士試験2022ブログ講座⑯(2021年試験問題解説)

2022-03-28 10:01:56 | ビジネス・教育学習
2021年(令和3年)の試験問題解説を軸に、過去の出題傾向を踏まえて、重点事項と出題予測推論を加えて解説していきます。
 試験問題については、「公益財団法人 建築技術教育普及センター」のホームページで公開されていますので、そちらを参照してください。直接アクセスできるように、アドレスを記載します。 2k-2021-1st-gakka1_2.pdf (jaeic.or.jp)
 なお、アクセスできない場合には、「公益財団法人 建築技術教育普及センター」ホームページから、次の手順で入ってください。
 ①資格試験⇒②二級建築士⇒③(1-6)過去の試験問題等⇒④学科の試験 すると、マトリックスの表が表示されますので、
  「令和3年 学科Ⅰ及び学科Ⅱ」と「合格基準点⇒正答肢等」を参照してください。

〔No.21〕二級建築士では設計できない建築物を選択する問題です。
建築士法3条1項に、一級建築士でなければできない建築物が列記されていますので、それらに該当するかを判断する問題です。
1.設計できる。建築士法3条1項:一号から四号(1,000㎡超かつ階数2以上)のいずれにも該当しない。
2.設計できる。建築士法3条1項:一号から四号のいずれにも該当しない。
3.設計してはならない。建築士法3条1項一号:病院の用途に供する500㎡を超える建築物である。
4.設計できる。建築士法3条1項:用途(一号)、規模(三号、四号)ともに、いずれにも該当しない。
5.設計できる。建築士法3条1項:一号から四号のいずれにも該当しない。

〔No.22〕建築士事務所を経営するに当たり、必要事項で、その記述が誤ってものを選択する問題です。
1.誤り。士法24条の7第1項:重要事項説明等の義務は、設計・工事監理に関する業務を受諾した場合である。手続の代理の業務(士法21条:その他業務)に関しては、しなくて
 もよい。
2.正しい。士法24条の4、規則21条5項:設計図書の保存期間を問う問題で、「15年」という期間が重要です。
3.正しい。士法24条1項、同23条の4第1項十号、同法26条1項二号:管理建築士の設置義務(士法24条1項)に関する要件を欠く場合には、登録拒否の要件に該当し(同23条の4第1
 項十号)、その場合には、事務所取り消し(同法26条1項二号)に該当することになる。
4.正しい。士法24条の3第2項:再委託制限の規定で、第1項では、無登録事務への一括再委託を制限、第2項では、一定条件以上の件名の、他の事務所への一括再委託を制限し
 ている。本問は、第2項の、他の設計事務所への再委託制限の問題です。
5.正しい。士法23条、同21条:設計・工事監理業務は勿論、法21条に規定する「その他業務」についても、業として行う場合には、登録を義務付けている。

【蚯蚓の戯言(建築士法)】
◇建築士法の問題は、建築士個人にかかるもの(No.21)と、事務所管理にかかる問題(No.22)の2問です。
◇出題傾向から、二級建築士が設計・工事監理できる範囲の問題は、重要事項であることがわかります。
◇士法3条1項は、どんな記述方法の問題でも、法令集をひと目で理解できるようにする必要があります。
◇あと重要な事項は、その他業務(士法21条)の内容を、理解しておく必要があります。
◇建築士の法的業務は、設計・工事監理だけではないが、それ程厳しい条件が付いているわけでもない。
◇あと、定期講習(士法22条の2)も、規則17条が絡む、重要事項の一つです。
◇事務所管理では、事務所登録(士法23条)と、情報管理(士24条~士法24条の8)に尽きる気がします。
◇試験問題に関する重要事項を、出題傾向から整理すると、次の6項目に整理できると思います。
 ① 建築士の法的独占業務規定(士法3条1項)
  ・級別に建築士としての法的独占業務の用途、規模を明示
  ・二級の問題では一級との境界線の理解が重要
 ② 定期講習の受講義務(士法22条の2、規則17条の36、37)
  ・事務所の所属属建築士は業務内容に関係なく3年毎に受講
 ③ 開設者責任としての事務所登録義務(士法23条、規則18条)
  ・5年ごとに登録更新
  ・他人の求めに応じ報酬を得て業務をする場合に必要
  ・開設者は建築士の資格を必要としない(建築士を雇えばよい)
 ④ 委託者(消費者)への情報開示義務(司法24条の6、24条の7)
  ・建築士事務所としての業務実績情報管理と情報開示義務
  ・業務委託時の業務内容、報告方法、建築士等の情報開示
 ⑤ 業務の再委託(一括丸投げ)制限(士法24条の3第1項、同2項)
  ・無登録事務所への再委託(一括丸投げ)の禁止
  ・登録事務所でも300㎡を超える新築工事は再委託禁止
 ⑥ 設計・工事監理業務以外のその他の建築士業務(士法21条)
  ・一級建築士と二級建築士の区別なく業務ができる

2022年3月28日 by SHRS(シュルズ) 建築基準適合判定資格者、一級建築士
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二級建築士試験2022ブログ講座⑮(2021年試験問題解説)

2022-03-25 10:24:07 | ビジネス・教育学習
2021年(令和3年)の試験問題解説を軸に、過去の出題傾向を踏まえて、重点事項と出題予測推論を加えて解説していきます。
 試験問題については、「公益財団法人 建築技術教育普及センター」のホームページで公開されていますので、そちらを参照してください。直接アクセスできるように、アドレスを記載します。 2k-2021-1st-gakka1_2.pdf (jaeic.or.jp)
 なお、アクセスできない場合には、「公益財団法人 建築技術教育普及センター」ホームページから、次の手順で入ってください。
  ①資格試験⇒②二級建築士⇒③(1-6)過去の試験問題等⇒④学科の試験 すると、マトリックスの表が表示されますので、
   「令和3年 学科Ⅰ及び学科Ⅱ」と「合格基準点⇒正答肢等」を参照してください。

〔No.19〕防火地域等に関する規定で、2階建て、200㎡の共同住宅に関する、誤っている記述を選択する問題です。
1.正しい。法61条、令136条の2第三号、法2条八号(防火構造)、令108条(防火性能):準防火地域内の階数が2以下で500㎡以下の木造建築物は、外壁及び軒裏で延焼のおそれの
 ある部分を防火構造とすることができる。
  法61条では、防火地域内、準防火地域内の建築物の規制について、令109条に定める防火設備の要求と共に、建築規模に応じて、令136条の2に定める技術基準に適合するこ 
 とを求めている。
  ◇法61条:① 延焼の恐れのある部分にある外壁開口部に防火設備(令109条)
        ②必要性能を建物規模別に要求(令136条の2)
  ◇令136条の2(技術的基準)
    一号:「耐火建築物」「延焼防止建築物」を要求する規模を規定
       ・防火地域内にある建築物で階数が3以上のもの若しくは延べ面積が100㎡を超えるもの
       ・準防火地域内にある建築物で地階を除く階数が4以上のもの若しくは延べ面積が1,500㎡を超えるもの
    二号:「準耐火建築物」「準延焼防止建築物」を要求する規模を規定
       ・防火地域内にある建築物のうち階数が2以下で延べ面積が100㎡以下のもの
       ・準防火地域内にある建築物のうち地階を除く階数が3で延べ面積が1,500㎡以下のもの
        若しくは地階を除く階数が2以下で延べ面積が500㎡を超え1,500㎡以下のもの
    三号:「外壁・軒裏を防火構造とし、延焼のおそれのある部分の外壁開口部に片面防火設備を設けた建築物」要求する規模を規定(木造建築物) 
    四号:「延焼のおそれのある部分の外壁開口部に片面防火設備を設けた建築物」を要求する規模を規定(木造建築物以外) 
2.誤り。法61条ただし書き、令136条の2第五号:準防火地域内で、建築物に附属する高さ2mを超える塀について、木造建築物に付属するものは、令136条の2第五号に基づ
 き、延焼防止上支障のない構造としなければならないとしているが、準防火地域内にある木造建築物以外に付属するものは、法61条ただし書きのかっこ書きで「木造建築物等 
 を除く」としており、準防火地域内にある木造建築物以外に付属する2mを超える塀への制限をしていない。したがって、「当該建築物の構造にかかわらず、しなければならな
 い。」という記述は、誤りということになる。
  ◇木造の塀でよいもの(法61条ただし書き)
   ・防火地域内:高さが2m以下の門、塀
   ・準防火地域内:木造を除く建築物に付属する門、塀は、2mを超えてもよい。
3.正しい。法63条:防火地域、準防火地域内の耐火構造の外壁が対象⇒条文参照。
4.正しい。法65条1項:同2項で、防火地域・準防火地域にわたる場合を規定。いずれも、厳しい方の基準適用としている。
5.正しい。法62条、令136条の2の2第一号、同二号:条文参照。

〔No.20〕その他の規定における、誤っている記述を選択する問題です。
1,誤り。法93条、令147条の3(消防同意を必要とする住宅):消防同意を必要とする一戸建て住宅は、住宅以外の用途部分が、床面積の1/2以上、又は住宅以外の用途部分の床面
 積が50㎡を超えるものである。
2.正しい。法86条の7第1項(既存の建築物に対する、原則として制限を緩和する規定):ただし、除外する条文に記載のないものは、適用を受けることに注意する。
  【例】法22条指定区域の屋根(法22条)、同・外壁(法23条)、etc.
3.正しい。法88条、令138条2項三号:法88条に該当する政令で指定する工作物は、法20条の規定が適用になり、観覧車は、政令(令138条2項三号)で指定する工作物(遊戯施設)
 である。
  なお、令138号1項で指定する工作物は、数値の基準を含んでいるので、注意が必要。問題文の記述でいえば、例えば、高さが2mの擁壁は、法20条(構造耐力)の規定が適用さ
 れるかといえば、「超える」と条文にあるので、「2mの擁壁には適用されない」ことになる。
   一号 高さが6mを超える煙突
   二号 高さが15mを超える鉄筋コンクリート造の柱、鉄柱、木柱その他これらに類するもの
   三号 高さが4mを超える広告塔、広告板、装飾塔、記念塔その他これらに類するもの
   四号 高さが8mを超える高架水槽、サイロ、物見塔その他これらに類するもの
   五号 高さが2mを超える擁壁
4.正しい。法85条6項、同7項(国際会議場等の使用許可):条文参照。
5.正しい。法98条2項、同1項二号、同三号:設計者又は工事施工者だけでなく、当該建築主も、3年以下の懲役、又は300万円以下の罰金に処する対象となる。

【蚯蚓の戯言(防火地域等その他規定)】
①防火地域等の規定
 ◇R1改正でなんとなく面倒な条文になった気がしますが、慣れると意外と習得しやすいのがわかります。
 ◇令136条の2(技術的基準)の理解促進が、キーポイントです。
 ◇国交省の資料で、この技術基準をまとめた表があり、意外とシンプルであることが理解できます。
 ◇受験講座の各機関でも、表にまとめたものを提供していると思います。
 ◇かつ、法62条から法64条は、条文参照で理解できる範疇で、かつ、出題率も高いので、注意が必要。
 ◇特に法64条の屋上に設ける広告塔等の場合、高さに関係なく規制され、屋上以外の場合には、高さ3mを超えるものを規制していることに注意する。
②その他既定
 ◇その他既定は、法85条の仮設建築物の緩和、法88条の工作物の準用規定の出題率が高い、
 ◇いずれも数値基準を持ち、適用条項の指定があるので、出題のし易さがあると推察します。
 ◇なかなか記憶するのが難しい分野なので、法令集との参照訓練が重要だと心得ます。
 ◇ついでですので、今まで出題率は高くはないですが、今後が気になる法3条をまとめます。
   法3条1項:国宝等に関する適用の除外
   法3条2項:既存不適格建築物⇒ 法86条の7(既存の建築物に対する制限の緩和) 令137条~令137条の16
   法3条3項:改正法の適用除外対象とならない既存不適格建築物
    一号:改正前の法令に違反している。
    二号:改正前の地域地区等の制限に違反している。
    三号、四号:改正法施行後の増築、改築等
    五号:改正法に、いったん適法となったもの。

2022年3月25日 by SHRS(シュルズ) 建築基準適合判定資格者、一級建築士
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二級建築士試験2022ブログ講座⑭(2021年試験問題解説)

2022-03-24 10:32:23 | ビジネス・教育学習
2021年(令和3年)の試験問題解説を軸に、過去の出題傾向を踏まえて、重点事項と出題予測推論を加えて解説していきます。
 試験問題については、「公益財団法人 建築技術教育普及センター」のホームページで公開されていますので、そちらを参照してください。直接アクセスできるように、アドレスを記載します。 2k-2021-1st-gakka1_2.pdf (jaeic.or.jp)
 なお、アクセスできない場合には、「公益財団法人 建築技術教育普及センター」ホームページから、次の手順で入ってください。
 ①資格試験⇒②二級建築士⇒③(1-6)過去の試験問題等⇒④学科の試験 すると、マトリックスの表が表示されますので、
 「令和3年 学科Ⅰ及び学科Ⅱ」と「合格基準点⇒正答肢等」を参照してください。

〔No.17〕図形計算問題で、図中に指示された「A点」の地盤面からの最高高さを求める問題です。この問題では影響はないのですが、注意事項として、道路斜線は前面道路の中央からの高さを計算しますが、回答は地盤面からの高さの要求です。前面道路と地盤面の高さが異なる問題の場合には注意です。
◇ 法56条5項:敷地が異なる用途地域にわたる場合それぞれの高さの制限を適用
 ・A点は、第一種中高層住居専用地域の高さ制限を適用
 ・第一種低層住居専用地域の絶対高さ「10m」は適用されない。
 ・別表第3(は)欄より高さ制限の適用距離20m以内にある
 ・A点の位置:2+4+2+2+5+2=17m≦20m
◇一応、異なる用途地域への対応計算をします。⇒正答への影響はありませんが・・・。
 ・敷地面積:第一種中高層住居専用地域は30㎡
       第一種低層住居専用地域は90㎡
 ・容積率:第一種中高層住居専用地域は4×4/10<20/10(道路容積率で算定)
      第一種低層住居専用地域は4×4/10>10/10(都市計画容積率で算定)
 ・別表第3「1」項、同・備考二号、令130条の11
  敷地が2以上の区域に渡る場合の高さ制限の適用距離は前面道路に接する地域
  ちなみに法52条7項に基づく容積率(面積加重平均)に基づく適用距離の算定
   [(4×4/10)×30/(30+90)]+[10/10×90/(30+90)]=11.5/10 ⇒ 20/10以下
  ⇒ 第一種低層住居専用地域の適用距離:容積率20/10以下の場合「20m」

① 道路斜線:法56条1項一号、同5項、別表第3「1」項、同・備考二号、令130条の11、法56条2項
 ・第一種低層住居専用地域の適用距離:容積率20/10以下の場合「20m」
 ・A点の位置:第一種中高層住居専用地域の高さ制限範囲内
 ・法56条1項一号、別表第3「1」項:(2+4+2+2+5+2=17m)×1.25=21.25m(道路斜線制限)
② 隣地斜線制限(法56条1項二号):20+1×1.25=21.25m
③ 北側斜線制限(法56条1項三号)1×1.25+10=11.25m
∴A点における地盤面からの建築物の高さの最高限度は、北側斜線制限による「11.25m」・・・「3」

◇斜線制限の基本的注意事項
 ・2方向道路による道路斜線制限の問題が主流なので、各要件の緩和条項の把握が重要。
 ・正答が、北側斜線となる場合が、結構あることの注意。
 ・北側斜線には、屋上突出物へ緩和条項(建築面積の1/8緩和)の適用がないことに注意、
  (平たく言うと、絶対に斜線制限から出てはいけないということ。)
 ・出題確率はそれ程ではないが、天空率適用の場合(法56条7項)の測定点の位置は、数値があるので出題し易く、注意です。

〔No.18〕日影規制に関する問題で、誤っている肢問を選択する問題です。
1.正しい。法56条の2、別表第4の表の(い)欄:日影規制の地域・地区に、商業地域はない。
2.正しい。法56条の2、別表第4の表の(ろ)欄、令2条1項六号(建築物の高さ)、同七号(軒の高さ)、第4の表の最下欄(平均地盤面からの高さ)。:別表第4参照。
3.誤り。法56条の2第2項:別の建築物としてではなく、一の建築物とみなして規定を適用する。
4.正しい。法56条の2、別表第4の表の(1)項(ろ)欄:表の規制事項参照。
5.正しい。法56条の2第3項、令135条の12第3項一号:条文参照。ちなみに、幅員10m以上道路に接する場合は、反対側の境界線から5mの位置を敷地境界線とみなす。

◇日影規制の基本的注意事項は、
 ・別表第4を参照して回答することに慣れること
 ・みなし境界線による制限緩和(令135条の12)に注意
 ・第一種、第二種中高層住居専用地域の日影規制の対象区域内においては、北側高さ制限は適用されないこと。

【蚯蚓の戯言(斜線制限)】
◇H24の斜線制限図形問題と、ほぼ同じ問題で、昨年(R3)の対面講座では、勿論、演習解説をしています。
◇その時に真面目に取り組んだ受講生には、易しい問題で、1問ゲットであったと思います。
◇道路斜線の図形問題では、2方向道路による制限規定(令132条1項)が主流です。
◇でも、いつか出題されると、毎年、H24年問題の解説を続けていました。
◇ようやく昨年(R3)出題で・・・ということは、今年の出題確率は、かなり低い???
◇条項の記載場所が特殊(別表第3備考欄⇒令130条の11参照)なので、気にしていたのです。
◇内容は、用途地域が異なる場合の道路斜線の制限適用距離は、道路に接する敷地に従います。
◇試験では、斜線勾配に影響する用途地域の組み合わせになっていないので、間違うことはないです。
◇しかし、制限勾配が異なる地域とか、制限距離が異なる地域の場合、原則、答えに影響してきます。
◇二級に合格して、一級をすぐに目指す人は、要注意です。
◇一級の試験では、制限適用距離が異なる用途地域の組み合わせで出題してくると推察します。
◇あと気になるのが、法56条2項の建物後退による緩和規定の適用に関して、当該建築物に該当しない(法56条2項を適用しない)建築物の部分として、令130条の12に定めるもの
 が規定されている。
◇H23年に出題例があるが、影が薄く、でも、そろそろ気になる部分です・・・。

2022年3月23日 by SHRS(シュルズ) 建築基準適合判定資格者、一級建築士
コメント
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