「むいね」さん。森根さんという字にしてしまいます、、、。当時、僕は無頼の生活をして
いました。大学の建築科を卒業はしたのですが、鳩の街の設計事務所の就職に失敗して、
横浜で一年間の歩掛かり調査のアルバイトでお金を貯めて、早稲田の喜久井町で同級生6
人と、とんかつ屋とラーメン屋の二階を借りて、共同生活を始めたのです。そこは、あっ
と言う間に雀荘のようになってしまい、一年中徹夜マージャンに明け暮れる「梁山泊」のよ
うになってしまいました、、、。(なにせ下は店だから、夜になると誰もいない、、、。)
だれかれ構わず出入りして、一年中鍵はかけず、朝起きると隣に知らないお姉さんが寝て
いることもありました。(あくまでもマージャンの参加者、何もありません、、、。)原宿
のウルテックに二日酔いでアルバイトに行ったのもその頃だったでしょうか、、、。僕は
麻雀は極端に弱く、アルバイト代はすぐになくなってしまうのでした、、、。
新宿の紀伊国屋書店の裏に、「公明酒場」という、これまた極端に安い大衆酒場がありまし
た。新宿で、ここより安い店あったんだろうか、というくらい安い店です。店のおばちゃ
んは相撲が好きで、栃錦の大ファンでした、、、。栃錦は、とっくの昔に引退していて、
「おばちゃん、これからは千代の富士(まだ関脇くらい)の時代でないの?」というと、おば
ちゃんは悲しそうな顔をするのです、、、。相撲は栃錦と信じているのでした、、、。
むいねさんは、そこで「発見」したのです。
いつものように金欠で仲間のK君と「公明酒場」で飲んでいたら、隣にオドオドした感じで
一人で飲んでいる小柄な男性客がいるのです。普段は、めったに隣の客に声を掛けたりす
ることはないのですが、所在なさ気で、おとなしそうで、さみしそうで、やさしそうで、
あぶない感じもまったくしなかったので、酔いも手伝って、声を掛けてしまったのです。
それが、むいねさんでした。
聞くと、沖縄出身で船に乗っていて、今日、入港したのだというのです。名前は「むいね」
で(だから漢字は判らない、、、)、一人で新宿に出てきて飲んでいたというのです、、。
今晩泊まる所も決まっていないようなので、K君と二人で、「それなら、うちらの所に泊ま
ればいい」で、むいねさんを早稲田に連れて帰ってしまったのです、、、。早稲田に着く
と、やはりマージャンの真っ最中で、むいねさんはマージャンはしないみたいで、みんな
の酒をチビチビ飲んで、寝てしまいました、、、。翌日、また船に乗るのでしょう、いな
くなりました、、、。
半年か一年して、夕方くらいか、僕が早稲田に外から帰ると、マージャン卓のコタツ布団
の中で、知らない男の人が寝ていました。むいねさんでした。僕は、すぐに、むいねさん
だと判って、「むいねさん!」と声を掛けました。「よくこの場所をおぼえていたねー!」
でも、むいねさんはボソボソと、あんまり良く喋らないんです、、、。
結局、むいねさん、また一晩泊まって出て行きました、、、。
追記 その頃、僕はよく高円寺ガード下の「球陽書房」に通っていました、、、。でも、
「森根」って凄い名前ですねぇー、「御嶽」の「森(むい)」に、このブログの『沖縄
の「神の道」つづき』に出てくる、『「ウントネ」とは「宗家」の事のようで
す。』の、「ウントネ」の「ネ」は「根」でしょうから、「森根」はその組み合わさ
った名前ということになりそうですから、、、一族には優秀な人も多そうです。
がんばれーっ!(「ちばりよ~っ!」かな?)
いました。大学の建築科を卒業はしたのですが、鳩の街の設計事務所の就職に失敗して、
横浜で一年間の歩掛かり調査のアルバイトでお金を貯めて、早稲田の喜久井町で同級生6
人と、とんかつ屋とラーメン屋の二階を借りて、共同生活を始めたのです。そこは、あっ
と言う間に雀荘のようになってしまい、一年中徹夜マージャンに明け暮れる「梁山泊」のよ
うになってしまいました、、、。(なにせ下は店だから、夜になると誰もいない、、、。)
だれかれ構わず出入りして、一年中鍵はかけず、朝起きると隣に知らないお姉さんが寝て
いることもありました。(あくまでもマージャンの参加者、何もありません、、、。)原宿
のウルテックに二日酔いでアルバイトに行ったのもその頃だったでしょうか、、、。僕は
麻雀は極端に弱く、アルバイト代はすぐになくなってしまうのでした、、、。
新宿の紀伊国屋書店の裏に、「公明酒場」という、これまた極端に安い大衆酒場がありまし
た。新宿で、ここより安い店あったんだろうか、というくらい安い店です。店のおばちゃ
んは相撲が好きで、栃錦の大ファンでした、、、。栃錦は、とっくの昔に引退していて、
「おばちゃん、これからは千代の富士(まだ関脇くらい)の時代でないの?」というと、おば
ちゃんは悲しそうな顔をするのです、、、。相撲は栃錦と信じているのでした、、、。
むいねさんは、そこで「発見」したのです。
いつものように金欠で仲間のK君と「公明酒場」で飲んでいたら、隣にオドオドした感じで
一人で飲んでいる小柄な男性客がいるのです。普段は、めったに隣の客に声を掛けたりす
ることはないのですが、所在なさ気で、おとなしそうで、さみしそうで、やさしそうで、
あぶない感じもまったくしなかったので、酔いも手伝って、声を掛けてしまったのです。
それが、むいねさんでした。
聞くと、沖縄出身で船に乗っていて、今日、入港したのだというのです。名前は「むいね」
で(だから漢字は判らない、、、)、一人で新宿に出てきて飲んでいたというのです、、。
今晩泊まる所も決まっていないようなので、K君と二人で、「それなら、うちらの所に泊ま
ればいい」で、むいねさんを早稲田に連れて帰ってしまったのです、、、。早稲田に着く
と、やはりマージャンの真っ最中で、むいねさんはマージャンはしないみたいで、みんな
の酒をチビチビ飲んで、寝てしまいました、、、。翌日、また船に乗るのでしょう、いな
くなりました、、、。
半年か一年して、夕方くらいか、僕が早稲田に外から帰ると、マージャン卓のコタツ布団
の中で、知らない男の人が寝ていました。むいねさんでした。僕は、すぐに、むいねさん
だと判って、「むいねさん!」と声を掛けました。「よくこの場所をおぼえていたねー!」
でも、むいねさんはボソボソと、あんまり良く喋らないんです、、、。
結局、むいねさん、また一晩泊まって出て行きました、、、。
追記 その頃、僕はよく高円寺ガード下の「球陽書房」に通っていました、、、。でも、
「森根」って凄い名前ですねぇー、「御嶽」の「森(むい)」に、このブログの『沖縄
の「神の道」つづき』に出てくる、『「ウントネ」とは「宗家」の事のようで
す。』の、「ウントネ」の「ネ」は「根」でしょうから、「森根」はその組み合わさ
った名前ということになりそうですから、、、一族には優秀な人も多そうです。
がんばれーっ!(「ちばりよ~っ!」かな?)