地域日本語支援ボランティアコーディネーター養成実践講座 第6回目は、第1部 外国人と防災、第2部 医療現場というテーマで、それぞれ多文化共生マネージャー 高橋さん(船橋市)、SIAK 最相さん(熊本市)に、お話しいただきました。
防災、医療、どちらも地域日本語教室のテーマとしては大変重要なものであります。予防、あるいは事前地域として、日頃から学習者、そして日本語ボランティアが持っておくべき知識です。まさかの時は、それぞれの母語でのコミュニケーション方法を如何に支援するかに変わっていくことが共通点と言えるでしょう。
第1部 防災:
事例)阪神大震災
死者 約6500名(うち 外国人174名)
*関西に住む在住外国人8万人(うち6万人が日本語が理解できる~在日朝鮮・韓国人が多い、2万人は日本語能力が十分ではない)
*避難所で亡くなられた方々も多い(日本人を含めて)、原因の1つにエコノミー症候群がある。 水分をとらないことが原因、トイレに行きたくないため、水分を自制してしまう...

避難所の生活は、食事、生活用品など不自由はないが、極端にプライベートがない... そしていつ開放されるか分からない過酷なものである。
*避難所での外国人

1つの事例)配給物 「ご自由におとりください」と案内されている。日本人の常識の範囲で、必要な分、例えば、家族の分のみを取っていくだろう... でもある国の文化によっては、文字通り「好きなだけ、あるいはあるだけ取っていく」... それを見ていた日本人が、それを口伝えで広めていく...

結果は、そこに強盗団が...
ペルー人は、こんな極限の状態では自分たちの生命を守るために、何処にいけば食事が確保できるかを考える... となると日本ではコンビニがターゲットに...
*震災時における外国人からの相談、内容の上位は... 1)お金に関すること、2)仕事に関すること、3)住まい、4)入国管理(ビザ)関係... 5)医療となる。
そんな阪神大震災から見えてきたこと.. 普段からの交流が大切である。普段からできていないことがまさかの時にできるわけがない。 震災時には、日常の現象が増幅される...
災害時に外国人が直面する課題をまとめる...

言葉の壁
移動手段で、「JRは”フツウ”です。」

地震からすると不通、動いていない...でも、外国人には、普通列車は動いている、と取れるかもしれない。

制度の壁
規則は仕方ないこと、でも、その規則という壁をなるべく低く低く..できるはず...

こころの壁
もっとも高い壁かもしれない... でも、ボランティアとしてできることはこのポイントだと思った... 人と人の付き合いから、こころの壁を如何に和らげる...ボランティアができることかな... 日本人も外国人も同じ住民として、お互いにできること、それは普段からの信頼、交流から生まれてくるもの
新潟での地震... 長岡、柏崎... 避難所に入った外国人のパーセンテージは15%と言われている。(外国人人口の...)
震災時、外国人が集まってきたところ...市役所... 停電時... 自家発電があり、明かりがあるところ... 外国人は避難所を知らないこともある...
外国人を支援するボランティア活動が始まる...

日本人被災者と同じ支援、サポートを受けられるための支援であること

それは、日本人被災者と同じ支援、サポートが受けられるための多言語情報支援である
誰もが受けることができるサポート以上、以下でもないこと... (また、普段やっている以上のサービスはやるべきではない) ボランティアの皆さんは朝センターに集まり、打ち合わせ後に各避難所へ行き、外国人の方々の様子、お話しを聞いて回る。まずは、お話しを聞くことが大切である。そこでの課題を持ち帰り、他地域への多言語翻訳に出す.... その翻訳が5時間程度で帰ってくる。それを対象者へ届ける....
そして、そのボランティアはお互いに顔の見える人たちである、その顔の見える関係は普段から作られる

質問で、15%の避難所にいる外国人の他の残りの85%の外国人は...?
↓
85%の外国人には支援はできない... まず、対象は避難所で外国人となる。残りの85%は大丈夫なのか... 普段から外国人の方々には防災に関する情報を知ってもらうことが大変重要になると考える。まず、避難所は国籍などに関係なく、誰でも利用できること、さらに、その地域での災害の起こる可能性や自分の地域の避難所の確認などを日頃から確認しあう体制がとれていること、が最も大事であると思う。まずは、予防、備えを
そのためには、外国人登録などの併せて、生活オリエンテーションを開催することもできると思う。そして、自助の大切さ、そして、まさかの時に対する備えを
