馬鹿も一心!

表題を変えました。
人生要領良く生きられず、騙されても騙されも
懸命に働いています。

漁港の凍風!

2012-03-17 16:08:22 | 日記

3月13日(火)朝8時半

天気情報で、快晴、風強く杉花粉が舞うと伝えている。

九時、海沿いを歩く、魚港の上を横断する京葉道路が見えて来る。

 

昨年秋頃より通勤経路として歩かなくなった。

今日は言い知れぬ感情に導かれるように歩いた。

京葉道路の先に護岸にへばり付く小さな松林ある。

 

そこで立ち止まる。海面を見つめる。

三寒四温のはずだが、海風は冷たい。

稚魚ハゼも湾底の泥地で春の温水を待ちわびているだろう。

護岸脇に茂る松林、ここで一昨年、あいつとハゼ釣りをしたのだ。

2009年8月22日

河口の喫水でボラが跳ねる、潜水艦のような黒い鯉と体長50センチになる鱸が悠然と回遊している。都鳥が浴槽に浮かぶ幼児の玩具のように波間に揺らいでいる。

だが、環境省の調査でこの河口は放射性セシウム6400ベクレルの高い汚染値が検出された。

橋を渡ると釣具屋があって、昨夏は息子夫婦と釣具と餌の青イソメを買い

水門でハゼ釣りした。

漁師達は不安になっている。

江戸前の魚、海苔が汚染されてしまうのではと懸念。

そっと忍び寄る原発の恐怖。大地震発生から一年が経過、港の河口にまさかの汚染。

そして、役所から封書に市長名で「義援金配分の知らせ」と手続き書面がはいっていた。マンションが地震により一部損壊と認定されたので各戸に一律一万五千円を支払いします。私はり災者なのだと気付いた。

ベランダのタイルが一枚、廊下側が一枚剥がれた。

管理組合に損傷部分を報告して剥がれたタイルも保存してある。

  

最も破損部分はマンションの共有部分なので修繕積立金より

修復する。

 書面表題は「災害義援金の支給」と記され

市民の皆様へ

○     ○市長 個人名

一瞥すると、市長が見舞金をくれるとも受け取れる。

最下段に囲みで市役所の担当課が記されている。

この地域は現首相のお膝元、出身地、選挙区だ。

合法的選挙対策、ばら撒きか?

東北には本当に罹災してどん底生活と苦闘の人々が多数いる。

なぜか 後ろめたい気がする。

 手袋をはずして湾内を携帯電話カメラで撮る。

右指に激痛が走る。

44年前冬 北アルプス白馬岳で凍傷になった後遺症で

突然の凍風に晒されると指は痛みを思い出すのだ。

橋を渡ったところの釣具屋の隣に、小さなリバーサイドマンションがある。

学生時代友人が一人暮らししていた。

2010年6月25日 食道癌で逝った。

それから、ずっと空き部屋になっていたが

昨年10月に売れた。

それまでは、郵便受けに溜まるチラシ広告を私が廃棄していた。

その必要もなくなったのだが、彼の住まいを通るのが辛かった。

そんな気持ちでこの道を通るのを避けてきたのだが

3月13日 朝、足はマンションに向かったのだ。

通り過ぎて振り返り角部屋の3階を見上げる。

あいつが窓辺から見つめているような気がするのだ。

既に主は代わったのだと、窓辺を見ながら溜息つく。

3月17日(土)午前 テレビ番組で「ぶらり途中下車の旅」見ていると

あいつの住んでいたマンションが写った。

大地震、原発事故も知らず、住まいの下

河口の放射能汚染されたことも知らず。

私なりに懸命にお前を寄り添ったつもりだったが

「お前に苦言を呈す、バカヤロウ」!

と仲間からメールが送信されてきたのは

衝撃だった。

今でも、何がいけなかったのか?

何が足りなかったのか?

確かにお前に十分世話が出来なかったのかもしれない。

しかしと!

まだ、先の話だが黄泉の国で、私が逝ったら

「バカヤロウ」!とは言わないでくれ>