馬鹿も一心!

表題を変えました。
人生要領良く生きられず、騙されても騙されも
懸命に働いています。

夏の終わり。蝉の鳴き声は読経のようだ。

2013-08-27 16:42:35 | 日記

8月26日(月) 

駅前不動産会社 営業時間に合わせ、遅めに自宅を出た。

漁港の橋を渡らず、何となく避けているあいつのマンション前の

道路を歩いた。

 

あいつが住んでいたマンションを見た。

 

長らく建物が工事用ネットで覆われていた。

昨年7月13日深夜 隣の釣具店から出火

マンションも延焼した。

 

マンションの壁は黒焦げ、ベランダ鉄柵は

高熱でねじれ溶けた。

 

2010年6月25日に大学同期だったあいつは食道癌で逝った。

生涯一人身だった住まいは人手に渡ったが

霊魂が室内とベランダ前の船溜まりにいるような気がする。

 

ネットは外され、壁は白く塗られ

鉄柵も取り替えられていた。

 

午前の日盛りが白壁を照りつけ

あいつとハゼ釣りした船溜まりの林で

蝉が鳴き始めた。

 

私は麦帽子を取り、住まいと海面に手を合わせた。

蝉の鳴き声は読経ように聞こえた。