第4話 初めての海外旅行でのショック!
第3話でも話しましたが、初めての海外旅行は1978年夏に取引先の会社からタイへ連れて頂きました。
初めての大型飛行機への搭乗です。伊丹から香港経由バンコクでした。飛行ルートを調べていると当時ベトナム戦争でベトナムを横断する飛行が出来ず、大きく半島を南へ下がり南シナ海の上を飛びバンコクへ着くルートでした。機内の雑誌の中の地図にもそのような飛行ルートが載っていたように思います。
香港を飛び立ち海の上を飛行していましたが、暫くすると陸の上を飛んでいました。「あれっ」と思い窓から下を見ると、緑で覆われたジャングルに大きな穴が沢山あいている地域が眼に入りました。ひよっとしてベトナム戦争で飛行機から落とした爆弾の跡ではないかと気がつきました。大変な姿になっている下界の光景が眼に焼き付きました。
後から聞いた話ですが、ベトナム戦争が終わり、機内の座席の前に置いて有る本の内容を変更する間もない極最近に、ベトナムの上空を民間機が飛行できるようになったとの事でした。
初めての海外旅行は、見るもの聞くもの大変なショックを受けました。例えば見たものの一つに日本に有る多くの仏教寺院の建物は木造で暗い感じですが、黄金に輝く多くの仏教寺院の建物と仏像。その時のガイドさんの話で、一般の人々が暮らしている建物は板を張り付けた粗末な住居ですが、そこに住んでおられる国民の殆どの方々は熱心な仏教徒です。昔からの教えで、生きている間に寺院にお金を寄附すると、寄附が多い人程来世は幸せになれるとの教えが有り、寺院にお参りする時に金箔を買い、その金箔を自分で仏像に張り付けお祈りをされるそうです。上から上から張られる金箔で黄金の仏像が出来上るのです。
又、果物でドリアンという名を初めて知りました。カボチャ位の大きさです。現地の方の大好物の果物との事です。確かガイドさんが見本でドリアンを観光バスのなかに説明がてら持って来られました。一個のドリアンで観光バス内が騒然となりました。私もその何とも言えない臭気で愕然となり黙り込んでしまいました。直ぐに外へ持って出られたと思いますが初めて経験したいやな臭気でした。ドリアンを食べてビールを飲むと胃の中でガスが溜まり大変なそうです。
後日、日本のスーパーマーケットでその果物を見つけましたが、強烈な臭気は有りませんでした。輸出用に品種改良をされたらしいと聞きましたが、未だに真意の程は分かりません。
バンコック市内の観光では大きな川を船で移動しました。両岸にはバラックが立ち並び川を行きかう人々に色々な食糧が売られていました。小さな子供達が裸で川に飛び込んで遊んでいました。驚いた事は川の水が汚かったという事です。ガイドさんの話では、生活用水が流れ込みごみが浮かんでいますが、子供たちは病気にかかりませんとの事でした。一番にトラホーム等目の病気はと思いましたが、抵抗力が有り何ともないとの事を聞き驚きました。44年まえの事ですから、今は随分タイの生活全般が変わっている事と思います。(第5話はホロ・ロマーノの思い出話です)