きの書評

備忘録~いつか読んだ本(読書メーターに書ききれなかったもの)~

秋の恵み~フルーツ味くらべ~そのIV

2024-09-19 16:01:07 | グルメ

夏にコスコでソニヤと赤いプラムを買った。クレメンタインも。

 

 そうして秋になり、収穫の季節がスタートした。

今年は梨を軽く一通り網羅し、プレコース、スタークリムゾン、オーロラ、ブランデーなどを大袋で買ってきた。

テーブルの上に並べて至福の時を過ごす。

 プレコースは8月だった。安定のシャリシャリ。8月から食べれる洋梨って。赤いスタークリムゾンはジャムという名のいんちき砂糖漬けにしたら香りが良かったように思う。前に関西で見た時は1個いくらで高かった。それが北海道ではこんなにいっぱい入った袋をホクホク買って帰ることができるなんて。素晴らしい。

 問題はオーロラだ。めまぐるしく色が変わるのかと思いきや、別にそうでもない。緑→黄→サビ。形はいかにも洋梨で、匂いがしない。なぜだ。マリーラとバートレットの掛け合わせらしい。その割にバートレットの硬さはない。なめらかではある。そういえば今年はマリーラに出会っていない。


ブランデー:
 去年は腐り落ちる寸前のものをありがたくいただいた。今年はぜひ新鮮なうちに食べたい。
固いうちに採ったようなものが7,8個入った大袋を買ってきてテーブルに並べて待つ。いい匂いがしてきたら食べごろだ。ところが意に反して何の匂いもしない上に、油断した隙に茶色い点からみるみる腐敗が。

ちょっと暖かい日があった時には、昨日までグリーンだったものがグズグズに。確かに甘くなめらかではあるが、どうしたのだろうこの品種は。

冷蔵庫にしまっておいた残り半分も怪しいので、まだ緑だがジャムにしてしまおう。

コミス:2024 11月下旬
 あこがれの超晩生品種。江別の自分だけが発見した夢の中にあるような市場には珍しいものばかり売っている。そこにだったらあるかもしれないという儚い期待を胸に、秋の終わりに用事のついでに行ってみた。どうせないだろうと思っていたら(きの)「あ!!」あった。しかも袋入り。
 ほんとにあった。すげーすげーと感動しつつ、一旦通り過ぎて冷静になろう。4袋あった。よく吟味した後、そのうちの最も形がバラバラなのを買ってきた。植物としてのバリエーションを見るためだ。
 よく熟れているので早く食べなければ。非常によい香り。育てるのが難しいらしいが、口当たりもなめらかで、確かに至上と言われるだけのことはある。マンゴーのようなつるり、べろりとした切り口。水分を含んで弾力がある。ジャリジャリする箇所は一切見られない。
 嗚呼、これがうちになってくれたらなあという願いを込めて土に種を植えてみたが、冬至の現在、一向に発芽せず。春まで待とう。出たとしても親株とは違う性質を持つかもしれないけれども。正式名称はデュワイエンヌ・ドュ・コミス。アンジュとも呼ばれる。

シルバーベル:ラ・フランスの錆びたバージョン。味同じ。

ル・レクチェ:
 カリンのようにボコボコして石細胞が多い。食感が固い和梨のよう。売り場に「ル・レクチャ」と書いて売ってた。英語のようなスペイン語のような。レ・クカラーチャはゴ〇ブリだったか。

ゼネラル・クラーク:
 さぁやってきました。年の最後の締めくくり。いつも品質安定、確かな手ごたえ、端正な見た目のクラークさんは、細長い土器の置物のような、いかにも絵画の洋梨といった風情でテーブルの上に鎮座している。切った感触も良い。スパッと切れて和梨のような角の立ちよう。ズルズルとかしたたりといった表現とは無縁。完璧だ。

匂いを除いては。

 毎年思うが、なんなんだこのシンナーのような匂いは。なんなんだと思いつつ毎年買っている。切り口、なる時期、形状、色、何もかも理想的なのだが、このペンキのような揮発臭がどうしても合わない。今年は、もっとよく嗅いでみた。何の為に買ってきているのやら。ヒヤシンス?もしくは水仙の匂いがする。どちらも苦手。

 ジェネラルは将軍?クラーク(clerk)は店員?しかしロック・スミスは鍛冶屋という意味だが○○太郎みたいなことだし、クラーク(clark)という名前だろう。形は、どちらかというとマルゲリットマリーラ。でもこれは早生だしなあ。一年の対極にある。マリーラどんな匂いだったっけ。大型で軸が下がってペンギンのように見える腹の辺に一本縦に線がある。プラムや桃の線かな。コミスの交雑種?うそ!?

いずれにしても植えられない。どうしてもこれだけは植えられないのだよ。




シェルピニ:とうとう柑橘の項も一緒くたになってしまった。
 長細いレモン。高知県産だそうな。高知と姉妹都市協定を結んでいる江別市が仕入れたようだ。見た目はすごいインパクト。こんなに長いレモンは知らない。
 柑橘の出どころはだいたいヒマラヤの辺らしい。そこで牧畜をしている人々からとった命名だそうだ。味はそんなに変わらない。レモンとライムの香りがすると書いてあったが、そうかね??掛け合わせた?際立って変な匂いがするわけでもないし。
 ただ、スライスしてティーカップに入れるなら、これほど便利なレモンはない。なにしろ可食部分が長いから無駄がない。
 ぱっと見、フィンガーライムに質感が似てるなと思った。皮が薄くて部屋が少ないところが。ライムって異質だ。なんだかこれを見ると、形ではなくて皮が薄いものたちが仲間なのかなと思ってしまう。ミカンとライムと金柑。こいつらは何となく味のあるやつら。

 レモンと文旦、ユズ、橙は分厚い。し、苦いし酸っぱいし不味い。



メロ・ゴールド:2024/12/23追記
 今年の晩白柚がまだ熟れていないので、さっぱりした柑橘が食べたくて買ってきた。グレープフルーツを甘くしてジューシーにして剝きやすくしたもの。なるほど。京都の新大宮商店街にある果物屋の目利きのおじさんがお勧めするだけあって、冬季に文旦系でこれほど甘いのはすごい。スィーティーもオロブロンコもだいたい同じような味がするのだろうけれども、多分メロちゃんが一番おいしい。きっとメロー(mellow/甘くしたたるとか、うっとり)ということなんだろう。

 皮の匂いが大して良いわけでもないが、数年前に買った時には、娘が研修だとか言ってアメリカに急いで旅立って行ってしまったどさくさで、皮は剥いて捨ててしまった。こんなに分厚いのにもったいない。煮てみようかな。思い立ったはいいが、以前、文旦で顔が歪む経験をしているからな。
 煮こぼしてみようか。いつも気が向いたらいきなり砂糖に浸けてからどうするか考えていたから、うまく浸透していないのかもしれない。今回は水から煮てみよう。外側の黄色い皮を剥いて内側の白いアルベドの部分だけ煮てみたら、透き通ったゼリーのようなものができた。いいや、騙されない。文旦だって見た目だけはこうなったが何時間煮ても倒れそうなほど苦かった。茹でた水を惜しげもなく捨てる。
 みりんて確か煮物が柔らかくなるのではなかったか?ちょろっと入れて繊維をほぐす。砂糖を少しずつ入れて煮詰めていき、広げて数日干す。できた。このボンタン飴、いいや、もはや琥珀糖のような輝き(感動)。しかも、あんまり苦くない。

 これはいけるぞ。漢方名は「ザ・ヘスピリジン・スペシャル」だ!  ・・・ん?あれ?外皮に多く含まれるんだっけか?剥いて捨ててしまった。

まだまだ探求の道のりは長い。



追記:ヘスピリジンは白い部分に多いそうだが、文旦系には含まれていないことが分かった。未熟のレモンなどの青いものには多いらしいから、大きい果実を何か月も貯蔵している間に失われていくのではないだろうか。人々は何のためにあんな分厚い砂糖漬けを作るのか。
 代わりに入っているのは、シネフィリン。何だろうこの Death 大好きみたいな名前は。気管を拡張してくれるらしいけど、今のところ別に気管は詰まってない。ちぇっ。タダで血流を良くしようと思ったのにさ。
 青くて、小さくて果皮の割合が多い・・・すだち?

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