カキが苦手だ。
今まで当たったことはない。
栄養があることはわかっている。
海のミルクだっけ。
普通にミルク飲んだ方がいいのでは。
母が若いころ、呉に転勤になった時に味をしめたらしく、
東京に戻っても「こぉ~んなに大きかった」と記憶の中で
まるでバケモノ貝のような大きさになっていて、
小さい頃から無理に食べさせられたので、トラウマとなっている。
幼稚園児に、味付けもなしで生ですすれとか無理だし、
ストーブの上で、アルミホイルで作った妙ちきりんなカキボートを並べて
専用の薬味を調合し、これはあなたの船だとか言われてもうれしくない。
いつか、生の大カキを皿に乗せ、箸でモノトーンのヒダを全部広げて
じっくり見ていたら気持ちが悪くなった。
なるべく食べないようにしているのだが、うっかり遭遇してしまう時がある。
高校の修学旅行の夕食で(きの)「それ何?」
(友)「ふぇ?・・・カ#$%&・・・おいしいよ。むしゃむしゃ」
カツと聞こえた。
だまされた!
そういえばそこはカキの本場・広島だ。
しまった敵の本拠地に不用意に踏み込んでしまった。
見たらそこら中に口を開けた店があり、お好み焼きにも入ってる。
まさか、もみじ饅頭にも入っているのではないだろうな!
お土産は、しゃもじを買って帰った。
以前、内陸から来たアメリカ知人の
(男)「日本のファミレスおいしい。しかし1品をのぞいては。
フェアをやっていたから頼んだら・・・・おえぇ。何だアレ?!
なんとも言えないあのGreenの・・・Textureがこう(もあっもあっ)
・・・う~~ん(しばらく苦しみ)あれは多分くさってる!」
(きの)「それはカキフライだろう」 あながち責める気にはなれない感想だ。
去年の暮れにイトコと寿司屋に行き、あら汁などをせせるのに夢中になっていたら、
(イトコ)「さぁカキが来ましたよ。レモンをかけましょう!3つだから1人1個!!」
なんで!?
このさも予定通りですよという感じはなんなのか。
いつの間に頼んだ?
(きの)「カキ・・・カ、カキはあんまり食べたことないんだけど、
た、食べれるかな・・・・(はじっこ)カリッ!あぁ食べれた!食べれたよ」
もはや、食べれるかどうかの話になってきた。
先日、知人が餅つき大会を催すというので行ってみた。
(知人)「(すり手)今日はいいカキが入ってますよ」
魚屋か。
(きの)「苦手です」
はっきりと宣言。
あと何十人も来ている人たちが食べればいい。
バーベキューにむらがって焼きたてのソーセージをむさぼり食っていたら、
たまたま来ていたどっかの病院の
(医院長)「さぁちょうどいいカキが2人分焼けましたよ」 逃げ出せない。
後半(知人)「カキなべはどうです」 だから嫌だと言っているではないか。
(きの)「食べたことないんで」
(知人)「じゃあちょうどよかった」
どうしてそういう結論になる?
(知人)「ニコニコ」
(周囲)「笑顔」
(きの)「じゃあ1杯だけ」
さっき、酒を無理に勧める風潮はダメだとかいう話をしてなかったか。
カキを無理に勧めるのはいいのかっっ。
なんと、手が滑ってお椀に3匹も入ってしまった。
衆人環境の中、
(きの)「ブルブル・・・ぱくっ。 海のにおいがする」
(周囲)「おぉ!!」
だからいいですねとは言ってない。
今冬3回も食べてしまった。
教訓: 食べたことないという控えめな拒絶は、カウントされない。
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