to Heart

~その時がくるまでのひとりごと

SHERLOCK/シャーロック 忌まわしき花嫁

2016-03-02 21:45:03 | the cinema (サ行)

SHERLOCK: THE ABOMINABLE BRIDE
上映時間 90分
製作国 イギリス
脚本 マーク・ゲイティス/スティーヴン・モファット
監督 ダグラス・マッキノン
音楽 デヴィッド・アーノルド/マイケル・プライス
出演 ベネディクト・カンバーバッチ/マーティン・フリーマン/ユーナ・スタッブス/ルパート・グレイヴス/マーク・ゲイティス/ルイーズ・ブレーリー/アマンダ・アビントン/アンドリュー・スコット

シャーロック・ホームズとジョン・ワトソンの名コンビが21世紀のロンドンを舞台に活躍する英国BBC製作の世界的大ヒットTVドラマ「SHERLOCK/シャーロック」の特別編。
1895年、冬のロンドン。ウエディング・ドレスを着た妻の姿に驚愕するトーマス・リコレッティ。なぜならばリコレッティ夫人は、数時間前に自ら命を絶っていたのだ。ベーカー街221B。レストレード警部から夫が妻の幽霊に殺された、と事件の説明を受けたシャーロック・ホームズは、嬉しさを隠そうともせず、ワトソンとともに事件解決へと乗り出すのだったが…。

本編の前に「脚本家スティーヴン・モファットと巡るベーカー街221Bの旅」という、
ドラマメイキングを含んだ、BBCによる美術の説明などの特典映像が流れます。
コアなファンにとっては垂涎ものの興味深い解説、映像ですが、
この特典映像も本編内容も、ドラマシリーズを未見の方にとってはどうだったのか?
映画版としての公開に少し疑問が残りました。

舞台は本来のヴィクトリア時代のロンドン。
死んだはずのリコレッティ夫人の殺人事件の謎に挑むホームズとワトソンですが…

終わってみればこの事件、ヴィクトリア朝のコスプレも手伝って、
現在放送の朝ドラのヒロインが、女性が自立し経済力を身に着ける事への必要性と
環境を整えることに没頭していく、まさに同時代(日本は若干の遅れはあるけど)。
窮屈で動きにくい服装に、当時の女性の窮屈な想いが隠されていたように感じ、
モリーの男装というのも暗示的だと思えたのでした。


で、終盤はそうきたかーー。となるわけですが、
来年放送予定のシーズン4意識のラストになっていくのですが、事件よりもオチよしも、
マイクロフトのホームズ愛、ホームズのワトソン愛(笑)が最終的に印象に残りました。

まああとは、手話のシーンには笑っちゃいましたが
TVシリーズを未見の方でもココは素直に笑えるところかな
映像も凝っていて素敵でしたがDVDでもいいかも
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人生スイッチ

2015-07-26 13:39:58 | the cinema (サ行)

原題 RELATOS SALVAJES:WILD TALES
上映時間 122分 映倫 PG12
製作国 アルゼンチン/スペイン
脚本 ダミアン・ジフロン
監督 ダミアン・ジフロン
音楽 グスターボ・サンタオラヤ
出演 リカルド・ダリン/オスカル・マルティネス/レオナルド・スバラーリャ/エリカ・リバス/リタ・コルテセ/フリエタ・シルベルベルグ/ダリオ・グランディネッティ

「おかえし」――仕事の依頼を受け、指定された飛行機に乗ったファッションモデル。やがて、乗客全員が彼女の元カレと関わりあることが判明するが…。「おもてなし」――郊外のレストラン。ウェイトレスの女は、客として現れた男が、父を自殺に追いやり、母を誘惑した高利貸しと気づくが…。「エンスト」――荒野の一本道で前をノロノロ走るオンボロ車に、追い越しざまに罵声を浴びせる新車の男。運悪くパンクに見舞われ、タイヤ交換を始めたところに、先ほどのオンボロ車が追いついてくるが…。他、ささいなきっかけで、押さえ込んでいた怒りのタガが外れてしまう人々を待ち受ける衝撃の顛末を、辛口のユーモアで繊細かつパワフルに描いた全6編。


サスペンス・コメディということだったので、結構軽いキモチで行ってみたら、、
まさかの、笑えないコメディで、超~ブラックで、超~ワイルド
6つの短編集なのだけど、主人公たちは全く交わらない。
しれっと始まって唐突に終わらせる。

―最悪の先にある、予想を超えた結末を嗤え―
と、予告で言っていましたが、
タンゴの国、アルゼンチンですから、情熱がありあまるから~ぁ
ハゲしいです。とても笑えません。悲惨ですから~。


「おかえし」コレは最近の実際の悲惨な事件が思い起こされて、笑えない。
「おもてなし」コレは呆気にとられる。ちょっと嗤えるかも!凄いの、調理師のママ
「エンスト」グロイところもあってちょっと憤るけど、可哀想だけど最期は笑った。ゴメン!
「ヒーローになるために」ツイてない・・で終わらせなかった男の、ウソのようなエンド
「愚息」笑えないよ~~いいのか?アレで?!
「HAPPY WEDDING」スイッチが入った花嫁の凄まじいこと!だけど、、コレもまさかのエンド

テーマは、怒りと復讐でしょうか~。

感想を一口には言えないけど、笑えないけどニヤニヤできるし、普通に面白かった
ヤル気スイッチは「今でしょ!」なのだけど(笑)
怒りのスイッチは、、、まあ、教訓に、ということで
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ストレイヤーズ・クロニクル

2015-06-28 21:56:38 | the cinema (サ行)

望まぬ“能力”と限られた“命”。
それでも僕らは、生き抜くんだ。


上映時間 126分
原作 本多孝好
脚本 喜安浩平/瀬々敬久
監督 瀬々敬久
出演 岡田将生/染谷将太/成海璃子/白石隼也/清水尋也/柳俊太郎/鈴木伸之/瀬戸利樹/豊原功補/石橋蓮司/伊原剛志

1990年代初頭、極秘実験によって人間の能力を限界まで発達させた子供たち、動物や昆虫の能力を備えた子供たちが生み出される。それから20年後、実験で視覚、視神経、脳伝達速度が発達し異能力者となった昴とその仲間たちは、特殊能力を得た代わりに精神が崩壊する危険性も抱えることに。そして、その解決の鍵を握る外務副大臣・渡瀬のもとで、公にできないさまざまなミッションを遂行していた。そんな中、同じ異能力者である学が率いる暗殺者集団アゲハが渡瀬をターゲットに定めていて……。

原作小説は知らないけど、好きな設定だったし、キャストもいい。
期待して初日に行きましたが、、ちょっと食い足りなさが残る作品だったかな~。


子供たち、それぞれの超能力については説明がなくても許せる範囲の描き方だけど、
かれらの生まれた背景。極秘機関による実験の必要性が説得力がないのと、
その黒幕ともいえる渡瀬、大曽根らの目的も薄い描き方、なのが致命的。
その、敵がぼやけているから
昂たちの行動にいまいち感情移入ができない。
ただ、、
一箇所だけ込み上げたシーンはあったけど、
面白い設定に、若手のキャラが嵌っていただけになんとも勿体ない。

岡田クンは、「ST~」や「しゅららぼん」のイジられキャラとは全く違う、
久々のクールなキャラでカッコよかった

それにしても、チームアゲハの学@染谷くんが車椅子っていうのは、、
アレかなあ~、プロフェッサー意識??

出演シーンは少なかったけど、
セキュリティー会社の青年として登場した忍成修吾くん、
碧の部屋の隣人、本郷奏多クンも持ち味が出ていてよかった

で、
ゲスの極み乙女。の歌う ロマンスがありあまる
どこか食い足りなさの残る作品の補足をしてくれたのは意外だった
   死に物狂いで 生き急いでんだ~…
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新宿スワン

2015-05-31 23:02:14 | the cinema (サ行)

女をアゲて、
男を上げろ。

上映時間:2時間19分 映倫 PG12
原作 和久井健 新宿スワン』(講談社『ヤングマガジン』刊)
監督 園子温
脚本 鈴木おさむ / 水島力也
主題歌 MAN WITH A MISSION
挿入歌 UVERworld
出演 綾野剛/山田孝之/沢尻エリカ/金子ノブアキ/深水元基/村上淳/久保田悠来/真野恵里菜/安田顕/山田優/豊原功補/吉田鋼太郎/伊勢谷友介

親にもツキにも見放され、帰る電車賃もなく新宿をふらつく金髪天パーの熱血男、白鳥龍彦。チンピラに絡まれたところを助けてくれた真虎に誘われスカウトの道へ。“俺がスカウトした女の子には必ず幸せだって言わせます”と熱い誓いを立て、真虎が所属するスカウト会社バーストの一員となった龍彦。ある日、借金を肩代わりしている店長に痛めつけられ、コキ使われる風俗嬢アゲハと運命的な出会いを果たす。手に手を取って店から逃げ出す2人だったが、アゲハには元の店に戻らなければならない秘密があった。一方、バーストと敵対するハーレムのスカウトマンで、龍彦に異様なほどライバル心を燃やす南秀吉は、恐れを知らぬ野心を胸に危険な暗躍を続けていた。

包み隠さずに打ち明けますと、この作品はお気に入りのメンズだけを目当てに行きました。
原作は全く知らないけど、主要キャストを聞いただけでわくわく(笑)
園子温監督作品は、「愛のむきだし」を除けばクライ重苦しい印象なので「ヒミズ」以来です。
が、本作品はちょっと園監督らしくない、というか、、、
監督が脚本も手がけていたらよかったのに。。。と思ったのはナイショです


どんな役を演じても山田くんの魅力に負けてしまうのはいつものことですが(照)
今回はプラス、綾野剛の可愛さ、
声も素敵な伊勢谷サンのカッコよさが満喫できます♪

この3人以外のキャストもハマッテました。
どこか一物ある敵対するハーレム側のNO2金子ノブアキ、ちょっと弱い安田顕(笑)
今回、情けなくもカッコ悪いバースト社長の豊原功補と、甘い汁を貪る吉田鋼太郎
が、
こんなに素晴らしい役者陣を揃えておきながら、
あと一歩、迫ってくるものがないのが惜しい作品。

とはいえ、やっぱりバイオレンスシーンの迫力は凄いのでお気を付け下さい!
秀吉@山田くんのボーリングシーン3投とも観れませんでした~

男性キャラはくっきり描いてあるものの、龍彦が関わる女性キャストの背景が
もっとちゃんと描かれていたら、また違っていたという感じでしたが、
(だって、優ちゃんを除く女性陣はほぼ全編下着姿でがんばってた
2時間19分、まずまず飽きずに楽しめました。

偶然にも1年前も山田くん出演作の記事でした♪
MONSTERZ モンスターズ
製作年度 2014年上映時間 112分脚本 渡辺雄介監督 中田秀夫音楽川井憲次出演 藤原竜也/山田孝之/石原さとみ/田口トモロヲ/落合モトキ/太賀/三浦誠己/藤井美菜/...
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シンデレラ

2015-04-27 23:06:10 | the cinema (サ行)

英題 CINDERELLA
製作年 2015年
上映時間 1時間45分
脚本 クリス・ワイツ
監督 ケネス・ブラナー
音楽 パトリック・ドイル
出演 リリー・ジェームズ/ケイト・ブランシェット/リチャード・マッデン/デレク・ジャコビ/ベン・チャップリン/ヘイリー・アトウェル/ステラン・スカルスガルド/ヘレナ・ボナム=カーター

古くから人々に親しまれている「シンデレラ」の物語を実写化したラブストーリー。
貿易商を営む父親が再婚し、継母とその連れ子である姉妹ドリゼラとアナスタシアと暮らすことになったエラ。だが、父親が不慮の事故で命を落とし、それを機に継母と義理の姉妹からつらく当たられ、召使いのように扱われる毎日を送る。勇気と優しさが魔法の力になるという亡き母の教えを胸にひどい仕打ちに耐えてきたエラだったが、ついにこらえきれずに家を飛び出してしまう。森へと馬を走らせた彼女は、城で働いているという青年キットと出会い、心惹かれるが……。


いつぞやの「マレフィセント」のように、大人の観客を意識した変更も無く、
観客に媚びない、誰もが知っている「シンデレラ」王道のラブストーリーです

愛されて育った少女時代から一転、父の再婚を機に心ふさぐ日々にも、
亡き母の言葉を胸に健気に頑張るシンデレラが、森で運命の出会いをし、
継母たちの数々の妨害にもめげず、宮殿の舞踏会に辿り着くまで♪
忘れてしまっているエピソードもちゃんと忠実に織り込まれてやってきます

そして、一番の不思議。ナゼ父が人生をやり直そうとしたほどの相手が、これほどまでに
エラを虐めるのか?という最大の疑問にも答えるシーンがちゃんとあるのです
人を邪悪にする、その感情――。やっぱりケイトは素晴らしい


お伽噺だけれど、ディズニーの作品はこうであって欲しいと、思います。――
穢れの無いヒロインが心を強く持って生きていれば、やがて運命の人に出会える
何時の時代の子供たちにも、愛と人生に夢を与え続けて欲しい・・・

字幕版だったので、周りは若いカップルが多かったですが、
ヒロインのリリー・ジェームズは、溌剌としてチャーミングなシンデレラで、
いつもディズニーのヒロインにはイマイチ惹かれない私ですが、
アン・ハサウェイ以来久々にイイと思えたし、リチャード・マッデンの王子も濃すぎずヨカッタ

映像も音楽も素敵で、
特にエラの小さなお友達が変身していく過程が可愛くて素敵
後、舞踏会のシーン

踊る度に大きく波打つブルーのドレスもとっても素敵でしたが、観ながら
ドリューの「エバー・アフター」を思い出し、無性に観たくなりました♪(シンデレラ好き
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セント・エルモス・ファイアー

2015-04-24 23:44:23 | the cinema (サ行)

原題 ST. ELMO'S FIRE
制作年度 1985
上映時間 108分
脚本 ジョエル・シューマカー/カール・カーランダー
監督 ジョエル・シューマカー
出演 エミリオ・エステヴェス/ロブ・ロウ/アリー・シーディ/デミ・ムーア/アンドリュー・マッカーシー/ジャド・ネルソン/メア・ウィニンガム/マーティン・バルサム/ジョン・カトラー/ジョイス・ヴァン・パタン/アンディ・マクダウェル

ジョージタウン大学を卒業したばかりの男女7人のグループの、80年代を代表する青春群像劇
友人の事故をきっかけに集まった大学を卒業したての若者たちがそれぞれの交流の中、
やがて自分の道を見つけていくまでを綴る。


お騒がせ屋のビリーが裕福な家の娘でうぶなウェンディの車で事故を起こし、
弁護士志望のカービーはバイト先のセント・エルモス・バーを抜けて駆けつけ、
記者になれたものの、死亡欄しか任されてないと嘆くケヴィン
政治の世界での出世を狙っているアレック
そのアレックのヤッピー・ガールフレンド、レズリー
そのレズリーの元ルームメイトで、銀行に勤めているがコカイン常習者、ジュールズ
顔を揃え、彼らの溜り場で近況を報告しあうが・・・


これは何度もTV放送されて、1980年代を知らない方でも、この音楽は聴き覚えがあるかも。

舞台の1980年代は、アメリカじゃなくても、似たようなものでした。
日本ではバブル全盛期で、メイクもファッションも、ちょっとケイハクな夜の街も、、。
そして、どんなに時代が変わっても、学生という自由で愉しい時を卒業し、
社会という大きな海原に放り出される、不安と期待と、責任と言い知れぬ焦り…―それは
オトナ社会の扉を開けた時、全ての人に訪れる洗礼のようなもの。

遣りたいこと、から、成すべき事に、優先順位も変わっていく―そんな大人社会に馴染めず

自分の弱さを隠し、逃げて、求め合い、
時に人を傷つけ、返す刀で己も傷つける。。。

誰もが愉しかったアノ頃に心を残していて、、でも、別れは旅立ちの時だと知っている―。
ふり返るとST. ELMO'S BARの、彼らの指定席はもはやなく、、という
爽やかで、どこか甘酸っぱさの残るラストが好き
そうしてみんなオトナになっていくの。。。

観終わるといつも、訳もなく無性に、声をあげて泣きたい衝動に駆られます

For just a moment - David Foster (OST- St. Elmo's Fire)


St. Elmo's Fire LOVE Theme Instrumental - Original Soundtrack HQ Sound

タイトルのセント・エルモス・ファイアー=嵐の中、船乗りたちが道しるべとした
マストに灯る放電現象のこと。

カッコ悪いロブ・ロウが最後、カッコイイ!
むっつり屋でシャイなアンドリュー・マッカーシーは、『S.O.S』のタッキーを思い出させる役どころ。
30年前の若者も、今の新卒者も状況は変わらない、新生活が始まった今頃に観るとイイ作品
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ソロモンの偽証 前篇・事件

2015-03-31 23:55:49 | the cinema (サ行)

上映時間 121分
原作 宮部みゆき
脚本 真辺克彦
監督 成島出
出演 藤野涼子/板垣瑞生/石井杏奈/清水尋也/富田望生/前田航基/望月歩/佐々木蔵之介/夏川結衣/永作博美/黒木華/田畑智子/松重豊/安藤玉恵/小日向文世/尾野真千子

人気作家・宮部みゆきのベストセラーを実写化した、ミステリー2部作の前編
クリスマスの朝、雪に覆われた中学校の校庭で柏木卓也という14歳の生徒が転落死してしまう。彼の死によって校内にただならぬ緊張感が漂う中、転落死の現場を目にしたという者からの告発状が放たれたことによってマスコミの報道もヒートアップ。さらに、何者かの手による殺人計画の存在がささやかれ、実際に犠牲者が続出してしまう。事件を食い止めようともせず、生徒たちをも守ろうとしない教師たちを見限り、一人の女子生徒が立ち上がる。彼女は学校内裁判を開廷し、真実を暴き出そうとするが……。

公開初日鑑賞でしたので、もう3週間が経ってしまったので
もう、前後編、纏めようかと思いましたが、要点だけ書いておこうかと。
ちょっともう、タイトルからして想像できるような裁判の展開ではありますが、
多感な思春期の少年少女の心理描写が丁寧であるため、若い人は共感、感情移入しやすいかも。
原作は未読ですが、すっかり大人な私はなんとなく後半は予想できるものの、
子供たちがどう着地点を見出すのか?
後半も観に行くとこにします。

以下はネタバレで主な関係者をメモっておきます。
      ↓
      ↓

江東区立城東第三中学校に赴任した38歳の教師が、自身が在学中に起こった23年前の事件の顛末を、
母校の校長に語りだす――

1990年、クリスマスの朝、2年A組の涼子野田健一は
雪に埋もれた同級生・柏木卓也の遺体を発見する。飛び降り自殺と断定される。

涼子と学校宛に「告発状」が届く。犯人に名指しされたのは大出俊次ら3人の不良生徒。
しかし校長らはそれを隠したまま「送り主」の生徒を特定しようとする。

「告発状」を送りつけたのは2年A組の三宅樹里浅井松子
2人は大出俊次らから激しいイジメを受けており、涼子はその現場を目撃しながらみて見ぬふりをしたところを、生前の柏木卓也にみつかり「偽善者」だと云われていた。

2年A組の担任・森内恵美子に送られた分の告発状が捨てられていたとして
マスコミが報じたことから名指しされた俊次らは不登校に追い込まれ、
森内は告発状の受け取り自体を否定するが居たたまれず退職し、調査会社に依頼する。

一方で担当刑事の佐々木は告発状の内容が虚偽である可能性が高いことを父兄に指摘。
それを聞いた松子樹里を訪ねた帰りに事故に遭う。樹里はショックから喋れなくなり、

一連の出来事に思いつめていた涼子は、
卓也の友人だったという、他校生・神原和彦との出会いを機に、自分たちの力でこれを追求する決意をする。
そして、生徒が検察、弁護、裁判官、陪審員となる校内裁判の準備は整った!


幾度となく、それぞれの人物のキーとなるシーンが回想として繰り返し挿入されてきますが、
まるで心の殻を剥がしていくような、僅かな違いがあり、
それは少しずつ違う角度から、真実に迫るようにみえて、効果的。

事件自体の謎はもう、ほぼ予測がついてしまうのですが、、
その時の心理に興味があります。
そして、子供らがどう幕引きをするのかも。
『ソロモンの偽証 後篇・裁判』は4月11日からですね。もう直ぐです。
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ジョーカー・ゲーム

2015-02-11 14:32:18 | the cinema (サ行)

ジョーカーを見抜け。
全てを欺き、生き残れ。

上映時間 107分
原作 柳広司
脚本 渡辺雄介
監督 入江悠
主題歌 KAT-TUN 『Dead or Alive』
出演 亀梨和也/伊勢谷友介/深田恭子/小澤征悦/小出恵介/山本浩司/渋川清彦/田口浩正/光石研/嶋田久作

第二次大戦前夜に“魔王”の異名を持つ元スパイが設立した秘密組織“D機関”の暗躍を描いた人気作家・柳広司の同名連作短編集を、入江悠監督で映画化したスパイ・アクション。
上官の命令に背き、軍法会議で死刑を宣告されたその青年は、命を落とす直前に結城と名乗る謎の男に助けられる。結城の目的は、彼が設立したスパイ養成学校“D機関”に青年をスカウトすることだった。青年は過酷な訓練を経て、やがて“嘉藤”という名を与えられると、ついに初めてのミッションを命じられる。それは、国際都市“魔の都”に駐在する米国大使グラハムが隠し持つ、世界を揺るがす機密文書“ブラックノート”を奪い取れというものだったが…。

日本に実際に存在したスパイ養成&防諜を目的とした養成機関、陸軍中野学校の存在は知っていました。
最初に知ったのが何時だったのか覚えていないのですが、
誰の小説に出てきていたのかすら覚えていませんが、映画ではなかったような気がします。

で、本作はその陸軍中野学校がモデルと云われています。
まあ、平たく言えばスパイ養成スクールですが、
実際には東大や慶應義塾大などのエリートが多く、亀梨クン演じる嘉藤のような軍人は避けられていたようです。
スパイに求められるもの!に、軍人気質はネックだったんですねぇ~・・。
それを念頭においてご覧になれば、序盤の展開も現実味を帯びてくるハズ


“D機関”の司令塔・結城に拾われ、スパイとしての訓練を受けたその青年はやがて
“嘉藤”という名と経歴を与えられ、
数か国語を操り、瞬時に自分の置かれたシーンを細部まで完全記憶。
結城の右腕・神永の抜き打ち最終試験を見事クリア。初めてのミッションに就く――

  死ぬな 
   殺すな
 
 全てを欺き、生きて“ブラックノート”を持ち帰れ!


時代背景もあって、スパイグッズはちょいとレトロで期待はできないけど、
アクションも刀を使う時代劇の殺陣のような派手さはないけれど、VFXに頼らない、
その場にあるものを使って戦うジャッキーチェン的スタイルは臨場感も増すし
音を立てない、なるだけ静かなアクション、相手に気づかれない素早い動きはスパイ映画ならでは♪

昔のTVドラマ「スパイ大作戦」的なオープニングから、
魔の都での「ボーンシリーズ」を彷彿させる逃走シーン等、
スパイ映画好きな入江監督の想いが詰まった作品に仕上がっていたのではないでしょうか。

考えてみると、TVドラマは刑事モノが多く、SATや潜入捜査官が描かれることはあるし
企業ドラマでは産業スパイが登場する事もアルが、スパイ映画やドラマはお目にかかれない。
時代的にもスパイが生き難いのもあるけど、
この作品は、その点もクリアしているし、
ちょっと線が細い亀梨クンの新米スパイはちょっとマジなルパン風で(笑)
恭子ちゃん演じるリンは、、不二子ちゃん風
「Nのために」では罪に殉じる人だった小出クンがここでもイイです
伊勢谷さんはカッコイイ軍服似合いすぎです

時間的にも107分と、飽きさせないわくわくのスパイムービー。
大人から子供まで楽しめるエンタテイメント作品になってます♪
是非またこのメンバーで“D機関”の次なるミッションを描いて欲しい
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ジミー、野を駆ける伝説

2015-02-09 21:43:26 | the cinema (サ行)

アイルランドから追放された高潔な男の物語

原題 JIMMY'S HALL
2014年 イギリス
脚本 ポール・ラヴァティ
監督 ケン・ローチ
出演 バリー・ウォード/シモーヌ・カービー/ジム・ノートン/アンドリュー・スコット

1932年、国を分断した悲劇的な内戦が終結してから10年後のアイルランド。アメリカで暮らしていた元活動家のジミー・グラルトンが、10年ぶりに祖国の地を踏み、リートリム州の故郷に帰ってきた。かつて地域のリーダーとして絶大な信頼を集めたジミーは、気心の知れた仲間たちに歓待され、昔の恋人ウーナとも再会を果たす。ジミーの望みは、年老いた母親アリスの面倒を見ながら穏やかに生活すること。しかし、村の若者たちの訴えに衝き動かされ、内にくすぶる情熱を再燃させたジミーはホールの再開を決意し、仲間たちも協力を申し出る。かつてジミー自身が建設したそのホールは、人々が芸術やスポーツを学びながら人生を語らい、歌とダンスに熱中したかけがえのない場所だったのだ。やがてジミーの決断が、図らずもそれを快く思わない勢力との諍いを招いてしまい……。

10年後のアイルランドが1932年といことで、この人物もまた「麦の穂をゆらす風」の
デミアン達と同じ時代を戦った人物だということで、
登場人物を変えた続編的なものかと思いながら鑑賞。
だけど、
同じ独立問題が根っこにありながら、本作は監督が伝えたいものが少しだけ違っていた。

そもそも歴史上の重要人物でも偉人でもないジミー・グラルトンって、全く知りませんでした。
しかし、アイルランドでは語り継がれる"名もなき英雄"なのだという・・。ソレは何故か?


今は朽ち果て荒れ放題のJimmy's Hallの再建を機に、
再びカトリック教会と地主層に理不尽に弾圧されるジミー。
彼が野を駆け、野に生きた労働者でありながら、そのリーダーシップで
自由を求める闘いに再び巻き込まれていく物語は、ジミーの人間性に焦点が置かれていて、
内戦終結後も庶民は弾圧を受け続け、自由な教育や娯楽を奪われたままの若者を憂い
故郷の民衆に請われて立ち上がっていく姿を、ゆっくりと追う展開。
ケン・ローチ作品としては直球の、観やすい作品となっています。

バリー・ウォード以下、敵対する神父役の2人もみんなアイルランド・ダブリン出身で、
幼馴染でジミーの想い人役のシモーヌ・カービーはアイルランド・エニス出身。拘っていますね~。
――昨年秋のスコットランドの独立投票を思い出しながら鑑賞しました。

賛成派にショーン・コネリーやアラン・カミングと共に勿論ケン・ローチ監督の名が上がっていて、
劇中のセリフに、現代の若者に託す、自由への想いの深さが読み取れる作品でした。
思想的なものを抜きにしても、本当に豊かな人生とは何か?
多くの今の日本の若者に観て貰って、、監督のメッセージが伝わるといいな~と思いました。
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ジュリエットからの手紙

2015-01-15 22:34:58 | the cinema (サ行)

制作年度 2010年
原題 Letters to Juliet
監督 ゲイリー・ウィニック
出演 アマンダ・セイフライド/クリストファー・イーガン/ヴァネッサ・レッドグレイヴ/フランコ・ネロ/ガエル・ガルシア・ベルナル

「ロミオとジュリエット」で名高いイタリア・ベローナで行われている、世界中から届く恋愛相談の手紙に「ジュリエットの秘書」と呼ばれる女性たちが返信する「ジュリエットレター」を題材にした恋愛ドラマ
ニューヨークで雑誌の調査員として働くソフィは、婚約者のヴィクターとイタリアのヴェローナに婚前旅行でやって来る。ところが、レストランの開店を予定しているヴィクターはソフィそっちのけで食材探しに夢中。仕方なく、一人で“ジュリエットの家”を訪れたソフィ。偶然にも、壁の中にあった一通の“ジュリエット・レター”を見つける。それは、50年前にイタリアを訪れ、そこで出会った青年ロレンツォと恋に落ちた英国人女性クレアが書いたものだった。その手紙にソフィが返事を書いたところ、それを受け取ったクレアが孫のチャーリーを伴ってはるばるイタリアまでやって来た…。

50年前に手紙を書いたクレアと、現代の“ジュリエットの秘書”に成り代わったソフィの
世代を超えて通じ合う恋心を、王道の展開ながら、
ヴェローナの美しい風景と、華のあるキャストと心にクル台詞で魅せてくれます。
予定調和であろうと心地よい、二人のジュリエットのラブロマンス。



観光名所となっている、ヴェローナのジュリエットの生家に、
今なお世界中から恋の悩みを綴った手紙が年間5000通も届くという事実にも驚きましたが、
各国の言語に対応する“ジュリエットの秘書”が真摯に対応しているということに感動。
壁に貼り付けられているのは、ほんの一部なのですねぇ~。

途中泣けるけど、最後はハッピーエンド が好き・・・と言ったのは、
ウォンビンクン演じる青年と旅先で出会った、もう一人のジュリエット(笑)恭子ちゃんでしたが、
行くか、引き返すか?
人生の岐路に立つ恋する乙女・・・
そして、ソレがまた半世紀の後に訪れたクレアを、温かく見つめられる。


原題の“ジュリエットへの手紙”に対し、
邦題はジュリエットからの手紙としたことでその後の展開を期待させるし、
現代の「ジュリエット」を想像させるという意味でイイ邦題だと感じたわ

2011年2月27日に脳腫瘍により49歳で死去したゲイリー・ウィニック監督の、これが遺作だそうです。
『シャーロットのおくりもの』もいつか観てみたいです。。。

1年前は・・・
危険な関係
愛を弄んで、運命に弄ばれる。製作年度 2012年原題 危險關係/DANGEROUS LIAISONS原作 ピエール・コデルロス・ド・ラクロ製作国・地域 中国上映時間 1...
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世界の果ての通学路

2015-01-11 20:05:34 | the cinema (サ行)

Sur le chemin de l'ecole(原題)On the Way to School(英題)
上映時間 77分
製作国 フランス
監督 パスカル・プリッソン

あなたは信じられますか。毎日往復30kmの通学路を、たった4時間で駈け抜ける兄妹がいることを。
見渡す限り人のいないパタゴニア平原を、馬に乗って通学する兄妹がいることを。


ケニアのジャクソン(11)&サロメ兄妹は、毎日サバンナ,15キロを駆け抜けて2時間で登校する。
アルゼンチンのカルロス(11)&ミカイラ兄妹は、18キロの道無き道を1時間半かけて馬で登校し、
インドのサミュエル(13)、ガブリエル、エマニュエルの三兄弟は車イスで4キロの悪路を1時間15分。
モロッコのザヒラ(12)ちゃんは、標高3000メートルを超えるアトラス山脈の山道を
片道22キロを四時間かけて月曜日に通学し、寮生活をしまた4時間かけて金曜日の夕方家族の元に帰る。

この4組の、日常である通学時の道程を、カメラが密着、追っていくというもの。

ドキュメンタリーと銘打ってあるので、、
オトナが観るとちょっと違和感を感じる部分があり、観て欲しい演出も感じられますが
それでも、多くの子供たちにみて感じて欲しい彼らの中の学ぶということへの姿勢
イジメなどやってるヒマはない、「学校へ行く」緊張と希望の毎日――


これは先日NHKで放送されたものを録画して観ました。
そして、この放送前にNHKスペシャル「調査 報告 "消えた"子どもたち~届かなかった「助けて」の声~」の録画を観ていたので・・・

この作品の主題である、世界の辺境な地域で生まれ、どんなに困難でも
学校で学ぶ喜びが、未来に向かうパスポートだという純粋な少年たちや、
学ぶことそのものを浸透させたいという少女の姿に胸打たれつつも、
貧しい生活の中で、或は通学路の危険を承知で子供を学校に送り出す親の姿に感動....。
そして、子供たちはそんな親に感謝し、学べる喜びに満ちています。
先のTVドキュメントと合わせて、教育の意義を問う作品だと思います。

モチロン、都会で生きる困難との比較はできないけれど、
それでも、この作品は学校の教材として使われるよりも、是非
親子で観て素直に感じて貰いたい作品でした。
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ジャージー・ボーイズ

2014-10-04 20:55:37 | the cinema (サ行)

原題 Jersey Boys
上映時間 134分
監督/製作 クリント・イーストウッド
脚本/ミュージカル版脚本 リック・エリス
出演 ジョン・ロイド・ヤング/エリック・バーゲン/マイケル・ロメンダ/ヴィンセント・ピアッツァ/クリストファー・ウォーケン/マイク・ドイル/レネー・マリーノ/エリカ・ピッチニーニ

ブロードウェイ史上最長のロングラン作品のひとつとなったミュージカルを、クリント・イーストウッド監督で映画化。
ベルヴィル。そこは犯罪が日常茶飯事というニュージャージーの最貧地区。
1951年、イタリア系移民が多く住むこの街で、しがないチンピラ暮らしをしているバンドマンのトミー・デヴィートは、美しいファルセットを響かせる少年フランキー・カステルチオ(のちのヴァリ)を自分のバンドに迎え入れる。フランキーの歌声は地元マフィアのボス、ジップ・デカルロも魅了し、サポートを約束する。最初は鳴かず飛ばずの彼らだったが、才能豊かなソングライター、ボブ・ゴーディオとの出会いによって大きな転機を迎える。ヴォーカルのフランキー、ギターのトミー、ベースのニックに、キーボードと作曲を担当する最年少のボブが加わり、バンド名を“フォー・シーズンズ”と改めた4人は、『シェリー』を皮切りに次々とヒットを連発、ついにスターダムへとのし上がるのだったが…。


「地元を出る方法は3つ。
“軍隊に入る“ でも殺される。
“マフィアに入る“ それも殺される。
あるいは“有名になる“ ……俺たちはあとの2つだった.....」


序盤にバッドボーイなトミーが(笑)観客にそうささやく、、、
10代の時から彼らはギャングの下っ端として小遣いを稼ぎ、
回転ドアという刑務所にもお世話になりながらも、音楽で有名になってこの街を出たいと夢見ていた。

ギャングのボスもココロを奪われる、フランキーの声があり、
トミーには野心、そしてニックには耳がある。
そして、ふとした事で知り合った、既に『ショート・ショーツ』というヒット曲を持つボブ・ゴーディオが加入し
“ザ・フォー・シーズンズ”の栄光と挫折のドラマは始まる―


ボブの登場で、一気に誰もが生涯に何度か聴いたことがある
オールデーズがばんばん流れるようになり、
“ザ・フォー・シーズンズ”は栄光の階段を駆け上がるようになると、
お決まりのように、4人それぞれが個性故の問題を抱えるようになる・・・

カネ無し、コネ無しの下積みから、チャンスを掴むまでの苦しい時期に
カラダを張ってメンバーを支えてきたトミーは、問題もあるが貢献者でもあり、
かなりカルイやんちゃな描き方をされているが、実はもっとダーティーな部分があったと想像させる。
解れよ とばかりの、シナトラ連呼が笑える

「恋はヤセがまん(Big Girls Don’t Cry)」「愛はまぼろし(Who Loves You)」
そしてザ・フォー・シーズンズの代表曲「シェリー」
まあ、私は物心ついた時にこの曲は九重佑三子のカバーで育ったみたいなものだけど(爆)

これまでもイーストウッド監督の作品は、その世界観に合ったキャストで成功してきた感があるけど、
本作のキャストも実力重視で舞台のキャストをもってきて、新鮮だし、成功してる♪
大物といえば歌わないギャングのボスだけ
このギャングのボス@クリストファー・ウォーケンが最後まで美味しい~

1950年代、、、世界中が今よりみんな貧しく、
若者は誰もが目を輝かせて成功を夢見ていた。成功と幸せは同じだと思っていたけれど・・
成功、金、愛…―今と変わらない葛藤は彼らの前にも待っていて――
「君の瞳に恋してる」誕生の裏で起きていたドラマには胸に迫りくるものがあります......

フォー・シーズンズを聴いたことがなくても十分、
音楽も、音楽に生きた若者たちのドラマも堪能できる作品でした~
クリント・イーストウッド監督、大人だからこその優しさを感じる。。素晴らしい~

sherry


名曲「君の瞳に恋してる」歌唱シーン『ジャージー・ボーイズ』本編映像
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柘榴坂の仇討

2014-09-21 21:15:55 | the cinema (サ行)

制作年度 2014年
上映時間 119分
原作 浅田次郎『柘榴坂の仇討』(『五郎治殿御始末』所収)
監督 若松節朗
脚本 高松宏伸/飯田健三郎/長谷川康夫
音楽 久石譲
出演 中井貴一/阿部寛/広末涼子/高嶋政宏/真飛聖/吉田栄作/藤竜也/中村吉右衛門

主君・井伊直弼の仇を追い続ける男と、武士を捨て車引きとなり孤独に生きる
刺客の最後の生き残りの男が、暗殺から13年後に迎えた邂逅の行方。――
安政七年(1960年)。時の大老・井伊直弼に仕える彦根藩士の志村金吾。
桜田門外で暗殺者集団の襲撃を受けた際、直弼の警護役を務めながらその命を守りきることができなかった。その失態を恥じた両親は自害するも、自身は切腹を許されず、逃亡した水戸浪士を討ち取れとの藩命が下る。以来、献身的な妻セツに支えられ、仇を捜し続ける13年。時代は明治へと変わり、武士の世は終わりを告げ、彦根藩もすでにない。にもかかわらず、金吾の仇討ちへの執念は揺らぐことはなかった。そしてついに、18名の刺客の最後の生き残り、佐橋十兵衛の居場所を知る金吾…。

大久保利通の暗殺等、倒幕派寄りの視点で描かれた流浪人・剣心に対して、本作は
同じ幕末を舞台にしていても、武士の心情に迫る、桜田門外の変により主君を失った彦根藩士が主人公。
今年の邦画、劇場鑑賞作、ここまでハズレなし!とってもヨカッタです

序盤に描かれる井伊直弼の人物像。
金吾が近習役となったその日から、自分が命をかけて護るべき殿に魅了される幸せ・・。
風流であり、身分の垣根を超えて人との出会いを尊び、
しかし、英断に際しての覚悟の決まった人物であることが、
桜田門外の変以降の、金吾の武士の矜持を失わせず、苦節十三年の時を支える。
以下、ちょっとネタバレ気味感想(結末は回避)です。


明治となり、武士も刀を捨て、髷を切り、、生きる為に新しく職をみつける者、
それが巧く行かずに辱められている、とある光景に遭遇する金吾と偶然再会した友(高嶋政宏)。
あってもちっとも不思議じゃない廃藩置県後の、とある街角の出来事に、
今は姿かたちを変え、精神的支柱を失い街に散っている、心はサムライのままの人々は…―


言っても詮無い事は口にせず、
ボロは着ててもココロは錦、、、武士の潔い美意識に徹した金吾の人生。


口に出さねど、逼迫した生活の中で、妻へのいたわりも忘れず、
妻もまた一切の愚痴や不安を口にせず。武家の妻女として当然のように夫を支える。
尊敬に値する主君に仕え、出来た妻を娶り、、、
あの日、雪さえ降っていなければ―、、の金吾の仇討ち人生ではあるけれど、
生き残り、刀を捨て名を変えて孤独を友とし生き続けた佐橋十兵衛の十三年もまた同じ。

そして運命の仇討ち禁止令が発令されたその日、
あの日と同じ雪の降る中、辿り着いた柘榴坂。。。

さあ、、殺ってしまって全てから解放されるのだ.......この時を待っていた。追う者も、追われる者も。
その二人をじっとみつめる一輪の寒椿。それは
金吾が心底慕った主君、直弼の姿ではなかったか・・・そう思えました。


恭子ちゃん関連では、名作「それが答えだ!」(三上博史主演)、「夜明けの街で」ですが、
「振り返れば奴がいる」も、「恋ノチカラ」も大好きだった若松監督の作品は沢山ありますが、
その中でも珍しく寡黙な男二人の生きざまを見つめ続けた本作は素晴らしい。

女も、袂を握りしめて、声を押し殺して男泣きする。…―そんな作品。
どうぞ、ご夫婦で、いえ、お一人ででも。是非劇場でご覧になっていただきたいデス。


数年前にテレビのSP版で制作された『遺恨あり 明治十三年最後の仇討』(源孝志+藤原竜也)は、本作とは逆に
開国派であったが為に父を惨殺され、その仇を追う青年の、立場は逆でも状況は同じ、な
この日本の動乱期を生きた最期の武士のドラマがよぎりました。
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そこのみにて光輝く

2014-04-21 23:22:45 | the cinema (サ行)

製作年度 2013年
上映時間 120分
原作 佐藤泰志 『そこのみにて光輝く』(河出書房新社刊)
監督 呉美保
出演 綾野剛/池脇千鶴/菅田将暉/高橋和也/火野正平

何度も芥川賞候補に挙げられながらも賞に恵まれず、41歳で自ら命を絶った不遇の作家、佐藤泰志の
唯一の長編小説の映画化。
短い北の夏。ある出来事をきっかけに仕事を辞めてしまい、無為な毎日を過ごす男、佐藤達夫。ある日、パチンコ屋でひとりの青年、大城拓児と知り合う。彼は前科者でチンピラ風情ながら無垢で憎めない奴だった。そんな拓児は海辺に建つ粗末なバラックに家族と暮らしていた。そこで拓児の姉、千夏と運命的な出会いを果たす達夫。
しかし千夏は家族を守るために自らの人生を諦め、絶望の中に生きていた。―


毎日酒に逃げ、生き場所を求めて彷徨っていた達夫。
ここでしか生きられないと、全てを諦めていた千夏...。
そこから出られることを夢見ていた拓児・・の3人が出会った――海沿いの町。

病気で寝たきりの親を抱え、陽の射さない人生を懸命に歩いてきた姉弟に訪れる
ある夏の奇跡.....

夏の暑さがのしかかり、喘ぎながらようやく生きているひとの
苦しい、熱い吐息が感じられるような描写で埋め尽くされていますが、
そこに描かれる、愛の重さが揺るがないので苦しいけれど美しい。。

鉛のように重い家族。そこを逃げ出したい。けど、逃げない。
逃げずに泥にまみれても、中身は汚れていない。
だから、生々しいラブシーンも、殆ど神聖。

描かれるのは、厳しい現実に心折れながらも、その重い荷物を背負ったまま生きる姿。
巡り合った相手の運命もその手で掴んで、、生きていくと言う事。

この映画の中で描かれる、地を這うように生きて辿り着いた男女の出会いの物語は、
ひと口に感想は言い難いけれど、
キャストの演技は一言で十分!少ないキャスト全員が素晴らしい!のよ。
静かに展開される120分。その間、ずっと緊張感を保って見守り続けられました

綾野クンと菅田くんは、来月公開の『闇金ウシジマくん』でも共演で、これも楽しみです!
脱げば体当たり演技と高評価傾向の女優論にはとっても否定的なのだけど、
凶悪」でも凄かった池脇さんは、どの作品でもその心情描写は素晴らしいです。次回作は
能年玲奈ちゃん主演の『海月姫』で、コチラでもまた菅田くんと共演とか。
もう、嘗て男闘呼組のアイドルだったとは信じられない高橋和也サン、
イイヒトからこんな凄みを効かせる役まで!いい役者さんです
高橋サン、次は唐沢さんとのドラマ「ルーズヴェルト・ゲーム」でマネージャーですね

1年前の記事は・・・
天使の分け前
かけがえのない出会いとスコッチウイスキーがもたらす“人生の大逆転”!原題 THE ANGELS' SHARE 製作年度 2012年製作国・地域 イギリス/フラン...
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ストリートファイター ザ・レジェンド・オブ・チュンリー

2014-04-16 22:19:06 | the cinema (サ行)

原題 STREET FIGHTER: THE LEGEND OF CHUN-LI
製作年度 2009年
上映時間 97分
脚本 ジャスティン・マークス
監督 アンジェイ・バートコウィアク
出演 クリスティン・クルック/マイケル・クラーク・ダンカン/ニール・マクドノー/バルログ/ロビン・ショウ/クリス・クライン

世界中に大ブームを巻き起こした日本発の対戦型格闘ゲームから人気キャラクターの春麗(チュンリー)をフィーチャーしたオリジナル・ストーリー。
裕福な家庭に生まれ、大好きな父親にカンフーを習い、幸せいっぱいの暮らしの中で育った少女チュンリー。しかしある日、彼女の目の前で父親が誘拐されてしまう。10年後、美しい女性へと成長したチュンリー(クリスティン・クルック)は、悪の組織に拉致された父親の行方を捜すことを決意し、厳しい修行を重ねて“ストリートファイター”となる。

コチラは日本のゲームメーカー、カプコンの発売20周年を記念して制作されたと言う事、
公開当時はかなり手厳しい感想が寄せられていたのを覚えていたけど、、
テレ東午後ローでやっていたので録画して観て観ました。ら、
結構アクション的には楽しめて、ヨカッタ♪

ただし、クリスティン・クルック主演のアクション映画を撮る為だけだったら
何もムリにこのアジア人設定の作品を選ばなくても~と誰もが思うところではあるネ。

ストーリーは人質奪還モノ。だけど、
普通はシュワちゃんだったりゴッツイ系のオヤジが娘を取り戻すところ、
コチラは可愛い、スレンダー乙女が悪の巣窟に向かうのですが、
もうね、ストーリーなんて気にしちゃダメです(笑)
全部筋肉です~じゃないクリスティンのアクションは結構好き


良家の令嬢から一転、のバンコクでの路地を彷徨うチュンリー
他人(貧しい人々)を思いやり、犯罪を憎む心が芽生えるまで、、だったのかも知れないが
相反するように、怒りを抑え、感情を消し、真の強さを教え込むゲン。ひどい。
彼から伝授された技にはゴラゴンボールかっっ!とツッコミ、
一刻も早く春麗をシャワーに、と願いながら観ていました(笑)

アクション監督はマトリックス3部作、「スパイダーマン2」のディオン・ラムなので
それなりにちゃんと見せてくれる

キャストの中では、私のお気に入り海ドラ「バーン・ノーティス」でも刑事役だった
ムーン・ブラッドグッドがマヤというバンコク警察の女性刑事で、ここはキャラ変更されていて
インターポールのクリス・クラインとともに途中から登場。悪役ではない
バンコク舞台でも、やっぱハリウッドなメンツだった(笑)
1年前の今日も、旧作の記事でした~・・・
ラヴェンダーの咲く庭で
原題 LADIES IN LAVENDER製作年度 2004年製作国・地域 イギリス 上映時間 105分原作 ウィリアム・J・ロック脚本:監督 チャールズ・ダンス...
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