to Heart

~その時がくるまでのひとりごと

ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日

2013-01-27 11:45:19 | the cinema (ラ・ワ行)

なぜ少年は、生きることができたのか。

命を奪うのか、
希望を与えるのか

原題 LIFE OF PI
製作年度 2012年
上映時間 127分
原作 ヤン・マーテル『パイの物語』(竹書房刊)
脚本 デヴィッド・マギー 、ディーン・ジョーガリス
監督 アン・リー
音楽 マイケル・ダナ
出演 スラージ・シャルマ/イルファン・カーン/アディル・フセイン/タブー/レイフ・スポール/ジェラール・ドパルデュー

世界的な文学賞ブッカー賞に輝いたヤン・マーテルのベストセラー小説「パイの物語」を、『ブロークバック・マウンテン』などのアン・リー監督が映画化。
1976年、インドで動物園を経営するパイ(スラージ・シャルマ)の一家はカナダへ移住するため太平洋上を航行中に、嵐に襲われ船が難破してしまう。家族の中で唯一生き残ったパイが命からがら乗り込んだ小さな救命ボートには、シマウマ、ハイエナ、オランウータン、ベンガルトラが乗っていた。ほどなくシマウマたちが死んでいき、ボートにはパイとベンガルトラだけが残る。残り少ない非常食、肉親を失った絶望的な状況に加え、空腹のトラがパイの命を狙っていて……。

――という、大海原に、動物!予告で美しい映像にそそられたので、これは3Dで観てきましたが、
予想通り。3Dの迫力が生かされていた映像美に満足でした

ただ、予想に反してパイのサバイバル生活までの前置きが長くて、
しかも、そこに後半への重要な伏線があると予測できる流れで、
インド時代の一家の物語が延々と続くのは想定外ですが、ガマンのしどころです。

物語はパイ・パテルというインド人男性が、小説のネタを探していたカナダ人作家に、
幼い少年の日の一家の想い出やリチャード・パーカーと名付けられたベンガルトラとの出会い、
カナダに移住することになるまで、を話して聞かせる形式で進んでいき―
船中で一家に起きたこと、いよいよ嵐に遭遇し、ボートに乗り込んできた動物達との別れがあり、
そこからリチャード・パーカーとの、太平洋ふたりぼっち(?)の漂流生活が描かれます―。



全編3Dと言うわけではないけれど、序盤の色鮮やかで美しく
臨場感ある動物達のシーンで、すぐさま心を掴まれました
意外なことに漂流生活の舞台では、3D映像は少なかったですが、
取って代わるように今度は丹念で自然なCGの映像美。
というよりも、逆に美しすぎて不自然なまでに神秘的な映像美に息を呑みます。

その、余りに美しく、この世の物とは思えない映像が、
観終わった時に(そうだったのか・・・)となるわけですが……


パイ・パテルが作家に語り終える時、
もう一つの漂流物語が観る者に消えない疑惑を残します。

ともあれ、少年パイの美しくも過酷な漂流生活を、共に味わい、見守り、、
最後の 何故・・・ を考える時、、、心が震えます......

ベンガル・トラの“リチャード・パーカーの名前に関する元ネタ”が公式に紹介されています。=こちらオススメ

LOOPER/ルーパー

2013-01-12 22:27:34 | the cinema (ラ・ワ行)

任務:未来から来る犯罪者を消せ
標的:30年後の自分

原題 LOOPER
製作年度 2012年
上映時間 118分
監督 ライアン・ジョンソン
出演 ジョセフ・ゴードン=レヴィット/ブルース・ウィリス/エミリー・ブラント/ポール・ダノ
未来からタイムマシンで送られてきた標的を消す、“ルーパー”と呼ばれる殺し屋のジョー(ジョセフ・ゴードン=レヴィット)。ある日、ジョーのもとへ送られてきたのは、何と30年後の自分(ブルース・ウィリス)だった。ジョーは、未来の自分の殺害をためらい逃がしてしまうが、その後未来の自分から、やって来た理由を明かされ……。

私的今月の目玉だった本作。
久々の好物(SF)だったのもあり、期待値が上がっていたのですが、
SFアクションを期待していくと肩透かしかも知れません。
舞台は近未来だけど、そこで繰り広げられる異様な人間ドラマとしてなら楽しめます。



2044年に生きる“ルーパー”ジョー。
彼の周りでは、この頃未来から送られてくる自分を処刑する事態が頻発。
相手が何者であれ、ルーパーは処刑を失敗すれば、即座に犯罪組織に消されてしまう運命。
ヤングジョーは送られてきた犯罪者が未来の自分である事に驚き、
オールドジョーは、その隙をついて逃走。

ヤングジョーは犯罪組織に追われながら、標的である未来の自分を追う。
そして、オールドジョーは自分のターゲットを――

やっぱり初っ端はジョセフくんの特殊メイクに違和感アリでしたが、
何気に自然なヤング・ブルースになっていて凄い
そして、30年前にタイムマシンでやってきたブルースはカッコイイです....が、

後半はもう、「ターミネーター2」。
ここではT-1000の代わりに人間だし、護ろうとする相手は未来のヒーローではなく・・・

タイムパラドックスも起こらないし、突っ込みどころもあるけど
ラストは予想外の“愛”・・・信じるしかない決断。。。

キーポイントは、
ジョーの生い立ち 「彼は一人でやったそうだ」 殺傷能力はあるが異常に飛距離のナイ銃

アイデアは面白いものの、登場人物のキャラと、近未来度がちょっと物足りなくて
どこかしっくり来なかったけど、まずまず退屈する事もなかったですが、
やや予告で期待しすぎたかな~な印象でした。

どうしても違和感がありノレなくなったのはここ、↓↓
白ぬきにします。鑑賞前の方はご覧にならないで
2074年の世界ではすべての人間の体内にマイクロマシンが埋め込まれ、
殺人は不可能なはずなのに、オールドジョーの愛する人は殺される・・?
それならタイムマシンで標的を30年前に送る意味がない。その場でやっちゃえばよかったのでは?
あの女性が殺されることで意味を持たせたかったのだと思うけど、そこが決定的な矛盾を生んだ。



レ・ミゼラブル

2012-12-27 23:29:40 | the cinema (ラ・ワ行)

愛とは、生きる力。
原題 LES MISERABLES
製作年度 2012年
製作国・地域 イギリス
上映時間 158分
原作 ヴィクトル・ユゴー(原作小説)
脚本 ウィリアム・ニコルソン/アラン・ブーブリル/クロード=ミシェル・シェーンベルク/ハーバート・クレッツマー
監督 トム・フーパー
出演 ヒュー・ジャックマン/ラッセル・クロウ/アン・ハサウェイ/アマンダ・セイフライド/エディ・レッドメイン/サマンサ・バークス/アーロン・トヴェイト/イザベル・アレン/ヘレナ・ボナム=カーター/サシャ・バロン・コーエン

19世紀のフランス。1本のパンを盗んだ罪で投獄され、19年間を監獄の中で生きたジャン・バルジャン。仮出獄した彼は再び盗みを働いてしまうが、司教の優しさに触れ、心を入れ替えると決意する。過去を捨て、マドレーヌと名前も変えながらも正しくあろうと自らを律して生きていくバルジャン。やがて市長にまで上り詰めるが、法に忠誠を誓うジャベール警部に自らの正体を見破られ逃亡を余儀なくされる。その一方で、薄幸の女性ファンテーヌから託された彼女の娘コゼットに深い愛情を注ぎ、美しい女性へと育てていくバルジャンだったが…。
ビクトル・ユーゴー原作の「ああ無情」。
私が小学生の頃は銀の燭台のエピソードが抜粋され教科書にも載っていて、子供心にかなり衝撃を受けた作品でした。

貧しさからパンを盗み、そこでジャベール警部に生涯忘れられない出会いをする。
仮出獄ののちもついてまわる「危険人物」の身分証に打ちのめされるバルジャンを、
ミリエル司教の愛と慈悲が救い・・・彼は良心を取り戻し、
名を変え、やがて財を成し、社会貢献出来るまでになるが…―
異常なまでに記憶力のいいジャベール警部は、バルジャンを犯罪者として執拗に追い詰める。

19世紀フランスの、民衆の悲惨な生活の中で繰り返される無常の連鎖・・――。



ファンテーヌの絞り出すような「夢やぶれて(I Dreamed a Dream)」でもうやられました
バルジャンの「彼を帰して」(Bring him home)も父の心情が伝わってきたし、
エポニーヌの「オン・マイ・オウン(On My Own)」には決壊しました
そして自由を求め、互いを鼓舞する学生達の若々しい民衆の歌」(The People's Song)
どのシーンも、役者としての歌が心を揺さぶり
朗々と歌い上げない、「シーンのセリフ」となっていたのがよかったです

正義の人なのに、顔に「孤独」と書いてあるようなジャベールを演じたラッセル・クロウの
哀愁の滲む歌もかなり良かったし、
子役の2人もとても上手かった
アマンダちゃんは綺麗で澄んだ歌声エディ・レッドメインも恋する貴公子、嵌ってました!
とりわけお気に入りは、革命に身を捧げるABCの友・アンジョルラス役のアーロン・トヴェイト♪
颯爽たる革命家振りが好印象でした

不条理に怒り、貧しさに泣き・・・それでも人を変えるのは今も昔も、「愛」で、
世を変えるのは若者達の勇気で、それを阻むのは、世間の「無関心」
だという、
古いけれど、今に繋がるテーマでもあり、
ラストは温かく、慰められるものになっていました

理想の結婚

2012-08-26 22:42:12 | the cinema (ラ・ワ行)

制作年度 1999
製作国イギリス
上映時間100分
原作:戯曲 オスカー・ワイルド
脚本:監督 オリヴァー・パーカー
出演 ルパート・エヴェレット/ジェレミー・ノーザム/ケイト・ブランシェット/ミニ・ドライヴァー/ジュリアン・ムーア/ジョン・ウッド/サイモン・ラッセル・ビール

ロンドンの社交界を舞台に、“理想の夫”をめぐる淑女・悪女・賢女たちの人間模様をユーモラスに描く。イギリスの文豪オスカー・ワイルドの名作戯曲の映画化。
1895年、ロンドンの社交界。独身貴族アーサー(ルパート・エヴェレット)は親友で政治家のロバート(ジェレミー・ノーザム)の妹メイベル(ミニー・ドライヴァー)との結婚に踏み切れないまま、優柔不断に日々をすごしていた。ロバートと聡明な妻ガートルード(ケイト・ブランシェット)は人も羨む理想的な夫婦。ところが、ウィーンの社交界の華となったチーヴリー夫人(ジュリアン・ムーア)が帰国して事態は急変する―

ロンドンの社交界で噂の理想の夫婦に訪れた危機を救おうと、
軽薄がウリの独身貴族、アーサー卿が奮闘するお話。
観たいと思いながら、ずっと機会を逃していた本作、BSの録画でやっと鑑賞~♪

理想と潔癖、嘘と寛容、愛と勇気・・・

これは、、画面の切り替えや、テンポの良い台詞にユーモアのセンスといい
かなり私好みの作品でした~

物語のキーとなっているのは、一組の夫婦の書いた2通の手紙。
その手紙を巡って、悪女と繰り広げられる紳士淑女の数日間のバトル。

妖艶で押しの強いチーヴリー夫人を相手に、アーサー卿は
友人夫婦の危機を救い、彼自身の独身生活にピリオドをうてるのか?
全ては2通の手紙が鍵を握っている!

アーサー卿役のルパート・エバレットは、『ベスト・フレンズ・ウェディング』でジュリア・ロバーツのゲイの親友役以来でした。
遊び人の割に意外と不器用な彼を振り回す、ケイト・ブランシェットはしおらしくて可愛い人妻。
ミニー・ドライバーは意地を張りながらもよき理解者、
ジュリアン・ムーアはお騒がせで毒のある貴婦人、と魅力的な女優陣
英国のコスチュームモノが大好きなのもあって、大人の軽妙かつお洒落なラブが楽しい1本でした!

日本未公開の「アーネスト式プロポーズ」も、BSでまた放送されますね。
今度こそちゃんと観れるように録画しなきゃ♪

私が、生きる肌

2012-05-30 22:02:49 | the cinema (ラ・ワ行)

あなたは、
これを愛と呼べるか――

原題 LA PIEL QUE HABITO/THE SKIN I LIVE IN
製作年度 2011年
製作国・地域 スペイン
上映時間 120分
原作 ティエリ・ジョンケ『私が、生きる肌』/『蜘蛛の微笑』(早川書房刊)
脚本 ペドロ・アルモドバル 、アグスティン・アルモドバル
監督 ペドロ・アルモドバル
音楽 アルベルト・イグレシアス
出演 アントニオ・バンデラス/エレナ・アナヤ/マリサ・パレデス/ジャン・コルネット/ロベルト・アラモ

ペドロ・アルモドバル監督が、ティエリ・ジョンケの小説「蜘蛛の微笑」を原作に放つサスペンス
最愛の妻を亡くして以来、完ぺきな肌の開発研究に打ち込む天才形成外科医のロベル(アントニオ・バンデラス)。あらゆるモラルを打ち捨ててしまった彼は、ある人物を監禁して禁断の実験に取り掛かることに。それは開発中の人工皮膚を全身にくまなく移植して、被験者を亡き妻へと作り変えてしまうことだった。着々と妻の代役を創造させていくロベルだったが、思いも寄らぬ事態が起こってしまう。


私的今月の目玉だった1本♪
出来るなら避けたいといつも思っている日曜のお昼の回でしたが、この独特のポスター、
チラシからやはり日曜日に多いカップルの姿がない所為かイイ感じの観客数
で、超~!面白かった!!
コレはなるべく情報を持たずにご覧になると、より楽しめると思います!
なので、画像も少な目・・



トレドの大邸宅に暮らすロベル・レガルは最先端のバイオ・テクノロジーを駆使した人工皮膚開発の権威として世界的に知られている。
彼の屋敷にはワケあり風のメイド・マリリアと、特殊なボディ・スーツの"患者"がいたが、
ロベルの留守中に、ある日一人の招かれざる客が押しかけてきた。
そして事件は起き、少しずつ何かが変わっていく―・・・

物語は現在のロベル邸と、
ロベルの家族におきた2つの不幸な過去の事件を織り交ぜながら進行する。

このペドロ・アルモドバル監督作品は、私的には麻薬中毒患者とか同性愛とか暴力がイメージにあり、
その、死の扱いもかなり鮮明に印象に残っている。あの「ボルベール〈帰郷〉」でさえも。
で、この監督の得意分野の、これは設定のような気がするのですが、
「バッド・エデュケーション」より画的には明るく、ストーリー展開も解り易い。

そして、殆ど情報も持たずに観た所為か、展開が予測できない上に
衝撃のラストまでスリルが味わえてどっぷり浸かっていました。
(まァ、油断していたからでもなく、途中ま、まさかっ?!といきなりきますが)

苦手系アントニオ・バンデラスの猟奇的天才形成外科医は嵌っていました!
ベラ役のエレナ・アナヤの表情は、やはりどことなくペネロペ・クルスに似ていたし、
ビセンテ役のジャン・コルネットはガエルくんに良く似ていた気がします。

たしかR-指定がついていたと思いますが、
この狂気のドラマの、真の主人公のラストには思わず涙が・・・
いろんな意味で恐いけど、ドッキドキの2時間、ドップリ楽しめました。


ル・アーヴルの靴みがき

2012-05-12 23:47:34 | the cinema (ラ・ワ行)

誰かを助け、誰かに助けられて生きてゆく
原題 LE HAVRE
製作年度 2011年
製作国・地域 フィンランド/フランス/ドイツ
上映時間 93分
脚本: 監督 アキ・カウリスマキ
出演 アンドレ・ウィルムス/カティ・オウティネン/ジャン=ピエール・ダルッサン/ブロンダン・ミゲル/エリナ・サロ/ライカ

昔パリで暮らしていた芸術家のマルセル(アンドレ・ウィルム)は、今は港町ル・アーヴルで靴磨きをしながら生計を立てている。彼は自分に尽くしてくれる妻(カティ・オウティネン)と愛犬ライカとの暮らしに満足していた。だが、ある日妻が病気で入院した後、アフリカからの難民の少年と出くわし、警察に追跡されている彼をかくまうことにする。

舞台は北フランスの港町ル・アーヴル。
かつてパリでボヘミアン生活を送っていたマルセルは、この港町で、靴みがきで僅かな収入を得、
妻アルレッティと慎ましくも満たされた日々を送っていたある日、アフリカからの密航者で警察に追われる少年イドリッサと出会い、
彼に救助の手を差し伸べる。

ささやかな暮らしを支えていたアルレッティだったが、体の不調をマルセルに隠してきたものの、
ある日とうとう倒れ医者から余命宣告を受ける。が、夫には秘密にと懇願する―。

パン屋のツケも溜まっているが、当然のように、パンを差し出す彼ら。
飄々とした人物描写の中にも穏やかに時にコミカルに、地に着いた人情味を映し出し、
港町に起こる犯罪とともに静かな日常を繰り返す、裏通りの小さな物語を追っていく。

セリフは最小限だけど、さびれたこの町に流れる音楽と、
様々に向かい合う眼差しが、ソレを補うかのように雄弁だ。
奇跡は、あの少年イドリッサの眼差しと、短い言葉とともに差し出した手から渡されたものだという気がした。

マルセルの靴磨き仲間のベトナム人、行きつけの酒場、お馴染みの八百屋、それに愛犬ライカ、
だけど、それだけでは足りない―。

見守る観客が、心配し、固唾を呑むシーンが何度となくありますが、
それが思わぬ明るい笑いに転じるシーンもあり、
ここは8割方埋まっていた観客がひとつになって微笑んだシーンでしょう。アブナカッタヨ~

ケン・ローチ監督の「エリックを探して」とか、イスラエルのヒューマン・コメディ「迷子の警察音楽隊」とかが愉しめた方なら、きっとこの雰囲気も浸れると思う。
ゆっくりとページをめくりたくなる大人のファンタジーです。


お利口なわんこ、ライカは監督の愛犬だそうです
シルバー・ロッカーリトル・ボブが、ちょっと甘くて懐かしいロック
ノルマンディー地方はリンゴのお酒シードルやカマンベールチーズが有名で、作中でモネ警視が好んで飲むリンゴの蒸留酒カルヴァドスはこの地方の特産品だとか。
しっかりしたパンと軟らかなカマンベールチーズ、お酒に添えて出されるオリーブ等そそられますよ


忘れられない人

2012-03-16 00:59:23 | the cinema (ラ・ワ行)

原題 UNTAMED HEART
製作年度 1993年
上映時間 102分
脚本 トム・シエルチオ
監督 トニー・ビル
出演 クリスチャン・スレイター/マリサ・トメイ/ロージー・ペレス/カイル・セコア/ウィリー・ガーソン

“1990年代版「ある愛の詩」“と評された切ないラブ・ストーリー。
心臓に欠陥がある主人公C・スレイターは彼の働くカフェのウェイトレス、M・トメイに焦がれるが、彼女をじっと見守ることしかできない。だが、それが効を奏して、不良に絡まれる彼女を救けた彼は次第に打ち解け、彼女にだけは自分の秘密の世界を覗かせる。待ち受ける死の不安を一人で耐えてきた青年。恋にしくじってばかりいた少女は、やっと掴んだ幸福な恋が束の間に終わると分かって苦しむが、彼の闘病生活を共に闘うことで、女性として成長していく……。(allcinema ONLINE)

孤児院育ちのアダムは心臓に先天性疾患を抱えていたため、4歳まで誰とも触れ合えない隔離された生活を送っていた。
孤独な少年に、優しいマザー・カミーラはレコードをかけながらお話をしてくれた。それは・・・
アダムの心臓を治すために冒険家だった父親は魔法のルビーを奪いヒヒと戦って死んだけど、
そのことを知ったヒヒが自分の心臓をアダムにくれた。言わばアダムの心臓は
そのふたりからの贈り物だと・・信じて育ったアダム。

一方、恋愛の神様から見放されてばかりのキャロラインは、
勤めているダイナーの2人組の客に待ち伏せされて襲われるが、そこを同じダイナーで働くアダムに救けられ…
愛から逃げていたアダムと
愛を追いかけてばかりいたキャロライン
の人生が交わり――

好きな女の子を、じっと遠くから(そう遠くないことも)見守るだけの内気な純愛が、
少しずつ変わっていく過程も微笑ましい、王道のラブストーリー。
孤独で内気で心臓病・・・この設定のベタさが許せるクリスチャン・S.の一途な恋♪
「告発」「インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア」よりチョット前の作品ですね~。

一途な恋愛にありがちな、付け回し、ストーカー(だよね?)行為をも
キモーイとは言わせないマリサのキャロラインと、悪びれないアダムのクリスチャン
まあ、ドキッとはしますが(笑)
不器用で誠実な彼をまるごと受け入れるキャロラインにホッとするぐらい幸せになって欲しいふたり、、、


今回も脱ぎっぷりがいい(可愛い♪)マリサの香水のつけ方、浴びるといった感じが印象的でした!
内気で不器用なアダムの、「続きが・・・」が可笑しい、微笑ましい

アダムの大切な思い出の曲として使用されるのが"Nature Boy"
映画「緑色の髪の少年」の主題歌のピアノが、孤独だった彼の人生を語るように流れ、
儚く切ない物語に上手く使われています。

ラブストーリー好きの方にオススメ

ライアーゲーム -再生-

2012-03-12 19:10:40 | the cinema (ラ・ワ行)

ようこそ、禁断の“イス取りゲーム”へ――
製作年度 2012年
上映時間 131分
原作 甲斐谷忍
脚本 岡田道尚/黒岩勉
監督 松山博昭
音楽 中田ヤスタカ
出演 松田翔太/多部未華子/芦田愛菜/江角マキコ/高橋ジョージ/濱田マリ/要潤/川村陽介/新井浩文/野波麻帆/小池栄子/前田健/鈴木一真/鈴木浩介/渡辺いっけい/船越英一郎

人気漫画原作のテレビドラマ「ライアーゲーム」に続き、大ヒットした劇場版『ライアーゲーム ザ・ファイナルステージ』の続編。新たに多部未華子をヒロインに迎え主演の松田翔太以外の出演者をほぼ一新し
天才詐欺師秋山(松田翔太)の奮闘により、出資者たちが多大な打撃を受けたファイナルステージから2年が過ぎていた。すべてが終わったように見えたライアーゲームだが、事務局は再度復活を果たし、今回は総額20億円をかけて20人のプレイヤーが争う「イス取りゲーム」を用意する。彼らはどうにかして秋山を潰そうと狙いを定めおり……。

ライアーゲーム ザ・ファイナルステージから2年後のお話ですが、
今回も、シリーズをご覧になっていなくても、単独の作品として楽しめると思います。
テレビ版からのキャストも数人登場しますが、
過去に秋山とどう関わっていたのかの説明はなされませんが、そこは余り重要ではなく、
スルーしていってもなんら問題ない部分。
言い換えれば、さして今回必要の無い挿入の仕方ともいえるからです。

さて今回、押し付け恐怖の招待状を貰ったのは、この日めでたく大学の卒業式を終えたばかりの篠宮優(多部未華子)。
前回まで秋山に甘えたり泣きついたりのウザキャラ、でも笑っちゃうくらいのお人よし「バカ正直のナオ」はもういません。
代わって今回のヒロインは、そこそこ普通にそこら辺にいる女の子って感じかな~。
天然っぽい役がお似合いの多部チャンが敢えての普通の子。なので、却って読み難かったのは成功してるかも?

で、他のメンバーもキャラ被りなく、案外人数の割りに覚えやすいです。
20人総出の「イス取りゲーム」は初回のみ。で、ここは早々に秋山クンが、
このゲームの攻略のツボを解説してくれちゃいます。

イスが取れずに失格となった者でも、一回毎の親を決める際の投票権はあり、
その投票で勝った人が次のゲームで消すイスの番号を指名出来る。ので、
やはり生き残った人にとって、失格者の票は大事なモノとなります。
メンバーは変わってもライヤーゲームは協力し合うゲーム。という所は同じ。
なので、毎回観ている人にとってはマンネリとも取れるゲーム展開。秋山は勝つに違いない(?)

だからこそ、騙されないで
秋山君が、いつ仕掛けるのか?狙いは誰なのか?

相変わらず全ての行動を見せてくれるわけではないし、知らぬ間に「・・・しておいたんだよ」みたいな事もあるけど、
それは大局的見地から外れている部分で問題なし。
大事な仕掛けは隠されてません。
まぁ、結末は予想できるけど、もう一つの仕掛けはまんまと騙されました~σ(゜Д゜*)  
これは観客も参加者として、他の参加者の心理を読み解き、ヒトを読み解くとともに、
シンプルなゲームのルールを覚え、秋山国の一員となって参加するのが正しい観方かと思います
そうすれば、ヤラレタ感もどこか気持ちイイ感じで帰れると思います

あ、そうそう
今回もエンドロールの後にちょっといつものオマケがありますよ。


リトル・ダンサー

2012-03-10 23:49:49 | the cinema (ラ・ワ行)

原題 BILLY ELLIOT
製作年度 2000年
製作国・地域 イギリス
上映時間 111分
脚本 リー・ホール
監督 スティーヴン・ダルドリー
出演 ジェイミー・ベル/ジュリー・ウォルターズ/ゲイリー・ルイス/ジェイミー・ドレイヴン/マシュー・トーマス/アダム・クーパー[ダンサー]

バレエ・ダンサーを目指す少年の姿を描いたS・ダルドリー監督の長編第1作。
1984年、イギリス北部の炭坑町。11歳のビリーは炭坑労働者のパパと兄トニー、おばあちゃんと暮らしていた。ある日、ビリーの通うボクシング教室のホールにバレエ教室が移ってきた。ふとしたことからレッスンに飛び入りしたビリーは、バレエに特別な開放感を覚えるのだった。教室の先生であるウィルキンソン夫人もビリーに特別な才能を見出した。それからというものビリーはバレエに夢中になるのだが……。

折からの相次ぐ炭鉱閉鎖。ビリーの住むダラム州の町でもストライキ中で、町ごと不況の真っ只中。
炭鉱の町で生まれたからには炭鉱夫になるのが当然とばかりに、ビリーの父は苦しい中から
ボクシングジムの月謝を渡して、練習する彼を監視(笑)
どうも、見るからに繊細な次男を、逞しく育てたい男心なんでしょうが、
そんな父の想いを受け止めてはいるものの、痛いし(笑)好きになれないのはしょうがない。
そこにバレエが飛び込んできて、殴り合い以外で感情を発散できることに喜びを見出していくビリー。

炭鉱の町で、自分同様にちょっと浮いてる同級生のマイケルにだけは知られてしまったけど、
彼はどうもビリーがバレエに熱中することが寂しいだけで、理解してくれてるみたい。
このふたりのイジイジしたシーンが可笑しくてスキです(笑)

パパに似て男らしい兄貴にも、怖いパパにもシューズの隠し場所に気を使いながら、
バレエの本を見ながらダンス漬けになっていくビリーに、
ウィルキンソン先生も個人レッスンで熱を入れてくれオーディションを目指すも、
パパにバレて教室通いを禁じられて―・・・
そのストレスがまたビリーのバレエへの情熱がホンモノだという証にもなる場面が訪れます

でも、知らないから反対していただけで、
ビリーのパフォーマンスをみたパパはすっかり変わるんですが、
この辺りも説明的でなく、さくさくした流れの中にも肉親の愛情が感じられて良いです♪
そしてあわやこのままかと思いきや、ロイヤル・バレエ学校のチャンスを掴みにいくのですね

撮影当時13歳だったというジェイミー・ベルくん。6歳からダンスをやっていたというだけあって
その上達の過程をリアルに演じていました。

当時英国民の関心を集めていた炭鉱ストを絡めたストーリー展開は、
日本の炭鉱の閉鎖から見事に「フラガール」を生んだあの兄妹を思い出させますし、
イギリス制作ということで、ロックの名曲も使用されて効果的
臨場感あるストライキ行動の群集シーンは、地元の元炭鉱夫の方たちがエキストラ参加というだけあってかなりの迫力があります♪

観終わった時、ちょっと「キンキーブーツ」を思い浮かべました。なんとなく、ちゃんと生活臭があってエネルギッシュで
どこか揺るがない希望のようなものを与えてくれるからでしょうか。
やっぱイギリス制作の作品って、好きかも~

今後の放送~IMAGICA BS

ロボジー

2012-01-22 01:02:21 | the cinema (ラ・ワ行)

製作年度 2011年
上映時間 111分
脚本 矢口史靖
監督 矢口史靖
音楽 ミッキー吉野
出演 五十嵐信次郎/濱田岳/吉高由里子/川合正悟/川島潤/田畑智子/和久井映見小野武彦/森下能幸/田中要次/田辺誠一

「ウォーターボーイズ」「ハッピーフライト」の矢口史靖監督が贈る痛快ドタバタ・コメディ
弱小家電メーカー、木村電器に勤務する小林、太田、長井の3人は間近に迫るロボット博での企業広告を目的に、二足歩行のロボット開発に奔走していた。しかし、発表直前の1週間前にロボットが大破してしまう。慌てた3人はとっさの判断で、一人暮らしの頑固老人・鈴木(五十嵐信次郎)をロボットの中に入れて出場したところ、鈴木の奇妙な動きが絶賛され……。

今月の楽しみな1本でしたが、期待しすぎたのでしょうか~?
とにかく矢口監督らしいゆるさで、それがいい味にもなっているんですが、
デビルズ・ダブル」を観た後でもあり、あまりにまったりとして起伏がないし、笑えないし.....
久しぶりに途中で出ようかと思いました
ごめんなさい、超辛口デス。
ファンの方はスルーして下さいね

基本ワタシはこういう映画やドラマは突っ込みなしで楽しめる方だと思うんですが、
或いはツッコミながら、それを楽しんだりもする方なんですが、
コレは突っこんだら・・・もぅ笑えません、、、




映画的にはああいうオチでOKなんでしょうが、
やっぱりヘンに笑いを取りにいかないで、WBみたいなラストが私は好きです。
ガンバリはきっと実になるというような、そんなラストがいいなあ

キャストはみんなヨカッタです。
吉高さんはやっぱり、シリアス系よりこういう役が似合っててよかったし、
だから余計にああいうラストで悦に入って欲しくなかったかも。
エンディングの「MR. ROBOTO」を使いたいための映画だったの?というくらい
ドモアリガ ト ミスター・ロボット~
ミッキー・カーチス率いる「五十嵐信次郎とシルバー人材センター」のカバーが合ってました(笑)

ワイルド7

2011-12-30 13:56:47 | the cinema (ラ・ワ行)

悪を撃ち抜け
愛を守り抜け

上映時間 109分
原作 望月三起也
脚本 深沢正樹
監督 羽住英一郎
音楽 川井憲次  主題歌 L’Arc~en~Ciel (Ki/oon Records)
出演 瑛太/椎名桔平/丸山隆平/阿部力/宇梶剛士/平山祐介/松本実/要潤/本仮屋ユイカ/中原丈雄/吉田鋼太郎/深田恭子/中井貴一

「週刊少年キング」で連載され、1972年にはテレビドラマ化もされた漫画を映画化したアクション・エンターテインメント
凶悪犯の処刑を許された警視庁の超法規的組織“ワイルド7”。そこに所属する7人のメンバーも飛葉大陸はじめ、いずれ劣らぬ元凶悪犯たち。彼らはワイルド7の創設者にして指揮官の草波勝警視正に率いられ、それぞれの特殊技能を武器に犯罪者を秘密裏に抹殺していく。そんな中、ワイルド7の出動に先回りして標的を仕留める謎のライダーが現われる。ライダーの行方を追う飛葉だったが、今度はウイルスを積んだ飛行船を東京上空で爆破させるというバイオテロの犯行予告が。そして犯人グループを追い詰めるワイルド7の前に、またしても謎のライダーが現われる。さらに、事件の裏側でうごめく驚くべき陰謀の正体が次第に明らかとなってくるのだが…。

逮捕も裁判もなしに凶悪犯を処刑する―。
どうしようもなく凶悪な犯人に対して、そうあれたらスカッとするだろうなあ~という、
少年漫画の中だけでなく、そういう事ってあると思います。私はあります
よく、ゴルゴ13が居ないもんかと思うことがあるんです(笑)

でも、この「ワイルド7」は秘密裏にとはいえ、一応権限を与えられた超法規的警察組織なわけで、
かれらは全員、指揮官である草波勝警視正によって集められ、鍛え抜かれた元犯罪者。
一応、ターゲットは国家の敵、国民の安全を脅かすもので、草波の命令で動くわけですが、
嘗ては悪の側にいた彼らが淡々として命令を受け止め、嬉々として始末する―。
そんな日々の中で彼らのバックボーンとか、男同士の絆であるとか、
蘇る、人を愛しいと想うキモチなどが描かれつつ、十三人の刺客めいたクライマックスに向かいます。




原作ファンは結構厳しいご意見の方もいらっしゃるようですが、
原作設定から40年近くが経ち、それを踏まえて今回キャラ設定も変えられたんでしょうか。
あまり細かいことを気にしなければ、
ライダーはもとより、そうでない単にアクション映画でスカッとしたい方にも楽しめる作品だったのではないかと思っています。
瑛太が殆ど自分でこなしたという時速100Kで恭子ちゃんを後ろに乗せてジグザグ爆走するシーンは
かなりスリルがあります!
このシーンで、最初はちょっと怖がっていた恭子ちゃんが、本番ではユキになりきって、
瑛太をつかむ手にも力が入って、その表情も一変したという記事は前にご紹介しましたが、
恭子ちゃんがカッコイイです
いくら周りの車がプロ集団とはいえ、監督の挑戦を受けた瑛太くんもスゴイ

アクションとは無縁のイメージのこの二人が、なかなかクールで新鮮でした

バイクスタントの第一人者といわれている方が、一番弟子にしたいと仰った阿部力くんも
その昔この作品を映画化する時には自分を使って下さいと監督に申し入れたという桔平ちゃんも、
ちゃんと見せ場がありましたが、でも、最後にさらりと美味しいところを持っていくのは
ナント、あの方


全体に、説明的な部分がない為、この7人のキャラが観てれば解るよ的で(笑)
やや感情移入はし難いですが、
後味は意外に爽やかなので、お正月映画として気楽に観ると楽しめると思います

まあ、「海猿」の羽住監督らしいところは随所に見受けられますが、
極めつけはやっぱりエンディングでしょうね~
でも、壮大過ぎるぐらいの「海猿」の音楽は私はちょっとと思った前作でしたが、
本作の音楽は川井憲次さんやっぱり力強く男性的なスコアで、好かったです

お正月にまた違う友人と、もう一度鑑賞予定です

<年末年始オススメ映画>今冬外せない「M:I」や「源氏物語」「タンタンの冒険」などを紹介

リアル・スティール

2011-12-19 22:02:39 | the cinema (ラ・ワ行)

「リアル・スティール」――。
それは、親子の絆が生み出す、“本当の強さ”。

原題 REAL STEEL
製作年度 2011年
上映時間 128分
脚本 ジョン・ゲイティンズ
監督 ショーン・レヴィ
音楽 ダニー・エルフマン
出演 ヒュー・ジャックマン/ダコタ・ゴヨ/エヴァンジェリン・リリー/アンソニー・マッキー/ケヴィン・デュラン/ドカール・ユーン/オルガ・フォンダ/ホープ・デイヴィス

人間に代わってロボット同士が死闘を繰り広げるロボット格闘技の世界を舞台に、全てを失ったひとりの男が最愛の息子との絆を取り戻していく姿を描く
人間に代わって高性能のロボットたちが死闘を繰り広げるロボット格闘技の時代が到来。ボクシングに全てを捧げてきた男チャーリー・ケントンは、ついに戦う場所を奪われ、プライドも生きる目的も失ってしまう。そんな人生のどん底であえぐ彼の前にある日、11歳の息子マックスが現われる。別れた妻が急死し、赤ん坊の時以来会っていなかったマックスの面倒を見るハメになってしまったのだ。困惑するチャーリーにマックスも心を閉ざしたまま。そんなある日、マックスがゴミ置き場でスクラップ同然の旧式ロボット“ATOM”を発見する。小さくてオンボロのATOMだったが、彼には特別な能力が備わっていた。やがてチャーリーとマックスは、ATOMを鍛えてロボット格闘技に挑むのだが…。

定時で終わった平日、夕方の回滑り込みセーフでした
今月一番楽しみだった1本♪とってもヨカッタです
観終わって直ぐ、一緒に観るはずだった友人や、子供にメールしてオススメしました(笑)

夢を失くした元ボクサーの父と、母を亡くした息子に奇跡の出会いが待っていた!
ストーリー、展開も、特に目新しい訳ではなくこういう家族の再生モノとしては
王道中の王道をいくものですが、特にロボット好きでなくとも
ボクシング好きでなくとも楽しめる作品だと思います


人生のどん底で、プライドもなく勝つための資金も作戦もなく、
行き当たりバッタリのプロモーターだったケントンが
マックスを得て、ATOMと出会い、息を吹き返す



家族を捨てた父と息子の再会。。
父は親としてのいいところを息子にみせられないけど、
そんなケントンのジムのオーナー、ベイリー・タレットが
マックスに父のカッコヨカッタ過去のボクサー時代を話すことから
ATOMを世に出すチャンスに繋げる


荒んだ近未来。人々は束の間の興奮をロボット格闘技に求めるけど、
ATOMは特殊な能力を持って、マックスとケントンと共に闘い彼らを再起させる
「自分を信じること」「セカンドチャンスは必ずある」というメッセージが素直に響いてきます

ベイリーの母性を感じる愛に満ちた存在もよかったし
チャーリー・バートレットの男子トイレ相談室」ではチャーリーのママだったホープ・デイヴィスも
本当に甥っ子が可愛くて仕方がない伯母さま、よかったわ♪

だけど、何といってもATOMとシンクロするマックスが可愛い♪
ATOMとシンクロするヒュー・ジャックマンが可愛い♪(笑)
クライマックスは、と~っても盛り上がりました~~

私がクマにキレた理由(わけ)

2011-07-18 00:00:16 | the cinema (ラ・ワ行)
原題 THE NANNY DIARIES
製作年度 2007年
上映時間 106分
原作 エマ・マクローリン 『ティファニーで子育てを』(文藝春秋刊)
監督 シャリ・スプリンガー・バーマン/ロバート・プルチーニ
出演 スカーレット・ヨハンソン/ローラ・リニー/アリシア・キーズ/クリス・エヴァンス/ニコラス・リース・アート/ドナ・マーフィ/ポール・ジアマッティ

ベビーシッターの目から見た上流家庭の実態をリアルに描き、アメリカの女性から支持されたベストセラー小説を映画化。
ステキなエリートを夢見るアニー(スカーレット・ヨハンソン)は、ひょんなことからマンハッタンのゴージャスなマダム、ミセスX(ローラ・リニー)に雇われ、彼女の幼い息子の面倒を見るベビーシッターとして働くことに。しかし、自由なニューヨークの生活を夢見ていたアニーは、自分勝手なセレブ一家に24時間振り回されるハメになる。

久しぶりの休日は、溜まった家事に追われあっという間。
先日より(先月?)録画してあったBSのこの作品を観るのが精一杯でした。

タイトルから、もっとドタバタしたコメディなのかと思っていたら、
エリートを夢見ていた新社会人スカちゃんの、自分探しの物語でした。

どこの国でも、親は子に高学歴・高収入を望み、或いは押し付けようとするものなのか?
この物語の主人公アニーも、親の期待をひしひしと感じ、それなりに頑張ってきたものの、
気づいてみれば自分はどんな人間なのか?面接官に語れない
ナントナク・・スーツを着てカッコよく働く自分を想像していたけど違うのかも?で、
親にはほんとのことが言えないまま、偶然知り合ったミセスXの誘いで
アッパーイーストサイドの彼女の家で住み込みのナニーとなるが・・・

その生活は、観ているコチラが肩で息をしそうな超ー激務
体力的にも精神的にも、ナニーって大変なのねぇぇぇ、、、

破綻した夫婦生活がマダムを更に自分磨きに駆り立てるのか、彼女には母としての時間がない。
やんちゃな子供グレイヤーの反抗も、両親の不在からくる寂しさからだと気づき、
アニーはここで、大切なことを見失っている女性を知るわけ。

最初にこの作品の予告を観た時には某局の2時間ドラマ○○は見た!を真っ先に思い浮かべましたが(笑)
ナンタケットへのX家の旅行のくだりでは「スパングリッシュ」も思い出しました。

スカちゃんは溌溂として勿論可愛かったですが、
ミセスXを演じたローラ・リニーが流石の演技に存在感でしたし、
ハーバード大生、クリス・エヴァンスがここではなかなか素敵で好みでした

自分にはナニができるのか?
それより、自分は何がしたいのか?
アニーは答えを見つけたでしょうか・・・?



わたしを離さないで

2011-04-05 23:50:53 | the cinema (ラ・ワ行)
この命は、誰かのために。
この心は、わたしのために。

原題 NEVER LET ME GO
製作年度 2010年
製作国・地域 イギリス/アメリカ
上映時間 105分
原作 カズオ・イシグロ『わたしを離さないで』(早川書房刊)
脚本 アレックス・ガーランド
監督 マーク・ロマネク
音楽 レイチェル・ポートマン
出演 キャリー・マリガン/アンドリュー・ガーフィールド/キーラ・ナイトレイ/シャーロット・ランプリング/イゾベル・ミークル=スモール/チャーリー・ロウ/エラ・パーネル/サリー・ホーキンス

イギリスの文学賞・ブッカー賞作家カズオ・イシグロの同名傑作小説を若手実力派キャストの共演で映画化した異色のヒューマン青春ストーリー
外界から隔絶された寄宿学校ヘールシャムで、幼いころから共に日々を過ごしてきたキャシー(キャリー・マリガン)、ルース(キーラ・ナイトレイ)、トミー(アンドリュー・ガーフィールド)。普通の人とは違う“特別な存在”として生を受けたキャシーたちは、18歳のときにヘールシャムを出て、農場のコテージで共同生活を始める。

地震後、一番早く営業を始めたシネコンでは上映がないため、長く待ちましたが、ついに観ることができました。
久しぶりのキーラ出演作。
先に一言で言ってしまうと、切なく悲しい物語ですが、良かったです。。。

公式サイトも予告も観ないで行ったのですが、、、これは、
もうキャッチコピーがネタバレというか、チラシの数行で、勘のいい方ならヘールシャムの秘密にも、
従順すぎるこどもたちの秘密にも・・・早い段階で気がつくでしょう。

それでも、敢えて、情報を持たずにご覧になる事をオススメします。

これは冒頭のシーンがラストに繋がるというタイプの作品なので、
冒頭出てきた二人・・・・ということで、そこからもう3人の終末は推し量れるのです。

そこからキャシーの回想と言う形で語られる寄宿学校で過ごした幼い日。
3人はどんな子供だったのか・・・
ヘールシャムはどんな所だったのか?
そこかしこに秘密の臭いがたちこめていて、子供たちの可愛らしさも魅力的だし、
またその演技にも惹きこまれます。

そして、子供時代の彼らに感じた予感が現実となる成長し、コテージへと舞台が変わっても
3人は変わらず・・・キャシーはやさしい優等生。
ルースはいつもキャシーを窺い、トミーは、、、、

ここでは結構幼くみえるアンドリュー
三角関係、と一口に言えない
実際は3人の中で彼が一番年上

宿命という言葉の持つ残酷なまでに冷淡な響き......それでも恋をして、繋がっていたい....

彼らの純粋さ、従順さは子供の時のまま・・・
後半に訪れる、生まれた時から予定されたその瞬間に観客も立ち会いますが、
ルース(キーラ・ナイトレイ)の演技は瞼にも心にも焼きつき、忘れられない.......

つぐない」が思い出されますが、今回のキーラは窓からみつめる側・・・
みつめられるのは一緒に育ったふたり――
3人の生に対する想い、その切なさは「月に囚われた男」のサムの悲哀を思い起こさせます。
また手首のセンサーで管理された社会は、「ガタカ」っぽいですが、
全体には萩尾望都の透明感ある世界に近いものを感じました。
やるせなさに包まれる作品ですが、上に挙げたような作品がお好きな方にはオススメです。

ラスト・ソルジャー

2010-12-07 01:09:40 | the cinema (ラ・ワ行)
逃げるが
勝ち!!

原題 大兵小将/LITTLE BIG SOLDIER
製作年度 2010年
製作国・地域 中国/香港
上映時間 95分
監督・脚本 ディン・シェン
出演 ジャッキー・チェン/ワン・リーホン/ユ・スンジュン/リン・ポン

ジャッキー・チェンが構想に20年を費やし、原案、主演、製作、武術指導を務めたアクションムービー。
戦国時代の中国、厳しい戦いを生き延びてきた梁の兵士(ジャッキー・チェン)は、敵国・衝の負傷した若き将軍(ワン・リーホン)を捕らえる。報酬目当てに捕虜として連れ帰り、故郷で平和に暮らそうともくろむ兵士だったが、その道中をさまざまな障害が阻む。さらに将軍を暗殺しようとする衝の捜索隊まで現れ、兵士は将軍を命懸けで守る羽目に……。

新宿インシデント」でも「ベスト・キッド」の時も、ジャッキーの見事なアクションは封印でしたので、
コメディだし、彼のアクションはナイだろうという気持ちで行きました。
が、年をとったとはいえ、やっぱりスタントなしのアクションもみせてくれています♪

戦国時代の中国は日本の戦国時代と大差ないようにみえる。
将軍の首で、日本の場合褒美はどのくらいとか、想像もできないが、
ジャッキー扮する狡猾な老兵士は、なにがなんでも生きて故郷に帰り、百姓をして平和に暮らしたい。
それには運良く捕らえた将軍を手土産に、褒美の畑を手に入れたい。

そんな兵士に捕まった将軍は、なにやら事情を抱えており、執拗な追っ手が梁を目指すふたりを
何処までも執拗に追ってきて…―

基本的には少年に向けた、コメディタッチの時代劇なのだけれど、
将軍を追い、暗殺しようとするウェン太子(ユ・スンジュン)の雰囲気が漫画チックで面白いし
私は初見の将軍役ワン・リーホンも華があってなかなかいい
なにより姑息ながら、根っから農民気質の兵士を飄々と演じるジャッキーの踊るようなアクションも観れて、
最後まで飽きさせないのは流石でしょう。




大国の将軍と小国の兵士。
かみ合わない二人の男の姿を通して描いていく物語の結末は、意外なようで、
でもきっと、、スリリングだけどゆるい、願っているだけでは叶わない『平和』を実現するために、
敢えてしたラストだという気がしました。
戦争を描きながらも暗くないし、楽しいけれど、
全編を通して、ジャッキーのメッセージを強く感じる作品でした