to Heart

~その時がくるまでのひとりごと

恋のためらい/フランキーとジョニー

2011-10-14 22:37:06 | the cinema (カ行)

原題 Frankie & Johnny
製作年 1991年
原作:脚本 テレンス・マクナリー
監督 ゲイリー・マーシャル
出演 アル・パチーノ/ミシェル・ファイファー/ヘクター・エリゾンド/ネイサン・レイン/ケイト・ネリガン
コックのジョニー(アル・パチーノ)は、ウェイトレスのフランキー(ミシェル・ファイファー)に心ひかれる。ジョニーに興味を示す同僚のコーラ(ケイト・ネリガン)を尻目に、ジョニーの熱心な誘いにもいっこうに乗ってこないフランキー。しかし従業員の送別会の夜、フランキーの冷たい態度にもメゲずみんなの中で生き生きと踊るジョニーの陽気さに、フランキーは少しずつ心を動かされ―・・・

刑務所を出たジョニーは、長距離バスにゆられてニューヨークに降り立つ。
そして大都会の喧騒に、しばし立ち尽くし――という、
ここは名作「真夜中のカーボーイ」のジョン・ボイト風。

ニューヨークの街角にあるダイナー、アポロ・カフェは活気に満ちていて、
様々な国からやって来て、それぞれの人生を生きる人たちの悲喜こもごももテンポ良く挿入されて、
ニューヨークという大都会の匂いも感じさせながら、ジョニーの新しい恋、新しい人生は始まる。

空気が読めないのかと思うほどに、陽気に一途にフランキーにアタックするジョニーにも
切ない思いがあるのだけど、、彼は人生を新しくスタートさせたい。
少々性急とも思える情熱で、フランキーに向かってまっしぐらのアル・パチーノがセクシー

一人でいるのは寂しいのに、二人でいるのが怖い・・・―フランキーは、
アパートの窓ごしに、隣のアパートで展開される隣人の生活を眺めながら孤独な夜を過ごす。
この描写が、彼女やニューヨークに生きる人たちの様々を想像させて、うらぶれ感もイイ・・・
ジョニーの人柄に触れて、揺れながらも後ずさる彼女の傷とは・・・

「スカーフェイス」では兄妹だった二人が8年後の、このラブストーリー。
そして、この作品の翌年の「セント・オブ・ウーマン」で、パチーノはオスカーを獲るのですよね。
暗い闇の底から悲しみを湛えて光るパチーノの瞳もいいけれど、
オジサンなのに好きな女に一直線のカレもなかなかイイと思える大人のラブストーリーです
コメント (4)
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ゴーストライター

2011-09-06 21:09:03 | the cinema (カ行)
知りすぎた、男(ゴースト)――。
原題 THE GHOST WRITER
製作年度 2010年
製作国・地域 フランス/ドイツ/イギリス
上映時間 128分
原作 ロバート・ハリス 『ゴーストライター』((講談社文庫刊)
脚本 ロバート・ハリス/ロマン・ポランスキー
監督 ロマン・ポランスキー
音楽 アレクサンドル・デスプラ
出演 ユアン・マクレガー/ピアース・ブロスナン/キム・キャトラル/オリヴィア・ウィリアムズ/トム・ウィルキンソン/ティモシー・ハットン

戦場のピアニスト』などの巨匠ロマン・ポランスキー監督が、ロバート・ハリスの小説を映画化したサスペンス
元イギリス首相アダム・ラング(ピアース・ブロスナン)の自叙伝執筆を、破格の報酬で引き受けたゴーストライター(ユアン・マクレガー)。その仕事の前任者が事故死したこともあり、彼は気乗りがしないままアメリカ東部の島へと向かう。同じころ、イスラム過激派のテロ容疑者に対する拷問への元首相の関与が取り上げられ……。

派手なアクションも無く、サスペンスとしても序盤で展開が読めるものでしたが、
好きな雰囲気の作品でしたので、飽きずに楽しめました。

ピアース演じる元イギリス首相ってのが、時にハンサムな某国の元大統領か~?とか、イヤ、
この流れだとアノ故大統領か~?とか(笑)
結構リアルと照らし合わせると可笑しいセリフなんかもあり、
ちょっと初めは脱力系?かと思ったゴーストライターのユアンが、
いかにも英国男子なお茶目なジョークを言ってくれちゃったりと、愉しめます♪

ですが、この作品、本当に華が・・・・ないのよね~。
秘書のキム・キャトラル・・う~~ん何歳?(笑)
で、その秘書にいらつく元ファーストレディ(オリヴィア・ウィリアムズ)が・・・なんか
もうプライド捨ててますって感じだったし、、
まあ可愛いだけの女じゃ勤まらないポジションでも、
コレ、ホントに殿方はそそられ(爆)奥方はシットに狂うか・・疑問なのでありました

まあ、だから余計にユアンが若いな~って(爆)





と、ミステリーファンなら先ずほぼ全ての方の予想を裏切らない展開に、結末
なのですが、ハードルを下げてご覧になれば、舞台設定なども結構すてきだし、
ミスリードに引っかからない自分にマル。の、安心して愉しめる作品でした(←褒めてます)
コメント (19)
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こちら葛飾区亀有公園前派出所 THE MOVIE ~勝どき橋を封鎖せよ!~

2011-08-13 23:57:22 | the cinema (カ行)
両さんが
日本の元気を 守る!

製作年度 2011年
上映時間 112分
原作 秋本治 (集英社『週刊少年ジャンプ』連載)
脚本 森下佳子
監督 川村泰祐
音楽 菅野祐悟
出演 香取慎吾/香里奈/速水もこみち/伊武雅刀/柴田理恵/ラサール石井/谷原章介/沢村一樹/平田満/深田恭子/夏八木勲

2011年に連載35周年を迎えた国民的人気コミックの映画版。
有公園前派出所に勤務する型破りの巡査長、両津勘吉(香取慎吾)。ある日、初恋の相手、桃子(深田恭子)と再会する。旅芸人一座の看板女優として活躍する彼女には、小学生になる一人娘ユイがいた。桃子がシングルマザーと知り、淡い期待をふくらませる両さん。そんな時、警察庁長官の孫娘が誘拐されるという一大事件が発生する。かつてない大規模な捜査態勢が敷かれるが、誘拐されたのが孫娘ではなく、クラスメイトのユイと判明。拍子抜けした捜査陣の士気が下がる中、中川(速水もこみち)と共に必死に犯人追跡に奔走する両さんだったが…。


コチラは、TVドラマが不評だったせいか、映画化が公表された時から散々な言われようで
内心は心配でしたが(笑)最初の予告を観た時点でその心配もなくなりましたが、
公開初日の夜の回、観てきました♪

某局のドラマは、一緒に観た友人も私も、1回でリタイアしちゃった方だし
実際恭子ちゃんがマドンナでなければ観に行かなかったのは確実ですが
やはり難しいこと無しの娯楽作品、テレビ版とはまるで違うデキ。
主演の香取さんはかなりコドモ向けであるかのようにアピールしていましたが
オトナの「こち亀ファン」も納得の、単純に面白い作品になっていたのではないでしょうか

でっ・・
公開初日のT□Sで放送された映画「こちら葛飾区亀有公園前派出所 THE MOVIE」ナビ
私は鑑賞して帰宅してから録画で観たんですが、、ハッキリ言ってもろ見せ過ぎですよね
まぁ、殆ど映画を観終わった気にさせられます(爆)
作品中の美味しい画もみせちゃってるし~

ただ、この作品は、ある程度ストーリーの予測がついてもあまり影響ないテのものなんですね。




アニメや漫画の両さんのイメージより、ちょっとおとなし目でキュートな香取・両さん♪
ちょっとセコくてそこそこやんちゃで、単純で人情味があって~という両さんの、
ちょっぴりスマートなビジュアルを除けば、なかなかキャラも決まっていたように感じました

勝鬨橋をみながら初恋に思いを馳せる両さんが、
20年も経っているにもかかわらず桃子を一目見て思い出し(笑)
一座に押しかけ入りびたり、一気に結婚しちゃうかも~の展開は
いかにも漫画っぽくて、すんなりその世界を受け入れられました(笑)

誘拐事件が勃発すると、いきなり「踊る~」モードになりますが、
ここでもレギュラー陣はコミカル担当で、ゲスト俳優陣はシリアス担当。
そのバランスが、こういうコメディ作品は難しいところですが、そこはかなりヨカッタと思います。
しかし犯人は結構予測がつくので、というか、もうこのキャストを見た段階でこれしかない(笑)
なので、もう、「動機はなんなの?」「どういう決着をつけるの?」に後半は関心がいきました。

人生は平等ではない。

人を傷つけても自分の人生が何一つ変わらない順風な人生を歩いていく人もいれば
何一つ悪いことをしたわけでもないのに、誰かの過ちによって不運な人生を歩む人もいる―。
―今回もまた、犯人にとっても、アノヒトにとっても、
赦し」がテーマになっていましたね~。

そのテーマ自体はオトナに向けたものかも知れませんが、
良い事ばかりではない大人の姿、善きひとが犯罪に転じる感情、顛末を、
子供にも理解できる解りやすさで描いていると感じました。

「こち亀」漫画世代にもどこか懐かしく、
昭和を知らない子供にも、その下町っぽさを楽しめる作品になっていたのではないでしょうか

脚本の森下佳子さんは最近では「JIN-仁-」や「白夜行」「世界の中心で、愛をさけぶ」など
シリアスものが多いですが、「平成夫婦茶碗」の方なんですよね~。
なので人情モノは得意なはず
そして音楽は菅野祐悟さんとくれば「外交官 黒田康作」「踊る大捜査線 THE MOVIE 3 ヤツらを解放せよ!」ですよ
他にもドラマや映画で印象的な作品が多く「アマルフィ 女神の報酬」「不毛地帯」「容疑者Xの献身」「ガリレオ」「アテンションプリーズ」「輪舞曲~RONDO~」
ちょっとかかればドラマのシーンを思い出せそうです。
この作品でもずんずん引っ張っていってくれます

そして恭子ちゃんファンとしては見逃せない、プロデューサーの中に瀬戸口克陽氏のお名前を見つけました。
そう!あの名作 friends (2001)のPのお一人でした!その繋がりがなんとなく嬉しい♪

テレビの特番、ナビのインタビューで恭子ちゃんが言ってましたが、
「香取さんの魅力が加わった、新しい両さん。」なのですね~。
肩の力をぬいて愉しむキモチでご覧になれば、普通に笑えてちょっとじんわり出来ると思います
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海洋天堂

2011-08-09 02:17:34 | the cinema (カ行)
           

平凡にして偉大なるすべての父と母へ――。
原題 海洋天堂/OCEAN HEAVEN
製作年度 2010年
上映時間 98分
製作国・地域 中国
脚本・監督 シュエ・シャオルー
撮影 クリストファー・ドイル
音楽 久石譲
出演 ジェット・リー/ウェン・ジャン/グイ・ルンメイ/ジュー・ユアンユアン/カオ・ユアンユアン/ドン・ヨン

世界的アクションスター、ジェット・リーが得意のアクションを封印して挑む父と子の感動のドラマ。
水族館勤務のシンチョン(ジェット・リー)は、21歳になる自閉症の息子ターフー(ウェン・ジャン)を男手ひとつで大切に育ててきた。ある日シンチョンはガンで余命わずかと診断され、息子の将来を案じて心中を図る。だが、泳ぎの得意なターフーが海面に顔を出したため、シンチョンは息子に一人でも生きていけるよう教育することを決意する。

昨年から日本公開に向けて活動していらっしゃるしゅうさんの活動に微力ながら参加させていただき、
公開を楽しみにしてきましたが、関東でのスタートが7月と言う事で、
もしかしたら行けないんじゃないかと気をもんでいましたが、滑り込みセーフ

会社を一歩出た時から走り続けて、電車を乗り継ぎ、
シネスイッチ銀座にたどり着いたら入場規制?とにかくあそこでは初めての経験でした!
公開週の満足度ランキングが1位だったのもあったかも知れません。
その日が金曜日でサービスデイ(誰でも900円)だというのもあったでしょう。が、
とにかく最前列まで、ほぼ100%の入りだったでしょう。大盛況でした!

「平凡にして偉大なるすべての父と母へ」というキャッチコピーが温かく胸に沁みる、
看板に偽りなしといっていい、
子を想う親の、愛と、
その子を遺していかなければならない焦燥感と寂寥感。
繰り返される日常の中に漂う不安と孤独を、ジェット・リーが見事に見せてくれるのですが、
今、親ではない人も、
きっと親の心に触れられる・・そんな作品でした。

ひと口に『自閉症』といっても、その障害の重度も症状も様々で、時間をかければ
一定の社会生活をこなせる人から、本作のターフーのように知的障害を伴う場合などあり、
本当に親が病気になったら・・・ぃや、病気になれない、そんな差し迫った父と子―。
世界のどこかで、きっと今、現実にあることなのです。

大事に面倒を見てきたシンチョンが、自分が安心して逝く為に
ターフーを導く様は、心が痛みます。。。一人の親として、共感できるその姿にやられます・・。
そして、ターフーを安心させて逝く為に、彼がターフーに与えたもの・・・!!

こういう場合、他人は本当に、よき隣人の域を出られないのだと思いました。



ジェット・リーのノーアクション、ノーギャラでの出演が話題になりましたが、
それほどに彼が惚れ込んだ作品。
ただ、子を想い、幸せへの道しるべを探す死期の迫った父――、愛情深く演じていて
とても素敵でした

グイ・ルンメイちゃんは相変わらず透明感を感じさせる存在。
ここでもちょっと切ない鈴鈴チャン、よかったです!
そして、ターフーを演じたウェン・ジャンに、拍手

クリストファー・ドイルの描き出す水の青!
その水の深い流れとシンチョンのこころの漂いを奏でる久石譲の音楽もヨカッタ・・・

シネスイッチ銀座では8/26(金)迄は確実に上映されるそうです。
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奇跡

2011-06-15 23:11:35 | the cinema (カ行)
あなたもきっと、誰かの奇跡。
製作年度 2011年
上映時間 128分
脚本/編集/監督 是枝裕和
音楽 くるり
主題歌 『奇跡』くるり
出演 前田航基/前田旺志郎/林凌雅/永吉星之介/内田伽羅/橋本環奈/磯邊蓮登/オダギリジョー/夏川結衣/阿部寛/長澤まさみ/原田芳雄/大塚寧々/樹木希林/橋爪功
離婚した両親がやり直し、再び家族4人で暮らす日を夢見ている航一(前田航基)。母親と祖父母と鹿児島で暮らしながら、福岡で父親と暮らす弟・龍之介(前田旺志郎)と連絡を取っては家族を元通りにする方法に頭を悩ませる航一は、九州新幹線全線開通にまつわるうわさを聞きつけ、ある無謀な計画を立て始める。

小学6年生の航一と小学4年生の龍之介は,電話で近況を知らせあっているけど、
桜島の火山灰にまみれる日々も、坂の上の学校生活も、なにもかもが不満なのに、
父親と福岡で暮らす弟はどうやら毎日がたのしいらしい・・・家族がバラバラになったのに!
と、いらいらと明け暮れる兄の鹿児島での日々に、
やはり何度も転校しているちょっと大人びた同級生佑や、
小柄で大人しい真と、いつも3人でこぼしてつるんでいたある日、
詰まらない日々を変えてくれるかもしれない奇跡話・・・

3人は嘗て無いほどやる気を出して計画を立てる。
自分の一番の望みを、その一瞬に賭けるために――。

歩いても歩いてもは、大人になった嘗ての少年や、老いた母や父の、
過去の心のひだに溜っていた、家族ならではの記憶にスポットを当てたものでしたが、
コチラは、誰にも覚えのある少年の日の思い込みやすれ違いや、
子供らしからぬ、いや子供だからガマンして生きる柔軟さや
ガマンを強いられる中で折り合いをつけていく様子を、
是枝監督が相変わらず子供目線で活き活きと映し出しています。

現代に生きる子供たちですが、なぜか懐かしい。
それはきっと、まっさらで生まれたコドモの成長過程が
何十年も昔に子供時代を過ごした私などの時代と、思いのほか変わらないという点にあるのでしょう。

コドモは単純で残酷で、傷つきやすく、逞しい。
それでもオトナが与えた環境の中で、それなりに我慢もし、生きている。
コドモは好奇心と服従のせめぎあいの中で、
刻々と変わっていく。
一晩でだって成長し、変わってしまうのです
これはそんな愛おしいコドモの成長の瞬間に立ち会う奇跡なのですね

是枝作品の、是枝組ともいうべき沢山の大物が顔を揃えて、きっちり脇を固めていますし、
くるりの音楽も良くマッチしていたと思います。

一番大切なもの。一番の願い事。当たり前の幸せ―それが、奇跡。
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GANTZ: PERFECT ANSWER

2011-05-03 01:52:32 | the cinema (カ行)
上映時間 141分
原作 奥浩哉
脚本 渡辺雄介
監督 佐藤信介
音楽 川井憲次
出演 二宮和也/松山ケンイチ/吉高由里子/本郷奏多/夏菜/伊藤歩/田口トモロヲ/山田孝之

「週刊ヤングジャンプ」の奥浩哉の人気コミックを実写映画化したSFアクションムービー『GANTZ』2部作のクライマックスとなる後編。
電車に轢かれ、ガンツの世界に召喚されてしまった幼なじみの玄野と加藤。ガンツに命じられるまま星人との戦いに身を投じ、倒した星人に応じて加算される得点が100点になり、無事ガンツの世界から解放されることを目指していた。しかし、その戦いの中で加藤を失ってしまった玄野。やがて、100点到達の特典で人間を再生させることも可能と知り、加藤を生き返らせるために懸命に戦い続ける玄野だったが…。

冒頭、駆け足で前編の復習が短く流れますが、短すぎです(笑)
なので、先日日テレで放送された特番ANOTHER GANTZをご覧になった方は前編未見でもOK
ラッキーだったのではないでしょうか?
いきなりこの後編からだとしても、アクション映画としては楽しめると思います。

それほどにアクションものとしては、中盤まで、先の読めない展開にテンポもいいし
引き込まれますが、
前編からのなぜ?に全て答えが出るわけではなかったです。
むしろ謎は謎のまま、前編で私が感じたナゼ?は、
地下鉄事故の所謂目撃者もいるのに、二人の遺体があったのか?なかったのか?だけが、
テレビ版ANOTHER GANTZで、晴彦くんが、
この映画版では山田孝之くんが追ってくれる展開。

しかし、それ以外は解決されませんし、なんだか今回の敵(星人?)で、より私的には謎が増えてしまいましたが、
そこに拘ってはいられない展開は文句なくスリリング!
クライマックスはちょっとグロもありますが、面白いです

キャストは文句なし!
クール

で、ニノはカッコイイくろのクンを頑張っていたんだけれども、
クライマックス後の吉高ちゃんとのシーンは、演出も含めて意外にダメだった
イヤ決して可愛い吉高ちゃんにシットしたわけじゃありませんから(爆)
もう・・・長過ぎて退屈しちゃったよ~!引いた~・・・
あそこはその後に来る盛り上げシーンへの布石なんだと誰でも解るクサイ演出だったな~。
でも、やっぱり地下鉄を降り、、、のシーンではちょっとキタけど
その他でも、小島多恵メインで展開するところはことごとくちょっと詰まらなかったな~。なんでか解らないけど。

ま、松ケンも出番は結構減ってしまった感じだったけど、ちゃんと見せ場もあったし、
奏多くん、凄味を増してたし、山田君も存在感あり、トモロヲさんは・・、それでいいんですよね~。


ラストは、、続編も作れそうな〆方だと思いました。
でも・・玄野くんがあれじゃあ、そうもいかないか・・・

そうそう!前後編を通じて、川井憲次さんの音楽が印象的で、凄い存在感!
やっぱりいいわぁ~



コメント (10)
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GANTZ

2011-02-04 21:39:51 | the cinema (カ行)
製作年度 2010年
上映時間 130分 PG12
原作 奥浩哉
脚本 渡辺雄介
音楽 川井憲次
監督 佐藤信介
出演 二宮和也/松山ケンイチ/吉高由里子/本郷奏多/夏菜/綾野剛/戸田菜穂/田口トモロヲ/山田孝之

欧米でも高い人気を誇る奥浩哉の人気コミックを、前・後編の2部作で映像化したSFアクション超大作。
まったく就職が決まらない大学生の玄野(二宮和也)と、彼の幼なじみで正義感の強い性格の加藤(松山ケンイチ)は、電車にひかれて命を落としてしまう。しかし、黒い謎の球体“GANTZ”が彼らを呼び出し、“星人”と呼ばれる異形の敵との戦いを強いる。加藤は争いを避けるが、玄野はサバイバルに身を投じることを決意する。

ニノと松ケンが共演~というだけで、ほとんど去年の発表時の情報のままで観に行きました
全く原作はその存在さえ知りませんでしたが、とっても楽しめました

これは2部作の前編ということで、私が楽しみにしていたもう一人、山田孝之クンは、
2時間を過ぎても一向に登場せず・・・・・・ですが、
綾野クンも、戸田菜穂サンも、後編に登場、見せ場があるのかもですね。
因みに前編終盤にようやく出てくる山田君のキャラはオリジナルだそうで、原作ファンの方も、
彼の登場シーンには興味を引かれるところでしょう。

就活中の玄野は、一瞬「フリーター、家を買う。」の誠治に見えるんだけど、
彼らが召還された時点でただひとりサバイバルバトルを生き抜いていた高校生・西(本郷奏多)に煽られ、
幼馴染の加藤と再会したことで、昔の自分を思い出し、
玄野は次第に「自分がやるべきこと」の思いを強くしていく。

その家庭環境から、大きく人生を狂わせてしまった松ケン演じる加藤も、
どこかで自分の人生を投げてしまっているけど、正義感と優しい性格は隠せず、まだ幼い弟のためにも
生き残らなければならず、他の人と力を合わせて戦う決意をするのだけれど・・・

・謎の球体・ガンツは、一応中に生命維持装置をつけた男がいる。
・ガンツのミッションの、敵は異形の○○星人、けっこう多彩である。
・毎回、それぞれのガンツスーツと武器が用意されている。
・生きていれば(息があれば)転送され最初の部屋に戻され、ガンツは個人成績を表示。たとえば、
 「くろの 0てん ○○しすぎ」てなカンジで、
・2回目から累計も表示され、「あと○○点で おわり」てなカンジ。
・死者は画像で知らされ、これまでの死者の多くの画像の中に組み込まれる。
・100てんめにゅ~が選択できるらしい。
 
たぶん、この100てんめにゅ~が、彼らの希望となり、究極の選択になるだろう事は予想できるんだけど、
その採点の基準も解らない。
敵を倒したら100てんになるわけじゃないみたいだし、
アシストは点数に反映されないのかも判らない。(だってぇ、連係プレーとかで倒す場合もあるし。)

他にも、
おばあちゃんと孫という、戦意を持たないだろうひとまで転送されてきたのに、
一緒に死んだはずの加藤が助けようとした酔っ払いの姿がないこととか、
いつも彼らが一人の時にしか召還されないのか、とか。。
謎がいっぱいなんだけど、それも2作目の後編で明らかになることかな~。

 採点されちゃうぞ~

ニノや松ケンは当然カッコイイです!が、
その若者に混じって戦いの場にいる田口トモロヲさんが、ガンツスーツが意外に似合っていて新鮮~
イイネ!がんばれ、中年・期待の星

しばらく漫画を見ない私も、これだから日本の漫画家は凄い!と嬉しくなる発想の斬新さですが、
過激な戦いの中には結構アレやコレやが飛び散りますので、PG-12ですが、そこのところはご注意。

第2部の前売りももう開始されているみたいだし、あまり間をおかずに4月公開というのも嬉しい
楽しみにしたいと思います!
コメント (14)
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君に届け

2010-10-14 23:31:10 | the cinema (カ行)
本当に大切な想いは、
ゆっくりと伝えればいい。

製作年度 2010年
原作 椎名軽穂
監督 熊澤尚人
上映時間 128分
出演 多部未華子/三浦春馬/風早翔太/蓮佛美沙子/桐谷美玲/夏菜/青山ハル/金井勇太/富田靖子/ARATA/勝村政信

累計発行部数1100万部を突破し、テレビアニメシリーズも好評を博した人気コミックを実写映画化。
人一倍純粋で他人を思いやりすぎるあまりコミュニケーションが下手なヒロインが、初めての友だちや初恋に戸惑いや喜びを感じながら成長していく高校生活をさわやかに綴る。
見た目が暗く“貞子”とあだ名され、すっかりクラスメイトたちに恐れられてしまっている高校1年生の黒沼爽子。周囲の迷惑にならないようにと彼女なりに努力はするものの、どうにも空回りの日々。そんな爽子にとって、自分とは対照的に明るく誰とでもフレンドリーに接し、いつも輪の中心にいるクラスメイトの風早翔太は尊敬と憧れの対象。そして、自分にも優しく声を掛けてくれることに驚きと感謝の気持ちを抱いていた。やがて、その風早のおかげで千鶴&あやねとは親しく接してもらえるようになり、徐々にではあるが他のクラスメイトたちとも打ち解けるようになっていく。かつてない経験に幸せを噛みしめていた爽子だったが、あらぬ噂から千鶴&あやねに迷惑をかけてしまうことになり…。

今週は地元のシネコンのサービスデイが3つもあり、加えて、
夏頃まで半年に1~2本しか一緒に映画を観れなくなっていた友人が度々誘ってくるので、せっかくだから、、と
いいトシしたおばタンふたりで観てきました
ドラマファンな友人は、春馬クンも多部チャンも殆どのドラマを観てるとか。
何気に私も多部チャンは映画も観てる気がしてます。

で、絵に描いたような、少女マンガの、それも、ちょっとイマドキでない可愛さの青春ストーリー

爽やかな子と書いて爽子。なのに、
現実はいじめられっ子で、孤立していた。ケド、いじけていた訳ではなく、
いつも誰かの役に立ちたいと、1日一善を密かに自分に課していて、
自分が傷つくことより、誰かの迷惑になることを恐れるような、
孤独からくる強さを身に着けているような健気な子。

そんな序盤の多部チャン演じる爽子の子供時代のエピの見せ方など、ちょっと自虐の詩を思い出してしまった(笑)
可愛いけど、不運がつきまとう。
もう、多部ちゃんったら、可愛いんです♪
ウチにこんな子が居たら、私だって勝村パパみたいになっちゃうでしょ
貞子もお化けも、かみ合わないトンチンカンなところも、まるまるマンガ少女です



そんな貞子ちゃんに優しい眼差しを向けるただひとりの男子、人気者・風早クン役の春馬クンのキュートさもあり得ない~♪
真っ直ぐ見つめる目が澄んでいて(笑)
明るい笑顔はキラッキラ~まぶしいです!

ハブられている貞子に、ちょっとしたことから関心を寄せる吉田千鶴(蓮佛美沙子)矢野あやね(夏菜)の二人とのエピソードも、
少女マンガの王道をいくものですが、
恥ずかしながらうるっとしてしまうのです

こんな教師、いるのかあ~ナ、ARATA
高校何年生だよっっ!の金井勇太クンにもツッコミ入れながら、でも、
なんか安心して観ていました。そういう雰囲気があるのね。
そんなにおっきくない目で窺うように見上げる多部チャンと、爽やか過ぎてまぶしい春馬クンだし

凄い事件とかは起こらないけど、
些細なことでもちゃんと見つめてくれる人がいることの幸せとか、
だれかの名誉のために譲れないこととか、
勇気がないために知らないうちに人を傷つけてしまうこととかに気づきながら、
不器用な高校生たちが少しずつ成長していく姿に、なんだか心が洗われる・・そんな作品でした


コメント (6)
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K-19

2010-10-12 02:08:40 | the cinema (カ行)
NO MORE PANIC !
世界はまだ知らない。

世界なんか、一瞬で終わる。

原題 K-19 THE WIDOWMAKER
製作年度 2002年
製作国・地域 アメリカ/イギリス/ドイツ
上映時間 138分
監督 キャスリン・ビグロー
出演 ハリソン・フォード/リーアム・ニーソン/ピーター・サースガード/クリスチャン・カマルゴ/ピーター・ステッビングス

ソ連の原子力潜水艦K-19で1961年に実際に起った放射能事故を基に「ハート・ロッカー」のキャスリン・ビグロー監督が映画化したもの。
1961年、米ソ冷戦の最中、ソ連国家首脳部は原子力潜水艦K-19の処女航海の艦長にアレクセイ・ボストリコフを任命した。副艦長には経験豊富なミハイル・ポレーニンが就き艦は出航。この2人の意見はしばしば対立するが、K-19は次々にテストを成功させていった。困難なテストを乗り切り乗組員たちは束の間リラックスする。しかしその直後、新たな任務の遂行中、艦内の冷却装置のひび割れが判明する。原子炉は過熱し始め、このままでは炉心の溶融が避けられない。ボストリコフはじめ乗組員は、大惨事をくい止めるべくひとつの決断を下すのだった。

先日番組表でみつけて、録画しておいたもの。
面白かったんだけど、お家鑑賞の切なさ.......
途中3度も中断する羽目になって、しかもそのままになってしまいなんと3日かけて鑑賞(苦笑)
つくづく映画館に行けることの幸せを感じますね。。。

1961年当時は、米ソが競って核兵器の量を増大させていたのだろう。
米国の原子力潜水艦は、モスクワを射程圏内に配備され、両国は一触即発の緊張状態にあった。

そんな中、ソ連の誇る最新原子力潜水艦K-19内ではミハイル・ポレーニン(リーアム・ニーソン)艦長指揮の元、ミサイル発射の訓練が行われるが、失敗する。
その報告を受け、軍首脳部はアレクセイ・ボストリコフを新たな艦長に任命。
ポレーニンは副艦長に降格するがそれを不満に思い新艦長に反感を持つ乗組員も出てくる。
そんなK-19の処女航海は不穏な空気の中始まった。

軍の信頼も厚いボストリコフは、酔って居眠りしている原子炉の担当官を辞めさせるよう指示するがポレーニンは反対し、ここで二人の性格が浮き彫りになる。
艦長の要請で新たに原子炉担当官がやってくるが、海軍学校を出たばかりの成績優秀ではあるが未経験の若者(ピーター・サースガード)だった。

厳しく、妥協を許さないボストリコフの指揮の元、限界に挑む実施訓練が行われ、
どちらかというと任務より人命大事、穏健派のポレーニンと対立しながらも、実験ミサイル発射は成功を収めるが、
次の任務に向かう途中、
冷却装置のひび割れから原子炉が加熱し始め――

そのまま修復できなければ、搭載されている核の威力はヒロシマの数倍......
もちろん乗組員達は知識としての被爆者を知っていたのだろう。
狭苦しい潜水艦の中で、逃げられない人としての使命感に目覚めていく若ものと、
それがどんなに酷であっても、最善の判断を下し率いなければならない指揮官の葛藤が描かれていて、、泣かされます。

潜水艦のパニックものだけど、恐ろしいのは、これが現実にあった事故だということ。
目の前の恐怖から逃げたくても逃げることは許されないソ連原潜の120余名。
その緊迫した状況下で、上官と乗組員の間で起こった対立の図は、映画的演出だと思うけれど、
大勢の、身を挺した原子炉の担当官の勇気ある行為は現実に行われ、
その献身的働きによって、その先に起こったかもしれない戦争の危機から世界が守られたのは事実なのだろう。



厳しすぎる選択を迫られる海軍指揮官と、
上官の判断に人生を託さざるを得ない運命の乗組員たち。

これは紛れもなく戦争を語るドラマでした。


コメント (2)
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君が踊る、夏

2010-09-17 23:53:58 | the cinema (カ行)
この瞬間を、
この想いを、
ただ、
一生懸命(いちむじん)に!

上映時間 123分
脚本 香月秀之/松尾朝子
監督 香月秀之
主題歌 東方神起『With All My Heart~君が踊る、夏~』
出演 溝端淳平/木南晴夏/五十嵐隼士/大森絢音/DAIGO/藤原竜也(友情出演本田博太郎/宮崎美子/隆大介/高嶋政宏/高島礼子

高知のよさこい祭りをテーマに、難病の少女を巡る感動の実話を基にした奇跡の物語を「赤い糸」の溝端淳平主演で映画化。
5年前、よさこい祭りの実力派チーム“いちむじん”で纏(まとい)として活躍していた新平だが、現在はプロのカメラマンを目指して東京でアシスタントとして悪戦苦闘の日々。そんなある日、母の入院を知らされ帰郷した新平は、高校時代の恋人・香織の妹で、同じ病院に通う少女さくらと出会う。かつて幼い彼女と“一緒によさこい踊ろうな”と約束した新平だったが、その後さくらは難病を患い、今年が最後の夏かもしれないと言われていた。そんな中さくらは父と香織に、新平や香織と一緒によさこい祭りで踊りたいと懇願する。香織からその話を聞かされた新平は、戸惑いつつも、さくらとの約束を果たすことを決意、昔のメンバーを再結成して練習に励むのだったが…。

ミレニアムの続編を観ようと思っていた私、BECKが観たかった友人。中間をとって(爆)コチラを観てきました~。
ここのところお互いに時間が合わず、あんまり一緒に映画館に行けなくなっていたし、
予告編をみて、「よさこい」をもっと見たい気持ちがあったので♪

この作品は実話を元にしたものらしいので、所謂難病ものという触れ込みですが、
難病ものにありがちな重苦しさも息苦しさもないのは、今尚闘病中、という進行形の物語だから。
なので、どちらかというと爽やかな青春ドラマという印象でした。

高校卒業後の進路が決まり、もうすぐ上京という新平との約束を、
理由も明かさないまま別れてしまった恋人・香織に、ドラマ「銭ゲバ」の木南晴夏ちゃん。
その香織に惹かれている新平の親友・司に、ドラマ「ROOKIES」の五十嵐隼士くん。
親にも友人にも裏切られたような思いで、ひとり上京して、有名カメラマン(藤原竜也)のアシスタントとして頑張ってはいる新平だけど、
一向にチャンスも、進歩もなく、心が折れそうな時、
気まずいながら帰郷し、
周りの人の生き方に触れ、自分自身を見直す時間が流れて…という、キャストもなかなか嵌ってました。

ここには嫌な人は一人も登場しません。

難病の少女には、5年前に約束したよさこいの王子がいて、
彼女を母のように愛してくれる姉もいて―
希望を持ち続ける事が、奇跡につながるという見本のような、でも、本当の話

新平にしても、香織やさくらにしても、
ひとりで頑張っているようで、実は見守って支えてくれている人がいて、
それは離れて淋しさや孤独を知り、遠回りをして気づくことだったりする。
そして、それは何も田舎だけにある人との繋がりではない。ということがさり気なく描かれているのもいい。

で、「よさこい」
これは良かった
人ごみは苦手ですが、一生に一度はホンモノを観に行きたい!と思いました!
で、エンドロールが流れても、直ぐには席をたたないでくださいね。
この物語が現在進行形であることを教えてくれるショットを見逃さないでくさいね♪




躍動感があって本当に素晴しいそして、かっこいい

溝端くん、五十嵐くんのメイキング映像はコチラ
コメント (8)
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君がいた夏

2010-07-07 00:22:22 | the cinema (カ行)
誰にでも、一生忘れられない人がいる。
原題 STEALING HOME
製作年度 1988年
上映時間 99分
脚本 スティーヴン・カンプマン/ウィル・アルディス
監督 スティーヴン・カンプマン/ウィル・アルディス
音楽 デヴィッド・フォスター
出演 マーク・ハーモン/ジョディ・フォスター/ハロルド・ライミス/ブレア・ブラウン/リチャード・ジェンキンス/クリスティーン・ジョーンズ/ヘレン・ハント

1960年代半ば。フィラデルフィアで高校生活を送るビリーは、優しい母と、熱狂的な野球ファンの父の愛に育まれていた。早熟の女友達にセックスを学び、悪友との友情も築いてきた。だが、彼の心に一生忘れられない思い出を刻んだのは、従姉のケイティーだった。…時は経ち、プロ野球選手としても落ちぶれたビリーの元に、ケイティーが自殺したという訃報が入る。彼は、失意の中、彼女とともに過ごした故郷へと向かう。ビリーにとっては一番輝いていた青春の日々への旅立ちでもあった。
ジョディ・フォスターのみずみずしい笑顔が印象的な、ノスタルジックな青春ドラマ。


少年の日の夢を叶えて、プロ野球選手として活躍していたビリーも、今はすっかり怠惰な生活を送っていた。
そんなある日、従妹が彼に遺言を残して自殺したと言う知らせが―。
遺骨の安置場所を彼に託すというのだ。
物語は、彼が小学生のある日に遡る。
年上のちょっとキケンな匂いを振りまく従姉のケイティーと、それに抵抗しきれないビリー。

そんな関係は高校生になると少し変化する。
相変わらず純情な少年、マークと、年の割りに全てを知ってしまったかのような、傷つかずにいられないケイティー。
姉とも、遊び相手とも違う、特別な理解を持った二人だったが、
その夏は・・・喜びと共に、深い悲しみもまた彼に訪れる―。そして……

回想シーンのビリー少年(ウィリアム・マクナマラ)と、J・フォスターがいいです。
年が離れている為に、近すぎて、遠い、ふたり。。
切なくほろ苦い爽やか過ぎる離れ。

ああ、、それなのに、
現代のマークのシーンは、ちょっとドタバタ感があり、残念。

それでも、落ちぶれてヤル気をなくしていた彼の心が、
ケイティーの残した難問が解けた時に一瞬で変わり、後味のよいラストではある。

原題のSTEALING HOME(スティーリングホーム) は、野球用語。
原題も、本編を観終わった後だとかなりいい。
あの最高に幸せだった夏の日と、
別人のような中年の魂に火がついたその日。
ストレートな原題は、この作品が所謂再生モノであるとこを主張しているけれど、
邦題の方は、終盤の中年ビリーのくだりはバッサリ切って捨てた洒落たタイトルになっている。
イメージとしては、私はやはり邦題の方がしっくりくるかな。
どちらにしても、これは男性目線の初恋物語。男性の青春ラブストーリーだと思います

コメント (4)
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孤高のメス

2010-06-10 23:30:46 | the cinema (カ行)
製作年度 2010年
上映時間 126分
原作 大鐘稔彦
脚本 加藤正人
監督 成島出
出演 堤真一/夏川結衣/吉沢悠/中越典子/松重豊/矢島健一/成宮寛貴/平田満/余貴美子/生瀬勝久/柄本明


ひとりの医師の真摯な姿を通して現代医療の問題を投げかけるヒューマン・ドラマ。現職医師・大鐘稔彦によるベストセラー小説を映画化したもの。
あらすじ: 1989年、ある地方都市。市民病院に赴任した外科医の当麻(堤真一)は病院の体制に不満を感じながらも、次々と困難なオペに取り組み、医師としてやるべき仕事にまい進していく。しかしそんな中、病に倒れた市長のために、違法となっている肝臓移植手術を施すべきか否かの選択を迫られ……。

今月一番の楽しみでした。
あいにくの小雨模様のお天気でしたが、夕方の回に間に合いました。
吉沢君が目当てだと公言していましたが(笑)これは予想通りとっても良かったです!
大袈裟に感動を煽らず、そこにいて、命と向き合う医師をクッキリと描く。
登場人物の描き方、キャスト、制作陣の全てに誠実さが感じられました。

物語は成宮君演じる新米医師の母親浪子(夏川結衣)が、現役の看護士でありながら、勤務先である院内で適切な処置を受けられず急死したところから始まる。
シングルマザーだった浪子の遺品の中に息子が見つけた一冊の日記。挟まれていた一枚の写真・・・。
1989年の浪子のオペ担当看護士としての苦しい胸のうち、さざなみ市民病院の実態が綴られていて――

堤さん、ちょっと普通っぽいブラックジャックがとっても良かった!
ピッツバーグ大学で高度な外科医療技術をもちながら、なぜ地方の病院を転々とさすらうのか、
目の前の命を救うこと。ただそれだけの為に何ものにも屈せず、揺るがず、命と向き合う当麻を、
誇張することなく演じていて、素敵です。
(原作の当麻はかなりヒーロー然と描かれていると堤さんが仰っていました)



原作はシリーズもので、かなりな長編であるらしいけれど、たった2時間でそのドラマと緊張感を見事に描いている!
医師役の吉沢悠くんも、事前に本格的に医療指導をうけたというだけあって、
観客も、これはかなりレベルの高い外科手術に立ちあう事になります。


この当麻が魅力的なのは、その天才的技術と汚れのない医療への信念なのだけど、
それを2倍にも3倍にも素敵にするのが、彼をリスペクトする浪子の想いであり、学閥の枷に苦しむ青木の存在なのだと言う気がする。
人を救うはずのメスを手渡し、死に追いやっていた日々の苦しみからこの二人を救う当麻の存在が際立ちます。
患者を救うのみならず、彼らを息苦しさから解き放ち、生きがいと誇りを取り戻す当麻の確かな存在感...。



医療は患者のためだけにある
現在は淡路島の診療所でへき地医療に従事している淡路島の“ブラック・ジャック”原作者・大鐘稔彦氏の理想であろう。
そして、きっと誰もが待ち望んでいるヒーロー。

キャストは皆さん余さん、生瀬さん、堀部さんに至るまで文句なしの適材適所。
いつもは舞台ばりの太いお声の堤さんが打って変わった優しいトーンのセリフで凄くよかったし、
浪子の女学生のような熱く可愛い鼓動が聞こえそうな夏川さん、とっても伝わってきました
そしてタイトルコールは、普段のイメージからは最も遠い(ゴメン)意外にもあの方の口から。


←画像クリックで舞台挨拶記事に。

こみ上げてくるのは、嬉し涙だったのかも。
今年の劇場鑑賞の上位決定です
コメント (4)
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告白

2010-06-06 16:41:09 | the cinema (カ行)
製作年度 2010年
上映時間 106分 映倫 R15+
原作 湊かなえ
脚本 中島哲也
監督 中島哲也
出演 松たか子//岡田将生/木村佳乃

2009年の本屋大賞に輝いた湊かなえの同名ベストセラーを中島哲也監督が映画化。
とある中学校の終業日。1年B組の担任・森口悠子は、ある告白を始める。数ヵ月前、シングルマザーの森口が学校に連れてきていた一人娘の愛美がプールで死亡した事件は、警察が断定した事故などではなく、このクラスの生徒、犯人Aと犯人Bによる殺人だったと。そして、少年法に守られた彼らを警察に委ねるのではなく、自分の手で処罰すると宣言するのだった。その後、森口は学校を辞め、事情を知らない熱血教師のウェルテルこと寺田良輝が新担任としてクラスにやってくる。そんな中、以前と変らぬ様子の犯人Aはクラスでイジメの標的となり、一方の犯人Bはひきこもりとなってしまうのだが…。

これは先月の「中島哲也映画祭」で鑑賞したものの、なかなか感想を書く気にならず、避けていました。
つまらなかったとか、面白かったとか単純に言えない。言いたくない。絶賛もしたくない。

学校という小さな社会の中の、また一つ小さな社会、「教室」
その中で次第にむき出しになる覆われていた狂気。

炙りだす教師と、晒される犯人―残りの生徒―。
日常の子供たちのざわめきの中で、静かに長い、朗読のような森口の告白は、
他人の痛みに無関心な生徒たちに、動揺と恐怖を与えて、犯人には疑惑の花を咲かせる。

そして、告白は犯人や関係者に引き継がれていく…

いつもの中島作品の甘い、可愛いカラーはどこにもないけれど、
しれっと、ポップに凶気を描いている部分もあり、子供を相手に本気の大人の戦う姿が、怖くも哀しくも、
共感を誘ってしまう。
それは、愛するものを奪われたら――誰の胸にも芽生える、打ち消せないどす黒い怒りが、
現実に繰り返される、虐めや、それによって失われる標的になった子供の命、引きも切らないそういう事件が起こる度に湧いていたものだから。

仄暗い画面に登場する彼らは一様に、みな自己中心。
自分を支配している感情の原因を、他者のせいにしている。

そして、、だから、、告白は全てが真実とは限らない。

子供の持つ残酷さ、子供を守る「少年法」―。しかし.....!

劣等感と優越感、妄想と願望、理解と誤解。拒絶と甘え。そして、希望と絶望―。
誰もが子供の頃から体験してきた負の感情。だれもがそれと戦ってこれたのは何故か―。改めて思い知らされる。

R15+ということになっているけど、本来観るべきは子供たち。ここは本当にジレンマ。
もちろん大人も子供を知らなくては、KY熱血教師ウェルテルみたいなのが量産されても困るのだけど。

「下妻物語」の中島監督らしいハードボイルドな作品ですが、これは大人が子供に贈るコワイ話。
ある意味アンデルセンやイソップの童話のように、日本の昔話のように、大人が子供に読み聞かせるべき類のものかも知れません。
幼児期に読み聞かせる「赤ずきんちゃん」や「舌きりすずめ」「瘤取りじいさん」のように、
これからの児童にはこういうお話をしていくべきなのでしょうか。
ふとそんな事を真面目に考えてしまいました。
ただ、中学生の犯罪をテーマにしているところで、やはり恐怖はこの上ない恐怖として描かれないと、本当の意味で、
命の授業にはならないと感じました。



余談ですが、
私が子供の頃に出会った「みっつのねがいごと」や「ないたあかおに」は子供ながら衝撃でしたが、それなりに罪とか罰とか、虐めや報復とかは、
子供心に刻まれていったと思います。
今のように、小さな子供でも大人と同じ情報も早くに手に入れられると、
子供でいられる短い時期の親子の向き合い方が、とても貴重なんだという気がしました。
コメント (16)
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グリーン・ゾーン

2010-05-15 00:31:16 | the cinema (カ行)
グリーン・ゾーン──。そこは、偽りに支配された安全地帯。
原題 GREEN ZONE
製作年度 2010年
製作国・地域 フランス/アメリカ/スペイン/イギリス
上映時間 114分
脚本 ブライアン・ヘルゲランド
監督 ポール・グリーングラス
出演 マット・デイモン/グレッグ・キニア/ブレンダン・グリーソン/エイミー・ライアン/ハリド・アブダラ/ジェイソン・アイザックス/イガル・ノール

イラク中心部のアメリカ軍駐留地域“グリーン・ゾーン”を舞台に、大量破壊兵器の所在を探る極秘任務に就いた男の決死の捜査を描くサスペンス・アクション。
ロイ・ミラー(マット・デイモン)と彼の部隊は、砂漠地帯に隠された大量破壊兵器の行方を追う極秘任務に就くが、国防総省の要人によって手掛かりを奪われてしまう。国防総省の動きを不審に思った彼は、同じ疑念を抱いていたCIA調査官ブラウン(ブレンダン・グリーソン)と共闘することに。部隊を離れ単独で調査を開始し、執ような妨害工作に苦しみながらも謎の核心に迫っていく。

GWの混雑でちょっと映画館離れをしていたので、久々の劇場鑑賞....なのですが、
う~~ん、ナンだったんだろ。
観ている時にはそれなりに集中していられたんですが、コレ、今映画化する意味があったのか~?ナ作品でした。

ボーン・シリーズのコンビだと言うので過剰な期待はしなくても、まさか大ハズレはあるまいと思っていましたが、ちょっと微妙。

先ず、ストーリー自体、驚くような展開も胸を打つラストにもなっていないし、
主人公のロイ・ミラーがなんだかいつも余裕綽々にみえるし、独断的に行動する彼のキャラクター自体に魅力がない。
セリフも、カッコヨクないんですよね~これが
彼と共闘するというCIA調査官ブラウンが、、弱い。いろんな意味で。
ミラーが追っていく謎も、謎じゃないし(苦笑)
ワケあり気に登場のジャーナリストも「え?」なお仕事だし、、あり得ない。んなバカな...です。

それでもコレ、一応は告発ものなんでしょうかねえ・・・。

ざらついた画面も、お得意のハンディカメラも、
もう落ち着く先が解っているので、ちっとも緊迫感がないのです。

主人公のミラー准尉の所属も、手がかりの手帳も、お金も、
いとも簡単にころころと移動するし、それ自体に余り意味がなかったというのもお粗末。
ちょっと見所のない残念な作品でした~
コメント (10)
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きみがぼくを見つけた日

2010-05-13 23:36:02 | the cinema (カ行)
原題 THE TIME TRAVELER'S WIFE
製作年度 2009年
製作国・地域 アメリカ
上映時間 110分
原作 オードリー・ニッフェネガー 『きみがぼくを見つけた日』(ランダムハウス講談社文庫刊)
脚本 ブルース・ジョエル・ルービン
監督 ロベルト・シュヴェンケ
出演 エリック・バナ/レイチェル・マクアダムス/ アーリス・ハワード/ ロン・リヴィングストン/ジェーン・マクリーン/ブルックリン・プルー

アメリカで大ベストセラーとなった純愛小説の映画化。
時空を旅する運命を背負うヘンリー(エリック・バナ)は、どんなときにどの時代のどこへ飛ぶのかは自分で選べない。秘密を抱えた孤独な人生を送る彼は、ある日、旅先の過去で、一人の少女に出会う。やがてヘンリーは、少女から美しい心の女性へと成長したクレア(レイチェル・マクアダムス)といつしか愛し合うようになるが……。

タイムトラベラーのヘンリーは6歳のクレアと36歳の時に出会っていたが、
クレアが20歳、ヘンリー28歳で運命の再会をする。
自分自身も制御不能の、突然の時空移動を繰り返す彼にとってのタブーは、この世に大切なものを作る事だったけど、、
何もかも知っているクレアを得て、
安らぎと共に、また新たな苦悩も生まれる…というラブストーリー。

わずかなそそられるDVDもレンタル中で、見逃したコチラの作品をチョイス。
たまたまバイトから疲労して帰ってきた子供と一緒に鑑賞~。
子供の感想は、、こんだけのアイデアでラストは普通?勿体無いよ、なんだよぉー!でした(笑)
で、子供に言わせると、この原題はダサイそうで、邦題の方がまあいいそうです(笑)

物語は基本、クレアの時間軸で進行していくところを、様々な年代のヘンリーが行き来するので、
注意が彼の変化にばっかりいってしまい、私は感情移入はし難い感じでした。
しかも出現する時は素っ裸なのでそこがスリリング(どうやって衣服をゲットするか)でもあり、
だけどちょっとやっぱり可笑しいのでした(ゴメンヨ~)

彼女が彼に居て欲しい時にも留まってくれず、
いつの時代に行ってどんなキケンな目にあっているのか、クレアはただ祈って待つことしか出来ない。
そこがこの作品の切ないところなんだろうけれど、そこまで悲壮感は感じられなかったし、
ちょっと中途半端な印象。
タイトルからすればきっと観客はヒロイン目線だろうという計算だったかもだけど、
普通に生きることをハナから諦めてる男がインパクトあって、
女性の方にあまり感情移入が出来なかったのが敗因かな?

でもクレアは、長い間(子供から少女時代)逢えずに居ても彼を待ち続けたんだもの、
あのラストは女性向けかも。ある意味生涯・・永遠に幸せ
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