to Heart

~その時がくるまでのひとりごと

超高速!参勤交代

2014-06-24 06:51:39 | the cinema (タ行)

このミッション、
インポッシブル(不可能)です!

製作年度 2014年
上映時間 119分
原作:脚本 土橋章宏
監督 本木克英
音楽 周防義和
主題歌 塩ノ谷早耶香『Like a flower』
出演 佐々木蔵之介/深田恭子/伊原剛志/寺脇康文/上地雄輔/知念侑李/柄本時生/六角精児/市川猿之助/石橋蓮司/陣内孝則/忍成修吾/和田聰宏/冨浦智嗣/西村雅彦/

第37回城戸賞に輝いた土橋章宏の脚本を映画化したユーモア時代劇。
通常でも8日かかる参勤交代を5日で行うよう幕府から無理難題を押し付けられた小藩が、奇想天外な作戦の数々でピンチを切り抜けようとする姿を描く。
享保二十年、八代将軍・徳川吉宗の治世。磐城国。
現在の福島県いわき市にある湯長谷藩では、藩主の内藤政醇はじめ藩士たちが1年の江戸詰めを終えて帰郷し、のんびりと開放感に浸っていた。そこに舞い込んだ再度の“参勤交代”の下命。参勤交代は金も人手もない小藩にとってはただでさえ大きな負担。しかも今回の期限は、なんと5日以内。通常は8日かかる道のりを実質4日で踏破するというあまりにも非現実的な日程だった。それは、藩の金山に目を付けた幕府老中・松平信祝によるお取り潰しを狙ったあからさまな陰謀だった。そこで政醇は、知恵者の家老・相馬兼嗣とともに、5日で江戸に参勤すべく、一大作戦を決行するのだったが…。


誰もが社会科で習った「参勤交代」に「超高速!」を付けるだけでこんなにわくわく(笑)
初日鑑賞はなりませんでしたが、日曜の昼の回、行ってきました~。
ヤッターマン」のドロンジョ新妻の妄想シーンを思い出す観客が一体となって笑い出すシーン
最近では「きっと、うまくいく」以来かな~?面白かったです~

江戸屋敷に妻子を人質にとられ、2年に一度は散財をさせられて、、可哀想なのは貧乏藩。
お国の自慢のたくあんを上様に献上する、愛され殿。
その殿にしてこの家臣、という、何れ劣らぬ純朴な忠義を捧げる藩士たちの、
お江戸版「走れメロス」な参勤に待ち受ける難題。

金がない!しからば、いかにしてどの部分を節約するのか?
時間がない!そこはもう、アレしかない。
人がいない!いかに貧乏藩とて人目のあるチェックポイントでは見栄も張る(笑)

西村さん演じる家老のアイデアが冴えわたります
なんだかんだ言っても西村さんが美味しい


観客がみんな思わず声に出して笑うシーンがあります。
そして、道案内の段蔵の心にスイッチが入る時、胸が熱くなり、
万事窮すと思われた一行の前に現れた″いいひと″の一言に涙せずにいられない。。。


トラウマ持ちだからこそ、折檻を見過ごせなかった殿と、
その優しさに応えるホントは優しいお姉さんなお咲

ノーと言えない時代の、
慕われるリーダー頼れるN0.2揺るがぬ信頼最後まで諦めない姿

ノーと云わずに理不尽な下命を受けて立つ男のドラマ!
優しさと笑いと、熱いもので満たされて下さい

弓の名人の知念クンにも、おサルの菊千代にもちゃ~んと見せ場がっ
コミカルに見せていますが、時代考証もちゃんとしているし、解り易いのがイイ
日曜日だというのもあって若いカップルも多かったですが、小学校高学年のお子様連れも
ご年配の方もいらっしゃって、ほぼ満席状態でした。

主題歌も意外にマッチしていて、気分よく家路につきました~


思ったよりも恭子ちゃんの出演シーンは少なかったけど、無理難題は言いません(爆)

チョコレートドーナツ

2014-05-22 21:33:44 | the cinema (タ行)

僕たちは忘れない。
ぽっかりと空いた心の穴が
愛で満たされた日々――。

原題 ANY DAY NOW
製作年度 2012年
上映時間 97分
脚本 トラヴィス・ファイン/ジョージ・アーサー・ブルーム
監督 トラヴィス・ファイン
出演 アラン・カミング/ギャレット・ディラハン/トアイザック・レイヴァ/フランシス・フィッシャー/グレッグ・ヘンリー
1979年、アメリカ。ゲイのルディはシンガーを夢見ながらも、口パクで踊るショーダンサーとして働く日々。そんな彼にある日、ゲイであることを隠して生きる検事局の男性ポールが一目惚れ、2人はたちまち恋に落ちる。一方で、ルディはアパートの隣に暮らすダウン症の少年、マルコのことを気に掛ける。母親は薬物依存症で、マルコの世話もまともにしていなかった。そしてついに、母親は薬物所持で逮捕され、マルコは施設行きに。見かねたルディとポールはマルコを引き取り、面倒を見るのだったが…。

舞台は1979年のカリフォルニア。
ゲイであることを隠して生きる検事局のポールは、家族から離れて一人カリフォルニアに来て、
正義で「世界を変えたかった」のに、いつしか夢は色あせていて・・
ある日ショーパブで口パクで歌い踊るルディに出会う。

「夢はベッド・ミドラーのようなシンガーになること」だったはずのルディもまた、
日々の生活に追われ、家賃の支払いにも窮し、夢をあきらめていたが、
隣に住むダウン症の少年・マルコが夜更けに一人彷徨っているのをみつけ、
夜の街で、3人は出会った――。

ルディとポールは愛し合うが、ルディはマルコを放せない。
心置きなく幸せになる、家族を持つという夢を見る…―
しかし。時は1979年。アメリカの人種差別も性差別も根強く、法は彼らの前に冷たい。

初めてマルコに学ぶ機会を与え、ポールが勉強をみて、
ルディはマルコの好きな「ハッピーエンド」を語って聞かせ、3人は充実した時を過ごすけど、
世間の常識と差別は、その幸せを許さない。認めない...。


子供を救う為の家庭局という制度が、性差別主義者によって歪められていく、
うんざりするような裁判は、まるで茶番、、、。初めに判決ありきの様相を呈している。が、
しかし、
彼らの幸せな1年は、身近な人たちに認められて…―判決の時は来る。―

冒頭の具合が悪くなるほどの手振れ映像、、。
その意味が明らかになるラスト。。。
法は誰のためにあるのか?

「キスは、幸運のおまじない。」
悲しみを胸に力強い「I Shall Be Released」を歌うアラン・カミングが素晴らしい~!!

奇跡の出会いを果たした3人の、悲しくも心を打つ、実話の映画化。素敵な作品でした。

とらわれて夏

2014-05-02 23:32:22 | the cinema (タ行)

原題 LABOR DAY
製作年度 2013年
上映時間 111分
原作 ジョイス・メイナード
監督 ジェイソン・ライトマン
出演 ケイト・ウィンスレット/ジョシュ・ブローリン/ガトリン・グリフィス/トビー・マグワイア/トム・リピンスキー/ジェームズ・ヴァン・ダー・ビーク/ディラン・ミネット/クラーク・グレッグ/J・K・シモンズ

ひょんなことから逃亡犯の男性をかくまうことになった女性が、彼と惹(ひ)かれ合った果てに重大な決断をする5日間を見つめていく。監督は『JUNO/ジュノ』『ヤング≒アダルト』などのジェイソン・ライトマン。
9月初めのレイバーデイの連休が迫る、アメリカ東部の閑静な町。シングルマザーのアデルとその息子である13歳のヘンリーは、逃亡犯のフランクと出くわしてしまう。絶対に危害は加えることはないという言葉を信じ、アデルは彼を自宅にかくまうことに。やがて、家や車を修理し、料理を作り、ヘンリーに野球を教えるフランクに安らぎを覚え、魅了させられていくアデル。そして、人生を大きく変えかねないほどの重大な決意をする。

ラブストーリーというジャンルですが、ヒューマンドラマに入れたいというのが正直な感想。

うつ病で引きこもりのアデルは、ヘンリーの母親という役割にすがっていたけど、
母親想いのヘンリーは、自分の限界を感じていた頃、、、
そして「意図して人を殺めたことは無い」ヘンリーにも信じられる家族が必要だった…―

本来父親がこの年頃の息子に教えるべき″男のたしなみ″をヘンリーに示すフランク。
手際よく料理を作り、修理に掃除にワックス掛け。
アデルは少し元気になり、そんな母をみて少し重荷を下せるヘンリーだけど、、、

愛を無くし立ち直れない女と、去って行った父親の代わりに健気に母を支える少年に
降ってわいたような災難かと思われた脱獄囚の男との出会いは、不思議にも、
必要な時、必要としている者たちが出会ったとさえ思える


予告で予想した範疇のドラマでしたが、
ややもするとありふれたメロドラマで片づけられる物語を、キャスト陣の演技が援けていて
低俗なラブストーリーにはならずに、優しい人間ドラマにしていました。

ただ、繰り返し挿入される若い男女の危うい回想シーンが、解りづらかったのは、
もう、、ひとえにフランクの青年時代がイケメン過ぎたからなのだと断言しちゃう(笑)
どう考えても
海ドラ「SUITS/スーツ」のマイク・ロスのダメで悪い親友役、トム・リピンスキーが
10数年でジョシュ・ブローリンに、というのは理解するのに時間がかかったよ
そうそう、あと「クローザー」のロス市警の本部長J・K・シモンズはあれだけ?の
ちょっと勿体ない使い方。もっと厭らしくピーチを毎日持って来て欲しかったわ(笑)

生きて呼吸することでいっぱいいっぱいの母親のケイト、今回は脱いでいないのにエロティック。
母想いで優しいけれど、フランクに男としての憧れと嫉妬にも似た感情を秘めたヘンリーを、
ガトリン・グリフィスの演技が印象的で、
大きな感動とかはないけれど、普通にスリリングで後味のいい、愛の物語でした

チーム・バチスタFINAL ケルベロスの肖像

2014-04-07 22:27:38 | the cinema (タ行)

真実を診ろ。
製作年度 2014年
上映時間 127分
原作 海堂尊『ケルベロスの肖像』(宝島社刊)
脚本 後藤法子
監督 星野和成
出演 伊藤淳史/仲村トオル/桐谷美玲/松坂桃李/西島秀俊/戸次重幸/栗山千明/生瀬勝久

海堂尊原作の小説を映像化したシリーズの最終章となる医療ミステリー
東城医大の特別愁訴外来担当医・田口公平は、厚生労働省の変わり者・白鳥圭輔とともに、死因究明システムの改革の柱となる国際Ai(死亡時画像診断)センター発足に向け奔走していた。そして、その目玉として導入されるのが巨大なMRI“リヴァイアサン”だった。この巨大医療機器に世間の注目が集まる中、東城医大にAiセンターを標的にした犯行予告が届き騒然となる。時を同じくして、医療関係者9人が密室で変死体となって発見される。それは司法解剖でも死因が特定できない奇奇怪怪な集団不審死事件だった。そして被害者の中には、厚労省で白鳥の唯一の理解者だった上司も含まれていたのだが…。

これはTVドラマ「チーム・バチスタ4 螺鈿迷宮」を観ていることを前提に制作された感がありましたが、大丈夫。
ドラマはあまり観ていなかった私の友人は人間関係なども観ていて解ったそうです。
が、しかし、、、

先に観た「白ゆき姫~」もそうでしたが、コチラが期待し過ぎたからだけではないだろう
ちょっと残る微妙さ。は、
此方の方が題材的にも面白いものであっただけに、
しかもメインキャラを演じる俳優陣が魅力的であるだけに、如何にも惜しい。

原作者が現役医師ならではのミステリーの仕掛けも、
冒頭のシーンから、謎の変死体と“リヴァイアサン”の活躍から、
クライマックの難局を同時に向かえるシーンまで、医療ミステリーの面白さは十分


では何がこの映画を微妙な感じにしてしまったのか?

それは......偏に犯人のキャスティングにあると思う。
ナゼにその人がキャスティングされたのか?
ビジュアル?人気?或は大人の事情なのか、、判らないけど、
いくら他の俳優陣が頑張っても、その一点でダメにしていたという感想しか湧かない

このシリーズは、
情けにほだされる田口と、総てを知りながら正義を貫く白鳥が追い詰める悪の側にも
同情すべき理由がある犯人との関わり…が見どころのひとつでもあるので、
演技まで軽量級だったこの犯人からは、ちょっと伝わってこなかったかな・・・

ドラマからのキャストは良かったし、
解り易くても、シリーズのファンは楽しめる内容だと思います。

東京難民

2014-02-23 23:15:40 | the cinema (タ行)

底辺より怖い、底なし。
堕ちたら最後――

製作年度 2013年
上映時間 130分 映倫 R15+
原作 福澤徹三『東京難民』(光文社刊)
脚本 青島武
監督 佐々部清
出演 中村蒼/大塚千弘/青柳翔/山本美月/中尾明慶/金井勇太/吹越満/福士誠治/津田寛治/小市慢太郎/金子ノブアキ/井上順

学費未払いを理由に大学から除籍された青年が、ネットカフェ難民からホスト、さらにホームレスへと転落していく青春群像劇
親の仕送りでお気楽な毎日を送っていたごく普通の大学生・時枝修は、ある日突然大学を除籍されてしまう。父親が借金を作って失踪し、授業料が未納となっていたのだ。当然仕送りも止まってしまい、アパートも追い出される羽目に。あっという間にネットカフェ難民となり、日払いのバイトでどうにか食いつなぐ日々。挙げ句の果てには、騙されて入ったホストクラブで高額の請求を払えず、下っ端ホストとしてこき使われる修だったが…。

大学入学と同時に母親を亡くし、父親がガイジンパブの女性に入れあげたのを機に実家を出た青年の
親子間のコミュニケーション不足もありながら、
学費未納、家賃未納という事実を知ったことから始まる流転の人生―

どこにでも居そうな、チャラい大学生が、
肉親の存在を無くし、大学生という身分を失くし、住所を無くし、
その日暮らしに身をやつしてから知る、社会の仕組みと底辺でうごめく悪…―

これが奇想天外な話でなく、現在進行形のノンフィクションのようなリアルさでもって
世間知らずのイマドキの若者に襲う不幸を描いていて、ぞっとする。
時枝修がものの見事に堕ちていく、その落とし穴。
絶対に落ちないと、あなたは言えるだろうか・・・


核家族―、少子化。。。加えて、
親も子も、社会との繋がり、人との絆の希薄さが根底にあり
、問題の深さを感じるものでした。
暗い遣る瀬無い物語ではあるけれど、
全て無くしたようでも、新たに得ることが出来ると、暗に教えてくれてもいる。
彼を苦しめたはずの人の中に、切ない温かさも垣間見えるし、
彼が無くさなかった命名前と、もうひとつ。。。
なので、
意外と後味は悪くない。

スマグラー おまえの未来を運べ」より身近で「ホームレス中学生」より孤独。
結構若いカップルとかが多かったのですが、、お一人ででも、
R15+となっていますが、これは多くの若者に観て戴きたいと思った作品です

小さいおうち

2014-01-27 23:41:47 | the cinema (タ行)

製作年度 2013年
上映時間 136分
原作 中島京子 『小さいおうち』(文藝春秋刊)
脚本 山田洋次/平松恵美子
監督 山田洋次
音楽 久石譲
出演 松たか子/黒木華/片岡孝太郎/吉岡秀隆/妻夫木聡/倍賞千恵子/橋爪功/吉行和子
健史(妻夫木聡)の親類であった、タキ(倍賞千恵子)が残した大学ノート。それは晩年の彼女がつづっていた自叙伝であった。昭和11年、田舎から出てきた若き日のタキ(黒木華)は、東京の外れに赤い三角屋根の小さくてモダンな屋敷を構える平井家のお手伝いさんとして働く。そこには、主人である雅樹(片岡孝太郎)と美しい年下の妻・時子(松たか子)、二人の間に生まれた男の子が暮らしていた。穏やかな彼らの生活を見つめていたタキだが、板倉(吉岡秀隆)という青年に時子の心が揺れていることに気付く。

物語の舞台は、生前からタキを慕っていた健史が勧めていた自叙伝を、
執筆するタキとともに過ごした現代の健史の回想と、
それを語るタキの回想から、昭和初期の東京へと、交互に展開されていくものでした。

キャッチコピーがあの小さな家に閉じ込めた、私の秘密――なので、
どんなミステリアスな展開かと思っていたら、、、
結果的に、歴史を知ってしまっている現代の私たちからみれば、その秘密によって
登場人物に、そののち「それ程の運命の変化はなかった」と云えるもの。
しかしながら…―

一面が雪に覆われた山形の山村から、冬でも雪のない明るい東京へと出てきた少女タキが、
当時としてもモダンで人目を引いた平井家の住人に優しく受け入れられ、
とりわけ美しくお洒落な時子に優しくされて、憧れもし、
本気で一生を尽くしていく覚悟の、純粋さ、女中としての忠誠心にはグッとくるものがありました。。

なので、、
現代の大学生の健史に、不謹慎とか、思い出を美化してるとか言われても、
世間には戦争の足音が聞こえ、不穏な気配がしていようとも、
この小さな赤いおうちに時子が居て、一家とともに居られることそれだけでタキには愉しかったのでしょう。

松さん演じる時子が主人公なのでしょうが、私には
この、純粋に奉公先の家族を守ろうと尽くすタキの物語だと思え、
時子の方にはあまり関心がいかなかったのでした
それに、なかなか味わえない昭和初期のモダンな暮らしぶりも、物珍しかったです。


で、ちょっとネタバレ↓
            ↓




冒頭、タキの最初の奉公先の小説家が、語って聞かせるデキた女中のエピソード
「良い女中とは・・―」
彼女はあの時、必死で考え、
心に刻んでいた最初の主人の教えを忠実に実行したのですね、、、
タキは、良い女中でした........。


ただ・・・
以前も書いたと思うのですが、
○○組、っていうのか、その監督さんの作品の常連、って、
役者にとってのステイタスなんでしょうか?監督の勢力図なんでしょうか(笑)
この作品にも多くの山田組と呼ばれる方が沢山キャスティングされてましたが、
それって、純粋に作品のデキに関係なくマンネリ感を与えてしまう気がするんですよね、、。

1年前の記事は ・・・
ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日
なぜ少年は、生きることができたのか。命を奪うのか、希望を与えるのか原題 LIFE OF PI 製作年度 2012年上映時間 127分原作 ヤン・マーテル『パイの物語...

トランス

2013-10-14 22:16:59 | the cinema (タ行)

原題 TRANCE
製作年度 2013年
製作国・地域 アメリカ/イギリス
上映時間 102分 映倫 R15+
脚本 ジョー・アハーン/ジョン・ホッジ
監督 ダニー・ボイル
出演 ジェームズ・マカヴォイ/ヴァンサン・カッセル/ロザリオ・ドーソン/ダニー・スパーニ
アート競売人のサイモン(ジェームズ・マカヴォイ)はギャング一味と協力し、オークション会場から40億円の名画を盗み出すことに成功する。しかし計画外の動きを見せた彼はギャングのリーダー(ヴァンサン・カッセル)に暴行され、それが原因で絵画の隠し場所の記憶をなくしてしまう。リーダーは絵画のありかを聞き出すため、催眠療法士(ロザリオ・ドーソン)を雇うものの……。

マカヴォイくんが、自分しか知らない大事な盗品の隠し場所を忘れちゃった男を演じる~!
っていうのでワクワク観に行きました~

2人の男と1人の女で繰り広げられる名画をめぐる争奪戦なのか?!
記憶を取り戻したい男の物語なのか?
―これはあまり情報を持たずにご覧になることをオススメ。
3人の名演に翻弄されちゃって下さい

白昼堂々の名画強奪!
計画通りにいかなかったその日、サイモンに何が起こり、40億の名画はどこにいったのか?
バカにつけるクスリは無いというけど、、この状況で思い出せない~マカちゃん
記憶を戻せるクスリもない
困った彼らは、何人かの催眠療法士の中から名前がイイという理由でエイリザベスを選び、
さっそく受診するが…―

催眠療法を始めると、2度目の受診の時にエリザベスは盗聴していたフランクにある提案をする


サイモンの深層心理が紐解かれ、エリザベスが加わることによって
さらにサイモン視点のドラマは空想なのか、妄想なのか?現実なのか?判断しにくくなり、
いつの間にかドラマのポジションが変わっていることで、余計に不思議な感覚になっていく後半。

記憶モノだけど、音楽や効果音、特に光の使い方が印象的で、
コチラは眠るどころじゃない(笑)緊張感を持って最後まで楽しめました。

マカヴォイくんが痛めつけられるシーンでは、
思わず、ごぉめんなさぁぁ~~いがよぎりました(爆)
コスチュームものが多い印象の彼ですが、どこか抜けてる可愛そうなこんな役も好き

送られてきた1年前の記事
今夜は「清盛」と「TOKYOエアポート」♪
建春門院(成海璃子)死す! すべての鍵を握っていた滋子の死で、清盛と後白河法皇の関係にも暗雲が・・・?いつものことですが、死亡する回のみ、キャストがクローズアップされる事にな...

タイピスト!

2013-08-29 13:05:04 | the cinema (タ行)

原題 POPULAIRE
製作年度 2012年
製作国・地域 フランス
上映時間 111分
監督 レジス・ロワンサル
出演 ロマン・デュリス/デボラ・フランソワ/ベレニス・ベジョ/ショーン・ベンソン/
田舎から都会へ出てきたローズ・バンフィルは、ルイ・エシャールの経営する保険会社に秘書として採用された。ドジで不器用なローズはたった一週間で解雇の危機を迎えるが、ルイは彼女の特技である“タイプの早打ち”に注目し、タイプライター早打ち世界大会への出場を持ちかける。地方予選であっさり敗退してしまったローズに対し、ルイは鬼コーチと化して特訓を開始。厳しいトレーニングに耐えたローズは地方大会を一位通過し、パリで行われる世界大会の本戦に挑むのだが…。

1950年代に実際に行われていたというタイプの早打ち大会の映像をヒントに誕生したロマコメ。
「クロワッサンで朝食を」を諦めて地元上映のコチラの作品を観てきました。
たいして期待をしないで行ったら、これがなんと可愛い、素敵な作品でした~

都会暮らしに憧れるローズの、たった一つの面接での強みは、
田舎で雑貨屋を営む父親の目を盗んで上達した2本指打法のタイプの早撃ち早打ち。
面接で体よく断られるも、コレを披露せずに引き下がれないとばかりに
夢中で打ち続ける。ト、ルイの目線があらぬところに・・(笑)
いゃぁ、何が幸いするかワカリマセン(笑)
まあ、待機している面接希望者の中に、ルイの好みの女性が居なかったとも言えるのですが

ともあれ仲良しの友人夫婦に当てられてばかりのルイの生活は、
ローズとともに世界を目指すスポ根生活に変わるのですが…―


50年代は、色んな変化を生んだ時代だったのですね~。
テレビが普及していき、女性の髪形やファッションもシンプルで活動しやすくなり、
ロックンロールが大流行し、女性も社会進出していくようになる。そして、
その人気の職業が"秘書"であり、タイプは重要なツールだったんですね~

そんな時代のポップな雰囲気と、新しい時代の息遣いが画面いっぱいに感じられ、
夢見る乙女のヒロインを、スポコンドラマさながらに鍛える愛らしいコーチが微笑ましい

それこそ「ローマの休日」がまさにこの時代なわけですが、
ローズ役のデボラ・フランソワ、『現代のオードリー・ヘップバーン』とか『ヘップバーンの再来』とか呼ばれているそうです。
妙に老けてみえたり、それこそ角度によってはオードリーを彷彿させるキュートさがあり、
粘り強いこのヒロインにぴったりでした。

鬼コーチとしてローズを導くルイの優しさが隠せない時、あら、素敵~で、
大雑把なローズvs几帳面なルイの構図もあのエプロン姿で納得~、あら可愛い~~
矯正ギブスは出てこないけど(笑)ルイのツールと指導は可愛くて正しい~
アーチスト」の制作スタッフの作品ということで、ベレニス・ベジョがいい役どころ
でも、今回は彼女は踊りません

50年代の音楽シーンも効果的で、
ローズのライバルとなる女性達も存在感があり、クスリとさせてくれる、
安心して愉しめる、王道を行くロマコメでした


トスカーナの休日

2013-06-11 22:52:45 | the cinema (タ行)

原題 UNDER THE TUSCAN SUN
製作年度 2003年
製作国・地域 アメリカ/イタリア
上映時間 113分
監督 オードリー・ウェルズ
出演 ダイアン・レイン/サンドラ・オー/リンゼイ・ダンカン/デヴィッド・サトクリフ
突然の離婚ですべてを失った、作家のフランシス(ダイアン・レイン)は親友のパティ(サンドラ・オー)からトスカーナ旅行をプレゼントされる。だが、旅先で家を衝動買いしてしまい……。

不思議な事に続くんですね~、こういう作品(笑)BSからの録画にて鑑賞~
先日なんとなく観に行った「愛さえあれば」によく似た雰囲気。
夫に浮気され、、って言うのも同じ。
ただ、コチラはなんと浮気夫に家を奪われて、残ったのは女友達だけというスタート。

見捨てられたような古屋敷との出会いによって始まる、もう若くないフランシスの新しい日々。
一目惚れした築300年で伯爵家の屋敷“ブラマソーレ”の修復は困難を極めるが、
地元の不動産業者マルティニの助けを借りて工事に没頭し、
次第に馴染んでいったある日、彼女に歓喜の出会いが訪れるのだが…―


ジャンパー」でも見所なしだったし「最後の初恋」が全くダメだったし、
あまり私的に好印象の作品が思い浮かばないダイアンの、「運命の女」の翌年の作品。
一番輝いていた頃でしょうか。
撮影当時35,6歳でしょうか。その割にお肌がアレだったんですが、
その乾いた肌が、却って心の渇きを物語るような、、そんな風にもみえて、、、

失意のまま孤独を抱えるフランシスが、新しい恋に弾ける時、
そんな時に限って、予定通りに行かない訪問者にじれながら、、
それでも時は流れ、トスカーナの輝く太陽は彼女を癒し、
心の通じる人全てを受け入れ、"ブラマソーレ(太陽に焦がれる者)"とともに新しい人生は繋がっていく―

もう若くはないけど、遅すぎはしない。
一人ぼっちのアメリカ人女性がやり直すには、やっぱりイタリアなのねー(笑)
で、
恋の賞味期限がイタリア男はと~っても短いことが判明したわ(爆)

旧い屋敷のリフォームが完成するまでの彼女の心の軌跡を明るいタッチで描く、
ちょっと可笑しくて、甘さもほろ苦さも丁度いい
とっても可愛いダイアン・レインでした~

種まく旅人~みのりの茶~

2013-05-16 12:38:49 | the cinema (タ行)

製作年度 2011年
上映時間 121分
脚本 石川勝己 /三浦千秋
監督 塩屋俊
出演 陣内孝則/田中麗奈/吉沢悠/柄本明/石丸謙二郎/永島敏行/寺泉憲/徳井優/前田健/林美智子
リストラされたデザイナーのヒロインが、ひょんなことから祖父の茶畑で有機栽培に悪戦苦闘する姿を通して農業の難しさと素晴らしさを描く人間ドラマ。
農林水産省官房企画官という身分を隠しながら、日本各地の農家の本音を聞いて回る大宮金次郎(陣内孝則)。そんな彼に大分県臼杵市役所の農政局長として、省が開発した農薬を普及させよとの辞令が下る。着任早々、無農薬栽培に切り替えた旧知のお茶農家の主人・森川修造(柄本明)と農業話で盛り上がるが、その翌日に彼が心臓発作で入院。孫娘みのり(田中麗奈)が修造の代わりを努めようとするが、農業のノウハウなど何も知らずに途方にくれる。そこへ金次郎が現われ、さまざまな面で彼女をサポートしていく。

吉沢悠クンの出演作なので気になりながら見逃していた1本。
大分の緑の中で繰り広げられる、心にも身体にもイイ、優しい作品でした
チョット大人の為の童話のような、でも展開はそれこそ、大人の社会科見学─なのでした
今の季節にピッタリの、みどり香り立つような作品です

思い描いたポジションではなくとも、それなりにやってきていたと思っていたみのりが、
深く考える余裕もなく始めたお爺ちゃんの代わりに茶畑を守る暮らし。
きっかけは実は、偶然見た、友人が田舎でオーナーをやっている特集記事だった、、。
思い通りに生きて輝いてる友人が羨ましかった。そこにどんな現実があるかも知らず…。

しかし―いざ、
汗にまみれて1日が終わると待っている、田舎暮らしのオキテ(笑)も、
イヤイヤながら参加していくうちに、
都会での自分のこれまでの人間関係の希薄さを思い知る温かさに支えられ、
みのりの1日は、悩みなど入り込む余裕もなく、心地よいぐらいの疲労と充実感と、
ひとりではやっていけない農家の生活に、それを色んな方面からのサポートを受けながら、
夢中で実りの時を迎えることになる…―。

桃栗3年、お茶7年―

これは、家族の物語であり、一人の女性の成長の物語なのですが、
もちろん彼女を取り巻く人たちの葛藤もリアルに描かれていて、
「役人やけん」が口癖の市役所農政課の木村(吉沢悠)は、指導する農家の現実と
役所の無理解な上司との板ばさみで、思う仕事が出来ず葛藤の毎日。―

それでも逃げずにキチンと向き合えば、きっと誰かが見ていてくれる。
みのりには金ちゃんや木村がいて、木村には金ちゃんがいて、
金ちゃんには太田(永島敏行)という上司がいて、市長(寺泉憲)も彼を支える。
ちゃんと誰かの眼差しがある。優しい映画であります。

大分出身の塩屋俊監督が描きたかったのは、私たちの生命を支える食と、それを守る日本の農業の姿なのでしょう。
「仕事はキツいけれど、一日の終わりには充実感に包まれる」
それが十分に伝わってき、みのりの奮闘に、身をもって示す金ちゃんの諦めない姿。
命あるものと共に生きる事の厳しさと喜びも、作品を通して味わえるものでした。
障害と思えるものでも、その存在が、次にやるべき仕事を教えてくれる」これは、
農業に限らず、ピンチに陥った時、前向きに進んでいくヒントとなる言葉でした。

最後に、塩屋俊監督のこの作品のインタビュー記事の一部を紹介したいです。
[お百姓という言葉は、百の仕事が同時に出来る人という意味なんです。
イコール"匠"であり、アーチスト。
そういう人は日本中にごろごろいるんです。そういう方々にもっとスポットを当てて、その方たちの技術や英知を次の世代が担っていけるようにする橋渡し役というか、そういう風に触発できるような映画を作っていきたいと思っています。
映画には、世の中を変えるほどの力はないです。でも、若干の刺激を与えることは出来ると思うんです。]

このGWに観た、恭子ちゃんの「農家の~」の鑑賞後によく似て、
なんだかコチラまで美味しい空気を一杯吸って、元気になるような、
ああ、緑って凄いなあ~と思え、自分も1本の小さな苗になったような気になります


図書館戦争

2013-05-14 15:09:18 | the cinema (タ行)

製作年度 2013年
上映時間 128分
原作 有川 浩『図書館戦争』シリーズ(角川書店刊)
脚本 野木亜紀子
監督 佐藤信介
音楽 高見優
出演 岡田准一/榮倉奈々/田中圭/福士蒼汰/西田尚美/鈴木一真/相島一之/嶋田久作/栗山千明/石坂浩二/橋本じゅん
メディアに対する取り締まりを正当化する法律“メディア良化法”が施行されてから30年がたった日本。読書の自由を守るための自衛組織“図書隊”の隊員にかつて助けてもらった笠原郁(榮倉奈々)は、憧れの図書隊員になる。担当教官・堂上篤(岡田准一)の厳しい指導を受け、女性で初めて図書特殊部隊に配属された郁。そんなある日、図書隊とメディア良化委員会の対決が避けられない出来事が起きる。

一番の私の映画友は、実は昔からのジャニファン。
いつも私のリクエストに付き合ってくれるので、今回は彼女の観たいこの作品にお付き合い♪
原作が「フリーター、家を買う。」「阪急電車~」の有川浩さんということで気にならなかった訳ではないのだけれど、キャストに惹かれなかったというか。
ですが!
コレが結構面白かったんです

図書館の自由に関する宣言で幕を開けるSFですが、
この4項目の網領(こうりょう)は1954年から実際に存在しているものですが、
それをみつけてこのパラレルワールドを創り、図書隊を創り上げていく有川浩氏の
イマジネーションが凄いと感じます

女性ながらミリタリーものを得意分野としている有川さんだけあって、
図書隊の訓練、敵対するメディア良化委員会の執行隊とのバトルも、迫力はあるんだけど、
ラブの絡ませ方も含めて、どこかやっぱり女の子向けかな~という印象

女の子のお仕事モノ、という設定も、
主人公・笠原郁の天真爛漫“王子様”発言が
男所帯の図書隊で公言されるなどは、やっぱマンガちっくだわー
同じミリタリー系なら、現在放送中の同じ有川さん原作の「空飛ぶ広報室」の方が自然かな。

ただ、これはやっぱり岡田クンあっての成功作だという気がしますね♪
クライマックスの堂上(岡田)vs武装組織(鈴木一真クン)の対決は超~~迫力。
番宣でのトークで、彼が3種の格闘技のインストラクター資格を持っている事を知ったのですが
流石のアクションシーンを見せ付けてくれます!


他キャストでは、笠原郁の同期でライバル役の福士蒼汰くんは、朝ドラ「あまちゃん」にも出演中の方なんですね~。
妙にフォーカスされていて??だったんですが仮面ライダー出身だとか。
子供が大きくなるとその辺が疎くなってしまいます(笑)
栗山千明さん、頼りになる先輩と思いきや、同期だった!?なかなかカッコイイです
後、私の中では怪優という位置づけの橋本じゅんさんが、今回は美味しい
それと、
図書隊創設者の稲嶺は、有川さんが児玉清をイメージに書かれたという事で、
今は亡き児玉清さんが写真出演されていました。
ちゃんと世の中にメッセージを送っておられた児玉さん、ソコの所も好い着目でしたのに。。

興行的には「藁の楯」を上まっているこの作品が、明るいし一般受けし易いというのは解ります。
個人的には「藁の楯」の方が見応えがあり好みでしたが、
コチラはオバサンな私も楽しめたけどやっぱりライトノベルな若い層向け、という気がしました
デートムービーとしてオススメ

天使の分け前

2013-04-21 20:48:18 | the cinema (タ行)

かけがえのない出会いと
スコッチウイスキーがもたらす“人生の大逆転”!

原題 THE ANGELS' SHARE
製作年度 2012年
製作国・地域 イギリス/フランス/ベルギー/イタリア
上映時間 101分
脚本 ポール・ラヴァーティ
監督 ケン・ローチ
出演 ポール・ブラニガン/ジョン・ヘンショウ/ガリー・メイトランド/ウィリアム・ルアン/ジャスミン・リギンズ/シヴォーン・ライリー
スコッチウイスキーの故郷スコットランド。育った環境のせいでケンカ沙汰の絶えない若者ロビー(ポール・ブラニガン)は、恋人レオニーと生まれてくる赤ん坊のために人生を立て直したいが、まともな職も家もない。
またもトラブルを起こし、刑務所送りの代わりに社会奉仕活動を命じられたロビーは、現場の指導者でありウイスキー愛好家であるハリー(ジョン・ヘンショー)と、3人の仲間たちと出会う。ハリーにウイスキーの奥深さを教わったロビーは、これまで眠っていた“テイスティング”の才能に目覚め始める。


ワインやウイスキーが樽の中で熟成される過程で、年に2%程が蒸発して減っていく。
その失われた分は"天使の分け前"と呼ばれる。つまり、熟成(美味しさ)のおすそ分け。
とあるワンショットバーのマスターから、こんなお洒落なネーミングを持つうんちくを聴いて
なんてロマンチックなの~と目を輝かせた、もう30年以上前の私。。。(遠い目・・・)

そんな思い出さえも、語って聞かせるオトナがいればこそ。
そして、
この作品では、まともに仕事も家すらない、荒んだ若者がそんなオトナとの出会いを果たすのです。
本作品の粗筋はもう、これ以上触れないでおこうと思うのです。

ただ、
この作品を観る前に、この舞台であるイギリスの若者の失業者が昨年100万人を超えたという、
厳しい現実があるということを念頭に置いて鑑賞した方がいいです。そうすれば、
自国を代表する飲み物であるスコッチウイスキーを、若者が一度も呑んだ事がないという事態も、
恋人レオニーの父親が、ロビーに対して取った行動も言葉も、
ちゃんと意味を持って心に迫ると思うのです。

そして、不況、不況と叫ばれていても、
私たちを取り巻く(日本の)環境が、いかに恵まれているかも改めて思い知ります。


長引く不況は、親子の代にまで亘り、生活苦は教育にありつけない若者を生み出す。
そして、ロビーのように、生活を立て直したくても足がかりさえなく、、、
若者の100万人の失業者”の中から抜け出すのに、
本当には、何が必要だったのか?

ちょっと前の私であれば「ぃやぃや、イカンでしょう~」となったあのやり方も、
そのお国事情を知れば、逃す事の出来ないチャンスだったと思えるのです。

過酷な環境下で、もがく若者に差し伸べられた一つの出会い。その優しい手。
最後に添えられたメッセージ、、、。
ロビーは、自らを樽の中で醗酵を待つウィスキーに見立てたのかも

時流をみつめ、毒を持ちながらも、
ケン・ローチ流の温かな眼差しとともに、逞しく生きよとのメッセージも感じる作品でした。
同時に、不況を生み出した世代の、私たちオトナの、
若者に向ける役割も描かれているのでしょう。
ケン・ローチファンならずとも楽しめる1本だと思います。

ダイ・ハード/ラスト・デイ

2013-02-16 13:04:40 | the cinema (タ行)

運の悪さは、遺伝する。
原題 A GOOD DAY TO DIE HARD
製作年度 2012年
上映時間 98分
脚本 スキップ・ウッズ
監督 ジョン・ムーア
ブルース・ウィリス/ジェイ・コートニー/セバスチャン・コッホ/ラシャ・ブコヴィッチ/コール・ハウザー/ユーリヤ・スニギル
ニューヨーク市警のジョン・マクレーン刑事は、長らく疎遠だったひとり息子ジャックがしでかしたトラブルの尻ぬぐいのためにモスクワへと降り立つ。ところが、ジャックが出廷するはずの裁判所が突然爆破され、マクレーンはまたしても事件に巻き込まれてしまう。大混乱の中でどうにかジャックと再会したマクレーンは、息子から思いもよらぬ事実を打ち明けられる。そして2人で手を組み、ロシア政財界の大物や軍隊が絡む巨大な陰謀に立ち向かうハメになるマクレーンだったが…。


で、これが5作目のマクレーン刑事、初めての海外進出、inロシアですが、
ダイ・ハードらしさは薄まりましたが「家族を守って大暴れ」は健在で、楽しめました。

1作目は、テロリスト集団がジョンの妻を含めた人々を人質にしてビルに閉じ込め、大強盗を働こうとしているところに出くわし、運の悪い刑事が立ち向かいヒーローとなり、
2作目はチョット広い、空港が舞台で、相手は麻薬王奪還を図るテロ組織。これも妻を含む上空で待機する旅客機全てが人質となった事態にたった一人で立ち向かう。
3作目はニューヨーク市内が舞台だったけど、ここから相棒と戦う感じになっていったっけ。
4作目は12年経っちゃって、50代になったアナログ・マクレーンが、全米のインフラ危機にハッカー青年と立ち向かうといった感じで、ここから敵の存在が薄くなったかも。
既に妻・ホリーには捨てられて(笑)うらぶれ感があって可愛かった(爆)
でも、、限定された空間でのマクレーンの孤独な戦いが生み出す緊迫感はなくなっていったのよね。

前作に続いて、カーアクションにチカラ入ってます。
撮影に約2ヵ月半をかけたというカーアクションは、前半の目玉でしょうが、
破壊しまくるシーンもCMで見せちゃってるし、後の興味は・・・
敵の強さ、でしょう。
これは、ちょっと2作目に通じるところがありましたね。ニヤリ

ブルースはインタビューで、ジャック役のジェイ・コートニーを自分に似てると言っていましたが、私は若い頃のスティーブ・マックイーンにちょっと似てると思いました。
そんなジョンとジャック親子のすれ違い、共に窮地に立ち向かう中で芽生える信頼と絆も描かれて、
手に汗握るという緊迫感はなかったけれど、ちょっと笑えるシーンもあって、
あっという間の1時間半。楽しめました♪

テッド

2013-01-20 12:06:14 | the cinema (タ行)

世界一ダメなテディベア、出没。
動いて、喋って、オヤジになった。

製作年度 2012年
上映時間 106分 映倫 R15+
監督 セス・マクファーレン
出演 マーク・ウォールバーグ/ミラ・クニス/セス・マクファーレン/ジョエル・マクヘイル/ジョヴァンニ・リビシ/ノラ・ジョーンズ/サム・ジョーンズ

命が宿ったテディベアのテッドと自立しきれていない中年男のコンビが巻き起こす
ドタバタ異色コメディー
いじめられっ子からも無視される孤独なジョンは、クリスマスプレゼントとして贈られたテディベアと友人になれるように祈る。彼の願いが通じたのか、テディベアに魂が宿り、ジョンにとって唯一無二の親友テッドとなる。それから27年の月日が経ち、中年となっても親友同士であるジョン(マーク・ウォールバーグ)とテッド。一緒にソファでくつろいでは、マリファナをくゆらし、映画を楽しんでいる彼らにジョンの恋人ロリー(ミラ・クニス)はあきれ気味。ジョンに、自分とテッドのどちらかを選べと迫る。

終了時間の関係で、当初予定していた邦画を断念。コチラを観てきました。
そもそも洋画に限らずドタバタコメディーが苦手なので、多少の不安もあったのですが、
プラス、下ネタ満載ということで、、やっぱり引いた部分も多かったです。

R15+の指定があるっていうことで、そっち方面(爆)は覚悟の上でしたが、
どうしてもダメな、パーティの落し物。しかも人様の
ああいうの、まずダメなんですよね~。
おまけにテッドったら、レジのかわいコちゃんの気を引くうちに悪乗りが過ぎて・・っていうところも


時々のI Love You~ の音声が可愛くて可笑しかったけど、
80~90年代の懐かしネタも、ご本人登場の二人の盛り上がりも、
当時を知らなくても(私は知っていますが)ある程度予想は出来ますが、
私の隣の20代の方たちは置いてけぼりだったようで、終了後「ナントナク置いてかれたあ~」とつぶやいてました。
同列の、オープニングタイトルから声高に笑っていた高齢のお姉さまとは対照的

まあとにかくぬいぐるみなので、その言動のエロさもギャップがあって楽しいけど、
下品な部分は要らなかったな~。
でも、私がやり過ぎと感じた部分も、男性なら笑えるのかも
なので、男同士で観に行くっていうのが一番かな~。
間違っても、付き合い始めたばかりのデートでは行かれませんように

007 スカイフォール

2012-12-19 23:57:30 | the cinema (タ行)

原題 SKYFALL
製作年度 2012年
製作国・地域 イギリス/アメリカ
上映時間 143分
監督 サム・メンデス
出演 ダニエル・クレイグ/ハビエル・バルデム/レイフ・ファインズ/ナオミ・ハリス/ベレニス・マーロウ/アルバート・フィニー/ベン・ウィショー/ジュディ・デンチ
MI6のエージェントのジェームズ・ボンド(ダニエル・クレイグ)は、NATOの諜報部員の情報が記録されているハードドライブを強奪した敵のアジトを特定し、トルコのイスタンブールに降り立つ。その組織をあと少しのところまで追い詰めるも、同僚のロンソンが傷を負ってしまう。上司のM(ジュディ・デンチ)からは、敵の追跡を最優先にとの指令が入り、後から駆け付けたアシスタントエージェントのイヴ(ナオミ・ハリス)と共に、敵を追跡するボンドだったが……。

前作「007/慰めの報酬」では海上、空中アクションも見せてくれましたが、
今回はバイクアクションがカッコイイ
列車の屋根での執拗でスリリングな展開
グランドバザールの屋根の上の追跡シーンは必見!
そして、突如出現する廃墟の島、似てるなあ~と思ったらやっぱり軍艦島!!

これまでの歴代ボンドには無かった、翳りのあるダニエルの007。
今回はテクノロジーに支配された現代にあって、MI6そのものの危機もテーマになっており、
それを象徴するQの若返りに、
ちらっとトシを意識するダニエルボンド(笑)でも、オンナには優しく
ひたすら戦い抜く姿に痺れます



Mを標的にしたシルヴァ・ハビさまの気持ち悪さも嵌ってますし、
そのジュディ・デンチのセリフも印象的
せっかくのレイフ・ファインズ、怪しさが足りませんでしたが(笑)
オープニングから約2時間半の間、ダニエルに釘付けでした~大満足♪