あの子はきっと
生まれ変わって 帰ってくる――
製作年度 2012年
上映時間 106分
原作 新津きよみ『ふたたびの加奈子』(ハルキ文庫刊)
脚本 監督 栗村実
出演 広末涼子/稲垣吾郎/福田麻由子/高田翔/吉岡麻由子/田中里衣/江波杏子
小学校入学前の娘、加奈子を亡くした容子(広末涼子)。この世にいない娘に話し掛けたり、食事を作ったりする容子に、夫の信樹(稲垣吾郎)は心配しながらもイライラしていた。そんなある日、容子は妊娠中の高校生・正美(福田麻由子)に出会う。そして生まれてくる正美の子どもこそ、加奈子の生まれ変わりだと確信し……。
事前に予告を観ていたので、待ち時間がなかったことから迷わずチケット購入。
桜の、この時期にぴったりかな~と思っていましたが、
全編を通じて神経を引き裂かれるような音楽と、ホラーに近いカメラワークで織り成す、
その独特の世界観、演出に、好き嫌いがハッキリ分かれる作品だとも思いました。
が、、私はキライではなかったです。
それはやはり、私が母親で、
何度か家族を失うのではないかという恐怖感を味わった経験があるからなのかも知れません。
浮き足立っていた入学式の日、最愛の娘を亡くす――
後悔と、自責の念に苛まれる容子は、ついに娘の部屋で自殺を図るが、一命をとりとめる。―
「加奈子はここにいる」と言うようになる、容子のそれからの日々…
物語は、事故以来、見えない加奈子と時を過ごす容子が、
ある日、ジローが導いてくれた女子高生・正美と出会い、「加奈子が生まれ変わって帰ってくる―」と。
それからは、加奈子に語りかける事もなくなり、
度々正美のもとに訪れる容子の姿を克明に映し出していく.........
夫の信樹は、加奈子に執着し、新しく家族でやり直そうとしない容子に
次第に不満を募らせるが、、、無理強いをせず、容子のある提案を受け入れる。
廻り来る幾度かの桜の季節を、娘を亡くした夫婦を軸に、
この物語は、好きな人の子供を身ごもりながら、母親になりきれない正美と、
正美を見守っていた教師・砂織、
正美を慕う後輩が登校途中ですれ違う、ベビーカーを押す女性と、、
桜の季節に交錯する4人の母の生きる姿が描かれ…―
そして、最後の最後で、明かされるあの日の出来事…!
…!そうだったのか・・・!
と思えるか、
そんなバカな~!!となるのか、、、
悲しみの淵から、人は何に縋って立ち直るのか。
そんな事を感じさせる、
ひた向きに奇跡の出会いを信じて突き進む、危うい容子を演じた広末さんは勿論上手いし、
いつもならソッチ側のゴローちゃんの(笑)
輪廻転生など信じてもいない、普通の穏やかで勤勉そうな夫も自然でしたが、
なんといってもシングルマザーの福田麻由子ちゃんが凄い。
殆どセリフ無しで、目の表情だけで、その複雑な心情の移ろいを表現していて、上手いです
命の循環―それよりも、
親と子、その思いの強さ。
それが通じたら、この世の中、そんな奇跡もあるのかも知れない、と感じた物語。
よくあるファンタジーのように、亡くなった子供が空を飛んだり、
『黄泉がえり』のように、観客の前に姿を見せたりと言う事が無い分、
それが受け入れられない人には退屈で暗い演出だという受け取り方になるでしょうが、
江波さん始め、キャストの演技で引っ張って行ってくれたように思います。
セリフがなくて心情を表現する流れが巧い!
>一つだけ?と思ったのが、すぐにやめることがわかってる先生を
担任が決まる時には、まだ妊娠していなかったんじゃなかったと思いますが、、。
本人も気付いてなくて、、あの「ジローが走っていって3人が出会った時」
加奈子降臨、、だったのですから、ジローだけがアノ時点で知ってたんですよね?
小道具なども使わずにナットクさせられちゃったのは、珍しい作品です(笑)
福田マユコちゃんは、うまかったですね。激しく同意。先生役のがいまいちだったんで、ますますそう感じたかも。
一つだけ?と思ったのが、すぐにやめることがわかってる先生を、ナイーブな1年生の担任にはせんだろぉ・・と思ったところかな。
見事としか言いようのない、さくらですよね~。。。
これはヒトに限らない、「生命の循環」を描いているのでしょうね~。
同じ木に咲く桜も、去年と同じ木に咲いても、ホントは別の命を持った桜だと、私は思いますが、
同じように、同じ親から生まれてもみんな別の生命。
生まれ変わりなんてない。
でも、、、私の知らない、見えないところで
こういうストーリーが、あるのかな?と、
あのラストで思いたくなりましたよ
TB、ありがとうございましたm(__)m
桜もあとは八重桜を楽しむだけとなりましたね~♪
様々な伏線を準備しながらも、
もしかしたら、一度観ただけでは理解できない部分も
見受けられた映画でした。
観てる側に“何か”を間接的に感じて欲しい映画と
言ったほうがいいのでしょうか。
僕的には、残念ながら素直に泣ける映画ではなかったです(笑)