to Heart

~その時がくるまでのひとりごと

手紙

2007-06-01 23:31:25 | the cinema (タ行)
―言葉に できない。―
製作年度 2006年
原作 東野圭吾
脚本 安倍照雄/清水友佳子
監督 生野慈朗
音楽 佐藤直紀
出演 山田孝之/玉山鉄二/沢尻エリカ

親もなくふたりで生きてきた竹島兄弟。出来のいい弟・直貴(山田孝之)の為に頑張って仕事をしてきた兄(玉山鉄二)は、腰を痛め仕事を無くし、大学進学のためのお金を盗みに入った家の老女を誤って殺害、無期懲役の身となる。
塀の中から兄は弟の様子を心配し手紙を書く。
塀の外では、犯罪者の身内ということで、弟はアパートを追われ仕事を無くし行き場を失っていくが、
優しい兄が自分の為に犯罪に手を染めたという想いから、返事を書き続ける

大学進学もあきらめ工場で働く直貴の夢は、幼なじみの祐輔とお笑いでプロになることだったが、
何度引越しをして仕事を変えても、毎月刑務所から届く兄の手紙が彼を現実に引き戻し、更に追い詰めていく。
そんな彼に好意を抱き、折にふれ励まし見守る由美子には眼もくれない直貴・・・
努力して、夢を手に入れる寸前で犯罪者の家族だということで諦める事の繰り返し・・・
塀の中で、ある意味法に守られながら、弟からの手紙が途絶える事を淋しがる兄・・・

頑張っても頑張っても、兄のことが判り世間に突き落とされる弟の苦しみを、一生付いてまわる運命に自分が貶めてしまった事を兄は思い及ばない・・・
・・・言葉に出来ない・・・
溌剌と順調な、仕切り直した生活から、またしても追いやられたもがき苦しむ直貴に、
追いやった会社の会長の言葉が、重い。。重くて泣けてくる。
うらむことを止めて、「ココから始めればいいんです。」

赦し、受け入れ、愛し、堪えていけ――なのか、
観ている時よりも、これを記事にする段階になって、涙が止まらない・・こうしている今でさえ。。

毎日々々、事件がおきる度に犯罪者家族は生まれている。沢山の直貴が生まれているのだ。

重いテーマだが、主要キャストの演技は素晴しく、影響を与えるベテランも良かった
ただ、音楽の使い方が残念!どんな名曲も使い方を誤ればうるさいだけになってしまう。
コメント (14)
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