日本の昔話桃太郎をリケジイの二歳上の兄が三河地方の方言で語っていました。兄はこれをSNSで拡散して欲しかったようですがそれも叶わず昨年の春、虹の橋を渡ってしまいました。
兄を忍んでここに紹介します。
昔々どえらい昔、三河の國にお爺さんとお婆さんが暮らしとらしたげな。
ある日のことお爺さんは山に「ご」を(松の枯れ葉)掻き(集め)に行き、お婆さんは川に洗いもんに行ったげな 。お婆さんはいきなりしいこ(おしっこ)がしたなったもんで川のぐろに、ちょごんで(しゃがんで)しいこまっとると(オシッコしてると)、川上から大きな桃がどんぶらこっこ、どんぶらこっこ、と流れてきたげな。お婆さんびっくらこいてあわくったもんでしいこで足を濡らかいちゃったがん。
ばんちょ(嬉しい)じゃん、持って帰って晩げにお爺さんとよばれまい、とその桃を持って帰ったげな。晩げにお爺さんはお婆さんに切り板とほうちょんを持っといでんと頼んだげな。ほいで桃を切らあとすると桃は自然にパカっと割れたげな。中から男の子がでてきたもんでお爺さん、お婆さんはほや(そりゃ)びっくりこかしたがん。お婆さんが、わしんがとうには子供がおやへんで、この子をわしんがとうの子供としてしとねまいと言うと、お爺さんもほだなぁ、ほれがいい。ホッホッホッ。
お婆さんもほだほだハッハッハッ。
こうしてこの子は大きくなって桃太郎となり、鬼ヶ島へ鬼征伐に行って宝物をたぁんと分取って来てお爺さんお婆さんに孝行したげな。