ウクライナが実行したクルスク侵攻作戦は、ウクライナ紛争の性質を、これまでとは全く異なるものに変えました。
これまでは西側のロシア批判の大きな根拠は・・・
『武力による国境変更は断じて認めない!』
と言うものです。だからロシアは侵略者であり断じて許せない存在でした。西側がウクライナを絶対的に支持し支援する根拠です。
ウクライナがロシア領のクルスク州に軍事侵攻し、ロシア領を占領したならば、この根拠は崩れたことになります。
侵略者と侵略者の戦争になりました。
正義と悪の戦争から、悪と悪の戦争になりました。
まあ、筋論は脇に置いて・・・・・
(1)前線が完全に膠着し徐々にロシア軍優位の戦いになりつつありました。このままでは、ウクライナがジリ貧なのは誰が考えても分かります。ロシアは、現在の戦況を維持するだけで優位が拡大し、ウクライナは苦しくなる一方です。
そこでウクライナが考えたのが、「戦場の取捨選択」です。もう挽回の難しいドネツク州の戦場は整理して、それ以外の戦場に軍事リソースを振り向けて、戦争を継続しようという考えだと思います。この考え方自体は、合理的でありそうするべきです。
しかし、ここでゼレンスキーの見え張りの性格が出てきます。
単にドネツク州を放棄するだけでは、支持率はガタ落ちになります。
支持率アップと西ウクライナ国民の戦意高揚のために考え出されたのが、クルスク侵攻作戦です。
クルスク州にはロシア軍は、ほとんど配備されておらずかなりの規模の精鋭機甲部隊を集結して軍事リソースをつぎ込みましたから、特に作戦が大成功したわけではありません。単にウクライナの精鋭機甲部隊がロシア領に進撃したと言うだけの話です。
尾ひれやふくらましをたっぷり混ぜて、宣伝上手のウクライナは大戦果を誇張しました。
西ウクライナの国民向けには、大成功でした。
戦意は大いに高揚し、ゼレンスキーの支持率もアップしたでしょう。
一時的とはいえ、ロシア領に占領地も獲得しました。
その後いかにウクライナが有利でロシアが不利かの宣伝もテンコ盛りでしました。
例によって西側のメデイアは結構協力しましたので、特にウクライナ・ファンの多い日本では、ウクライナが戦況を挽回して互角になった・と誤解している人は多いのではないかと思います。
単なるドネツク州放棄を、これだけ何だかウクライナ有利の話にデッチ上げるのですから、ウクライナ(ゼレンスキー)の騙しのテクニックは、天才的だと認めざるを得ません。
しかし、所詮騙しのテクニックですから中身があるわけではありません。
中身の話は、これからと言うことです。
(2)「戦場の取捨選択」は今のウクライナには、絶対に必要なことであり私は去年の暮れごろから、そうするべきだ!と言っています。
むしろ遅かったくらいです。
キエフ政府の判断は、事実上現状を黙認することでもあります。ロシアが領土と主張する4州のうちかなりの面積をウクライナが守ってきたのがドネツク州です。
ドネツク州を放棄すれば大体ロシアが主張する4州をロシアが実効支配することになります。
その上でキエフ政府は、クルスク州のロシア領を占領したまま停戦交渉に持ち込みたかったのであろうと思います。
だからウクライナがクルスク州のロシア領を占領することが、いかにロシアに不利かをセッセと宣伝しています。
そして何とかロシアを交渉に引き込もうとしています。
しかし、これは余りにも都合の良すぎる話で現状でロシアが停戦交渉に応じる可能性は、ゼロと言えます。
だからベストの話をすれば、クルスク州のロシア領を占領して西ウクライナ国民が万歳三唱!した時点で即刻、撤退するべきだったと思います。
しかし一時的な成功に舞い上がったゼレンスキーは、スームイ州の防衛のために緩衝地帯を設ける話を持ち出してしまいました。停戦まで占領地を維持することを宣言したのと同じです。
こうしてウクライナは、クルスク州の占領地から撤退する道を自分で放棄してしまいました。
だから、今後はクルスク戦線にスポット・ライトを集めようとするでしょう。
ドネツク州は、出来るだけ陰に隠しておきたいでしょうね❓
「人の噂も七十五日」
やがて、ドネツクのことなんかミーハーな西ウクライナ国民は忘れ果てるだろう❓
こうすると「クルスク州の占領」のお手柄!だけが残るという筋書きを考えていると思います。(失敗は隠してお手柄だけを強調するゼレンスキーの得意技です。)
しかし、これはキエフ政府の希望的な観測にすぎません。
相手のロシアが、どう考えてどう行動するかを完全に無視しています。
(3)ロシアは、どうするか❓
クルスク州ではクルスク原発と州都クルスク市を防衛するために長大な防衛ラインを建設済みだそうです。
このような建設するのに大変なものをわざわざ建設したと言うことは❓
ロシアは、クルスク州のウクライナ軍を、直ぐにどうこうするつもりは、ないと言うことだろうと思います。
持久戦に持ち込み、消耗と補給(兵站)の戦いをすると言うことです。
当分、クルスク戦線での戦闘は続くでしょう。
(4)その間、ロシアはどうするのか❓
まず、現在勝勢のドネツク中部戦線で勝ちに来ています。
具体的には・・・
①トレツクТорецьк~ニューヨルクNiu-York方面を完全制圧して、その後コンスタンチノフカКостянтинівка攻略に向かって進撃する。
②ドネツク西部の要衝のポクロウシクPokrovsk方面を面的に広く制圧する。
③、②と連動して南ドネツクを制圧する。
ここまでは簡単に分かります。
他にも何かするんじゃないか❓
ここでウクライナのクルスク越境占領が出てきます。
ウクライナは、クルスク越境占領を自国領のスームイ州の安全のために緩衝地帯を設けるためだと主張しています。
つまり他国領を越境占領する非が、ここでモロに出てきます。
「自国領のスームイ州の安全のために緩衝地帯を設けるためのロシア領占領」が認められるなら、ロシアが逆にウクライナ領に安全のために緩衝地帯を設けても問題は、ないことになります。
「自分は良い、人はやってはダメ」
このような都合のより論理は、自分が相手より強い場合にのみ通用します。ウクライナの場合は、無理でしょうね❓ロシアより強いようには見えません。
(5)だからロシアが自国領ベルゴロド州の安全のためにハルキウ北部に緩衝地帯を設定するために越境占領した時は、非常に慎重でした。
予め作戦目的を明示して占領範囲も最初から明示していました。
自国領と宣言した4州以外での軍事行動には、非常に慎重でした。
これは、6月にロシアが停戦受け入れの条件を明示しているからです。その条件には、ウクライナがクリミアと4州の割譲を認めることが明示されています。
だから停戦条件を提示する以上は、この条件に示された以外のウクライナ領には軍事行動は、控えなくてはならない事になります。
(6)クルスク侵攻作戦を受けてロシアは、6月に提示した停戦受け入れ条件を事実上撤回しました。
再度のロシアからの条件提示は、これからです。
領土的には「クリミアと4州」以上のものが出てくる可能性が高くなったと言うことです。
ここでウクライナの主張する「「自国領のスームイ州の安全のために緩衝地帯を設けるためのロシア領占領」が大きな意味を持ってきます。
ロシアがロシア領の安全のために同じことをしてもウクライナは、文句も言えませんし相手を批判することも出来ません。
ロシアは、ロシア領が安全だと考えるところまで占領地を広げて緩衝地帯を設定する根拠を与えたと言えます。
「ドニプロ川の東側全域+クリミアの安全のためにオデッサОдесаが必要であり、ヘルソン州の安全のためにムィコラーイウМиколаїв州も必要です。」
こうロシアが主張すると❓
ドニプロ川の東側全域と南部の海側全域ですね❓
ウクライナのクルスク州進撃作戦と占領地確保は、ロシアにこのような「絶好の口実」を与えました。
ロシアが、停戦交渉に応じる見込みは余程領土的にロシアに良い条件を示さない限り、ないと思います。
(7)クルスクにいるウクライナ軍は、ロシアの領土拡大の根拠(証明)と同じです。証拠品みたいなものですね❓だから急いでウクライナ軍をクルスクから追い出さないと思います。むしろ出来るだけ長くいてもらいたいでしょう。
ゼ◎某の思い付きクルスク作戦の結果は、結構ウクライナにとって厳しいことになりそうな気がしています。
周囲が停戦を考えて勧めるだけ、馬鹿らしいですね❓
とことん戦争して、決着を付けたらいいと思うようになりました。
※関連記事目次
「中立の視点で見るウクライナ紛争」の目次⑥
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ウクライナ東部のポクロフスク戦線、「極めて厳しい」=軍総司令官
By ロイター編集
2024年8月30日午前 3:57 GMT+92時間前更新
https://jp.reuters.com/world/ukraine/SLNAN2NVHFOOHBNSX5AW5D3B5Y-2024-08-29/
①ここで、いつもの通り・・・(シルスキー総司令官)
「ウクライナ軍は頑強に戦い、ロシア軍を撃退している!」
と、やってしまうと直ぐにポクロウシクPokrovskが陥落すると、さすがに都合が悪いから戦闘について「非常に厳しい」との見解を示しました。
②ゼレンスキー大統領も・・・
「ポクロフスク付近の状況は「極めて困難」であるとした上で、防衛をさらに強化すると述べた。」
「よく言うわ・・・」とポクロウシクPokrovsk戦線で戦うウクライナ軍将兵は、白けた気分で聞いているでしょう。
東部戦線の各戦場から強い部隊を引き抜いて、クルスク侵攻作戦につぎ込みました。当然、東部戦線は少ない兵力がさらに減少し、しかも砲弾などは割当制にして補給を絞っています。強力な機甲部隊、強力な武器や砲弾・ミサイル・ドローンなどは、全部クルスク侵攻作戦に投入しました。
ゼレンスキーの嘘とは逆で、苦戦のポクロウシクPokrovsk戦線は増援部隊は送らず放置したままです。
以前にも「防衛をさらに強化する」と発言しましたが、特に何もしていません。
東部戦線から有力な軍事資源を引き抜きそれを集めてクルスク侵攻作戦を開始した以上、少なくとも敗勢に近いトレツクТорецьк~ニューヨルクNiu-York方面とポクロウシクPokrovsk戦線は、最初から放棄を決めています。
そうは言えないから、①と②の発言が出てきます。
すでに(数か月前に)決定してクルスク侵攻作戦を決行して3週間が経過する以上、今更途中でやめることは不可能です。
それこそ西ウクライナの市民が激怒して反乱が起きるかもしれません。
「クルスクで勝った!勝った!勝った!」
と散々戦勝気分を煽りまくってしまった以上、もうドネツク中部は、どうにもなりません。
ウクライナとしては、ドネツク中部で精一杯「戦ったフリ」をしてドネツク中部を、そっと放棄するしかありません。
後は、クルスク侵攻作戦で思いっきり頑張って、「クススクで勝った!勝った!勝った!」を煽りまくるしかありません。
クルスク戦線の方は、ロシア軍がクルスク原発や州都クルスク市に、ガッチリ!防衛ラインを建設したようです。
ロシアの防衛ラインは、強力ですから事実上ウクライナ軍の突破は、これ以上は不可能です。
後は、持久戦になり消耗戦が続くでしょう。
消耗に耐え、補給(兵站)の戦いに移行します。
どっちが、それが得意かを考えると、大体クルスク戦線の行方も分かると思います。
一応、この先を考えると仮にポクロウシクPokrovskをロシア軍が、やがて制圧するとします。
しかし、これは始まりであって終わりではありません。
もうすでにロシア軍は南ドネツクで攻撃を強化しています。南ドネツクも半年もつかどうか・だと思います。
もう補給が相当苦しくなっており、やがて補給困難になるからです。
『ポクロウシクPokrovskはドネツク州の物流(兵站)と交通の大拠点で替えが利かない重要拠点<ウクライナ紛争2024/08/30』
https://smcb.jp/diaries/9352886
『ポクロウシクPokrovsk戦線、南部も根こそぎ制圧するらしい欲深ロシア軍<ウクライナ紛争2024/08/28』
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/b71816f217e32ef8896417c1d54874e0
そしてポクロウシクPokrovskの更に西の話です。
『ポクロウシクPokrovskが、何故ウクライナにとって重要なのか❓<ウクライナ紛争2024/08/22』
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/d3cf126433a80a743e6c4eb30f2d59ef
ドネツク州の西の隣のドニプロペトロウシク州のパブログラードПавлоградまで防御に適した地形や大きな都市がないのです。
ポクロウシクPokrovskからだと、目見当75km~80kmくらいでしょうね❓
補給や兵力の問題はありますが、ロシア軍が西に進撃した場合、約75km先のパブログラードПавлоградまでウクライナ軍には、まともな防衛拠点がありません。
どうするんでしょうね❓
ウクライナがクルスク侵攻作戦のためにポクロウシクPokrovsk防衛を事実上、放棄したことは❓
ロシア軍にデカくて!美味しすぎる!臨時大ボーナス!をプレゼントしたのと、ほぼ同じことです。
シルスキーとゼレンスキーは、数の勘定とか❓
出来るのかな❓
①クルスクの端っこ少し⇒25円
②ドネツク⇒500円以上
③ドニプロペトロウシク⇒1000円以上
ロシア②+③
ウクライナ①(あるか、ないかまだ分からない)
普通の人なら、どうします❓
※関連記事目次
「中立の視点で見るウクライナ紛争」の目次⑥
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航空万能論のコメント欄を読んでいて気が付きました。
ポクロウシクPokrovskの重要性を説明した記事は、そう言えば読んだ記憶がありません。私は航空万能論の戦況略図を見ているうちに自然に覚えました。
一般的なニュースだと人口6万人の小都市程度にしか書いていない例もあるようです。
やや書いているのは、この記事。
CNN
ロシア、ウクライナ要衝ポクロウシクに「急接近」 クルスク侵入許した後も前進
2024.08.17 Sat posted at 17:22 JST
https://www.cnn.co.jp/world/35222859.html
これでも「軍事要衝」「兵站(へいたん)や軍事面の要衝」この程度にしか書いていません。これでもましな方かもしれません。
<<<ドネツク州の物流(兵站)の流れ>>>
【西の大都市のドニプロ市~ドネツク州西部のポクロウシクPokrovsk】
<北部>
◎ポクロウシクPokrovsk~北部ドネツクのクラマトルスクКраматорськ
<中央>
●ポクロウシクPokrovsk~アウデイーイウカ(ロシアが制圧)
<南部>
◎ポクロウシクPokrovsk~クラホヴェKurakhove
主な輸送(兵站)は、このルートで鉄道輸送されます。
他に補助的なルートとして・・・
<幹線道路T-0504>
◎ポクロウシクPokrovsk~コンスタンチノフカКостянтинівка
<幹線道路E-50>
●ポクロウシクPokrovsk~この先ロシア軍が制圧
南ドネツク
<幹線道路N-50>
◎西~クラホヴェKurakhove~●コスティアンティニフカKostyantynivka(ロシア軍が数日前制圧)
<●物流道路のO-0532もロシア軍が遮断>
こうしてみると西のドニプロ市からポクロウシクPokrovskに鉄道で運ばれてきた様々な物資がポクロウシクからドネツク各地に、送られていきます。
ポクロウシクPokrovskをロシア軍が制圧すると、ウクライナ軍はこの物流網(兵站)を、鉄道・道路とも失います。
この代わりは、ありません。
ドネツクの物流は、ウクライナにとっては無くなります。
後は、道路を使って細々とトラック輸送するしかありません。
これだけの物資を輸送しようと思ったら、どれだけのトラックが必要なのか見当が付きません。
北部は、かなり不便ですがハルキウ市方面からの振り替え輸送は出来ると思います。しかし、輸送量は相当減ると思います。
大問題は、南部です。
既にポクロウシクPokrovskからのトラック輸送は相当不便になっています。かなり輸送量は減少しているでしょうね。
鉄道路線は、既に危ない状況が生まれました。
ポクロウシクPokrovskの東南の方にあるセリダブSelydove(南の方の大きな市街地)までロシア軍が到達して市街戦が始まっています。
セリダブSelydoveのすぐ南を、クラホヴェKurakhoveに行く鉄道路線が通っています。
もう既に難しいでしょうね。
迫撃砲で簡単に攻撃できる距離までロシア軍が迫っています。
※このように説明されるとポクロウシクPokrovskの物流(兵站)拠点としての重要度が分かると思います。
ポクロウシクPokrovskを失うのは、ドネツク州の物流網を失うのと、ほぼ同じです。
ポクロウシクPokrovskは、まだ占領されていませんがポクロウシクPokrovskから南ドネツクに行くルートは、ほぼ遮断されました。
今後は、南ドネツクの補給(兵站)は、極端に苦しくなります。その影響は、マリンカMar'inkaの南の方では、既に出ていると思います。
この方面のロシア軍の西への進撃が活発化しています。
https://grandfleet.info/war-situation-in-ukraine/ukrainian-armys-defense-line-continues-to-collapse-in-battle-near-pokrovsk/
記事の図の2枚目。
ただでさえ兵力不足なところに、今度は物資の不足が重くウクライナ軍にのしかかります。
中部ドネツクは、既にウクライナ軍が敗勢と言えます。
南部ドネツクのウクライナ軍も時間が経過するほど、劣勢から敗勢に近い状況になると思います。
加えて南部ドネツクは、ポクロウシクPokrovsk方面に進出したロシア軍が南下してきて挟撃されます。
南部ドネツクもウクライナ軍の敗北は、ほぼ決定的と言っていいと思います。
※これが、ウクライナ参謀本部が下した決断の結果です。
ドネツクを軽視して、軍事資源の多くをドネツク戦線から引き抜きクルスク侵攻作戦に投入しました。
当然、ドネツクの各戦場のウクライナ軍は弱体化してロシア軍の優勢が強まります。
それに加えてドネツクの物流(兵站)の大拠点であるポクロウシクPokrovskを失えば、どうにも戦いようがないことが簡単に理解できると思います。
ポクロウシクPokrovskに通じる鉄道路線と幹線道路を封鎖されても同じ効果があります。
ポクロウシクPokrovskを失うと言うことは、このような意味があります。
終わっているでしょう❓
※関連記事目次
「中立の視点で見るウクライナ紛争」の目次⑥
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ロシア、クルスク原発に新たな安全対策 周辺への立ち入り制限へ
By ロイター編集
2024年8月29日午前 2:33 GMT+91日前更新
https://jp.reuters.com/markets/commodities/VAY5NXOMQFJSJHOBOR32RABCIA-2024-08-28/
ロシア、西部原発付近で不発弾処理 米国供与武器と主張
By ロイター編集
2024年8月28日午後 7:22 GMT+91日前更新
https://jp.reuters.com/markets/commodities/MAWT5IFNN5KHJKSLOV6WQWH4PA-2024-08-28/
『原発から5キロの場所で、米国が供給した「ハイマース」の砲弾、180発の不発弾が詰まったロケットの破片』
ロシアがIAEA批判、原子力の安全性巡り「客観的」姿勢求める
By ロイター編集
2024年8月28日午後 4:25 GMT+91日前更新
https://jp.reuters.com/markets/commodities/5M7KNZXLKVIYLAAFU32RQ7YMAI-2024-08-28/
『前日にIAEAのグロッシ事務局長がロシア西部クルスク州にあるクルスク原子力発電所を視察』
『核事故が発生する恐れがある』
『安全性を巡る状況は深刻になっている』
ウクライナがクルスク原発攻撃試みたとロシア主張、テロと非難
By ロイター編集
2024年8月23日午後 6:11 GMT+96日前更新
https://jp.reuters.com/markets/commodities/7AQQXEIA2BLB7P5YXI2LJY34XY-2024-08-23/
『ウクライナのドローン(無人機)3機を撃墜』
『ドローンは使用済み核燃料の貯蔵施設の近くで撃墜された』
以上が、ウクライナがクルスク原発を攻撃した記事です。
少なくともドローンで1回、ハイマースのミサイルで1回攻撃しています。
ミサイルが原発のどこを狙ったのかは不明です。
ドローンは、「使用済み核燃料の貯蔵施設」を狙った可能性があります。
「使用済み核燃料の貯蔵施設」を狙うとどのようなリスクがあるか❓
「核火災」が起きます。
使用済み核燃料であろうと核爆発は起きなくても「核火災」は起きます。
「核火災」が起きると高温が酸素を吸収し巨大な火災旋風が発生します。
火災旋風
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%81%AB%E7%81%BD%E6%97%8B%E9%A2%A8
簡単に言うと強力で巨大な火の竜巻です。
周囲の酸素を巻き込んで巨大化した火の竜巻はジェット気流の高さまで吹き上がります。
当然、ここには大量の残留放射性物質が含まれています。
ジェット気流に乗ってしまえば、広範囲に大量の残留放射性物質が巻き散らかされることになります。
チェルノブイリ原発事故を見れば、大体範囲が分かります。原発周辺だけでなく、ヨーロッパ全域が放射能で汚染されました。
「使用済み核燃料の貯蔵施設」にドローンやミサイルを撃ち込むと「核火災」が発生するリスクがあります。
「核火災」が発生すると自動的に「核の火災旋風」が起こり、広範囲に放射能汚染が発生します。
ウクライナが狙っているのは、これです。
「使用済み核燃料の貯蔵施設」にドローンやミサイルを撃ち込むことが、どれほど危険なことか分かりましたか❓
ウクライナには、前科があります。
2022年には、執拗にザポリージャ原発を攻撃しました。
この時は砲撃がほとんどでした。
狙っていることは同じです。
攻撃を受けたザポリージャ原発は、外部電源をかなりの期間失いました。非常用電源(自家発電)での電力供給が間に合って、過酷事故は免れました。
電力供給が足りないと原子炉の冷却が出来なくなり、チェルノブイリ原発事故と同じような過酷事故が起きます。
このときは、IAEAの職員が原発に常駐してそれ以上のウクライナの原発攻撃を防ぎました。
人間の盾です。
原発をドローンやミサイルで狙うのは、原発の過酷事故を狙っていると言うことです。
原発の過酷事故が起きてしまえば、人間が止めることは不可能です。事故の度合いが酷ければ酷いほど、より広範囲により強く放射能に汚染されます。
放射能汚染と言う意味では、核爆弾よりはるかに悪質です。汚い放射能が、長い期間環境に残留するからです。
チェルノブイリ原発の周辺では、まだ立ち入り禁止区域が残っています。汚染度の高いエリアも残っています。
原発は、核シェルターで封印されたままです。
原発の過酷事故が起きてしまえば、このようになります。
戦争だから原発を攻撃して良いという論理は成り立ちません。
核爆弾で攻撃するのと、ほぼ同じです。
これをウクライナは、実行しました。
幸いドローンは撃墜され、ミサイルはロシアの迎撃ミサイルが迎撃に成功したようです。
迎撃に失敗すれば、原発の過酷事故が起きる可能性が高いと言えます。
原発本体だけでなく、「使用済み核燃料の貯蔵施設」で核火災が発生しても、広範囲でひどい放射能汚染が起きる可能性があるのです。
このように理解すれば、原発攻撃の恐ろしさが分かると思います。
もし原発で過酷事故が起きれば、それは核ミサイルで攻撃されたのと大した違いは、ありません。
ロシアは、確実に核ミサイルで報復すると思います。
核ミサイルを撃ち込む先が、首都キエフか西部のリビウになるかだけの選択があるだけです。
どちらかに報復の核ミサイルを撃ち込むでしょう。
アメリカが真剣にウクライナの原発攻撃を止めさせないと、最悪以上のような事が起きます。
起きてしまえば戦争どころでなくなるのは確かです。
もっともロシアは、首都キエフと西部のリビウの両方に核ミサイルを撃ち込んで戦争を終わらせるかもしれません。
そう言うことになっていいかどうか❓
アメリカは真剣に考えるべき時です。
原発事故が起きれば❓
『一発レッド!カードが何枚かの問題!』
※関連記事目次
「中立の視点で見るウクライナ紛争」の目次⑥
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ほとんどメデイアの報道はありません。
まあ、そうでしょうね❓
西側のメデイアがウクライナに不利なことを報道するはずはありません。
そこで何でも報道する「WARNEWS247」
これはロシア国防省発表の合計だろうと思います。
2024 年 8 月 29 日 | 21:02
クルスク NATO 戦車と装甲墓地 – 6,000 人以上のウクライナ人が死亡 (ビデオ)
ウクライナのEDの「最高傑作」は失われた。 NATOによって訓練を受けた人
https://warnews247-gr.translate.goog/war-monitor/oukrania/nekrotafeio-natoikwn-tethwrakismenwn-kai-armatwn-maxhs-to-koursk-panw-apo-6-000-nekroi-oukranoi-vid/?_x_tr_sl=el&_x_tr_tl=ja&_x_tr_hl=ja&_x_tr_pto=sc
※この数字は、あくまでロシア国防省に発表がソースです。
「クルスク地域での戦闘開始以来、ウクライナ軍の損失は以下の通り。
5,800人以上の兵士、
戦車72基、
歩兵戦闘車31台、
装甲兵員輸送車 58 両、
544 装甲戦闘車両
自動車177台、
銃器37丁、(自走砲ではないかと思います)
5つの防空システム、
HIMARS MLRS 3基を含むミサイルランチャー11基等
外国人傭兵⇒彼らはクルスクで数十人によって排除されている
戦車などの種類
(イギリス)チャレンジャー 2 2両
(アメリカ)エイブラムス戦車 1両
HIMARS 3台
ストライカー 12両
ブラッドリー 8両
(ドイツ)マルダー 1A3 IFV 3両
※多国籍編成です。
何しろギリシャ語を英語に翻訳し、更にそれを日本語に翻訳しているのであまり分からない部分もあります。
例示の兵器名や数は、多分一部だろうと思います。
外国人傭兵も数十名、撃破されたようです。
ロシア国防省に発表がソースですから、膨らんでいる部分もあるかもしれませんが、少なくはない損失が出ているようです。
特に兵員数が多いです。
今の戦場をウクライナ軍が維持しようと思えば、追加の部隊を投入している可能性が高いと思います。
ウクライナ軍が他の各戦場から引き抜いた精鋭の機甲部隊その他にかなりの損失が出ているのは、間違いないと思います。
スプートニク日本のロシア国防省27日分の戦果発表
https://sputniknews.jp/20240828/-827-19014628.html
◎『クルスク州方面でウクライナ軍が過去24時間に失った人員数は最多で400人に、装甲車両は30台に及んだ。ロシア国防省が発表した。』
◎27日にかけての深夜、ウクライナの最重要軍事空港インフラに対し、ロシア軍は極超音速空対地ミサイル「Kh-47M2キンジャール」をはじめとする精密兵器および攻撃ドローンによる集団攻撃を行った。
27日のロシア軍は大戦果のようで、少なくはないですね❓
ウクライナ軍は、もう相当数の精鋭の機甲部隊の兵士や武器を失っているようです。
あと1か月も続けると、どうなることやら❓
※関連記事目次
「中立の視点で見るウクライナ紛争」の目次⑥
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【2024年最新】報道の自由度ランキング 日本は70位に下落、ワースト3か国も総入れ替え
https://eleminist.com/article/3483
1位ノルウェー
2位デンマーク
3位スウェーデン
4位オランダ
5位フィンランド
△10位ドイツ
△14位カナダ
△21位フランス
△23位イギリス
▼46位イタリア
▼55位アメリカ
61位ウクライナ
62位 韓国
★70位 日本
101位イスラエル
162位ロシア
172位 中国
まず目につくのは、北欧の国とオランダが報道の自由度の評価が高いです。本当の意味で民主主義に近い国です。
以下、ランキングが低下するごとに民主主義度合いも低下します。
アメリカは、55位で相当低いです。民主主義度合いの低い国です。独裁国家と民主主義国家の、真ん中ぐらいです。
独裁国家とは言えないけれど、民主主義国家とも言えないという程度の評価です。
日本は、さらに低く70位は独裁国家に近い方の位置です。
民主主義度合いが相当低いアメリカの情報を更に歪めて垂れ流しているからです。
だからアメリカの情報は、相当疑う必要があります。
日本の情報は、そもそも最初から嘘を疑うべきレベルにあります。
これを誤解している日本人は、特に高い年齢層では多すぎると思います。テレビや新聞が事実を報道していると思い込んでいる人が、これまでのこの日記のコメント欄を見ても実に多かったです。
もう一度、報道の自由度70位の意味を考えるべきだと思います。
私は無料のネット上のメデイアの記事やニュースしか見ません。日本のメデイアは、どちらかと言うと国内ニュースを見るために、チェックしています。
時事日記を書いていると海外ニュースに関しては日本のメデイアの記事は、ほぼ無意味です。独自取材がほとんどありません。ほぼ外国メデイアの転載ばかりです。
更に報道の自由度を低下させるのは、日本政府の報道指導(報道規制と同じ)が加わります。
更にここにメデイア自身の自主規制が加わります。
こうやって外国のメデイアの情報すら歪めてしまうので、最後は70位になってしまいます。
国内ニュースは、国民が知っているからあまり嘘も書けないと思います。政府に胡麻をする程度の歪め方でしょうね❓
ところが、外国のニュースになると政府指導に「右へ倣え報道」になります。全部、政府広報とほぼ同じになります。せいぜい字を変えたり、切ったり加えたりして独自色を見せかけようとしますが、大した意味はありません。
特に海外情報に関しては、このような傾向ははっきりしています。だから海外情報は、政府広報を見ても同じです。
多少でも自由度の高い情報を見ようと思うなら、外国の原語版を見るべきです。外国のメデイアであろうと日本政府の指導は守っているようです。BBCを例にとると英語版と日本語版で内容が違う場合を見かけます。
そしてBBCやロイターであろうと、イギリス政府の意図の沿った報道をする場合もあります。イギリス政府が強い報道統制をする場合などです。BBCとロイターでは、ウクライナ紛争に関しては、完全にイギリス政府の統制を守っています。
話の切り出しが毎回、同じです。まずロシアを極悪だと言い、それからニュースを始めます。
「ロシア極悪」の部分にイギリス政府の統制があることが分かります。「ロシア極悪」の説明も毎回同じです。
「ロシアが先に手を出したから悪い」
これだけです。
どうしてロシアが先に手を出す必要や事情があったかの説明は一切ありません。
説明するとNATOの東方拡大が出てきて、アメリカの2014年の非合法工作が出てくると説明が出来なくなるからです。
都合の悪い部分は全部隠して、なかったことにしてしまいます。
こういうやり方をする場合は、都合の悪いことを隠して嘘を言っているケースがほとんどです。
「ロシア極悪」を繰り返して、それで洗脳してしまいます。繰り返し「嘘」を主張するのが、洗脳の一番簡単な方法です。1万回も同じことを聞けば、どんなことでも信じて疑わなくなります。
だから本来なら報道の自由度の上位の国のメデイアのニュースを読むのが一番いいと思います。
大体、分かりましたか❓
アメリカは相当報道の自由度が低く55位です。
これに日本政府の統制が加わり、マスコミの自主規制が加わった自由度70位のニュースを見ているのが、日本人です。
何かあると、わっと一方向に流れるでしょう❓
ウクライナ絶対支持など、特徴的な例です。
ウクライナもロシアも、どっちも悪いです。
一番悪質なのはアメリカです。
アメリカが一番悪い話など影すら見えないでしょう❓
どっちもどっちの話で、ウクライナだけ正義になるのは非常におかしくないですか❓
台湾海峡に危機が起きようと、日本がそこに参加する義務は全くありません。中立を守れば、いいだけのことです。
ウクライナ紛争にも同じことが言えます。
中立を保ち、どちらにも関与するべきではありません。
こんなことを書いている新聞、読んだことありますか❓
これくらい書けば、報道の自由度は5~8位くらい行けるんでないですか❓
報道の自由度が70位だから、私がサラっと書いた内容と全然違うことになります。
非常に危機的に感じたのは、これほど報道の自由度が低く政府の情報統制が行き渡っていれば、国論を戦争の方に持っていくのは、ごく簡単だろうと思います。
こういう国が代理戦争に駆り出されます。
その好例がウクライナです。