「北の山・じろう」日記

内容は主に時事問題。時々株式投資関係の記事も交じります。

シリア内戦のグチャグチャとシリア政変と関係各国の動き<2024・12・10

2025-01-12 01:17:23 | アフリカと中東

まず、政変以前のシリアに対する外国の干渉を見てみます。
途中経過は、難しすぎるので(良く分かりません)政変以前の状況です。

①旧アサド政府
ロシアとイランが支援、他に雑多なイスラム各国の過激派民兵
②シャーム解放機構
外国の関与なし、独立系
③トルコ系反政府組織
トルコが支援
④クルド人
アメリカが支援
⑤自由シリア軍
多分、アメリカが支援
⑥イスラム国(IS)⇒スンニ派超過激派
⑦イスラエル、アサド政府軍を空爆しまくり

と、このような外国勢力の関与がありました。主に6つあります。
相当、整理されてこの状態です。
それ以前は、無数の反政府勢力があり誰もそれを正確に把握することは無理だと思います。
内戦開始直後に、イスラム国の急激な勢力拡張が起き、それ以外の勢力が結束してイスラム国と戦い、やっとの思いでイスラム国の勢力を、シリア中部の砂漠地帯に押し込めました。まだ、います。

これがシリア内戦が、長く続いてきた理由です。
誰が見ても、なんだか良く分からない。一体、どうなっているんだ❓
外国が、どこを支援しようと優勢になれる勢力がいません。
そこで、アメリカ系、トルコ系、政府軍、民族系、イスラム国に集約されてやっと、一応のエリアが出来たのが、政変前のシリアの勢力圏です。
一時期は、この勢力圏で折り合おうという流れもありました。

しかし、それは内戦が下火になるだけで終わるわけでも平和が訪れるわけでもありません。

一応、内戦停止状態が生まれたのはトルコが、①と②の停戦を仲介したからです。
それが、2020年のことです。
アサド政権側は、内戦終了と見て自分のエリアの復興に取り掛かっていたようです。
しかし、シャーム解放機構は、その停戦期間を利用して自分たちの軍事力を強化していました。
「打倒アサド政権の」目的を捨ててはいませんでした。

その後の経緯は、現時点では不明です。
水面下の動きですので、外部からは知ることは出来ません。

イスラエルはアサド政府軍を、執拗に空爆して叩き続けていました。
これは異常に見えました。
今考えると、アサド政府軍とヒズボラの弱体化のために攻撃していたのであろうと思います。

反政府勢力の絶好のチャンスが訪れたのは、イスラエルとレバノンのヒズボラとの間に戦争が起きたことです。
ヒズボラは、一方的にイスラエルに叩かれて弱体化しました。ヒズボラの地上兵力がアサド政権を支えていたと言えます。
反政府組織は、イスラエルとヒズボラの停戦合意が成立するまで待って、その後行動を開始して、その後の推移はニュースで報道されている通りです。なぜ、そうしたかを考えるとイスラエルの手が空くのを、待っていたのでしょう。
イスラエルは政府軍とその関連組織を空爆で徹底的に叩く、その間隙をついて反政府勢力は進撃する。
このような密かな連携が見えます。

シャーム解放機構が行動を起こす前に、トルコ政府に連絡があったようです。
シャーム機構側の申し入れは・・・
「自力でやる。自分たちにやらせてほしい。介入は、しないで欲しい」
大雑把にこのような事であったようです。

一方で、今わかることはシャーム解放機構は自由シリア軍との共同行動も打ち合わせていたようです。
そして政府内の和平派とも打ち合わせていたようです。
おそらくシリア軍を掌握していたであろうシリア政府の和平派は、シリア軍に交戦禁止命令を出し同時に撤退命令も出したと思われます。
そうでなければ、急激な反政府勢力の進撃はあるはずもなく、あっと言う間に首都ダマスカスを掌握することもあり得ません。
結局のところ、敵味方のシリア民族派の勝利と言えると思います。
勢力の垣根を越えてシリアのために妥協して連携したと言うことでしょうね。

※この流れを見ると、排除された外国勢力があります。
ロシアは排除されたとまでは、言えません。梯子は外されましたが新政府が敵対できるような国ではありません。共産主義ソ連の時代からの長い外交関係があります。そしてシリアは、食料や肥料をロシアに依存しています。
「ちょっと、あっちに行っていてね❓」
大体、こんな扱いでしょう。

はい!わかりましたね!
排除されたのは、イランです。
完全に梯子を外されて、事実上シリアから追放されました。

イランがシリア内戦に介入した動機は不純です。
自分の目的のためにシリアを利用しました。
イランの目的は、イラン~イラク~シリア~レバノン(=ヒズボラ)の陸の回廊を作るためです。シリア国民のことなど一切考えていません。ひたすらイスラエル撲滅の自分たちの目的があるだけです。

だからシリア内戦の後半では、イスラエルとイランの戦争になっています。
他の国は、シリア内戦を終わらせたい目的があります。
イランは、自国のエゴがあるばかりです。

イスラエルは、相変わらずシリアの政府軍を叩きまくっています。
おそらく、新政府に対する援護でしょう。新政府に反対しそうな部隊がいるところを空爆しているのだろうと思います。
新政府にしても反乱分子をイスラエルが叩いてくれることは、メリットがあります。
特に叩いてほしいのは、アサド政権が招き入れた外国のイスラム過激派民兵です。
これが、かなり沢山います。国籍別だと、ウイグル・アフガン・パキスタン・イラク・パレスチナ・・・とテンコ盛りです。ここら界隈の過激派組織は、全部揃っています。
これを全部、シリア新政府が排除するのは大変です。
だからアサド政府には最後は外国の兵力が入り込んでしまい、シリア人の目から見ると外国の手先に見えていたと思います。

イスラエルは自主参加ですが、イラン系やイスラム過激派を叩く絶好のチャンスですから、新政権に援護射撃をしているように見えます。
イランとイスラエルの戦いは、シリアではイスラエルの圧勝でした。

今回のシリア政変には、様々な要素があります。
長年の膿やごみ掃除をするには、いい機会でしょう。
そうしたのち、シリアは普通の国になれると思います。
シリア民族派が、緩やかではありますが団結できたのが救いだと思います。


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